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作品名に数字を入れると何が変わるか:「8」「16」「13」で試す名前の実験設計

遊びをつくる

執筆にClaudeを使用しています。

玉とゴールが見えるゲーム模型を、小さなフレームで切り取る写真風イメージ。
記事のテーマをもとに制作したAI生成イラスト。

灯台を守る短い防衛ゲームを作った場面を考えてみます。名前の候補は「夜の灯台」です。ここに数字を足して「8夜の灯台」にすると、同じゲームなのに遊ぶ前の想像は変わるのでしょうか。16なら、13ならどうでしょうか。 この記事は結果を報告するものではなく、答えを自分で出すための実験の設計書です。核にしているのは、数字が名前に与える具体性です。「夜の灯台」からは雰囲気しか浮かびませんが、「8夜の灯台」からは「8回の区切りがある」「夜ごとに何かが変わる」といった構造が浮かびそうです。ただし、それは数字が作品の中身と合っているときだけなのか、合っていなくても印象が具体的になるのか、試さなければ分かりません。 数字に8、16、13を選ぶのは、連想の性格が違うからです。8は区切りのよい数、16は4×4や16ステップのような格子を連想させる数、13は西洋で不吉とされることがあるなど、数量以外の連想を持つ数です。連想の強さは人によって異なるので、これはあくまで仮説です。

この記事の目次
  1. 「具体性」を三つの問いに分ける
  2. 準備と手順
  3. 記録の取り方と集計
  4. 結果の読み方
  5. 誤りやすい点
  6. 次の行動

「具体性」を三つの問いに分ける

「具体的になる」は曖昧なので、検証できる三つの問いに分けます。

  • 想像:名前だけを見て、どんなゲームかを具体的に思い描けるか。
  • 記憶:しばらく後に、その名前を正確に思い出せるか。
  • 区別:似た名前が並ぶ中から、その名前を見分けられるか。

それぞれ別のテストで測るため、一つの数字が想像に効いても記憶には効かない、という結果もありえます。まとめて「効果があった」と言わず、問いごとに読みます。

準備と手順

準備するもの

  • 作品の説明文(2〜3文)。回答者には最後まで見せません。
  • 名前の候補4つ。数字を入れる位置と助数詞(「夜」のような数える単位)を揃えます。
  • 回答者。1条件あたり5人、合計20人が目安です。1人には1条件しか見せません。同じ人に4つ見せると比較が始まり、素直な第一印象が測れなくなるためです。
  • 回答を受け取る手段(チャットやフォーム)。

名前は記号で管理し、対応表は自分用に別に持ちます。

  • A、名前:夜の灯台、入れた数字:なし
  • B、名前:8夜の灯台、入れた数字:8
  • C、名前:16夜の灯台、入れた数字:16
  • D、名前:13夜の灯台、入れた数字:13

作品に「N夜」にあたる実際の区切りがない場合は、数える単位を作品の実際の構造に置き換えます。内容にない数字を無理に作る必要はありません。

回答者に出す順番

順番は固定します。説明文を先に見せると、その後の想像が説明文に引きずられるためです。

  1. 名前だけを見せ、「どんなゲームだと思いますか。1〜2文で」と聞きます。
  2. 同じ画面で「遊んでみたい度」を1〜5で聞きます。
  3. 10分ほど別の作業(暗算や雑談)を挟みます。名前には触れません。
  4. 「さっきの名前を書いてください」と聞きます。
  5. 10個ほどの名前の一覧を見せ、「さっきの名前はどれですか」と選んでもらいます。一覧のダミーは、数字入りと数字なしを混ぜます。
  6. 最後に説明文を見せ、「名前から受けた印象と実際は近かったか」を1〜5で聞きます。

記録の取り方と集計

記録は回答者1人につき1行にします。列は「記号」「想像の回答(原文)」「遊んでみたい度」「再生した名前(原文)」「再認で選んだ名前」「近さ(1〜5)」です。原文はそのまま残します。要約すると、あとで判定を変えたくなったときに戻れなくなります。

