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手で動かす鏡のパズル:鏡の向きを紙で試す

遊びをつくる

執筆にClaudeを使用しています。

鏡とプリズムで曲がった光が小さな灯台へ届く、光反射パズルの立体イメージ。
記事のテーマをもとに制作したAI生成イラスト。

鏡を一枚切り替えただけで、光の通り道は思った以上に変わることがあります。「プリズムの道」は、鏡(/と\を切り替えられます)と色ガラスを使って、灯台へ同じ色の光を届ける8ステージの光学パズルです。画面の中では、鏡を切り替えた瞬間に光の経路が描き直されます。では、その経路を自分の頭と手で先に追えているのか、それとも切り替えてから眺めて納得しているのか。この記事は、その違いを紙と糸で確かめる実験の設計書です。 用意するのは方眼紙、厚紙の小片、糸だけです。方眼紙に盤を描き、鏡のタイルを置き、光の通り道を糸で作ります。鏡を動かすたびに糸を張り直す作業は、画面の自動描画を手作業に置き換えたものです。「予測してから確かめる」という順番を自分で作れるのが、この方法の核になります。 問いは二つです。一つ目は、鏡を一枚切り替えると、通り道のどこから先が変わるかを、触る前にどこまで言い当てられるかです。二つ目は、紙で経路を追う練習をしてから作品を遊ぶと、切り替えの回数や迷い方に違いが出るかです。どちらも結果はここには書きません。記録の取り方と読み方を示すので、ご自身の記録から答えを出してください。

この記事の目次
  1. 紙の上で、光の曲がり方を決める
  2. 準備するもの
  3. 手順
  4. 記録の取り方
  5. 結果の読み方と起こりやすい誤り
  6. 次の行動

紙の上で、光の曲がり方を決める

最初に、紙の上で使う反射のルールをそろえます。盤は方眼で、光はマスの中心を通って上下左右のどれかに進みます。鏡が置かれたマスに入った光は、次の表のとおりに向きを変えます。上は紙の上方向、右は紙の右方向とします。

  • 右へ進む、/の鏡:上へ、\の鏡:下へ
  • 左へ進む、/の鏡:下へ、\の鏡:上へ
  • 上へ進む、/の鏡:右へ、\の鏡:左へ
  • 下へ進む、/の鏡:左へ、\の鏡:右へ

覚え方は、鏡の線に光が当たって跳ね返る様子を指でなぞることです。/は左下から右上へ引いた線なので、右へ進む光は線にぶつかって上へそれます。\は左上から右下への線なので、右へ進む光は下へそれます。表を暗記するより、小さな例を一つなぞるほうが確実です。

ウォームアップ用の小さな配置

4×4の盤を考えます。行は上から1〜4、列は左から1〜4と数えます。光は行2の左の外から、右向きに入ります。行2の列3に/の鏡を一枚だけ置きます。

光は行2の列1、列2を右へ通り、列3の/で上へ向きを変えます。そのまま行1の列3を通り、盤の上端から外へ出ます。この出口の上に灯台を置けば、光は届きます。

同じマスの鏡を\に切り替えると、右へ進む光は下へ曲がります。行3の列3、行4の列3を通り、盤の下端から外へ出ます。鏡を一枚替えただけで、出口は上端から下端へ入れ替わります。「切り替えたマスより手前は変わらず、そのマスから先が変わる」という性質を、まず手で確かめてください。

なお、作品の盤の大きさや鏡の数、色ガラスの細かな挙動は、この記事では扱いません。そこは作品を開いて確かめてください。

準備するもの

次のものを用意します。いずれも身近な文房具で足ります。

  • 方眼紙:5×5か6×6のマスが取れる大きさ。マスは3cm角前後だと、タイルを置いても糸が通せます。
  • 厚紙の小片:マスに収まる大きさで、5〜8枚。片面に/、裏面に\を太線で描きます。裏返すことが「切り替え」に当たります。
  • 糸:光の通り道に使います。細めで曲げやすいものを選びます。
  • 小さな印:光源(光の出発点)と灯台(目的地)を示す色付きの付箋かシールです。
  • 色セロハンまたは色鉛筆:色ガラスの代わりです。使う場合は、通過した光の色が変わるというルールを自分で決めます。作品の色ガラスの正確な挙動は作品で確かめ、紙の側は「自分で決めた簡易ルール」と割り切ります。最初の実験では使わなくても構いません。
  • タイマー:スマートフォンのストップウォッチで十分です。
  • 記録シート:後述の項目を書き込める表です。

方眼紙の縁は、盤の外まで光が出ていく様子を糸で表すため、少し余白を残しておきます。糸を固定するために、マスキングテープや画びょうの代わりになるものがあると便利です。

