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日本語と英語:同じゲームを英語で遊ぶと何が難しいか

遊びを見つける

執筆にClaudeを使用しています。

色鉛筆の線やゲームのスケッチが描かれたノートとカード。
記事のテーマをもとに制作したAI生成イメージ。実際のゲーム画面ではありません。

「時計じかけの台所」で、レシピの材料をひとつずつ読みながら鍋に入れていく場面を考えてみます。日本語表示なら目が滑らかに追えるところで、英語表示にすると材料名の語を読む分だけ手が止まるかもしれません。一方で、針が緑の範囲に来たら止めるという動作は、言葉を読まなくても成り立ちます。同じゲームの中でも、言語に左右される部分とされない部分が混ざっているはずです。 この記事が確かめるのは、言語を切り替えたときに「理解の速さ」と「画面の印象」がどう変わるかです。結果は書きません。同じ作品を日本語と英語で遊び比べるための条件のそろえ方、記録の取り方、結果の読み方を示します。自分で数回遊べば、「英語だと難しい」の中身が語彙なのか、レイアウトなのか、慣れなのかを切り分けられる形にしています。 アソバースの公式作品は、サイトの日本語/英語の設定に合わせて表示が切り替わります。言語を変えても、プレイ画面の拡大と同様に進行は保たれる設計です。つまり、遊びかけの状態で言語だけ入れ替えて見比べることもできます。

この記事の目次
  1. 「難しさ」を二つに分けて問う
  2. 条件をそろえる
  3. 言語への依存度が違う3本を選ぶ
  4. 記録の手順
  5. 結果の読み方
  6. 起こりやすい誤り
  7. 次の行動

「難しさ」を二つに分けて問う

「英語だと難しい」という感想は、少なくとも二つの別のことを指しています。

  • 理解の速さ:ルールや操作を読み取って、最初の行動に移るまでの時間と、迷いの回数です。
  • 画面の印象:文字の大きさ、行の折り返し、タイトルの見え方、雰囲気の変わり方です。読めるかどうかとは別に、遊ぶ気分に影響します。

前者は秒数と回数で記録できます。後者は主観なので、1〜5点の自己評価で記録します。公式作品はタイトルの文字組みが作品ごとに異なり(縦組みの明朝、手描き文字、郵便ラベル、夜の標識、光の幾何学、メニュー風など)、言語を変えたときにその雰囲気がどう残るか、あるいは変わるかは、作品を開いて確かめる部分です。

条件をそろえる

比較は、言語以外を動かさないことが前提です。次の項目をあらかじめ決めて、日本語でも英語でも同じにします。

  • 作品と難易度、決め方:同じ作品の同じコース・同じレシピを選びます
  • 画面の拡大、決め方:日本語・英語とも同じ倍率にします
  • 動きを抑える設定、決め方:両方でオンまたは両方でオフにします
  • 端末と画面サイズ、決め方:同じ端末、同じ向きで遊びます
  • 音、決め方:音あり・音なしを統一します
  • 遊ぶ人、決め方:同じ人が、同じ体調の時間帯に遊びます

もっとも崩れやすいのは「順番」です。日本語で先に遊ぶと、英語で遊ぶ時点でルールをすでに知っています。そのため英語のほうが速く見えてしまいます。対策は二つあります。

  1. 二人組で順序を入れ替える:Aさんは日本語→英語、Bさんは英語→日本語の順に遊びます。順番の影響が両方の組に出るので、言語の影響と切り分けやすくなります。
  2. 一人で行うときは間を空けて、別のレシピや別のコースを使う:日をまたぎ、同じ作品でも別の内容を選びます。ただし、内容の難しさが同等とは限りません。この点は結果を読むときに割り引いてください。

保護者の方が子どもの英語表示の遊びを見る場合も同じです。まず子どもに英語表示で遊んでもらい、あとで日本語に切り替えて同じ場面を見る形にすると、「何が分からなかったか」を本人が言葉にしやすくなります。

言語への依存度が違う3本を選ぶ

比べる意味が出やすいのは、言語に頼る度合いが違う作品を並べることです。確認済みの設計から、次の3本を候補にしてみます。

時計じかけの台所:6つのレシピがあり、材料をレシピ順に入れ、火にかけ、針が緑の範囲に来たら止めて配膳します。時間制限なしの「見習い」と、1皿28秒・配膳6秒・ミス3回までの「本番」があります。「材料をレシピ順に入れる」という操作は、レシピや材料の表示を読み取ることに依存しやすい設計です。一方、針を止める部分は文字に頼りません。見習いで「読む時間」を、本番で「時間に追われたときの差」を見られます。材料やレシピが画面でどう表示されるかは、作品を開いて確かめてください。

こだまの森:光る葉の順番を覚え、4つの音色で返す記憶ゲームです。6・8・10ラウンドの3コースがあり、音なしでも遊べます。ゲーム中の核となる操作は光と順番で、文字への依存は低い設計です。ここで日本語と英語の差が出なければ、台所や潮だまりで出た差は「言語の読み取り」に由来する可能性が高まります。基準線として使えます。

