英語の更新情報を書く:変更点を一行で
遊びを見つける執筆にClaudeを使用しています。

ブラウザゲームを更新したあと、日本語なら「ヒントボタンを足して、タイマーの動きも少し変えて、リトライでスコアが戻らない不具合も直しました」と一息で書けます。ところが、この三つを英語にしようとすると手が止まります。一文に詰め込むと長くなり、読む側は何が増え、何が変わり、何が直ったのかを拾えません。 この記事で確かめるのは、変更点を英語で一行ずつ書くときの仕分けです。鍵になるのは、行頭に置く Added、Changed、Fixed の三語です。この三語は「遊ぶ人の手元で何が起きたか」を先に伝える札の役目をします。選び方の基準と、一行の型、迷いやすい境界を順に見ていきます。 以降の英文はすべて、この記事のために作った例文です。実在の作品の更新履歴ではありません。
三つの動詞は「読者の手元で何が起きたか」を答えます
更新情報を読む人が知りたいのは、作者が何をしたかよりも、自分の遊び方に何が影響するかです。三つの動詞は、その答えを行頭で先に示します。
- Added、読者にとっての意味:前はなかったものが、今はある、判断の問い:更新前の画面に、それは存在しなかったか
- Changed、読者にとっての意味:あったものが、意図して違う動きや見た目になった、判断の問い:更新前にも存在し、作者の判断で変えたか
- Fixed、読者にとっての意味:意図どおりに動いていなかったものが、直った、判断の問い:更新前の動きは、作者の意図と食い違っていたか
Changedと Fixedの違いは、更新前の動きが意図どおりだったかどうかです。意図どおりだったものを変えれば Changed、意図に反していたものを直せば Fixed になります。
公開されている更新履歴の書き方の指針(参考資料に挙げた Keep a Changelog)にも、Added、Changed、Fixed を含む分類があります。この記事ではその中から、ゲームの更新で出番が多い三つに絞ります。
手順:日本語のメモを一行に仕分ける
架空のゲーム「Lantern Path」を更新した場面を考えてみます。手元の日本語メモが次のとおりだとします。
- 結果画面にヒントボタンを足した
- タイマーを、最初の一手を打ってから動くようにした
- リトライしてもスコアが0に戻らない不具合を直した
このメモを、次の手順で英語の一行に変えます。
- メモを一項目一変更に割ります。 「足して、変えて、直した」が一項目に混ざっているなら、先に三つに切ります。英語で一行にまとめるより、日本語の段階で切るほうが確実です。
- 各項目に三つの問いを順に当てます。 「前はなかったか」ならAdded。「あったが、意図して変えたか」ならChanged。「意図どおり動いていなかったか」ならFixed。上の三項目は、順にAdded、Changed、Fixedになります。
- 型に入れます。 型は次のとおりです。
- Added:Added a + 新しいもの + 場所
- Changed:Changed + 既存のもの + to + 新しい動き
- Fixed:Fixed + the + 既存のもの + 直った現象 + 条件
- 条件や場所を後ろに足します。 「どこで」「いつ」は文末に置きます。たとえば次のようになります。
- Added a hint button to the result screen.
- Changed the timer to start after the first move.
- Fixed the score not resetting on retry.
- 読み直して、行を並べます。 各行にandが入っていないかを見ます。入っていれば、二つの変更を一行に押し込んでいる合図です。並べる順は、Added、Changed、Fixedとそろえておくと、読む側が探しやすくなります。
型の中で見落としやすいのは、冠詞の使い分けです。Addedの後ろは、読者が初めて目にするものなので、a hint button のように a を使うのが自然です。Fixedの後ろは、すでに存在していて、読者が見たことのあるものなので、the score のように the が合います。これは絶対の規則ではなく目安です。それでも、迷ったときの足がかりになります。
迷いやすい境界線と、避けたい言葉
三つの動詞は、実際に書くと境目で迷います。よくある三つの場面を挙げます。
不具合を直したら、仕様も変わったとき
たとえば、ヒントが時々表示されないのを直したら、ついでに表示位置も動いたとします。この場合は二行に分けます。表示されない現象はFixed、位置が動いたのはChangedです。一行にまとめると、どちらが主役か読む側に伝わりません。
既存の機能を拡張したとき
「難易度が3段階から4段階になった」は、新しい段階が増えたので Added でも書けます。ただ、遊ぶ人にとっては「難易度の選択肢が増えた」ことが要点です。その場合は Added a fourth difficulty level. のように、増えたものを名詞で示します。既存の選択画面の見た目が変わったなら、それは別の行でChangedにします。
曖昧な動詞に逃げたくなったとき
ImprovedやUpdatedは便利ですが、中身が見えません。Improved the timer. では、何がどう良くなったのか読者には分かりません。Changedに言い換え、to の後ろに新しい動きを書くと、具体さが戻ります。Fixed bug. のような書き方も同様に、何が起きていた不具合なのかが消えます。現象を書くほうが親切です。
なお、アソバースでは日本語・英語の表示切り替えがあっても、作者が入力した作品名や紹介文は書き換えられません。英語の更新情報を載せたいなら、英文は作者自身が書くことになります。公開内容の更新は、投稿後にも行えます。英語の読者に向けて文章を足すときは、この記事の一行形式が使えます。
書いた行を機械的に点検する最小のページ
書き上げた行は、目で読むだけでなく、形式面だけ機械に点検させる方法もあります。次のコードは、HTMLファイルとして保存してブラウザで開くだけで動きます。外部ライブラリもサーバーも使いません。
<!doctype html>
<meta charset="utf-8">
<textarea id="t" rows="8" cols="60">Added a hint button to the result screen.
Changed the timer to start after the first move.
Fixed the score not resetting on retry.</textarea>
<pre id="o"></pre>
<script>
const ok = ["Added","Changed","Fixed"];
function check(){
const out = document.getElementById("t").value
.split("\n").filter(Boolean).map((l,i)=>{
const w = l.trim().split(" ")[0];
const msgs = [];
if(!ok.includes(w)) msgs.push("先頭が Added/Changed/Fixed ではありません");
if(/ and /.test(l)) msgs.push("and があります。二行に分けられないか確認");
if(!/\.$/.test(l.trim())) msgs.push("末尾のピリオドがありません");
return (i+1)+": "+(msgs.join(" / ")||"OK");
});
document.getElementById("o").textContent = out.join("\n");
}
document.getElementById("t").addEventListener("input",check);
check();
</script>このページが見るのは、行頭の動詞、andの有無、末尾のピリオドという形式面だけです。AddedかChangedかFixedかという意味の判断は、手順2の三つの問いに戻って、自分で行ってください。「OK」と表示されても、文章として正しいとは限りません。
次の行動
直近の更新を三つ思い出し、日本語で一項目一変更のメモにします。そのあと手順2の問いを順に当てて、Added、Changed、Fixedのいずれかを決め、一行ずつ書いてみてください。書いた行は上のページに貼り、andで二つの変更を抱えていないかを確かめます。
参考資料
- Keep a Changelog(更新履歴の書き方の指針)