想像の回答を読むときは、記号だけを見て、数字の有無が分かる名前の一覧は別の場所に置いておきます。そうすると、期待に引きずられた判定を減らせます。

回答に「数や構造に触れた語」がどれだけ含まれるかは、次の小さなページで数えられます。「記号[Tab]回答」を1行ずつ貼って使います。名前に入れた数字そのものは、名前の繰り返しにすぎないので取り除いてから数えます。

html
<!doctype html>
<meta charset="utf-8">
<title>回答の集計</title>
<p>1行に「記号[Tab]回答」を貼ります。</p>
<textarea id="in" rows="8" cols="60"></textarea><br>
<button id="go">集計</button>
<pre id="out"></pre>
<script>
// 記号と、名前に入れた数字の対応(自分の割り当てに書き換える)
const key = { A: "", B: "8", C: "16", D: "13" };
// 数や構造を表す語の目印(作品に合わせて調整する)
const re = /[0-90-9一二三四五六七八九十]|段階|ステージ|マス|種類|回/;
document.getElementById("go").onclick = () => {
  const stat = {};
  document.getElementById("in").value.split("\n").forEach(line => {
    const [id, text] = line.split("\t");
    if (!id || !text) return;
    const t = key[id] ? text.split(key[id]).join("") : text;
    stat[id] ??= { n: 0, hit: 0 };
    stat[id].n++;
    if (re.test(t)) stat[id].hit++;
  });
  document.getElementById("out").textContent = Object.entries(stat)
    .map(([id, s]) => `${id}: ${s.hit} / ${s.n}`).join("\n");
};
</script>

このコードは目安を出すだけです。「八」「18」のように、取り除ききれない数字が残ることがあります。ヒットした回答は、必ず自分の目で読み直してください。

結果の読み方

1条件5人では、1人の違いが20ポイントの差に見えます。差が1人分なら、差とは読まないことをおすすめします。次のように、観察と判断を組み合わせて読みます。

  • 数字入りで数や構造への言及が多く、近さも高い、読み方:数字が内容を伝えている可能性があります、次の動き:その数が内容の事実であるときだけ採用します
  • 言及は多いが、近さが低い、読み方:具体的だが誤解を呼んでいます、次の動き:数字を内容に合わせるか、外します
  • 言及にほとんど差がない、読み方:数字が飾りにとどまるか、人数が足りません、次の動き:人数を増やすか、結論を保留します
  • 再生で数字が崩れる(8が18になるなど)、読み方:数字が記憶の弱点になっています、次の動き:位置や助数詞を変えて再度試します
  • 好みだけが高い、読み方:具体性ではなく響きの好みかもしれません、次の動き:想像・記憶とは別に扱います

もう一点、B・C・Dの違いは「数字の違い」だけでなく「響きの違い」でもあります。8夜と16夜と13夜は、音も長さも違います。差が出ても、数字の性格に原因があるとまでは言えません。

誤りやすい点

  • 内容と合わない数字を付ける:8夜と名乗って3夜しかない作品は、遊んだ人に誤解を残します。実験で見るのは伝わり方であり、公開名では内容と合う数字だけを使います。該当する数がなければ、数字を入れない選択も正解です。
  • 続編に見える:名前の末尾に数字が来ると、続編番号に見えやすくなります。この設計で数字を頭に置いたのはそのためです。余裕があれば「夜の灯台 8」のような末尾版を別条件で足してください。
  • 表記ゆれ:8、8、八、VIIIは別の文字です。入力時と実験時で表記を統一します。作者が入力した作品名は、アソバースの日本語/英語の切り替えで書き換えられません。数字は言語が違っても読み取れる手がかりになるかもしれませんが、これも仮説です。
  • 作品を知っている人に聞く:説明文を知っている人の想像は、名前の効果ではなく知識の反映になります。回答者から外してください。
  • 公開後のプレイ回数で測る:プレイ回数は作品起動の実測回数で、人数ではありません。同じ端末・作品の30分以内の再起動は重複が除かれます。名前の変更前後で比べても、公開時期や掲載の見え方、作品の更新など別の要因が混ざるため、原因は特定できません。作品名を公開後に更新できるかは、現在の投稿画面で確認してください。
  • 一覧での見え方を見落とす:数字が付いて名前が長くなると、カードや一覧で途切れる可能性があります。実際の画面で、狭い幅でも確かめてください。

次の行動

まず、自分の作品に実際にある数(ステージ数、マス数、制限時間など)を書き出し、名前に入れられる数字があるかを確認します。そのうえで、4つの名前を作り、5人ずつ、計20人を目安に声をかけてください。集められないときは、少人数で回答の原文を読むだけでも手がかりになります。結論の断定は避け、気になった差は人数を増やして確かめ直します。