潮だまり:引き潮で浅瀬に海藻(3つ)、砂地に小石(2つ)を置き、潮を切り替えて観察します。上下左右の隣接条件で8種の生きものが現れ、絵付き図鑑と観察ノートがあります。条件を発見する遊びなので、図鑑やノートの文章がどれだけ手がかりになるかが、言語の影響を左右しそうです。図鑑やノートの表示は、作品を開いて確かめてください。

この3本を比べると、「文字を読まないと進めない度合い」と「英語表示での遅れ」が対応するかどうかを、自分のデータで見られます。

記録の手順

1回の比較は次の流れで進めます。

  1. 作品、難易度、拡大率、動きを抑える設定を決め、記録票に書きます。
  2. サイトの言語設定を決めた言語にして、作品を開きます。
  3. 作品を開いた瞬間から、スマホのストップウォッチを始めます。
  4. 「最初の行動」を決めておき(台所なら最初の材料を入れる、こだまの森なら最初の葉に応える、潮だまりなら最初の海藻か小石を置く)、そこまでの秒数を記録します。
  5. 遊びながら、手が止まった箇所をその場でメモします。「この単語で止まった」「ボタンの意味が分からなかった」のように、短く書きます。
  6. 遊び終えたら、ミス数と、ヒントのある作品ではヒント使用回数を記録します。
  7. 1〜5点で、読みやすさ、雰囲気、迷いにくさを自己評価します。
  8. 言語を切り替えて、同じ手順を繰り返します。順番は先ほど決めたとおりにします。

記録票は、1回の遊びごとに次の行を書けば足ります。

  • 最初の行動までの秒数、日本語:、英語:
  • 手が止まった回数(メモの数)、日本語:、英語:
  • ミス数、日本語:、英語:
  • ヒント使用回数(ある作品のみ)、日本語:、英語:
  • 読みやすさ(1〜5)、日本語:、英語:
  • 雰囲気(1〜5)、日本語:、英語:
  • 迷いにくさ(1〜5)、日本語:、英語:

回数は、各言語で最低3回を目安にします。1回の秒数はぶれが大きく、たまたま読み飛ばした、たまたま集中していた、といった要因が混ざります。3回の中央値を比べるほうが、安定した答えになります。

記録は画面を開いている間だけ残る作品が多いため、秒数やミス数は遊んだ直後に自分で書き写してください。保存があるのは余白の庭、WAVE / WAVE、かたちのあいだの3作品で、今回の候補3本の記録は、画面を閉じると残りません。

結果の読み方

数字が並んだら、次のように読みます。

英語の最初の行動が遅い場合:メモを見て、止まった理由を分けます。単語が分からなかったのであれば語彙の壁です。ボタンや説明の位置が見つからなかったのであれば、レイアウトや文字量の問題です。語彙で止まる回数が多いなら、英語での遊び方の説明は、文字の少ない作品から入るのが無理のない順序と言えます。

こだまの森でも差が出る場合:文字にほとんど頼らない作品でも差が出るなら、言語以外の要因(慣れ、疲れ、順序の影響、画面の印象)が混ざっている疑いがあります。順番を入れ替えた組のデータと見比べてください。

こだまの森では差が出ず、台所や潮だまりで出る場合:差の原因は、文字を読む工程にある可能性が高まります。止まった箇所のメモがその箇所に集まっているかを確認してください。

台所の見習いでは差が小さく、本番で大きくなる場合:読むこと自体は可能でも、1皿28秒という制約の中では読む時間の余裕がなくなる、という読み方ができます。ここは本番と見習いの両方を同じ条件で記録して初めて言える点です。

速さは同じでも、雰囲気の点数が違う場合:理解の速さには影響せず、印象だけが変わっているという結果です。タイトルの文字組みやボタンの幅など、どこが違って見えたのかを、画面を見比べて具体的に書き出してみてください。

起こりやすい誤り

  • 翻訳漏れと決めつけること:アソバースは、作者が入力した作品名や紹介文を書き換えません。切り替えても一部が元の言語のままなのは、仕様の範囲です。画面内の表示と、サイトが用意した表示とを分けて観察してください。
  • 順番を固定すること:いつも日本語から遊ぶと、英語が有利に見えます。順序は必ず入れ替えます。
  • 拡大率や動きの設定を片方だけ変えること:読みやすさに直接影響します。両方の言語で同じにそろえます。
  • 1回だけで判断すること:1回の差は、理解の差より偶然の差かもしれません。3回以上の中央値で見てください。
  • 英語力そのものの評価にすること:この比較が示すのは、その作品の、その画面での読み取りやすさです。個人の英語力の測定ではありません。

次の行動

まず「こだまの森」を日本語と英語で3回ずつ遊び、基準線の記録票を埋めてください。次に「時計じかけの台所」の見習いで同じ記録を取ると、文字を読む工程がどこで時間を使っているかが見えてきます。余裕があれば本番も加えて、時間制限の中での差を確かめてみてください。