ゲームを作りたいけどアイデアがない人へ:10分で決める方法
遊びをつくる執筆にClaudeを使用しています。

「何か作りたい。でも何を作ればいいかわからない」という状態は、ゲーム制作を始める前に最もよく起きる詰まり方です。ツールの使い方を調べたり、チュートリアルを試したりする前の段階で止まってしまうので、実力の問題だと思われがちですが、実際にはアイデアを決めるための手順を知らないだけのことがほとんどです。 この記事では「アイデアが湧いてくるのを待つ」のではなく、制約と問いを使って10分以内にゲームの題材を一つ決め切るための手順を説明します。「良いアイデア」を探そうとすることがむしろ邪魔になる理由と、代わりに何をすればいいかを順番に示します。
「アイデアがない」の正体は何か
アイデアが出ないときに多くの人がやってしまうのは、「面白くて、かつ作れる、かつ誰かが喜ぶ」ゲームを一度に考えようとすることです。この三条件を同時に満たそうとすると、どの案も「でも面白くないかも」「作れないかも」と打ち消されていき、何も残りません。
この状態を「アイデアがない」と呼んでいますが、実際には「選別が先走りすぎている」のです。良いアイデアを出そうとする気持ちが、案を生む前に消している状態です。解決するには、まず生むフェーズと選ぶフェーズをはっきり分けることが必要です。
10分で決める手順
以下は紙一枚とペン(またはメモアプリ)があれば試せます。タイマーを実際に使うことで「考えすぎる」を防げます。
ステップ1:3分でジャンルを固定する
ゲームのジャンルを先に決めてしまいます。以下の中から直感で一つ選んでください。良し悪しを考えない、選んだ理由も不要です。
- パズル(問題を解く)
- アクション(タイミングや操作で乗り越える)
- クリッカー/放置(積み重なる数字を見る)
- クイズ(知識を問われる)
- 探索(画面を調べて進む)
- リズム(音に合わせて操作する)
- シミュレーション(何かを育てる・管理する)
「どれも好きではない」と感じても構いません。一番「嫌いじゃない」ものを選んでください。ここでの選択はあとで変えられます。3分で決まらなければ、上のリストの一番上を選びます。
ステップ2:3分で「場所か生き物か道具」を一つ加える
選んだジャンルに対して、次のどれかを一つ選んで組み合わせます。
- 場所:海底、宇宙、台所、廃墟、屋上、森、スーパーマーケットなど
- 生き物:虫、魚、犬、植物、細菌、カメなど
- 道具:鍵、傘、電球、鉛筆、はさみ、コンパスなど
ジャンル+この要素だけで、ゲームの「舞台と主役の候補」が一本できます。たとえば「パズル+鍵」なら「鍵を使って扉を開けるパズル」、「クリッカー+細菌」なら「細菌を増やして培地を埋めるゲーム」といった骨格が見えてきます。まだ面白いかどうかは判断しなくていいです。
ステップ3:4分で「プレイヤーは何をするか」を一文で書く
「〇〇が△△をするゲーム」という形で一文を書きます。例を挙げます。
- 「鍵の形を組み合わせて、正しい錠前を開けるゲーム」
- 「細菌をタップして増やし、画面を100%埋めるゲーム」
- 「台所で道具を正しい順番で使い、料理を完成させるゲーム」
この一文が書けたら、アイデアは決まりです。「面白いかどうか」ではなく「何をするゲームか」が明確になったかどうかだけを確認してください。
決まった後に確認する三つの問い
一文のアイデアが出たら、以下の三つを自分に問いかけます。これは選別ではなく「作れる形に落とすための問い」です。
① 一番小さいバージョンは何かアイデアをそのまま作ろうとすると範囲が広がりがちです。「鍵の形パズル」なら「3種類の鍵と3種類の錠前だけのステージ一つ」が最小版です。最小版が思い浮かばなければ、ステップ2で選んだ要素を変えてみます。
② 成功と失敗はどう判定するか「プレイヤーが何をしたら勝ちか、何をしたら負けか」を言葉にできれば、ゲームとして成立する見通しが立ちます。言葉にできない場合は、ジャンル選択に戻って「パズル」か「クリッカー」に変えると条件が決めやすくなります。
③ 10分以内に最初の画面を作れるか「カーソルを動かす」「数字が増える」「四角が表示される」程度のものを10分で試作できるかを考えます。できない場合はアイデアの問題ではなく技術的な準備の問題なので、アイデアを捨てずにチュートリアルや素材探しを先に進めます。
よくある詰まりパターンと対処
「既存のゲームに似ている気がする」似ていても構いません。要素の組み合わせが既存ゲームと重なることは当然起きます。操作の仕方、見た目、ルールの微妙な差が、実際には大きく異なるゲーム体験になります。最初の一本は「似ているかどうか」より「完成させられるかどうか」が重要です。
「自分が面白いと思えない」作るものを自分が一番楽しめる必要はありません。とくに初めて作るゲームでは「完成させる経験」を得ることが最大の目的です。面白さへのこだわりは、二本目三本目に持ち越してください。
「ステップ2で何も浮かばない」辞書やメモアプリで名詞を一つランダムに開いて使います。自分で考えようとすると「良い名詞」を選ぼうとしてしまうため、ランダムに選ぶほうがむしろスムーズに進みます。
「一文が書けない」「プレイヤーは○○する」という動詞の部分だけ先に書いてみます。「集める」「避ける」「並べる」「壊す」「育てる」のうちどれか一つを選び、それに先ほどの要素を組み合わせると文ができやすくなります。
題材を決めた後に起きること
アイデアが決まると、今度は「本当に作れるのか」という不安が出てきます。これはアイデアの段階では存在しなかった具体的な問いなので、詰まっているように感じても実際には前進しています。技術的な不安は「最小版から作り始める」ことで解消しやすくなります。最小版が動いた時点で、アイデアを修正したり捨てたりする判断もできるようになります。
アイデアを決める作業と、作る作業は本質的に別物です。「決める」を10分で終わらせることに慣れると、「作る」に集中できる時間が増えます。最初の一文が少し雑でも構いません。動くものができれば、次のアイデアはずっと早く決まります。
次の行動
この記事の手順を今すぐ試して、「〇〇が△△をするゲーム」という一文を一つ書いてみてください。一文が書けたら、最小版のゲームを作ってアソバースに投稿することが次の目標になります。アソバースはHTMLファイルやZIPファイルを直接投稿できるので、小さく作ったものをそのまま公開してフィードバックを得る場として活用できます。

