石の数が少ない方が有利な局面を5つ探す
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オセロは最後に石が多い方が勝つゲームです。ところが対局の途中では、石の数をふやすほど苦しくなる場面があります。盤の大半が自分の色になったのに、置ける場所が減って次の一手に困る。そういう場面を考えてみます。 この記事は、石数と形勢が食い違う局面を、読者が自分の対局で5種類探すための練習問題集です。固定の配置を並べて「この局面です」と示すことはしません。盤面を一つずつ指定するより、自分の対局の中で出会った局面を、同じ物差しで見分けられるようにする方が役に立つからです。各問題では「どこを見るか」と「どう確かめるか」を示します。 遊ぶ場所は「潮目のオセロ」のひとり対局を想定しています。返る石のプレビュー、理由付きヒント、一手戻すがあるので、探す作業に向いています。
「有利」の物差しを先に決める
石数以外に何を見れば有利と言えるのか。ここを決めないまま探し始めると、「なんとなく苦しい」という感想しか残りません。この記事では、次の4つを物差しにします。
- 着手可能数:次の手番で置ける場所の数です。少ないと選択肢がなく、悪い手を強いられやすくなります。
- 外側の石:空きマスに接している石のことです。多いほど、相手に置ける場所を与えやすくなります。
- 角の行方:4つの角は一度取られると返されません。盤の隅で動かない石は、最後まで自分の石として残ります。
- 空き領域の偶奇:終盤に空きマスが連なるまとまりが、偶数個か奇数個かという見方です。
オセロの定石書でよく語られる傾向として、序盤から中盤は石を少なめに保つ側が有利になりやすいと言われます。ただしこれは傾向であり、石が少なければ必ず有利という意味ではありません。逆に少なすぎて、石が全滅して負けることもあります。だからこそ、どんな条件がそろったときに石数と形勢が逆転するのかを、自分の目で確かめる価値があります。
探す前の準備と記録のしかた
用意するものは、「潮目のオセロ」のひとり対局、紙かメモ、そして数える根気です。石数を示す表示が画面にあるかどうかは、作品を開いて確かめてください。見当たらない場合は、8行を順に数えれば足ります。
記録は5手ごとに1行にします。毎手だと数える負担が大きく、10手ごとだと変化を見逃しやすいからです。次の表の項目を書き留めます。
- 例:15、黒の石数:(数える)、白の石数:(数える)、次に打つ側の着手可能数:(数える)、角を取っている側:なし/黒/白、気づいたこと:自由記述
着手可能数は、画面に出ていなければ自分で数えます。手番が相手のときは、相手になったつもりで空きマスを一つずつ見ます。そのマスから縦・横・斜めのどれかの方向に、自分の石が連なり、その先に相手の石があれば置けます。数えにくいときは、一手戻すで自分の手番まで戻り、候補手を打ったあとの盤面を見直します。
ヒントは、自分の見立てと答え合わせするために使います。先にヒントを見ると、自分で考える機会が減ってしまいます。まず自分で「この手が良い」と決め、そのあとでヒントの理由と比べてください。ヒントの理由が自分の見立てと違ったときは、どちらの物差しを重く見ていたのかを書いておきます。
五つの練習問題
問題1:相手に選択肢がない局面を探す
問い:自分の石は少なく、相手の石が多い。それなのに、相手が次に置ける場所が1〜2か所しかない局面はどこにあるでしょうか。
見る場所:自分の石が盤の内側にまとまり、相手の石がその周りを囲んでいる形です。相手の石が外側に並ぶと、相手が置ける場所は「自分の石を挟める位置」に限られます。自分の石が内側に固まっているほど、挟める位置は少なくなります。
確かめ方:自分の手を打ったあとの盤面で、相手の着手可能数を数えます。次に一手戻して別の候補手を打ち、同じ数え方で比べます。石数が同じ手でも、相手の着手可能数に差が出るなら、それが探している局面の入口です。着手可能数が0になれば、相手はパスとなり、自分が続けて打てます。
問題2:外側に石を並べすぎた相手を探す
問い:相手の石が多いのに、その多さが重荷になっている局面はどこにあるでしょうか。
見る場所:石の数ではなく、石が空きマスにどれだけ接しているかです。1つの空きマスの周囲8方向のうち、相手の石が接している数が多いほど、自分はその空きマスに置ける可能性が高まります。相手の石が盤の外周に近い壁のように広がっているとき、自分が内側から外へ向かって置ける場所が増えます。
