似た名前の作品を探す:かぶりを避ける確認
遊びをつくる執筆にClaudeを使用しています。

投稿画面で作品名を入力し、「公開」を押す直前の場面を考えてみます。「ほしのみち」という名前は、自分では思いついたつもりでも、すでに誰かが同じ名前を使っているかもしれません。完全に同じ名前なら気づきやすいのですが、「星の道」「ホシノミチ」「Hoshi no Michi」のように表記が違うと、検索しても見つかりません。 この記事は、公開前に名前のかぶりを確認する手順を「小さな調べもの」として設計したものです。確かめる問いは次の一つです。自分の名前の候補は、似た名前の作品と並んだとき、プレイヤーに見分けてもらえるか。 結果は記事の中にはありません。候補ごとの結果は、読者の手元で出ます。 先に挙げておくと、名前が一部重なること自体は、問題とは限りません。アソバースの公式作品には「潮目のオセロ」と「潮だまり」があり、どちらも「潮」で始まります。それでも遊びの種類を示す語(オセロ)や後半の語(目/だまり)が違えば、並んでも別の作品として読めます。この記事の手順は、かぶりをゼロにするためではありません。「どこが重なり、どこで区別できるか」を、感覚ではなく記録で判断するためのものです。
かぶりを三つに分け、準備を整える
「かぶり」は一つの現象ではありません。調べる前に三つに分けておくと、見落としが減ります。
- 文字のかぶり:表記が同じか、ほぼ同じです。「星の道」と「星のみち」が当てはまります。
- 音のかぶり:読みが同じか近いものです。「星の道」と「ホシノミチ」、漢字違いの同音語も含みます。友達に口頭で伝える場面で問題になります。
- 印象のかぶり:文字も音も違っても、連想する内容が同じものです。「星の道」と「天の川を歩く」のようなものが該当します。
この三つは、見つけ方も判断の仕方も異なります。文字は機械的に調べられ、音は読みを書き出して比べます。印象は人が見て決めます。
準備するもの
- 名前の候補を3〜5個。一つだけで調べ始めると、かぶりが見つかったときに手戻りが大きくなります。
- 候補ごとの「表記違い」の一覧。漢字、ひらがな、カタカナ、ローマ字、英語表記を、思いつく範囲で書き出します。
- 記録用の表(スプレッドシートや紙で十分です)。
- 検索する場所のリスト。アソバース内、一般のWeb検索、ゲームを配布している他のサービスの順で考えます。
- 作品のカバー画像や、タイトルの文字組みの案があれば用意します。名前が近い作品と並べるとき、見た目で区別できるかを同時に見るためです。
- 下の短いHTMLファイル。文字の近さを数値にするために使います。
手順:候補を広げ、同じ物差しで並べる
手順1 候補を広げる
候補一つにつき、表記違いを最低5つ書き出します。たとえば「ほしのみち」なら、次のようになります。
- ほしのみち
- 星の道
- ホシノミチ
- Hoshi no Michi
- 星ノ道、星のみち、ほし道
読みが複数ある漢字は、別の読みも書き足します。「道」を「どう」「みち」と読むなら、どちらの読みでも探します。
手順2 比較対象の一覧を作る
アソバース内では、ランキングの画面が手がかりの一つです。ランキングはプレイ回数・いいね数・レビュー平均で切り替えられ、ジャンルで絞り込めますが、掲載は上位50作品までです。上位50作品に入っていない作品は、この画面では見えません。そのため、ランキングだけで「同じ名前はない」と判断してはいけません。
作品名での検索ができるかどうか、検索の対象になる範囲は、現在の案内と実際の画面で確認してください。なお、架空クリエイターについては、名前とハンドルでも作品を検索できることが確認されています。ただしこれは架空クリエイターを探すための機能であり、作品名の重複確認の代わりにはなりません。
サイトの外でも調べます。一般のWeb検索では、候補を引用符で囲んで完全一致で検索し、続けて「候補名 ゲーム」の形でも検索します。表記違いは手順1の分をすべて試します。
手順3 文字の近さを数値にする
一覧が長くなると、目で比べるのに限界が出ます。そこで、見つけた作品名を貼り付けて自分の候補と比べる、小さなツールを使います。ファイルに保存してブラウザで開くだけで動き、外部通信はありません。
<!doctype html>
<meta charset="utf-8">
<textarea id="list" rows="8" cols="40">潮目のオセロ
潮だまり</textarea><br>
<input id="mine" value="しおだまり">
<button onclick="run()">照合</button>
<pre id="out"></pre>
<script>
const norm = s => s.normalize("NFKC").toLowerCase()
.replace(/[ァ-ヶ]/g, c => String.fromCharCode(c.charCodeAt(0) - 96))
.replace(/[\s\-_・!!??〜~「」『』()()]/g, "");
function dist(a, b) {
const d = Array.from({length: a.length + 1}, (_, i) => [i]);
for (let j = 1; j <= b.length; j++) d[0][j] = j;
for (let i = 1; i <= a.length; i++)
for (let j = 1; j <= b.length; j++)
d[i][j] = Math.min(d[i-1][j] + 1, d[i][j-1] + 1,
d[i-1][j-1] + (a[i-1] === b[j-1] ? 0 : 1));
return d[a.length][b.length];
}
