絵柄を言葉で指定すると何が変わるか:切り絵・手描き・粘土を同じ説明で比べる実験設計
遊びをつくる執筆にClaudeを使用しています。

「帽子をかぶった丸い顔の灯台守」という説明を、切り絵で作ったらどうなるでしょうか。手描きでは、粘土ではどうなるでしょうか。説明は同じで、変えるのは絵柄の選択だけです。この3枚を並べると、絵柄の選択が画像のどこまでを決め、どこからが説明文や生成のばらつきで決まるのかが見えてきます。 アソバースのアバター生成では、「自分だけのアバターを作る」で説明と絵柄(切り絵・手描き・粘土)を選び、画像を生成できます。この仕組みは、絵柄の効き方を小さく安全に試す実験台として使えます。ゲームを作る人にとっては、自作ゲームのアイコンやキャラクター、カバー画像の絵柄をどう言葉で伝えるかという練習にもなります。 この記事は結果を報告するものではありません。実験の設計書です。何を準備し、どの順で生成し、何をどの単位で記録し、出てきた3枚をどう読むかを示します。答えは読者自身の手元で出ます。
この記事の目次
準備:制限を先に確認し、比べる条件を決める
最初に、生成に関する確認済みの制限を押さえます。
- メール確認済みのアカウントだけが使えます。
- 生成は1人1時間に1回までです。
- 全体では UTC の1日あたり10回までです。日本時間では午前9時が日付の切り替わりです。
つまり3絵柄を比べるには、最低でも3回の生成を1時間以上あけて行う必要があります。全体の上限に達していると、その日は生成できないこともあります。実験は、1日で終わらせようとせず、日を分ける前提で組みます。
準備するものは次のとおりです。
- メール確認を済ませたアカウント
- 固定する説明文(後述)
- 記録用の表(紙でもスプレッドシートでも構いません)
- 画像を保存するか画面を撮る手段。保存の可否や形式は画面を開いて確かめます。
- 絵柄名を伏せて見てもらえる第三者が1人以上いると理想的です。必須ではありません。
説明文は「絵柄の言葉」を入れずに作る
実験の核は、説明文を固定して絵柄だけを動かすことです。そのため、説明文に「切り絵風」「やわらかい粘土のような」といった素材や画風を示す語を入れてはいけません。入れると、選択した絵柄と二重に指定することになり、何が効いたのか分からなくなります。
説明文は、主題・色・特徴・背景を、素材に触れずに書きます。例を挙げます。
丸い顔で帽子をかぶった灯台守。黄色いレインコートを着ている。背景は夜の海。
要素は「帽子」「黄色いレインコート」「夜の海」の3つです。あとで「説明のうち何個が見えたか」を数えられるように、確認可能な要素を3〜5個にそろえておくと便利です。説明文に文字数の上限があるかどうかは、入力欄を開いて確かめてください。
手順:説明を固定し、絵柄だけを順番に変える
1回の比較は、次の流れで行います。
- 説明文を固定し、記録表の先頭に書き写します。
- 1回目の生成で絵柄を1つ選びます。たとえば切り絵です。
- 生成された画像を保存するか、画面を撮ります。ファイル名には絵柄名と生成した順番を入れます。
- 前回の生成から余裕をみて70分ほどあけます。ちょうど1時間では、制限の数え方によって弾かれる場合があります。
- 同じ説明文のまま、次の絵柄で生成します。
- 3つ目の絵柄でも同じことを行います。
ここで効いてくるのが順序の問題です。最初に生成したものだけ好みが厳しくなる、最後は見慣れて甘くなる、といった評価側の偏りが入ります。そのため、日を分けて2セット行い、2セット目は順序を逆にします。
- 1日目、1回目:切り絵、2回目:手描き、3回目:粘土
- 2日目、1回目:粘土、2回目:手描き、3回目:切り絵
2日目は、1日目と同じ説明文を使います。書き直したくなっても我慢してください。同じ説明・同じ絵柄でも出てくる画像が毎回同じとは限りません。一般に画像生成は、同じ入力でも結果に揺れがあるものです。実際にどれだけ揺れるかは、2セットを比べて初めて分かります。
もう1つ、余力があれば、説明文を変えたセットも追加できます。ただし1人1時間1回の制限があるため、1セット3回ごとに数時間かかります。無理に一日で詰めず、複数日に分けるのが現実的です。
記録の取り方:見る観点を先に決めておく
生成画像を見てから観点を考えると、見えたものに引きずられます。生成する前に、表を作っておきます。1枚につき1行です。
