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ゲームの共同制作で決めておくべき権利の分け方

遊びを届ける

執筆にClaudeを使用しています。

透明なゲームの家から保存箱・鍵・外の塔へ、色付きの玉が通る経路を示す模型
記事のテーマをもとに制作したAI生成イラスト。

友人と一緒にゲームを作り始めると、制作中は「誰が何を担当するか」で頭がいっぱいになります。しかし完成後や途中で関係が変わったとき、「このゲームは誰のものか」という問いが初めて浮かび上がります。著作権・収益・改変・公開停止——これらの判断を後回しにするほど、揉めたときの対処が難しくなります。 この記事では、共同制作を始める前後に取り決めておくべき権利の分け方を、判断の順番と実際の場面に沿って説明します。法的な断定は専門家や公式情報に委ねますが、「何を決めると後で困らないか」という論点の整理は、この段階から十分にできます。

この記事の目次
  1. 著作権は「誰が何を作ったか」で自然に発生する
  2. 取り決めが必要な項目を整理する
  3. 比率ではなく「決め方」を先に決める
  4. 文書に残すときの最低限の内容
  5. 素材を外部から借りた場合の注意点
  6. 次の行動
  7. 参考資料

著作権は「誰が何を作ったか」で自然に発生する

共同制作でまず理解しておきたいのは、著作権は契約しなくても創作の時点で自動的に発生するという一般的な考え方です。プログラムを書いた人、グラフィックを描いた人、音楽を作った人、それぞれが自分の担当部分の著作権を持ちます。

ゲームを一つの作品として見ると、複数の人が創作した部分が組み合わさった「結合著作物」または「共同著作物」という概念が関係してきます。一般に、各自が独立した形で切り離せるパーツを持ち寄った場合は結合著作物に近い扱いになり、切り離せないほど混ざり合って一つの表現を作った場合は共同著作物に近い扱いになると言われています。どちらに当たるかで、後の権利行使の方法が変わります。

たとえばプログラムとBGMが完全に独立していれば、作曲者は自分のBGMだけを別のゲームに流用できる可能性があります。一方、エンジン・UI・ストーリーが不可分に絡み合っている場合、全員の同意なしに公開や改変ができないという解釈も生じます。担当を決めるとき、「この成果物は切り離せるか」を意識しておくと、後の取り決めが楽になります。

取り決めが必要な項目を整理する

権利の分け方を話し合うとき、論点を事前にリストアップしておくと抜け漏れが減ります。以下は共同制作で特に問題になりやすい項目です。

公開と配布に関する権限

  • どのプラットフォームに投稿するか、その決定権は誰が持つか
  • 一人が単独で公開・更新・削除できるか、全員合意が必要か
  • 将来、別のプラットフォームに移行する場合の手続きはどうするか

収益の扱い

  • 広告収益・投げ銭・有料販売が発生したとき、どう分配するか
  • 分配の比率は作業量で決めるか、役割で決めるか、それとも均等か
  • 収益が発生した場合の税務上の処理は各自で行うか

改変と更新

  • 完成後に一人がゲームを改変・アップデートできるか
  • 大きな変更(ゲームシステムの刷新、キャラクターの差し替えなど)には全員合意が必要か
  • バグ修正程度の小変更は単独判断でよいか

脱退・参加停止の場面

  • メンバーが途中で抜けた場合、その人の担当部分の著作権はどうなるか
  • 脱退者の権利を引き継ぐか、脱退前の貢献分として残すか
  • 脱退後もクレジットに名前を残すか、本人の希望で外せるか

二次利用と外部への許諾

  • ゲームの素材(グラフィック・音楽・コード)を他の人が使いたいと申し出た場合、誰が判断するか
  • オープンソース・クリエイティブコモンズなどのライセンスを付けるか

比率ではなく「決め方」を先に決める

収益や権利の分配比率は、制作を始める前には決めにくいことが多いです。貢献量は実際に作ってみないとわからないからです。そこで有効なのは、「比率そのもの」より「比率をどう決めるか」を先に合意しておくことです。

たとえば「完成時点での作業時間の記録を基に話し合う」「担当した機能の数と難易度で重みを付ける」「完成後に全員が納得するまで合意を更新し続ける」といったルールを先に作るだけで、後の交渉が格段にしやすくなります。比率を固定しないことへの不安は、「変更手続きの簡潔さ」で補えます。

また、収益が発生しない小規模プロジェクトでも、公開権限と改変権限だけは明確にしておく価値があります。完成後に「せっかく作ったのに相手が勝手に非公開にした」「自分が描いたキャラが同意なく変えられた」という問題は、規模に関係なく起こります。

文書に残すときの最低限の内容

口頭の合意は後から確認できないため、テキストで残すことが推奨されます。法的効力を持つ正式な契約書を専門家に作ってもらう選択肢もありますが、まずは関係者全員が確認したメッセージのログやメモでも、「何を合意したか」の証拠として機能することがあります。

文書に含めると有用な内容は以下のとおりです。

  1. 参加者の氏名(またはハンドルネーム)と担当範囲
  2. 各担当部分の著作権の帰属(各自か共有か)
  3. 公開・更新・削除の決定プロセス
  4. 収益が発生した場合の分配方法または決め方のルール
  5. 脱退時の扱い(著作権・クレジット・収益配分)
  6. 合意の変更手続き(全員合意か多数決か)

この6点を箇条書きでまとめたメモを全員に共有し、「内容を確認しました」という返信を残しておくだけで、後のトラブルを大幅に減らせます。書き方が不安な場合は、雛形を提供している法律情報サイトや、著作権に詳しい弁護士への相談を検討してください。判断が難しい内容は専門家に確認することが確実です。

素材を外部から借りた場合の注意点

共同制作では、フリー素材・ライブラリ・AIで生成した素材を使うことも多いです。この場合、そのライセンスが共同制作の形態(商用利用・改変・再配布など)に合致しているかを全員で確認する必要があります。

一人が「このBGMはフリーで使える」と言っていても、「商用不可」だった場合、収益化の段階で問題が起きます。外部素材を使うときは、ライセンスの原文を全員で確認し、判断が難しい場合は素材の利用を避けるか、許諾を取ることが安全です。AIで生成した素材については、生成ツールの利用規約が商用利用・第三者への提供・共同著作物への組み込みをどう定めているかを公式サイトで確認してください。

次の行動

共同制作を始める前に、この記事で挙げた6項目を全員で確認し、テキストで残してください。すでに制作が進んでいる場合でも、今から合意を文書化することは遅くありません。法的判断が必要な場面では著作権に詳しい弁護士や公的相談窓口(文化庁の著作権相談室など)を活用してください。完成したゲームはアソバースにZIPまたはHTMLで投稿して公開できますので、権利の整理が済んだタイミングで投稿を検討してみてください。

参考資料

  • 文化庁「著作権テキスト」
  • 文化庁著作権相談室(公的相談窓口)
  • 経済産業省「クリエイターのための著作権ガイド」