function run() {
const mine = norm(document.getElementById("mine").value);
const rows = document.getElementById("list").value
.split("\n").filter(Boolean).map(t => {
const n = norm(t);
const m = Math.max(n.length, mine.length) || 1;
const sim = 1 - dist(n, mine) / m;
const inc = n.includes(mine) || mine.includes(n);
return {t, sim: sim.toFixed(2), inc};
}).sort((x, y) => y.sim - x.sim);
document.getElementById("out").textContent =
rows.map(r => `${r.sim} ${r.inc ? "含む" : "-"} ${r.t}`).join("\n");
}
</script>このツールがすることは三つです。全角・半角と大文字・小文字をそろえること、カタカナをひらがなにそろえること、記号や空白を除くことです。そのうえで、編集距離(一方をもう一方に変えるのに必要な、文字の追加・削除・置換の回数)から0〜1の近さを出し、一方がもう一方を含むかどうかも示します。数値が大きいほど文字が近いことを表します。テキスト欄には最初から公式作品の名前を二つ入れてあります。まず自分の候補を入れ替えて、動き方を確かめてください。
注意点があります。このツールは漢字を読みに直せません。「潮」と「しお」は別の文字として扱われます。音のかぶりを調べるには、読みを自分で書き足した行を比較欄に入れてください。
記録の取り方と、結果の読み方
何を、どの単位で、何回記録するか
記録の単位は「候補名 × 見つけた作品」の1行です。候補が4つで、各候補に近い作品が3件見つかったなら、12行になります。確認は、候補ごとに最低2回に分けて行います。1回目は手順1の表記違いをすべて使った検索、2回目は日を改めての再確認です。検索結果は更新されるため、公開の直前にもう一度行うと確実です。
- 候補名、書く内容:自分の候補の表記
- 見つけた場所、書く内容:アソバース内/一般検索/他サービス
- 相手の名前、書く内容:見つけた作品名そのまま
- 文字の近さ、書く内容:ツールの数値と「含む」の有無
- 音の近さ、書く内容:読みを並べて、同じ/似ている/違う
- 遊びの種類、書く内容:ジャンルや、名前に含まれる種類の語
- 見た目、書く内容:カバー画像や文字組みが似ているか
- 判定、書く内容:回避/要検討/問題なし
判断の目安
数値だけで決めず、三つの軸(文字・音・印象)と「遊びの種類」「見た目」を組み合わせて判断します。
- 文字が近く、音も同じで、遊びの種類も同じ場合は、回避を第一に考えます。プレイヤーが同じ作品だと思う可能性が高い組み合わせです。
- 文字は近いが、遊びの種類を示す語や後半の語が違う場合は要検討です。「潮目のオセロ」と「潮だまり」のように、冒頭が重なっても残りの部分で区別できるかを見ます。
- 文字は違うが、音が同じ場合は、口頭で伝える場面を想像します。「ほしのみちって、あの作品?」と聞き返されそうなら、要検討にします。
- 名前は近いが、見た目がはっきり違う場合も、名前だけの問題として扱わないでください。ただし、見た目で区別できるのは、画像が見える場面だけです。検索の文字結果や、口頭の会話では名前しか頼れません。
文字の近さの数値に、決まった合格ラインはありません。最初は仮に0.6以上を「必ず目で確認する」基準にして、自分の候補群で近いものがどう並ぶかを見ながら、基準を上げ下げしてください。
同じ名前が見つかったとき
同じ名前の作品が見つかった場合は、次の順で考えます。
- 名前の後ろに遊びの内容を示す語を足せるか。
- 別の候補に切り替えるか。
- 先に公開された作品が長く遊ばれていそうな場合は、こちらが譲るか。
商標や権利に関わりそうな名前(既存の有名な作品名や企業名に近い場合)は、この確認だけでは判断できません。特許庁の公式情報や、専門家への相談で確認してください。
誤りやすい点
- ランキングの上位だけを見て終わる。 掲載は上位50作品です。公開されたばかりの作品や、まだ評価の少ない作品は載っていない場合があります。
- 検索が見つけた件数を「かぶりの数」とみなす。 検索で見つからないことは、存在しないことの証明になりません。表記違いを多く試すほど、見落としは減ります。
- 漢字の読みを書き出さない。 ツールは読みを推定しません。音のかぶりは、手作業で読みを書いて比べるほかありません。
- 長い名前の一部だけを比べる。 「潮」のように一字が共通しているだけで、すべてを問題にすると候補が残りません。重なった部分が名前の中心なのか、飾りなのかを見てください。
- 公開前に一度調べて終わりにする。 検討に時間がかかるほど、その間に似た名前の作品が公開される可能性があります。公開の直前に、もう一度だけ確認します。
- 公開後の名前変更を前提にする。 公開内容の更新はできますが、更新できる項目の範囲は、投稿画面で確認してください。確認できないうちは、変更できる前提で進めないほうが安全です。
次の行動
名前の候補を3つ書き出し、それぞれに表記違いを5つずつ足してください。上のHTMLを保存し、見つけた作品名を貼って、記録表の1行目を埋めるところまで進めましょう。公開の直前には、同じ手順でもう一度確認してください。
参考資料
- 特許庁「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)」の商標検索に関する公式案内