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Claudeの回答が一般論ばかりになるとき:資料に即して答えさせる直し方

AIを使いこなす

執筆にClaudeを使用しています。

付箋の付いた紙の資料の一行にペンで下線を引く手と、空欄の枠が並ぶメモ。資料に書かれた範囲だけを根拠にする作業の場面。
記事の内容をもとに制作したAI生成イメージです。実際の製品画面や検証結果の写真ではありません。

資料を渡したのに「一般的には〜が重要です」という答えが返ってくるときは、たいてい次のどれかです。①資料が実際には読めていない、②「資料だけを根拠に」という条件がない、③資料にないときの答え方が決まっていない。このうち②と③は、依頼文に数行足すだけで直せます。①は先に確認します。 Anthropicの公式ガイドReduce hallucinationsには、関連する手法として「わからないと言ってよいと明示する」「長い資料では先に原文の引用を抜き出させる」「提供資料の情報だけを使うよう明示する」が挙がっています。この記事では、それらを日本語の文面にして、順番に使えるようにします。

この記事の目次
  1. まず原因を切り分ける
  2. 資料限定の条件文(そのまま使える)
  3. 資料にないときの答え方を指定する
  4. 使い方の例(説明用の架空データ)
  5. 回答が出たあとの確認
  6. 一般論も欲しいときは分ける

まず原因を切り分ける

条件文を足す前に、次の表で当てはまるものを探してください。

  • 資料のどこにも出てこない言葉で説明される、考えられる原因:条件がなく、一般知識で補っている、最初の対処:次の章の条件文を使う
  • 「資料によると」と書くが、どの箇所か示さない、考えられる原因:根拠の提示を求めていない、最初の対処:原文の抜き出しを先にさせる
  • 資料にない点でも、もっともらしく断言する、考えられる原因:「わからない」と答える許可がない、最初の対処:「資料にない」と書く形式を指定する
  • 資料の一部にしか触れない、考えられる原因:添付が読み込めていない、または資料が大きい、最初の対処:添付の中身を確認する(下記)

添付が読めているかを確認する

Claudeのファイルアップロードのヘルプ(ページには2026年7月23日更新と表示。確認したのは英語版)には、PDFは100ページ以下ならテキストと視覚要素の両方を分析し、101〜1000ページはテキストのみで、グラフや図は分析されないと書かれています。XLSXをアップロードするには、アカウントでコード実行とファイル作成を有効にする必要があるとも書かれています。表や図に答えが載っている資料で一般論ばかり返るなら、まずこの点を疑ってください。

確認は簡単です。「添付資料の第2章の見出しを、書かれている通りに列挙してください」と頼み、実物と照合します。合わなければ、必要部分を本文に貼り付けて渡し直す方が確実です。

プロジェクトの知識として大量の資料を置いている場合は、容量が上限に近づくと、関連箇所を検索して取り出すRAGモードに自動で切り替わります。ヘルプによると、これはPro、Max、Team、Enterpriseの有料プランで使えます。公式は回答の精度は保たれると説明していますが、回答が薄いと感じたときは、質問に関係する章だけを貼って試すと、資料の量が影響しているかどうかを切り分けられます。

資料限定の条件文(そのまま使える)

次の文面が、本記事の中心です。{ } の部分だけ置き換えてください。ここでは資料を質問より先に置き、タグで囲んで区別しています。

以下の<資料>だけを根拠に答えてください。
あなたの一般知識や、一般的な社内ルール・業界慣行で補わないでください。

<資料>
{資料の本文を貼り付け}
</資料>

質問:{知りたいこと}

回答の手順:
1. 質問に関係する箇所を、資料から一字一句そのまま抜き出し、[1][2]と番号を付けてください。該当がなければ「該当箇所なし」とだけ書いてください。
2. 抜き出した番号を示しながら回答してください。番号で裏づけられない主張は書かないでください。
3. 資料に書かれていないこと、資料から断定できないことは、推測で埋めず、末尾の【資料にないときの答え方】に従ってください。

公式ガイドは、長い資料では先に引用を抜き出させ、その引用だけを根拠に分析させる形を示しています。上の手順1と2はその考え方を日本語にしたものです。数ページ程度の資料なら手順1を省いてもかまいませんが、根拠が見えなくなるので、最初は残すことをおすすめします。

資料にないときの答え方を指定する

一般論が出る大きな理由は、答えが見つからないときの「逃げ道」を用意していないことです。次を上の文面の末尾に足します。

【資料にないときの答え方】
次の3項目に分けて書いてください。
- 資料に書かれていること:([番号]付きで)
- 資料に書かれていないこと:「資料には記載がありません」と明記
- 確認が必要な点:誰に何を聞けばよいか、候補を箇条書き

「たぶん」「一般的には」を使って、記載のない内容を補わないでください。

公式ガイドの例にも、情報が足りなければ決まった一文("I don't have enough information to confidently assess this.")で答えさせる書き方があります。固定の文言を指定しておくと、「資料にない」という結果を見分けやすくなります。

使い方の例(説明用の架空データ)

以下は説明用の例で、実際に実行した結果ではありません。出力は想定のイメージです。

資料(架空の出張規程の抜粋):「国内出張の宿泊費は1泊あたり12,000円を上限とする。ただし事前に部門長の承認を得た場合はこの限りでない。」

質問:「大阪出張で1泊15,000円のホテルに泊まる場合、精算できますか。」

条件がないと、「一般に宿泊費の上限は会社ごとに異なります」といった一般論に流れることがあります。条件文を付けた場合に期待する形は、次のようなものです。

  • 資料に書かれていること:「[1]上限は1泊12,000円」「[2]事前に部門長の承認があれば例外」
  • 資料に書かれていないこと:承認の申請方法、大阪など地域別の上限の有無
  • 確認が必要な点:総務部門に、承認の申請手順と、地域別の上限があるかを確認

出てきた結論が資料と合っているかは、人が[1]と[2]を原文と見比べて確かめてください。

回答が出たあとの確認

公式ガイドは、これらの手法で誤りを大きく減らせても完全にはなくならないとし、重要な情報は必ず確認するよう述べています。回答が出たら、次の順で確かめます。

  1. 抜き出された引用が、資料に本当にあるか。文字列を検索して確かめます。
  2. 引用の外側の主張が混ざっていないか。番号のない文があれば注意します。
  3. 気になる点があれば、次の依頼でもう一度チェックさせます。
上の回答の各主張について、資料の中に裏づける原文があるか確認してください。
見つからない主張は削除し、削除した位置を[ ]で示してください。

これは公式ガイドにある「各主張に裏づけの引用を探させ、見つからなければ取り下げさせる」方法を日本語にしたものです。人事や費用の精算のような判断は、規程の原本か担当部署で最終確認してください。

一般論も欲しいときは分ける

資料限定にすると、補足的な説明まで出なくなります。一般的な背景も知りたい場合は、同じ依頼の中で「資料の内容」と「一般的な補足」を別の見出しにして、後者には「資料外の情報」とラベルを付けさせます。混ざらなければ、どこまでが資料の内容か判断できます。

出典・参考資料