手順

一つの配置につき、次の流れを1試行とします。

  1. 盤を作る。 光源と灯台の位置を決め、印を貼ります。最初は光源を左の外側、灯台を上端か下端の外側に置くと、経路が追いやすくなります。
  2. 鏡を置く。 3〜4枚を、向きをばらして置きます。光が通らない場所に置いた鏡があってもかまいません。そういう鏡が実際に何をしているかを後で見るためです。
  3. 頭の中だけで予測する。 触らず、光源から出た光がどのマスを通ってどこから出るかを、紙とは別のメモに通過マスの列で書きます。例は「行2列1→行2列2→行2列3(/)→行1列3→上端から外へ」の形です。
  4. 糸で確かめる。 光源から糸を伸ばし、鏡のマスで曲げ、盤の外まで通します。メモと糸の経路が食い違うマスに印を付け、数えます。
  5. 一枚だけ切り替える。 一枚を選んで裏返します。ここでも、糸を動かす前に「どのマスから先が変わるか」を予測して書き、それから糸を張り直して確かめます。
  6. 灯台に届くまで繰り返す。 届いたら、鏡を裏返した回数とかかった時間を記録して終了です。

条件を分けて比べる

問いの二つ目を調べるには、同じ人が条件を変えて比べます。たとえば次の二つです。

  • 条件A:紙の盤を触らずに、頭の中の予測だけで切り替える鏡を決めてから裏返す。
  • 条件B:一枚ずつ糸を張り直しながら、確かめつつ進める。

ここで気をつけたいのは、同じ配置を続けて解くと二回目は答えを覚えていることです。条件ごとに別の配置を使うか、同じ配置を数日空けて解くようにしてください。また、作品のステージを方眼紙に写して紙で解いてから作品で確かめる、という使い方もできます。その場合は、紙で解く前に作品の答えを見ないように順番を守ります。

記録の取り方

記録は、1試行ごとに1行で足ります。次の項目を決めておきます。

  • 配置の名前、書き方:配置A、配置Bなど。向きを描いた略図も残します。
  • 条件、書き方:A(予測だけ)かB(糸で確認)か。
  • 最初の予測の食い違い数、書き方:手順4で印を付けたマスの数。
  • 切り替えの回数、書き方:鏡を裏返した合計の回数。同じ鏡を2回裏返したら2回と数えます。
  • 所要時間、書き方:盤を見始めてから灯台に届くまでの秒数。
  • 気づいたこと、書き方:迷った鏡の位置、糸が詰まった場所など。

最少の切り替え回数は、作品の「最少回転の記録」に近い考え方ですが、作品側の数え方の細部は作品で確認してください。紙では「裏返した回数」と自分で定義し、その定義を記録シートの隅に書いておきます。途中で数え方を変えると、あとで比べられなくなります。

回数は、同じ条件で最低でも3試行、できれば別の日にも行います。1回の結果だけでは、その日の調子や配置の相性なのか、手法の違いなのかを区別できません。

結果の読み方と起こりやすい誤り

記録がたまったら、次のように読みます。

  • 食い違いが特定の鏡のところで始まっている場合。 その鏡で向きを取り違えている可能性があります。表の「入ってくる光の進行方向」を、進行方向ではなく光が来た側と混同していないかを見直します。
  • 食い違いが鏡の数に比例して増えている場合。 一つ曲がるごとに進行方向の把握が崩れているのかもしれません。曲がるたびに矢印を描き足す書き方に変えると、改善するかを試せます。
  • 条件Aで切り替え回数が多く、条件Bでは少ない場合。 糸で見ることが判断を助けている可能性があります。ただし配置の難しさの差でもありうるので、配置を入れ替えて同じ傾向が出るかを確認します。
  • 条件による差がほとんどない場合。 紙の再現が作品の遊び方に影響を与えているかどうかは、この方法では見えにくいと判断します。その場合は、作品でも切り替え回数と迷った場所を記録して、紙の記録と並べます。

起こりやすい誤りは次のとおりです。

  • 鏡の裏表の取り違え。 タイルを置くとき、見えている面と記録がずれることがあります。置いたら向きを声に出すか、略図に即座に書きます。
  • 斜めに進ませてしまう。 光は上下左右にしか進まないというルールを、糸を引くうちに崩してしまいがちです。糸は必ずマスの中心を通る直線にします。
  • 同じマスを二度通る経路。 光が鏡のあるマスに別の向きでもう一度入ることがあります。その場合、二度目も表のとおりに曲がります。通過した順に番号を振ると見落としません。
  • 記録の途中で数え方を変える。 切り替えの回数に、予測のために指で試した動きまで含めると、比較できなくなります。実際に裏返したときだけ数えます。
  • 覚えてしまった配置で比べる。 答えを知っている配置では、予測の力ではなく記憶を測ることになります。

次の行動

方眼紙に4×4の盤を描き、ウォームアップの配置(行2列3の/を一枚だけ)で、鏡を裏返す前後の糸の経路を確かめてみてください。慣れたら「プリズムの道」の最初のステージの配置を写し、紙で解いてから作品を開いて、自分の記録と切り替えの回数を見比べます。手を動かした分だけ、画面の光の描き直しを予測して見られるようになるかどうかが、ご自身の記録から見えてきます。