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案件ごとにProjectsを分けるか一つにまとめるか:Claudeでの粒度の決め方

AIを使いこなす

執筆にClaudeを使用しています。

机の上で、同じ書類の束を1つの箱にまとめ、性質の違う書類を仕切りのある別の箱へ分けて入れている手元の俯瞰イラスト。
記事の内容をもとに制作したAI生成イメージです。実際の製品画面や検証結果の写真ではありません。

結論から言うと、基本は「同じ資料と同じ指示を使い回す単位」で1つのProjectにします。案件ごとに作るのが原則ですが、短い単発の依頼まで案件別に作る必要はありません。逆に、性質の違う案件を「仕事全般」の1つに詰め込むのも避けたほうが安全です。 迷ったときは、次の4点で決めます。 • 資料:同じ背景資料を何度も貼り直しているか • 指示:口調や出力形式のルールが案件間で衝突しないか • 関係者:読み手や共有相手が同じか • 期間:終わりのある案件か、続く業務か この記事では、4点を順に確認する判断フローと、命名例、Claudeに分け方を相談する依頼文を紹介します。本文の例はすべて説明用の仮例で、実際に運用して得た結果ではありません。

この記事の目次
  1. 粒度を決める前に知っておくProjectsの仕様
  2. 粒度判断フロー
  3. 命名例とプロジェクト指示の雛形
  4. Claudeに分け方を相談する依頼文
  5. 作りすぎ・まとめすぎのやり直しと、共有の注意

粒度を決める前に知っておくProjectsの仕様

分け方の理由になる仕様を、公式ヘルプで確認した範囲で整理します(2026年10月27日時点。画面や提供条件は変わることがあります)。

  • Projectsは、独自のチャット履歴とナレッジ(資料)を持つ作業スペースです。プロジェクト指示も、そのProject内のすべてのチャットに使われます(What are projects?、How can I create and manage projects?)。
  • Projectの名前と説明文は、Claudeからは参照されません(作成・管理のヘルプ)。必要な前提は指示かナレッジに書きます。
  • 同じProject内でも、チャット同士の文脈は、ナレッジに追加しない限り共有されません(同ヘルプ)。使い回したい情報は、チャットで伝えるのではなくナレッジに入れます。
  • 無料プランで作れるProjectは最大5つです。有料プラン(Pro、Max、Team、Enterprise)では、資料が増えて上限に近づくと、容量を広げるRAGモードが使われます(What are projects?)。
  • メモリはProjectごとに分かれます。Project内では、そのProjectのメモリとProject外のチャットのメモリが使われ、別Projectのメモリは使われません。Projectページでアカウントのメモリの利用をオフにすると、メモリを完全に切り離せます。TeamとEnterpriseでは、メモリを使えるかどうかを組織のオーナーが制御します(チャット検索とメモリのヘルプ)。
  • チャットは後から別のProjectへ移せます。Projectはアーカイブでき、その後もメンバー、権限、ナレッジはそのまま保たれます(作成・管理のヘルプ)。

つまりProjectは、資料・指示・メモリ・共有相手が1セットになった箱です。この4つが同じなら1つの箱で足り、1つでも違えば分ける理由になります。

なお公式ヘルプには、Projectを「1つの会話」として扱う新しいベータ版が、Pro・Max向けに展開中との記載があります。本記事は従来のProjects画面を前提にしています。新方式で表示や挙動が違う場合は、ヘルプを優先してください。

粒度判断フロー

上から順に答え、最初に当てはまった行で止めてください。

  1. 同じ資料や前提を、3回以上貼り直す予定がありますか?
  • いいえ → Projectを作らず、通常のチャットで済ませます。「3回」は説明用の目安で、公式の基準ではありません。
  • はい → 2へ。
  1. 読み手や共有相手が違いますか?(社外と社内、別のクライアントなど)
  • はい → 分けます。チーム向けプランでは、共有の設定もProject単位で行うためです。
  • いいえ → 3へ。
  1. 文体や出力形式のルールが衝突しますか?(例:提案書は丁寧語、社内メモは箇条書き)
  • はい → 分けます。指示がProject全体に効くため、混ぜると毎回の指定が増えます。
  • いいえ → 4へ。
  1. 他案件の情報が混ざると困りますか?(数値や固有名詞の取り違え、守秘上の区別)
  • はい → 分けます。別Projectのメモリは使われないので、混ざりにくくなります。
  • いいえ → 5へ。
  1. 終わりのある案件ですか?
  • はい → 案件単位で1つ作り、終了後はアーカイブします。
  • いいえ(定常業務) → 業務の種類単位で1つにまとめ、年度や半期ごとに見直します。

