Claudeの回答を直させる言い方:部分修正・やり直し・差し戻しの指示文型
AIを使いこなす執筆にClaudeを使用しています。

Claudeの回答が思った通りでないとき、「違う」「もっと良くして」だけを返しても、どこをどう直せばよいのかは伝わりません。直させる言い方の基本は、「どこを」「どう変えて」「何は残すか」を言葉にし、直し方を部分修正・方向修正・差し戻しの3つから選ぶことです。 この記事では、種類を選ぶ判断表と、コピーして使える指示文型(型A〜J)を紹介します。例文はすべて編集部が作った説明用の例で、実際にClaudeへ送って結果を確かめたものではありません。出力は毎回変わるため、そのまま通るとは限りません。
直し指示の4要素と、3種類の選び方
Claudeのヘルプセンターは、プロンプトを改善する方法として、依頼をわかりやすく明確に書くこと、背景情報をできるだけ多く含めること、複雑な依頼を小さな手順に分けること、そしてフィードバックとして追加の指示や補足を返したり、書き直しを頼んだりすることを挙げています(My prompt isn't giving me a helpful answer、2026年3月16日更新と表示)。Anthropicのブログも、求めるものを具体的に伝えること、なぜそれが重要かを説明すると目的に沿った回答につながりやすいことを説明しています(Best practices for prompt engineering for 2026、2025年11月10日公開と表示)。
これを「直し」の場面に当てはめると、1回の返信に次の4つを入れるのが実用的です。4要素への落とし込みは、公式の記述を元にした編集上の整理です。
- 対象、書き方:直す場所を特定する、例:「第2段落の2文目」
- 変更、書き方:どう変えるかを動詞で言う、例:「結論を先頭に移す」
- 維持、書き方:変えない部分を言う、例:「他の段落は変えない」
- 理由・基準、書き方:なぜ直すか、何を満たせばよいか、例:「読み手は忙しい部長なので30秒で読める量にしたい」
「維持」を書くと、修正の範囲を絞りやすくなります。これは公式の説明ではなく、編集上の目安です。
次に、状態を見て直し方の種類を選びます。
- 全体はよいが、一部の表現・長さ・順序が気になる、種類:部分修正、一言でいうと:一箇所を指して直す
- 内容は正しいが、読み手・目的・トーンが違う、種類:方向修正、一言でいうと:狙いを言い直して書き直させる
- 指定した条件の違反、事実の誤り、根拠のない記述がある、種類:差し戻し、一言でいうと:違反箇所を示して、条件を守らせる
迷ったら、「一部を差し替えれば済む」なら部分修正、「別の読み手に向けて書き直したい」なら方向修正、「最初に伝えたルールが守られていない」なら差し戻しです。
部分修正の指示文型
直したい箇所が小さいときは、場所と変更内容だけを短く伝えます。以下の例は、架空の社内通知文「在宅勤務ルール変更のお知らせ」を直す想定です。
型A:長さを変える
第2段落だけを、現在の半分の長さにしてください。日付と対象部署は残し、それ以外の段落は変更しないでください。
型B:順序を変える
結論(「4月1日から出社日が週2日になります」)を冒頭の1文目に移してください。経緯の説明はその後ろに回し、文面そのものは変えないでください。
型C:言葉づかいを変える
「〜していただきたく存じます」を、社内向けの「〜をお願いします」程度の丁寧さにそろえてください。変えた箇所は箇条書きで教えてください。
型D:書式を変える
提出期限と提出先を、本文の最後に3行の箇条書きでまとめてください。形式は「項目:内容」にします。
型Cのように「変えた箇所を一覧で出して」と添えると、修正の範囲を人が確認しやすくなります。
方向修正の指示文型
内容は合っていても読み手や目的がずれている場合は、一部を直すより、狙いを言い直して書き直させるほうが近づきます。ヘルプセンターが勧める「背景情報を十分に渡す」考え方を、読み手と目的の言い直しに応用した文型です。
型E:読み手を変える
今の文面は、全社員向けとしては詳しすぎます。読み手を「ルールの細部を知らない新入社員」に変えて、書き直してください。専門用語は使わず、最初に「自分は何をすればよいか」が分かるようにしてください。事実関係(日付、対象、期限)は変えないでください。
型F:目的を変える