確かめ方:盤を見て、空きマスのうち周囲に自分の石が1つもないものを数えます。そのようなマスには、相手は置けません。逆に自分の石に接した空きマスが多いほど、相手の選択肢が増えるということです。返る石のプレビューを見ながら、返す数が少なくて済む手を選ぶと、外側の石が増えにくくなります。
問題3:相手に角を渡させる局面を探す
問い:相手の合法手が、角の隣の危ないマスしか残っていない局面はどこにあるでしょうか。
見る場所:角の斜め隣を「X」、角に隣り合う辺のマスを「C」と呼びます。これらに先に置くと、相手に角を取られやすくなります。相手の着手可能数が少ない中で、残った選択肢がXやCだけなら、相手は角を渡す手を強いられます。
確かめ方:問題1の方法で相手の着手可能数を数え、その一覧にXやCがどれだけ含まれるかを見ます。含まれる割合が高いときは、自分は無理に角へ急がず、相手に打たせる手を待つ選び方が有効になります。ここでも石の数は少ないままで構いません。角を取れば、その石は返されないからです。
問題4:辺に石を並べた相手を探す
問い:辺に並んだ相手の石が、角を取った瞬間に大量に返る局面はどこにあるでしょうか。
見る場所:盤の4つの辺です。ある辺に相手の石が長く並び、その一端の角が空いているとき、そこに自分が置ければ、辺の石が一気に自分の色になることがあります。ただし並びの途中に空きがあると、挟む形にならないので、そのまま返るとは限りません。
確かめ方:辺を1本ずつ目で追い、空きマスの位置と石の並びを書き出します。そのうえで、角に置ける手が出てきたら、プレビューで返る石を確認します。プレビューが辺全体を示したなら、石数が大きく動く局面に出会ったことになります。石数が少ない側が、この一手で逆転する典型です。
問題5:空き領域の偶奇で最後の一手を取る局面を探す
問い:終盤、空きマスのまとまりが偶数個に分かれているとき、最後に置くのはどちらでしょうか。
見る場所:空きマスが連なるまとまり(領域)ごとの個数です。一般に、偶数個の領域では、相手が先に入ると自分がその領域の最後の一手を打ちやすいと言われます。奇数個の領域では、先に入った側が最後を打ちやすくなります。最後に置いた側は、その領域の石を返し終えて締めくくれるため、石数の差が逆転する場面があります。
確かめ方:空きマスが20個を切ったあたりから、領域ごとに個数を書き出します。そのうえで、自分と相手のどちらが各領域の入口を握っているかを考えます。ただしパスが挟まると手番がずれ、この見方は成り立たなくなります。偶奇はあくまで目安なので、残り数手では実際に先を読んで確かめてください。
探すときに起こりやすい誤り
この練習で陥りやすい誤りを挙げます。
- 石を減らすこと自体を目的にする:少ない方が良いのではなく、少なくても選択肢が多く、相手が角や辺で崩れる状況が良いのです。石を減らす手ばかり選ぶと、全滅や、置ける場所の枯渇に近づきます。
- 着手可能数を自分側だけ数える:相手側の数を数えないと、問題1と3は見つかりません。
- 終盤に傾向を持ち込みすぎる:空きが少なくなると、石数の多さがそのまま勝敗に直結します。「少ない方が有利」は主に中盤までの見方です。
- 一局で結論を出す:1回の対局で見つかる局面は偏ります。複数の対局を集めて、条件の共通点を探します。
見つけた局面の読み方
記録表が埋まったら、石数が少ない側が有利だった局面と、そうでなかった局面を並べます。比べる観点は次のとおりです。
- 石数の少ない側の着手可能数は、相手より多かったか。
- 角は、どちらが取っていたか。
- 相手は外側に石が広がっていたか。
- 終盤の領域の偶奇は、自分に向いていたか。
4つのうち2つ以上が当てはまる局面なら、石数が少ないことが有利に働いていた可能性が高いと読めます。1つも当てはまらないのに有利だったなら、物差しにない別の要因があるはずです。そこは一手戻すで盤面を巻き戻し、別の手を打って差を確かめてください。
友達との招待リンクによるオンライン対局は、ヒントと一手戻すが使えません。そのため、ひとり対局で探した条件を、対人戦で試す場として向いています。
次の行動
まず「潮目のオセロ」のひとり対局を1局、5手ごとの記録表を付けながら遊んでみてください。終わったら、問題1から5のうち、いくつの条件に当てはまる局面があったかを数えます。次の対局では、その中でいちばん見つけにくかった問題を意識して打ってみましょう。