- 絵柄・日・順番、見方:どの条件の画像か、記録のしかた:例:1日目・2回目・手描き
- 再現度、見方:説明の要素(帽子、レインコート、夜の海)のうち、はっきり見えた数、記録のしかた:0〜3の数字
- 輪郭、見方:縁や線がどう描かれているか、記録のしかた:短い自由記述(1行)
- 素材感、見方:紙・線・塊のような手触りを感じるか、記録のしかた:1〜5点
- 小サイズでの判読、見方:画面を縮小したとき、何の絵か分かるか、記録のしかた:分かる/迷う/分からない
- ゲームへの合いやすさ、見方:自作ゲームの雰囲気に合うか、記録のしかた:1〜5点+理由1行
小サイズの判読は、ゲームのアイコンで効いてくる項目です。ブラウザの縮小表示や、画像を小さく並べた状態で確認してください。縮小しても、ライト表示とダーク表示を切り替えて背景色を変えても、輪郭が読めるかを見ます。サイトにはライト/ダークの切り替えがあるので、同じ画像を両方で見ると違いが出やすくなります。
絵柄名を伏せた当てっこも有効です。6枚をランダムな順に見せ、「切り絵・手描き・粘土のどれに見えますか」と聞きます。自分で生成した人は絵柄を知っているので、見えるものに先入観が混じります。第三者の回答は、絵柄の違いが画像に出ているかの手がかりになります。答えは記録するだけにして、見せる前に正解を伝えないようにしてください。
結果の読み方:差が絵柄由来か、ばらつきかを切り分ける
2セット(計6枚)がそろったら、次の順に読みます。
1. 同じ絵柄の2枚を先に比べる
切り絵どうし、手描きどうし、粘土どうしの2枚を並べます。ここで構図や色が大きく違うなら、生成には揺れがあります。揺れが大きいなら、絵柄間の差は「絵柄の効果」とは言い切れません。
2. 絵柄どうしの差が、同じ絵柄の2枚の差より大きいかを見る
素材感と輪郭の記述が、同じ絵柄の2枚では似ていて、別の絵柄とは違う。もしそうなら、絵柄の選択が画像に反映されていると読めます。逆に、同じ絵柄の2枚が互いに似ていないなら、絵柄の効果は揺れに埋もれています。
3. 判断の目安
- 絵柄名の当てっこの正答が多く、素材感の記述も絵柄ごとにまとまっている場合は、絵柄の選択が十分に効いています。ゲームの世界観に合わせて、そのまま選べます。
- 当てっこの正答が少ない場合は、説明文の要素が素材感を打ち消している可能性があります。たとえば「夜の海」の暗さが強く出ると、素材の質感が見えにくくなることがあります。背景の指定を減らして再度試す価値があります。
- 再現度が絵柄によって大きく変わる場合は、その絵柄では細かい要素が省略されやすいのかもしれません。ただし、2セット分だけでは断定せず、別の説明文でも同じ向きかを確かめてください。
- 小サイズで迷う画像が出た場合は、アイコン向きではない可能性があります。大きく見せる用途と小さく見せる用途を分けて考えます。
好みの点数は最後に見ます。先に見ると、良い絵が選ばれやすくなるだけで、絵柄の傾向が読めなくなるためです。
起こりやすい誤り
- 説明文を途中で変える。 2日目に言い回しを直すと、比較の土台が崩れます。直したくなったら、新しい実験として別に記録します。
- 1回の生成で結論を出す。 生成には揺れがあるため、1枚だけの印象を絵柄の特徴として扱うのは危険です。
- 上限に当たって順序が崩れる。 全体の上限や1時間の制限で、予定どおり生成できない日があります。その場合は、実際に生成した順を記録し、欠けた条件は別の日に補います。
- 画像の保存前に次の生成へ進む。 生成後の表示がどう残るかは画面で確かめ、必ず保存または撮影してから次へ進みます。
- アバター用の結果をそのままゲーム素材の結論にする。 アバター生成は、アバター用途の機能です。ここで得られるのは、絵柄指定の言葉がどう効くかの感触であり、ゲームの素材制作の仕様ではありません。
- 権利の確認を省く。 生成画像を他の用途に使えるかどうかは、この記事では断定しません。アソバースの現在の案内や、必要なら専門家に確認してください。
次の行動
まず、素材の言葉を一切入れない説明文を1つ作り、記録表を用意してください。そのうえで今日の1回目の生成を行い、70分後に2回目、さらに70分後に3回目へ進みます。2日目は順序を逆にして、同じ説明文でもう一度繰り返します。6枚がそろったら、同じ絵柄の2枚を先に並べるところから読み始めてください。