判断表

  • 1回きりの文章校正、おすすめの粒度:Projectなし(通常チャット)
  • 3か月の提案案件、関係者が固定、おすすめの粒度:案件単位で1つ
  • 毎週の議事録整形・週報づくり、おすすめの粒度:業務種別で1つ(年単位)
  • 同じ取引先の小さな案件が3つ、資料も読み手も共通、おすすめの粒度:まとめて1つ(取引先単位)
  • 社外向けと社内向けで文体も相手も違う、おすすめの粒度:分ける
  • 無料プランで5つを超えそう、おすすめの粒度:取引先単位や業務種別単位にまとめる

命名例とプロジェクト指示の雛形

Claudeは名前を読まないので、名前は人間が探すためのものと割り切ります。「種別_対象_期間」の形にそろえると、一覧で探しやすくなります。以下は説明用の仮名です。

  • 案件_A社サイト改修提案_2026下期
  • 案件_B社研修資料_2026-11〜2027-01
  • 定常_週報と議事録整形_2026
  • 共通_社内文書の文体ルール
  • 検討_新規サービス案メモ

ルールは3つだけです。

  • 先頭に種別(案件・定常・共通・検討)を置き、並び順で分類されるようにする。
  • 期間は「年」か「期」までにする。月日まで書くと、延長のたびに名前が実態とずれる。
  • 条件や注意事項は名前に書かず、プロジェクト指示に書く。

指示には最低限の前提を書きます。以下は仮の例なので、実際の案件に合わせて書き換えてください。

目的:A社サイト改修の提案書づくりを支援する。
読み手:A社の広報部長(技術用語は少なめにする)。
文体:です・ます調。結論を先に書く。
扱う資料:ナレッジの「ヒアリングメモ」「現行サイト構成」。
守ること:資料にない数値や事実は書かず、「要確認」と明記する。
扱わないこと:他案件の情報。

「資料にない数値は書かず要確認と書く」という一行は、案件の取り違えともっともらしい数字の混入を減らす狙いです。ただし完全には防げないため、出力された数値や固有名詞は、人が元資料と照らして確認してください。

Claudeに分け方を相談する依頼文

仕事を棚卸ししたら、Claudeに分け方の案を出してもらえます。実在の取引先名や機密はそのまま入れず、「A社」「案件1」のように置き換えてください。

次の仕事一覧を、ClaudeのProjectsに分ける案を作ってください。

判断の基準:
- 同じ資料を使い回すものは同じProjectにする
- 読み手が違うもの、文体ルールが衝突するものは分ける
- 終わりのある案件と定常業務は分ける
- Projectは最大◯個まで(無料プランなら5個)

仕事一覧:
1. A社 サイト改修の提案書(〜12月、資料:ヒアリングメモ)
2. A社 パンフレットの文案(〜11月、資料:同じヒアリングメモ)
3. 毎週の議事録整形(社内向け、箇条書き)
4. B社 研修資料の作成(〜1月)
5. 新規サービスのアイデア整理(期限なし)

出力:Project名(「種別_対象_期間」形式)、含める仕事の番号、まとめた理由、分けた理由を表で。

出てくる案は下書きです。たとえば1と2は同じ資料を使うので「A社」でまとめる案が出やすい一方、納期や関係者が違うなら分けたほうがよい場合もあります。採否は、上のフローで自分で判断してください。

作りすぎ・まとめすぎのやり直しと、共有の注意

最初から完璧に決める必要はありません。チャットは別のProjectへ移せ、Projectはアーカイブできます。公式ヘルプでは、チャット名の横のメニューからProjectへ追加する方法が案内されています。

  • 作りすぎたとき:資料がほぼ同じProjectが並んでいたら、チャットを一方に移し、空になったほうをアーカイブします。アーカイブ済みのProjectは、削除する前にアーカイブを解除する必要があります。迷うならアーカイブのままで構いません。
  • まとめすぎたとき:一覧に無関係な話題が混ざる、指示が「ただし〜の場合は」と条件だらけになる、といった状態が分ける合図です。該当のチャットを新しいProjectへ移し、指示を案件ごとに書き直します。
  • メモリが気になるとき:別Projectのメモリは使われないので、案件間の混在はProjectを分けるだけでも減ります。Project外のチャットのメモリも使いたくない場合は、Projectページでアカウントのメモリの利用をオフにします。

見直しの時期は、納品後や期末など、案件の区切りに1回で十分です。

TeamやEnterpriseプランでは、Projectを「閲覧可」「編集可」の権限で共有できます。閲覧可はチャットできますが編集はできず、編集可は指示とナレッジの修正やメンバー設定の更新ができます。共有する可能性のある案件は、最初から個人用のProjectと分けておくと、後で共有するときに中身を選別する手間が減ります。何を入れてよいかは社内ルールに従い、迷う資料は入れずに、置き換えるか要約にとどめてください。

出典・参考資料