相手の手番を飛ばさせる「パスさせる手」の作り方
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オセロの終盤で空きマスが残り2つになり、どちらにも自分の打てる手がある場面を考えてみます。どちらから打っても石は返せます。ところが片方を先に打つと、相手はその後に打てるマスがなくなり、手番を飛ばすしかなくなります。そうなると自分は続けて2回打てます。 この記事では、その「パスさせる手」を、確かめやすい小さな盤面で練習します。問いは「相手に打てるマスを残さないために、どの順で打つか」です。盤面は言葉で完全に示し、一手ずつ確かめられるようにしています。ただし、実戦でこんなに黒い盤面になることはまずありません。考え方を取り出すための練習用の図とお考えください。
問題1:2つの空きマスのどちらから打つか
座標は、左から右へ a〜h、上から下へ 1〜8 とします。左上が a1、右下が h8 です。黒の手番で、盤面は次のとおりです。
- 空きマスは a1 と h8 の2つだけです。
- 白の石は b1、g8、h6 の3つだけです。
- それ以外の59マスはすべて黒です。
行ごとに言い直すと、次のようになります。
- 1行目:a1 は空き、b1 は白、c1〜h1 は黒です。
- 2〜5行目:すべて黒です。
- 6行目:a6〜g6 は黒、h6 は白です。
- 7行目:すべて黒です。
- 8行目:a8〜f8 は黒、g8 は白、h8 は空きです。
黒の合法手は a1 と h8 の2つです。a1 に打つと、東隣の b1(白)の先に c1(黒)があるので、b1 だけが返ります。h8 に打つと、西隣の g8(白)の先に f8(黒)があるので、g8 だけが返ります。
問いは次の2つです。
- a1 と h8 のどちらを先に打つと、最終的な石数が良くなりますか。
- その理由を「白がどのマスに打てるか」で説明してください。
答え合わせ:一手ずつ追う
h8 から打つ場合
黒が h8 に打つと g8 が黒になり、白の石は b1 と h6 の2つになります。残る空きマスは a1 だけです。
白が a1 に打てるかを、方向ごとに確かめます。
- 東:隣の b1 は白で、自分の石です。先に黒を挟まないので返せません。
- 南:a2〜a8 はすべて黒で、その先は盤の端です。白で挟めません。
- 南東:b2、c3、d4、e5、f6、g7、h8 がすべて黒で、その先は盤の端です。白で挟めません。
白に合法手はないので、パスになります。黒は続けて a1 に打ち、b1 を返します。最終は黒63、白1(h6 だけ)です。
a1 から打つ場合
黒が a1 に打つと b1 が黒になり、白の石は g8 と h6 の2つです。残る空きマスは h8 だけで、白の手番です。
白が h8 に打てるかを確かめます。北隣の h7 は黒で、その先の h6 が白です。黒の h7 を挟めるので、白は h8 に打てて h7 が返ります。西隣の g8 は白の石なので、西方向は返せません。
白が h8 に打つと盤面は埋まり、最終は黒60、白4(g8、h6、h7、h8)です。
この問題の読み方
どちらの順でも黒が勝ちます。違うのは石差です。白が h8 に打てるのは、h6 の白石があるからで、これが白の足がかりになっています。足がかりのあるマスが残っているうちは、相手に打つ機会を与えてしまいます。そこで、足がかりを持つマス(h8)を先に自分で埋めれば、相手の手がなくなります。
問題2:順番が関係なくなる盤面
同じ盤面で、h6 を白ではなく黒に変えます。白の石は b1 と g8 の2つだけになります。黒の手番で、a1 と h8 のどちらから打つのが良いでしょうか。
先に結論を出す前に、問題1と同じ要領で、白の合法手を方向ごとに確かめてみてください。
確かめると、次のようになります。
- a1 を先に打った場合:白は h8 に打てるかを調べます。北は h7〜h1 がすべて黒で、端まで白がありません。西隣の g8 は白で、返せません。北西はすべて黒で、a1 も黒になっています。白は打てません。
- h8 を先に打った場合:白は a1 に打てるかを調べます。東隣の b1 は白で、返せません。南と南東はすべて黒で、白で挟めません。白は打てません。
どちらの順でも白はパスになり、黒が続けて打って、最終はどちらも黒64、白0です。この問題からわかるのは、順番が効くのは相手に足がかりがあるときだけだということです。パスさせる手を探す前に、まず相手の足がかりの有無を確かめると、考える時間を節約できます。
「パスさせる手」を探す4つの確認
実戦で使える確認の順番を、問題1の流れから整理します。
- 相手の合法手を、空きマスごとに全部書き出します。問題1では、黒が何も打たなければ白の合法手は a1 の側にも h8 の側にもあり得ました。
- それぞれの合法手について、その手を成立させている足がかりの石を特定します。足がかりとは、相手の石が挟める線の端にある、相手自身の石のことです。
- 自分の候補手が、その空きマスを埋める手か、足がかりの石を返す手かを調べます。どちらかに当たれば、相手の合法手を減らせます。
- 候補手で返した石が、別の線で相手の新しい合法手を作っていないか確かめます。返した石は自分の色に変わるので、その石が挟まれる側になって相手の足がかりを生むことがあります。
4つ目は見落としやすい点です。問題1の盤面では返した石が少ないので影響は出ませんが、返る石が多い局面では、確認なしに「パスにできた」と思い込みやすくなります。
自分の対局で練習する手順
潮目のオセロのひとり対局には、返る石のプレビューと、理由付きヒント、一手戻すがあります。ヒントと一手戻すはひとり対局のみで、友達との対局では使えません。これらは次のように練習に使えます。
- 空きマスが10個ほどになったら、一度手を止めます。
- 相手の合法手になりそうな空きマスを、頭の中で書き出します。
- 自分の候補手を一つ選び、プレビューで返る石を確かめてから打ちます。
- 相手の応手を見て、予想した合法手の一覧と合っていたかを照らします。
- 一手戻すで局面を戻し、別の候補手を同じ要領で試します。
- 2つの候補手を打ったあとの、相手の合法手の数を比べます。
記録は紙一枚で足ります。1行ごとに「空きマス数/候補手/打ったあとの相手の合法手の数」を書きます。何局か続ければ、自分がどんな形の局面を見落としやすいかがわかります。
起こりやすい誤りを二つ挙げておきます。
- パスさせることが目的になってしまうことです。相手を飛ばしても、続けて自分が打つ番です。残った手がすべて不利なマスだと、かえって損をすることがあります。相手のパスの後に自分が打てるマスを、先に調べておく必要があります。
- 相手の足がかりを数え漏らすことです。足がかりは斜めの線にもあるので、縦・横・斜めの8方向を順に見ていきます。
パスの扱いが画面上でどう表示されるかは、作品を開いて確かめてください。
次の行動
まず問題1の盤面を紙に書き写して、a1 と h8 のどちらから打つかを自分の手で追ってみてください。そのあと潮目のオセロのひとり対局で、空きマスが10個ほどの局面から、相手の合法手の数を数えながら打つ練習をしてみましょう。一手戻すを使って候補手を2つ比べると、「相手の足がかり」を見つける目が養われます。


