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生成した絵の権利と表示:作品ページにどう書くか

遊びをつくる

執筆にClaudeを使用しています。

コード・絵・音を表す三つの作業領域を、中央の手と黄色い駒がつなぐ版画
記事のテーマをもとに制作したAI生成イラスト。

作品ページを開いた人が、カバー絵を見て「これは手で描いたのだろうか、それとも生成なのだろうか」と思う場面を考えてみます。ページには「生成AI使用」の一語だけが書かれています。では、キャラクター絵も効果音も生成なのでしょうか。素材を借りて自分の動画や作品に使ってよいのでしょうか。一語の表示は誠実に見えますが、読み手の疑問の多くは残ったままです。 この記事は、その差を自分で測るための実験の設計書です。題名の問いは「作品ページにどう書けば、読み手に伝わるか」です。権利の結論を出す記事ではありません。生成物の著作権上の扱いは、国や利用するツールの規約によって異なり、この記事では断定できないからです。扱うのは、事実として分かっていることを、読み手が誤解しない形で表示に落とすところまでです。表示文の実例を3案並べ、読み手が3つの質問に答えられるかを確かめる手順を示します。結果はここには書きません。

この記事の目次
  1. 表示文が答えるべき3つの問い
  2. 準備:素材台帳と規約の控え
  3. 手順:3種類の表示文を書いて読み比べる
  4. 記録と結果の読み方
  5. 起こりやすい誤り
  6. 次の行動
  7. 参考資料

表示文が答えるべき3つの問い

表示文の役目は、権利を主張することだけではありません。作品ページを読んだ人が次の3つに答えられる状態をつくることです。

  1. どの素材が生成で、どれが手描きや配布素材か。 一語の「AI使用」では素材ごとの区別がつきません。
  2. 作者の手はどこに入っているか。 構図の指示、修正、文字入れ、組み込みなど、作者が担った工程です。
  3. 取り出して使い回してよいか。 読み手が最も迷い、後でトラブルになりやすい点です。

この3問を、実験では読み手への質問として使います。表示文は短いほど読まれやすくなりますが、短すぎると3問のどれにも答えられません。実験では、その釣り合いが取れる地点を探します。

準備:素材台帳と規約の控え

表示文を書く前に、事実を集めます。書く内容が曖昧なまま文章を磨いても、表示は正確になりません。

素材台帳をつくる

作品に使った素材を、1素材1行で書き出します。最低限の列は次のとおりです。

  • 素材名(カバー絵、キャラクター絵、効果音、BGM、フォントなど)
  • 出どころ(生成、手描き、配布素材、自作演奏など)
  • 生成の場合は、使ったツール名と、利用した時期
  • 作者が加えた工程(構図の指示、描き直し、色の調整、文字入れなど)
  • 利用規約で確認した点(商用利用の可否、出力物の権利の扱い、クレジット表記の要否)

最後の列は、必ずツールの利用規約を自分で読んで埋めます。規約は更新されることがあるため、読んだ年月も控えておきます。規約の読み方に迷う点や、商用利用を考えている場合は、公式の案内や著作権に詳しい専門家に確認してください。ここに書いたことは法的な助言ではありません。

読み手役と質問を用意する

表示文の良し悪しは、書いた本人には判断できません。読み手役を、案ごとに3人以上用意します。同じ人に複数の案を読ませると、2案目以降は前の案で内容を知ってしまい、比較が歪みます。人数が足りなければ、1人に1案だけ読んでもらうか、数日あけて読む順番を入れ替えます。

質問は、先ほどの3問を具体的な作品に合わせて作ります。次の例は、この記事の中だけで使う架空の作品「星屑の釣り堀」を想定したものです。

  • 質問1:カバー絵は、生成と手描きのどちらですか。
  • 質問2:キャラクター絵は、生成と手描きのどちらですか。
  • 質問3:このページの素材を、作者に連絡せずに自分の作品へ使ってよいでしょうか。

手順:3種類の表示文を書いて読み比べる

同じ素材台帳から、情報量の異なる3つの表示文を作ります。以下は、架空作品「星屑の釣り堀」の台帳を前提にした表示の実例です。実際の作品に使うときは、自分の台帳の内容に置き換えてください。

案A:一語の表示

この作品には生成AIを使用しています。

案B:素材別の表示

カバー絵:画像生成AIで作成しました。構図の指示と文字入れは作者が行っています。キャラクター絵:作者の手描きです。効果音:配布素材を、提供元の規約の範囲で使用しています。BGM:作者が演奏して録音しました。

案C:素材別+再利用の範囲+連絡先

(案Bの内容に続けて)生成ツールの利用規約は、制作時に確認した内容に従っています。このページの素材を取り出して再配布することは、ご遠慮ください。転載や二次利用をご希望の場合は、プロフィールに記載した問い合わせ先にご相談ください。

案Cの「ご遠慮ください」は、作者のお願いとして書いた文です。法的な拘束力を持つかどうかは、ツールの規約や国の法制度によって変わるため、強い言い切り表現にはしていません。自分の作品に書く場合も、何を求めるのかを、確認できた範囲で書きます。

表示文の下書きを組み立てる最小ツール

台帳が長くなると、文の書き方がぶれます。次の最小のHTMLは、台帳の配列から案B形式の行を機械的に組み立てます。外部ライブラリは使わず、ファイル1枚で動きます。

html
<pre id="out"></pre>
<script>
const assets = [
  { name: "カバー絵", how: "画像生成AIで作成", hand: "構図の指示と文字入れは作者" },
  { name: "キャラクター絵", how: "作者の手描き", hand: "" },
  { name: "効果音", how: "配布素材", hand: "提供元の規約の範囲で使用" }
];
const lines = assets.map(a =>
  "・" + a.name + ":" + a.how + (a.hand ? "(" + a.hand + ")" : "")
);
document.getElementById("out").textContent =
  "素材の出どころ\n" + lines.join("\n");
</script>

