カバー画像を「ゲーム画面ではない」と伝える表示
遊びをつくる執筆にClaudeを使用しています。

ゲームの一覧に、色と形だけで世界観を伝えるカバー画像が並んでいる場面を考えてみます。見た人が「この画面を操作して遊ぶのだ」と受け取ったまま作品を開くと、実際の画面はもっと素朴かもしれません。そのとき残るのは、期待を裏切られた感覚です。作品の出来とは別の理由で、第一印象が下がってしまいます。 アソバースの公式13作品のカバー画像は、生成したアートワークです。ゲーム画面のスクリーンショットではありません。作品ごとにタイトルの文字組みも違い、縦組みの明朝、手描き文字、郵便ラベル、夜の標識、光の幾何学、メニュー風と分かれています。カバーは世界観を伝える絵であり、プレイ画面の見本ではありません。 この記事は、その違いを「どう表示すれば誤解なく伝わるか」を自分で確かめるための実験設計書です。結果は書いていません。表示案を4つ用意し、少人数に見せて、どの案が誤解を減らすかを比べます。ご自身のゲームのカバーでも、そのまま使えます。
何を確かめるのか:誤解を二つに分ける
「ゲーム画面だと思われた」と一括りにすると、対策がぼやけます。まず誤解を二種類に分けます。
- 誤解①(同一視):カバー画像が、遊ぶ画面そのものだと思う。
- 誤解②(期待のずれ):画面そのものとは思わないが、絵柄や操作の感触が近いと期待する。実際に開くと、かなり違う。
誤解①は「はい/いいえ」で測れます。誤解②は、開いた後の印象を聞かないと見えません。注記を足すだけで①は減っても、②が残ることは十分あり得ます。この実験は、両方を測る設計にします。
比べる対象は次の問いです。
カバー画像に付ける表示の違いで、「画面そのもの」と答える人の割合と、実画面を見たときの「想像との差」の感じ方は変わるか。
なお、公式作品のカバーに現在どのような注記が付いているか、実際のプレイ画面がカバーとどの程度違うかは、ここでは断定しません。作品を開いて、ご自身の目で確かめてください。
比較する4つの表示案
表示案は、情報量を段階的に増やした4つです。
- A、表示:注記なし、ねらい:基準。何も足さないときの誤解の量を知る
- B、表示:小さな注記「イメージ」、ねらい:最小の手間で足りるかを見る
- C、表示:カバーの下に、実際の画面の例を並べる、ねらい:絵を見比べさせて、差を直接示す
- D、表示:「生成アートワーク(ゲーム画面ではありません)」と明記、ねらい:言葉で断定する
Bは短い分、何のイメージなのかが曖昧です。Dは正確ですが、文字が長く、小さな枠では読まれにくくなります。Cは言葉に頼らない代わりに、実画面を用意する手間がかかります。
どれが勝つかは、事前には決めません。自分のカバーと読者に合う案を、データで選ぶのがこの実験の目的です。
準備と手順
準備するもの
- 検証したいカバー画像(なければ後述のコードの仮のグラデーションで代用できます)
- 実際のプレイ画面の画像(案Cに使用。ご自身の作品から1枚)
- 見てくれる人。案ごとに別の人を割り当てます。目安は1案あたり5人以上で、合計20人前後です。人数が少ないので、結果は「傾向」としてだけ扱います。
- 記録用の表(次の節)
割り当て用の簡易ページ
次のHTMLを1ファイルに保存してブラウザで開くと、案をランダムに割り当て、回答を画面に記録します。外部通信はありません。URLの末尾に #A から #D を付けると案を固定できます。案Cの下側の枠は、ご自身の実画面に差し替えてください。
<!doctype html>
<meta charset="utf-8">
<title>カバー表示テスト</title>
<style>
body{font-family:sans-serif;max-width:420px;margin:1em auto}
.cover{height:200px;background:linear-gradient(135deg,#2b4b7a,#e8a87c);border-radius:8px;position:relative}
.tag{position:absolute;left:6px;bottom:6px;background:#000a;color:#fff;font-size:12px;padding:2px 6px}
.real{height:100px;background:#ddd;margin-top:8px;border-radius:8px}
</style>
<div id="v"></div>
<p>この画像は、遊ぶ画面そのものですか。</p>
<button>はい</button><button>いいえ</button><button>わからない</button>
<pre id="log"></pre>
<script>
const P={A:'',B:'イメージ',C:'',D:'生成アートワーク(ゲーム画面ではありません)'};
const k=Object.keys(P);
let c=location.hash.slice(1).toUpperCase();
if(!(c in P))c=k[Math.floor(Math.random()*k.length)];
