マガジン

作品名を英語にしたときに短くなる名前、長くなる名前

遊びをつくる

執筆にClaudeを使用しています。

丸や四角の色紙と色見本を使ってゲームの画面を検討する机。
記事のテーマをもとに制作したAI生成イメージ。実際のゲーム画面ではありません。

日本語で5文字の作品名を、英語表示の画面にも出したくなる場面を考えてみます。日本語では1行に余裕で収まっていたタイトルが、英語にした途端に枠からはみ出す。反対に、日本語では長くて窮屈だった名前が、英語にすると2語で済む。こうした差は、名前の「型」によって出方が違うはずです。ただし、その傾向は実際に測らないと分かりません。この記事は、その傾向を自分の作品名で確かめる実験の設計書です。 アソバースは日本語と英語の表示切り替えに対応していますが、作者が入力した作品名や紹介文は書き換えません。英語で表示している人にも、作者が入力した名前がそのまま見えるということです。英語名を別に用意できるかどうかは、投稿画面や現在の案内で確認してください。いずれにしても、名前の長さを事前に見積もれるのは作者だけです。 この記事では結果を書きません。数字は、読者が自分で測って初めて意味を持ちます。

この記事の目次
  1. 「長さ」を三つのものさしに分ける
  2. サンプルの名前と英語名を用意する
  3. 測定の手順
  4. 記録の取り方と結果の読み方
  5. 起こりやすい誤り
  6. 次の行動

「長さ」を三つのものさしに分ける

「短くなった」「長くなった」という感覚は、実は三つの別のものを混ぜています。まずは分けて記録します。

  • 文字数、測るもの:文字の個数(スペースを含む/含まない両方)、向いている判断:入力欄の文字数制限に収まるか
  • 語数、測るもの:英語名の単語数(日本語側は数えない)、向いている判断:読みやすさ、折り返しの起こりやすさ
  • 表示幅、測るもの:実際の画面で描いたときの横幅(px)、向いている判断:枠に収まるか、折り返すか

日本語は単語の区切りがないので、語数は英語側だけ数えます。

文字数と表示幅は一致しません。一般に、日本語の全角文字は1文字がほぼ正方形の幅を取ります。英語の文字は文字ごとに幅が違い、細い文字も幅広の文字もあります。たとえば英語名の文字数が日本語の2倍になっても、幅が2倍になるとは限りません。逆に、文字数が同じでも幅が大きく違うことがあります。

枠に収まるかどうかを決めるのは最終的に幅です。ただし、入力欄に文字数制限があるなら、文字数が先に問題になります。両方を記録しておきます。

サンプルの名前と英語名を用意する

日本語名を型で分けて集める

比べたいのは「型による差」なので、型ごとに最低3つ、できれば合計15〜20個の日本語名を集めます。型の分け方の一例です。

  • 漢字中心の名詞型(例:余白の庭、月夜の配達)
  • 「の」でつなぐ型(例:雨音のピアノ、灯りのチェス)
  • 外来語のカタカナを含む型(例:プリズムの道、潮目のオセロ)
  • ひらがなを多く含む型(例:かたちのあいだ、こだまの森、潮だまり)
  • 修飾句つきの型(例:小さな軌道、時計じかけの台所)

例に挙げたのはアソバースの公式作品の日本語名です。日本語名の文字数は4文字(潮だまり、余白の庭)から8文字(時計じかけの台所)まで開いています。型を比べる素材として、ちょうど幅があります。1つの名前が複数の型にまたがるので、どの型に入れるかは最初に決めて表に書いておきます。途中で動かさないでください。

公式作品の英語表示でどんな名前になるかは、この記事では扱いません。作品を開いて確かめてください。以下では、英語名は読者が自分で作る練習用の案として扱います。他人の作品の英語名を公開する目的ではありません。

英語名は3つの方式で作る

英語名を1つだけ作ると、長さの差が「型」のせいなのか「訳し方の癖」のせいなのか分からなくなります。そこで、同じ日本語名に対して3方式で案を作ります。

  1. 直訳:語の意味をそのまま英語にします。
  2. 意訳:雰囲気や機能を短い英語で言い換えます。
  3. 音写・原語:日本語の読みをローマ字にする、または元の外来語に戻します。