この文面の目的は「周知」ではなく、「例外申請の手順を迷わず進められること」です。申請の手順を主役にして、背景説明は2文以内に縮めて書き直してください。
型G:見本を見せる
形式やトーンは、言葉で説明するより見本を見せたほうが伝わる場合があります。Anthropicのブログは、例が特に役立つ場面として、特定の形式を示すときを挙げています。トーンへの応用は編集上の工夫です。
次の文章のトーンに合わせて、全体を書き直してください。内容は変えません。〈見本〉「来月から、出社は週2日になります。分からないことは、総務の窓口まで気軽に聞いてください。」
見本は短く、1つか2つに絞るのが無難です(編集上の目安)。
差し戻しの指示文型
差し戻しは、指示に反した箇所や、裏付けのない記述を、根拠つきで戻すときの言い方です。感情を乗せず、違反の引用、守るべき条件、作業範囲の3点を書きます。
型H:条件違反を戻す
最初に「400字以内」と指定しましたが、現在の文章は約600字です。400字以内に収めてください。削る優先順位は、(1)経緯、(2)例、(3)注意書きの順です。期限と申請先は削らないでください。
型I:根拠のない記述を戻す
第3段落の「導入企業の8割が効果を実感している」(この数字は説明用の架空の例です)の根拠が、私が渡した資料にありません。資料にない数字や事実は、本文に書かないでください。該当箇所は削除するか、「要確認」と明記してください。
Anthropicのブログは、推測するよりも不確かさを表明してよいと、明示的に許可しておく方法を紹介しています。型Iのような一文を最初の依頼にも入れておくと、差し戻しの回数を減らせる可能性があります。
型J:直した範囲を報告させる
修正後に、次の2点を答えてください。(1)変更した箇所と変更理由、(2)変更しなかった箇所のうち、私の条件と衝突しそうなもの。
差し戻しの直後は、本文を全部読み直す前に、この報告で差分の見当をつけると効率的です。
「違う」の言い換えと、直らないときの対処
「違う」で返したくなったときの言い換えです。
- 違う、言い換えの例:「目的は〇〇です。今の文面は△△に寄っているので、〇〇を主役に書き直してください」
- もっと良くして、言い換えの例:「説得力を上げたいので、第2段落に具体例を1つ足してください。他は変えません」
- 長い、言い換えの例:「全体を300字以内にしてください。日付と金額は残します」
- 硬い、言い換えの例:「同僚に話す程度の丁寧さにしてください。敬語は残します」
- 間違っている、言い換えの例:「〇〇の部分が事実と合いません。正しくは△△です。該当箇所だけ直してください」
ブログは、してほしくないことを並べるより、してほしいことを伝える書き方を勧めています。「長くしないで」より「300字以内で」のように、望む状態を書いてください。
2〜3回直させても同じ点が崩れるときは、これまでの指示が積み重なって複雑になっている可能性があります。ヘルプセンターは複雑な依頼を小さな手順に分けることを勧めているので、次の手順を試します。
- これまでの指示を1つの依頼文にまとめる(読み手、目的、文字数、残す情報、禁止事項)。
- 直したい最新の文章を貼る。
- 「上の条件をすべて守って書き直してください」と依頼する。
同じ会話で直すか、新しい会話にまとめ直すかは、会話の長さで選んでください。新しい会話に移す判断は公式の規則ではなく、編集上の提案です。なお、回答が短すぎる場合のページでは、前のプロンプトと回答を次の依頼に含めて続きから書かせる方法が案内されています(Claude's response to my prompt is too brief、2026年3月16日更新と表示)。
送る前の確認
- 取引先名、個人名、社内の数値などを貼る場合は、説明用の仮データに置き換えましたか。
- 直す場所を「第〇段落」などで特定できていますか。
- 「変えない部分」を書きましたか。
- 数字、固有名詞、日付、法令や規定に関する記述を、元の資料と照らして人が確認しましたか。Claudeに「直しました」と言われたことや型Jの報告は、確認の代わりになりません。
- 修正案を使う最終判断は、あなた自身が行いますか。
最初の返信を「違う」で送ってしまったときも、次の返信で「対象・変更・維持・理由」を言い直せば巻き返せます。まず型Aか型Hを、手元の文章で試してみてください。

