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ゲーム制作スキルで就職・転職する:求められる実績

遊びを届ける

執筆にClaudeを使用しています。

失敗の原因となった橋を直し、短い通路から再挑戦できる玉転がしの写真風イメージ。
記事のテーマをもとに制作したAI生成イラスト。

ゲームを作れるようになったとき、「この経験を仕事に活かせないか」と考える人は少なくありません。実際に独学やAIツールを使ってブラウザゲームを作った経験は、ゲーム会社だけでなくWeb系・エンタメ系の企業でも評価の対象になり得ます。ただし「作れる」という自己申告だけでは採用担当者に伝わりません。何を・どのように見せるかで、同じスキルでも評価がまったく異なります。 この記事では、ゲーム制作スキルを就職・転職に使う際に「何が実績として機能するか」「どう整理して提示するか」を、ポジションごとの判断基準とともに整理します。副業収入の話ではなく、雇用される側として動くときの話に絞っています。

この記事の目次
  1. 採用担当者が「実績」を見るときの視点
  2. ポジション別:何を実績として見せるか
  3. 実績をポートフォリオにまとめるときの判断基準
  4. 「AIで作った」はどう扱うか
  5. 就職・転職活動を始める前に確認すること
  6. 次の行動

採用担当者が「実績」を見るときの視点

採用現場でゲーム制作の経験が評価されるのは、技術力の証明としてだけではありません。「問題を設定して最後まで動くものを作り切った」という完遂能力と、「他者に遊んでもらえる状態にした」という発信能力の証明として見られます。

未完成のプロトタイプや「作りかけ」が複数ある状態は、むしろマイナスに映ることがあります。採用担当者が評価するのは数よりも「一本、ちゃんと終わっているもの」です。公開されていてURLでアクセスできる、操作説明がある、バグで即クラッシュしない——この三つが最低ラインです。

ポジションによって見ている箇所はさらに絞られます。エンジニア職であればコードの設計や可読性、ディレクター・プランナー職であればゲームデザインの意図と調整の痕跡、デザイナー職であればUIと視覚表現のクオリティ、といった具合です。「総合的にすごい」よりも「この観点で話せる」のほうが面接では機能します。

ポジション別:何を実績として見せるか

エンジニア(フロントエンド・ゲームクライアント)

JavaScriptやTypeScriptで書かれたブラウザゲームは、Webフロントエンド職の実績としてそのまま使えます。採用担当者がコードを確認できるよう、GitHubなどにソースコードを公開しておくことが前提です。

見られるポイントは主に三つです。第一に、処理を関数やクラスに適切に分割しているか(見通しのよいコード構造)。第二に、フレームループや状態管理をどう実装しているか(技術的な理解の深さ)。第三に、コミットの粒度とメッセージ(開発習慣)。「動く」だけでなく「読める」コードかどうかが評価軸になります。

AIツールでコードを生成した場合でも、内容を説明できなければ面接で詰まります。自分でゼロから書いた部分と、AIの出力を採用・修正した部分を把握しておき、「なぜそのアーキテクチャを選んだか」を言語化しておくことが不可欠です。

ゲームプランナー・ディレクター

この職種では、コードよりも「設計の意図と試行錯誤の記録」が実績になります。完成したゲーム本体に加えて、設計書やゲームデザインドキュメント(難易度調整の過程、UIの変更履歴、プレイテストで発覚した問題と対処など)をセットで提示できると大きく差がつきます。

「最初のバージョンからどこをどう変えたか」を話せる人は、実際の開発現場でも即戦力として扱われます。バランス調整のパラメータをどう決めたか、チュートリアルを入れた理由は何か、といった判断の根拠を言語化して残しておくのは、作業と並行してやっておくべき準備です。

UIデザイナー・グラフィックデザイナー

ゲームのビジュアル面を担当した実績は、ゲーム会社だけでなくアプリUIを作るWeb系企業でも評価されます。ただし「センスがある」という主観的な自己評価ではなく、「なぜこのレイアウトにしたか」「どのユーザー状態のときにこのUIが表示されるか」といった設計的な説明が求められます。

制作途中のラフスケッチ、カラーパレットの選定理由、フォント選びの根拠をまとめたポートフォリオページを用意するとよいでしょう。ゲーム一本をビジュアル面だけで解説するケーススタディ形式は、面接前に準備しやすく、話の展開もしやすい形式です。

実績をポートフォリオにまとめるときの判断基準

ポートフォリオは「作品を並べる場所」ではなく、「どんな人間で、何ができるかを伝える場所」と考えるほうが機能します。作品それ自体と、その作品を通して何を学び何を決断したかのナレーションをセットにすることで、読む側の理解が深まります。

整理の手順としては次のように進めると効率的です。

  1. 公開済みで動作確認できる作品を一本選ぶ(最もよく作り込んだもの)
  2. その作品で「技術的に工夫した点」「デザイン上の判断」「ユーザーに伝えたかったこと」をそれぞれ一段落ずつ書き起こす
  3. スクリーンショットまたは動画(GIF可)で画面遷移の流れを見せる
  4. ソースコード公開の可否を判断し、公開できるなら該当リポジトリをリンクする
  5. 応募するポジションに合わせて、上記のどの要素を前面に出すかを切り替える

特定のポジションへの応募であれば、ポートフォリオの冒頭文をその職種の言葉で書き直すだけで読まれ方がかなり変わります。「Webフロントエンドとして応募する場合」と「ゲームプランナーとして応募する場合」では、同じ作品を使っても強調する点が異なります。

「AIで作った」はどう扱うか

生成AIを活用したゲーム制作は今や一般的であり、それ自体を隠す必要はありません。ただし「AIに作らせました」という表現はマイナスに働くことがあります。正確には「AIツールを活用して開発した」であり、アイデアの出し方・コードのレビューと修正・ゲームデザインの判断はすべて自分が行った、という事実を明確にしておく必要があります。

採用担当者が懸念するのは「AIがあればその人でなくてもいいのでは」という点です。これに対しては、AIの出力をどのように批判的に判断し、何を採用して何を捨てたか、つまり「人としての判断の過程」を提示することで答えられます。開発メモやコミット履歴はその証拠になります。

面接で「このゲームについて詳しく話してください」と問われたとき、コードの設計意図からゲームバランスの調整まで自分の言葉で説明できる状態を維持しておくことが、AIツール活用時代の基本的な誠実さといえます。

就職・転職活動を始める前に確認すること

応募先が求める実績のレベルを把握せずに動き始めると、準備不足のまま選考を通過できなかったり、逆に十分な実績があるのに言語化が弱くて落ちたりします。次の三点を事前に確認しておくと準備の方向性が定まります。

  • 求人票の「歓迎スキル」欄を読む:必須ではなく歓迎欄にゲーム制作経験が書かれている場合は、ポートフォリオの存在だけで応募の土台ができます
  • 同じポジションの採用事例や中途採用者のインタビュー記事を探す:企業公式ブログやテック系メディアに掲載されることがあります
  • ポートフォリオを第三者に見せてフィードバックをもらう:自分では当然と思っている文脈が相手に伝わっていないことは多いです

次の行動

まず、手元にある作品の中で「最もよく動いていて、説明しやすいもの」を一本選んでください。その作品の「技術的な工夫」「デザイン上の判断」「変更の経緯」を書き出す作業が、ポートフォリオの核になります。公開済みのブラウザゲームがあれば、アソバースのゲームページのURLをポートフォリオ内で使うことができます。応募先が決まっている場合は、求人票の歓迎スキル欄を起点に、どの側面を前面に出すかを決めてから整理を始めると効率的です。