v.innerHTML='<div class="cover">'+(P[c]?'<span class="tag">'+P[c]+'</span>':'')+'</div>'
+(c==='C'?'<div class="real">実画面に差し替え</div><small>上:カバー/下:実際の画面</small>':'');
document.querySelectorAll('button').forEach(b=>b.onclick=()=>{log.textContent+=c+','+b.textContent+'\n'});
</script>手順
- 見てくれる人を案A〜Dのどれかに割り当てます。同じ人に複数の案を見せないでください(理由は後述します)。
- 画像を見せます。見る時間は自由で、説明は加えません。
- 質問1:「この画像は、遊ぶ画面そのものですか」。はい/いいえ/わからないで答えてもらいます。
- 質問2:「この作品を開いたら、どんな画面が見えると思いますか」。自由記述、または口頭で短く答えてもらいます。
- 作品の実際の画面を見せます。
- 質問3:「さきほど想像した画面と比べて、実際の画面はどうでしたか」。近い/少し違う/かなり違う、の三択です。
質問の順番は固定してください。質問3を先に聞くと、質問1の答えが引きずられます。
記録の取り方と結果の読み方
記録の取り方
1人につき1行、次の列で記録します。
見た人の番号 / 案 / 質問1 / 質問2(要約) / 質問3 / メモ(端末・画面サイズなど)
質問2は自由記述なので、後から「画面の構成まで具体的に書いたか」「雰囲気の言葉だけか」の二つに分けて数えると集計できます。分け方の基準は、見る前に決めておきます。
集計の単位は案ごとです。質問1は「はい」の人数、質問3は「かなり違う」の人数を並べます。各案が少人数なので、割合ではなく人数のまま見てください。割合にすると、1人の違いが大きく見えすぎます。
結果の読み方
読み方は、データを集める前に決めておきます。たとえば次のように判断基準を書き出します。数値は例なので、自作の基準に置き換えてください。
- Aで質問1の「はい」が多い場合:注記なしだと同一視が起きやすい、という根拠になります。B〜Dで「はい」が減っているかを見ます。
- Bが減らず、Dが減る場合:「イメージ」だけでは足りず、「ゲーム画面ではない」と断定する言葉が効いている可能性があります。
- 質問1は減ったが、質問3の「かなり違う」が残る場合:誤解①は解けても②が残っています。Cのように実画面を見せる案を検討します。
- どの案でも差が見えない場合:表示の問題ではなく、画像そのものが画面らしく見えすぎているのかもしれません。構図や文字の入れ方を変えて、もう一度回します。
- Dの「はい」は減ったが、「わからない」が増えた場合:文言が長くて読まれていないか、意味が分かりにくい可能性があります。メモ欄の端末や画面サイズも確認します。
事前の基準の例として「Aで『はい』が半数を超え、いずれかの案で明確に下回るなら、その案を採用候補にする」と決める方法があります。20人前後の調査は、確かな結論を出すものではありません。採用候補を絞り込み、次の改善点を見つけるためのものと捉えてください。
起こりやすい誤り
同じ人に複数の案を見せる。 一度「実はこれは画面ではない」と気づいた人は、次の案でも気づいた状態で見ます。案ごとに人を分けてください。人数が足りないときは、日を空けて別の画像で比べる方法もありますが、その場合は順序の影響をメモに残します。
質問が誘導になる。 「これはゲーム画面ではありませんよね」と聞けば、誰でも「はい」と答えます。質問1は、文面どおり中立に読み上げてください。
注記が小さすぎる、または見えない場所にある。 Dの文言が、画像の隅で小さく薄く表示されていると、読まれません。実験前に、スマートフォンの縦画面など、一番狭い条件で読める文字の大きさか確かめてください。画像の明るい部分に白い文字を重ねると、読めなくなります。
ライト・ダークや言語の違いを見落とす。 アソバースはライト/ダークの切り替えと、日本語/英語の表示切り替えに対応しています。注記が背景色や言語で読みにくくならないか、各条件で目視してください。ただし、作者が入力した作品名や紹介文は切り替えで書き換わりません。注記を自分で書く場合は、必要な言語分を用意します。
動きのある表示を使う。 注記を点滅させたり、ゆっくり出したりする工夫は、動きを抑える設定を使っている人には届きません。静止した表示で成り立つ案を、基本にします。
カバーを「悪者」にする。 カバーは世界観を伝える大切な入口です。この実験は、絵を消すためのものではありません。絵が「約束」と誤読されない工夫を探すものです。
公式の仕様を推測で語る。 公式作品のカバーの扱いは、現在の作品ページや案内で確認してください。実験の根拠に、見えていない仕様を使わないようにします。
次の行動
まず、ご自身のカバーに案A〜Dを当てはめ、上のHTMLで割り当てページを作ってみてください。集める人数は、20人前後で十分です。事前に判断基準を紙に書いてから回し、質問1と質問3の人数を案ごとに並べてみてください。公式作品のカバーと実際のプレイ画面を見比べると、「どこまでが雰囲気で、どこからが画面か」の感覚をつかめます。