3方式 × 15〜20名で、45〜60個の英語案になります。可能なら、自分以外の人にも1方式だけ作ってもらうと、癖の偏りが減ります。

測定の手順

測定は、同じ条件で行うことが大切です。使用するフォントと文字サイズを固定します。次のHTMLを measure.html という名前で保存し、ブラウザで開きます。外部ライブラリは不要で、通信もしません。

html
<meta charset="utf-8">
<textarea id="in" rows="6" cols="40">星の船,Star Ship
水辺の灯,Lamp by the Water</textarea>
<p>文字サイズ(px): <input id="px" type="number" value="20"></p>
<button id="go">測る</button>
<table border="1" id="out"></table>
<script>
const ctx = document.createElement("canvas").getContext("2d");
const w = (t, px) => { ctx.font = px + "px sans-serif"; return ctx.measureText(t).width; };
document.getElementById("go").onclick = () => {
  const px = Number(document.getElementById("px").value) || 20;
  const lines = document.getElementById("in").value.split("\n").filter(l => l.includes(","));
  let html = "<tr><th>日本語<th>英語<th>文字数(日/英)<th>単語数(英)<th>幅px(日/英)<th>幅の比(英÷日)</tr>";
  for (const line of lines) {
    const [ja, en] = line.split(",").map(s => s.trim());
    const wj = w(ja, px), we = w(en, px);
    html += `<tr><td>${ja}<td>${en}<td>${[...ja].length}/${[...en].length}`
      + `<td>${en.split(/\s+/).length}<td>${wj.toFixed(0)}/${we.toFixed(0)}<td>${(we / wj).toFixed(2)}</tr>`;
  }
  document.getElementById("out").innerHTML = html;
};
</script>

初期入力の「星の船」と「水辺の灯」は動作確認用の架空の例で、結果の見本ではありません。

手順は次のとおりです。

  1. テキスト欄の初期入力を消し、1行に「日本語名,英語名」の形で入れます。同じ日本語名を方式ごとに3行に分けます。
  2. 文字サイズは、自分のゲームのタイトル表示に近い値に固定します。迷う場合は20pxで始めます。
  3. 「測る」を押し、表を表計算ソフトに貼ります。
  4. 表に「型」「方式」の列を足し、次の節の記録表にまとめます。
  5. 別の端末やブラウザがあれば、同じ入力でもう一度測ります。フォントが違うと幅が変わるためです。2〜3環境で各1回を目安にします。

英語名にカンマを含めるとこのコードでは区切りを誤るので、カンマなしの名前で入力してください。

記録の取り方と結果の読み方

先に予想を書く

測る前に、型ごとの予想を一行ずつ書いておきます。たとえば「外来語のカタカナを含む型は、原語に戻せば短くなる」「ひらがな中心の型は、直訳すると長くなる」といったものです。当たるか外れるかは問題ではありません。外れた箇所が、この実験で一番学べる部分です。

記録表の列

1名前×1方式を1行として、次の列を残します。

  • 日本語名、型、方式、英語案
  • 文字数(日/英。スペース込みと除く)
  • 英語の単語数
  • 幅(日/英、環境ごと)
  • 幅の比(英÷日)
  • 自分のタイトル枠に収まるか(収まる/折り返す)

最後の列のために、自分のゲームのタイトル欄やカードに近い枠の幅を、実際の画面で測っておきます。サイトの具体的な表示幅はこの記事では示さないので、画面を開いて確かめてください。

読み方の目安

  • 同じ型の中でも方式によって幅の比が大きく変わる、読み取れること:長さを決めているのは型より訳し方です。方式の選び直しで調整できます
  • 方式が違っても、ある型だけ常に比が高い、読み取れること:その型の名前は英語にすると長くなりやすいです。名前自体の再考を検討します
  • 型の中でばらつきが大きい、読み取れること:傾向と言えるほどのサンプルがありません。個別の単語の問題として扱います
  • 文字数の比は高いが幅の比は低い、読み取れること:文字数制限があるなら問題になりますが、枠だけの問題なら収まります
  • 幅は収まるが、英語案の意味が日本語名と離れた、読み取れること:短さと引き換えに雰囲気を失っていないか、声に出して確かめます

「短くなった」だけで英語案を選ぶのは避けます。名前は短ければよいわけではありません。枠に収まった案が複数残ったら、意味と響きで選びます。

起こりやすい誤り

  • サンプルが少ない:型ごとに1〜2個では、傾向は言えません。型ごとに最低3つは集めます。
  • 英語案を1人で作る:癖が型の差に紛れます。方式を分け、可能なら他の人にも作ってもらいます。
  • 文字数と幅を混同する:全角と半角を同じ1文字として数えると、幅の議論と食い違います。両方記録します。
  • 大文字と小文字を無視する:英語名の大文字の多用は幅を押し広げます。表記ルール(タイトルケース、全部大文字など)を最初に決めて統一します。
  • フォントを変えながら測る:途中でフォントや文字サイズを変えると比較できません。変える場合は別の回として記録します。
  • 折り返しを許容する場面を決めていない:1行表示が必須か、2行まで許すかで合格ラインは変わります。測る前に決めます。
  • 英語表示でも作者入力の名前は変わらない点を忘れる:サイトの表示を英語に切り替えても、作者が入力した作品名は書き換わりません。日本語名と英語名のどちらをどこに出すかは、設計の判断です。

次の行動

自分の作品名を5〜10個選び、型で分けて、3方式の英語案を作ってください。今日のうちに、上のHTMLで文字数・単語数・幅を測るところまで進められます。測る前に型ごとの予想を一行ずつ書いておくと、結果の読み方が決まります。