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ゲーム開発の経費にできるもの:PC・ソフト・AI利用料

遊びを届ける

執筆にClaudeを使用しています。

一枚の紙からボールや足場、旗のある小さなゲーム世界が立ち上がるペーパークラフト
記事のテーマをもとに制作したAI生成イラスト。

ゲームを個人で開発して収益を得ている場合、開発に使った出費は「経費」として所得から差し引ける可能性があります。経費として認められれば課税対象の所得が減るため、結果として納める税額が下がります。ただし「使ったお金はすべて経費」とはならず、事業・業務との関連性と按分(あんぶん:私的利用と業務利用を割合で分けること)が判断の軸になります。 この記事では、PC・周辺機器・ソフトウェア・AI利用料・学習教材といったゲーム開発者に身近な支出を取り上げ、経費として扱うときの考え方と記録の残し方を整理します。税務の最終判断は状況によって異なるため、個別の申告内容については税理士や税務署への確認を合わせてお勧めします。

この記事の目次
  1. 経費として認められる大前提
  2. PCと周辺機器の扱い
  3. ソフトウェアとサブスクリプション
  4. AI利用料の考え方
  5. 学習教材・書籍・セミナー
  6. 記録と保管:後から困らない準備
  7. 次の行動
  8. 参考資料

経費として認められる大前提

税務上の経費(必要経費)とは、収益を得るために直接・間接に必要な支出です。個人事業主やフリーランスであれば確定申告の際に事業所得や雑所得から差し引けます。会社員がゲーム開発を副業として行い雑所得として申告する場合も、同じ考え方が適用されます。

判断の基本は「その支出がなければ開発・販売活動ができないか、著しく困難になるか」という業務関連性です。もう一つの軸が按分です。同じPCで仕事もゲームも家族の動画視聴もしているなら、業務利用の割合を合理的な根拠で算出し、その割合分だけを経費にします。「なんとなく70%」ではなく、使用時間の記録やカレンダーなど後から説明できる根拠を残しておくことが重要です。

PCと周辺機器の扱い

取得価額による処理の違い

PCや机・モニターなどは、購入金額によって会計上の処理が変わります。一般的には取得価額が10万円未満のものは購入した年に全額費用化でき、10万円以上のものは減価償却(複数年にわたって費用化すること)の対象になります。ただし青色申告をしている個人事業主には少額減価償却資産の特例があり、取得価額が一定額未満であれば即時に全額経費にできる制度が設けられています。金額の上限や適用条件は年度ごとに変わることがあるため、国税庁の最新情報か税理士に確認してください。

按分の根拠を作る

開発専用機として購入し、それ以外の用途では使わないのであれば100%経費にできます。しかし現実には同一PCを複数の用途で使うことが多いため、業務利用割合の算出が必要です。よく使われる方法は月単位の使用時間ログです。タスク管理ツールやカレンダーにゲーム開発の作業時間を記録しておくと、「月の総利用時間のうち業務利用はX時間」と計算できます。スクリーンタイム系のアプリを活用する方法もあります。

ソフトウェアとサブスクリプション

開発ツール・エンジン

ゲームエンジン、グラフィックエディタ、音声編集ソフト、IDEなどの開発ツールは業務関連性が明確なため、経費として計上しやすい支出です。月額・年額のサブスクリプション形式のものは、支払った期間に対応する費用として処理します。年間契約を一括払いした場合、翌期にまたがる分は前払費用として期をまたぐ処理が必要になることもあります(金額が小さければ支払時に全額費用計上できる場合もあります)。

アセットストアや素材購入

BGM・SE・フォント・画像素材などを購入した費用も、そのゲームの制作に使ったと明確に対応づけられれば経費になります。購入時に「どのプロジェクトに使ったか」をメモや領収書に残しておくと、後から説明しやすくなります。

AI利用料の考え方

ChatGPT・Claude・Geminiなどの生成AIサービスや、Midjourneyなど画像生成AIの有料プランは、ゲーム開発に使っていれば経費として計上できます。ここでのポイントは「何に使ったか」の記録です。

プログラムのデバッグ補助、ゲームシナリオの推敲、グラフィックのプロトタイプ制作、SEOや告知文の作成などの用途であれば業務関連性は説明しやすいです。一方で同じアカウントを私的な調べ物にも使っているなら、こちらも按分が原則になります。チャット履歴やプロジェクトフォルダにAIとのやりとりを整理しておくと、業務利用の実態を示す資料になります。

AI利用料は月次で発生するサブスクリプションであることが多いため、クレジットカードの明細と照合しやすく領収書管理は比較的シンプルです。支払い通知メールを「経費フォルダ」に自動振り分けする設定をしておくと、年間の集計が楽になります。

学習教材・書籍・セミナー

技術書、オンライン学習プラットフォームの受講料、勉強会の参加費なども、現在の業務能力の維持・向上に直結するものは経費として認められやすい支出です。「新しいジャンルに挑戦するための基礎から学ぶ」場合と「既存スキルのアップデート」では解釈が変わることがあり、前者は認められにくいケースもあると一般に言われています。判断に迷う場合は税務署や税理士に個別に相談するのが確実です。

書籍は購入時に「どのプロジェクトや業務に関連するか」を一言メモしておくだけで、後からの説明が格段に楽になります。電子書籍の場合は購入履歴をCSVエクスポートできるサービスが多いため、定期的にダウンロードして保管しておくとよいです。

記録と保管:後から困らない準備

経費計上の根拠となる書類は、原則として一定年数の保存義務があります(個人事業主の場合は一般に5〜7年とされますが、詳細は国税庁の規定を確認してください)。デジタル化して保管する方法も法的に認められていますが、スキャン・撮影の要件があるため「電子帳簿保存法」の最新ガイドラインを参照してください。

実務的なポイントをまとめると次のとおりです。

  • 支払いはできるだけ一つの事業用クレジットカードや口座に集約する
  • 領収書・メールはその月のうちにフォルダ分けする
  • 按分の根拠(使用時間ログ、利用目的メモ)は支出のたびに記録する
  • 年度末ではなく月単位で帳簿を更新する習慣をつける

「まとめて年末にやる」運用は、根拠の記憶が薄れて按分割合の説明が難しくなります。小さな手間を月次でこなす方が結果的にリスクが低くなります。

次の行動

まず直近3か月分のクレジットカード明細を開き、開発ツール・AI利用料・素材購入の支出を洗い出して業務利用割合を書き込んでみてください。按分の根拠が説明できないものは、今月から使用時間の記録を始めるのが最初の一歩です。申告内容に不安があれば、記録をまとめたうえで税理士か最寄りの税務署に相談することをお勧めします。アソバースで公開したゲームから収益が発生している場合は、その収益の申告区分(事業所得か雑所得か)も合わせて確認しておくと、経費の扱いをより正確に判断できます。

参考資料

  • 国税庁「必要経費になるものとならないもの」
  • 国税庁「減価償却資産の償却方法」
  • 国税庁「電子帳簿保存法一問一答」
  • 国税庁「青色申告特別控除・少額減価償却資産の特例」