配列を書き換えるだけで、全素材が同じ書式で並びます。素材を足したときに書き漏らしにくくなるのが利点です。出力した文は、そのまま使わず、必ず読み返して調整してください。

読み手に行ってもらう手順

  1. 読み手に、案の文だけを見せます。作品そのものや、他の案は見せません。
  2. 30秒ほど読んでもらいます。
  3. 文を隠すか閉じてから、質問1〜3に答えてもらいます。
  4. 答えのほかに、迷った言葉や、分からなかった点を一言で書いてもらいます。

文を見せたまま答えさせると、読み取れたかどうかではなく、探せたかどうかを測ってしまいます。この点は分けて扱います。

記録と結果の読み方

記録は読み手1人につき1行で、次の項目を残します。

  • 読んだ案、記録の単位:A/B/C
  • 質問1〜3の答え、記録の単位:正解・不正解・「分からない」のいずれか
  • 読むのにかかった時間、記録の単位:秒(目安で十分です)
  • 迷った言葉、記録の単位:自由記述を一言

「分からない」は不正解と分けて数えます。読み手が間違った理解をしたのか、判断を保留したのかでは、直し方が変わるからです。

結果をどう読むか

自分で記録を取ったあと、次のように読み解きます。

  • 案Aで質問1・2の正解が少なくても、それは想定どおりです。 一語の表示は素材ごとの区別に答えない、という前提の確認になります。気にするべきは、案Aで「全部が生成」と思った人がいるかどうかです。事実と違う理解が広がっていれば、表示が誤解を招いていることになります。
  • 案Bで質問1・2は正解でも、質問3が「分からない」に偏った場合は、再利用の範囲が書かれていないことが原因です。 案Cとの差が、再利用の一文の効果を示します。
  • 案Cで質問3の答えがそろっても、読むのに時間がかかりすぎる場合は、文が長すぎる可能性があります。 迷った言葉の欄を見て、削れる部分を探します。
  • 「生成」「AI補助」「AI使用」など、似た言葉の混在に注意します。 迷った言葉の欄に、同じ語が何度も出てきたら、言い換えを一つに統一します。

3人程度の記録では、割合から強い結論を引き出せません。目的は統計を取ることではなく、どの文でどの誤解が起きるかを見つけることです。誤解の種類が見つかれば、その箇所を直して、別の読み手でもう一巡します。

起こりやすい誤り

実験と表示の両方で、つまずきやすい点があります。

  • 台帳を作らず、記憶で書く。 制作後半で差し替えた素材が、表示に反映されないことがあります。公開内容を更新するたびに、台帳を見直します。
  • 「生成」という語一つに、複数の意味を詰め込む。 作者が一から指示した場合と、既存の絵を生成ツールで加工した場合は、工程が違います。台帳の「作者が加えた工程」の列で区別します。
  • 規約を読まずに「自由に使えます」と書く。 ツールによって、出力物の扱いやクレジットの要否は異なります。確認できていない点は、断定せず、確認できた範囲だけを書きます。
  • 自動生成の紹介文を、そのまま採用する。 アソバースの投稿画面にある「紹介文と遊び方を作成」は、公開済みURLまたは本人の検証済みアップロードを読み取って下書きを作る機能で、「この文章を使う」を押した場合だけ内容が反映されます。素材の出どころや権利関係を知っているのは作者だけなので、下書きを使う場合でも、表示文は自分で確認して足します。専用の申告欄が投稿画面にあるかどうかは、現在の案内で確認してください。
  • 見え方を確かめない。 投稿は入力、表示の確認、公開の3段階です。表示の確認の段階で、自分の書いた文が作品ページ上でどう見えるかを必ず見ます。下書き保存を使えば、案を替えながら見比べられます。

公式作品の表示から読み取れること

アソバースの公式作品の案内には、表示のヒントになる設計があります。公式作品のカバー画像は生成したアートワークであり、ゲーム画面のスクリーンショットではない、と説明されています。画像の作り方だけでなく、「この画像はゲームの画面ではない」という点まで区別して伝えているのが、設計から読み取れることです。読み手は、絵の出どころと同時に、絵が作品の何を表しているかも気にします。自分の作品でも、カバー絵が実際のプレイ画面と違うなら、その旨を一文添えると誤解が減ります。

また、架空クリエイター13名は、カードとプロフィールに「架空クリエイター」と表示され、実際の制作・公開元はアソバースであることが説明されています。読み手が誤認しやすい点を、表示そのものに入れている例です。これらの作品が具体的にどう画面に出ているかは、作品を開いて確かめてください。

次の行動

まず、いま作っている作品の素材を1素材1行で書き出し、台帳を作ってください。次に、案A・B・Cの3つを自分の台帳で書き、案ごとに別の読み手へ見せて、3つの質問への答えを記録します。誤解が見つかった箇所を直したら、投稿画面の下書き保存で見え方を確かめてから公開してください。権利の判断に迷う点は、ツールの利用規約や公式の案内、専門家で確認します。

参考資料

  • 文化庁「AIと著作権」に関する公式資料
  • 利用した各生成ツールの利用規約・利用ガイドライン
  • アソバースの投稿に関する現在の案内