動画素材の保存ルール:生成クリップ・プロンプト・元画像をまとめて残す
AIを使いこなすClaudeで執筆し、GPTで自動校閲・修正しています。

結論から言うと、「1カット=1フォルダ」で、生成クリップ・元画像・プロンプトと設定の記録を同じ場所に置き、ファイル名の幹(ステム)をそろえるのが、いちばん手間が少なく、後から差し替えやすい方法です。サービス側の履歴だけに頼らず、手元にも記録を持っておくのが前提です。 理由は単純で、動画ファイルだけを残しても「どの元画像から、どんな指示で作ったか」が分からなくなるからです。分からなくなると、同じ雰囲気で3秒だけ延ばしたい、別の商品に差し替えたい、といった修正のたびに最初から試行錯誤することになります。 この記事では、フォルダ構成例、命名ルール、生成記録の項目一覧を順に示します。サンプルはすべて「説明用の例」で、実際に生成して検証した結果ではありません。
生成サービス側の整理機能と、手元に残す記録の役割
動画生成サービスには、生成物を自動で保管し、フォルダで整理できるものがあります。たとえばRunwayのヘルプでは、生成したアセットが自動で「All Generations」フォルダに入り、「New Folder」で自分用のフォルダを作って移動できると説明されています(How to organize assets)。
ただ、私が確認できたのは「整理の方法」までです。プロンプトや設定をどこまで後から取り出せるか、保管期間やプラン別の条件がどうなっているかは、確認できた資料の範囲では分かりませんでした。ここは契約中のサービスのヘルプで各自確認してください。
また、AI生成物を見分けるための電子透かし(GoogleのSynthIDなど)は、生成物がAI由来だと判別しやすくする仕組みです。Google DeepMindの説明でも、目的は生成・加工されたコンテンツの識別とされています。自分のプロンプトや元画像の来歴を残す代わりにはなりません。
つまり役割は次のように分かれます。
- サービス側:生成物の保管と、サービス内での整理
- 手元の記録:再現と差し替えのための「指示と素材の対応表」(この記事の主題)
フォルダ構成例
案件フォルダの下に、工程別の大枠と、カット別のサブフォルダを作ります。以下は説明用の例です。
2026-10_商品紹介動画_EXP01/
00_brief/ 企画メモ、絵コンテ、台本
01_source/ 元画像・参照素材(原本のコピー)
EXP01_S02_C03_src_01.png
02_generated/
S02_C03/
EXP01_S02_C03_gen_v001.mp4
EXP01_S02_C03_gen_v001.txt ← 生成記録
EXP01_S02_C03_gen_v002.mp4
EXP01_S02_C03_gen_v002.txt
03_selected/ 採用クリップのコピー
04_edit/ 編集プロジェクト、書き出し前の素材
05_export/ 完成動画
99_archive/ 不採用のうち残すものポイントは3つです。
- 元画像は原本ではなくコピーを01_sourceに置く。元の場所で上書きや移動をされても、生成時の入力が残ります。
- 生成記録(.txt)は動画の隣に置く。別フォルダにすると、動画だけ移動したときに対応が切れます。
- 採用クリップは03_selectedにコピーし、生成フォルダ側は動かさない。採用後に「元の指示」を辿れます。
ファイル命名ルール
{案件コード}_{シーン}_{カット}_{種別}_{連番}.{拡張子}
例: EXP01_S02_C03_gen_v004.mp4- 案件コード、決め方:英数字3〜6文字。顧客名は入れない、例:EXP01
- シーン・カット、決め方:大文字+ゼロ埋め2桁、例:S02_C03
- 種別、決め方:src=元画像、gen=生成、edit=加工後、例:gen
- 連番、決め方:v+3桁。生成のたびに増やし、欠番も詰めない、例:v004
運用ルールは次のとおりです。
- 半角英数字とアンダースコアのみ。スペースと日本語は避けます(共有やツール連携で文字化けしにくくするためです)。
- 日付はファイル名に入れず、記録ファイル内に書きます。案件フォルダ名の頭にだけ年月を付けます。
- 「最終」「final2」などの言葉は使いません。採用かどうかは03_selectedへの配置で表します。
- 動画と記録ファイルは、拡張子以外を完全に同じにします。
生成記録の項目一覧
記録は、後で再現するときに「これがないと困る」ものを必須にし、残りは余裕があるときだけにします。
- 生成日、必須:○、内容:2026-10-27 など
- 使用サービス・モデル名、必須:○、内容:画面表示どおりに書く。更新で名称が変わるため
- プロンプト全文、必須:○、内容:修正前の文も残す場合は版を分ける
- 元画像のファイル名、必須:○、内容:01_source内の名前
- 元画像の出どころ、必須:○、内容:自作/撮影/購入/依頼主提供など。利用条件のメモ
- 長さ・解像度・縦横比、必須:○、内容:画面の設定値
- シード値・スタイル指定など、必須:項目があれば、内容:サービスに表示される範囲で
- ネガティブ指示・制約、必須:あれば、内容:「文字を入れない」など
- 評価、必須:○、内容:採用/惜しい/不採用
- 次回の修正メモ、必須:あれば、内容:「動きが速すぎる→動作語を減らす」
- 担当者、必須:チーム制作なら、内容:誰が生成したか
出どころの欄は、権利面の確認にも使えます。生成物の利用では、元になる素材や類似する既存の著作物の有無を確認する場面があります。文化庁が日本の制度の観点から整理した情報を出しているので、公開前の確認にはAIと著作権についてに掲載されている資料を参照してください(2024年7月31日公開の「チェックリスト&ガイダンス」への案内があります)。個別の案件が適法かどうかは、この記録だけでは判断できません。
記録ファイルの書式例(説明用の例)
generated: 2026-10-27
service/model: (画面に表示された名称をそのまま)
shot: EXP01_S02_C03
source_images: EXP01_S02_C03_src_01.png (自作・商品イメージ)
prompt: ゆっくり右へカメラが回り込み、机の上のマグカップに朝の光が当たる。背景は無地。
settings: 5秒 / 16:9 / 解像度は画面表示の値
rating: 惜しい
next_note: 湯気が不自然。「湯気」を外して再生成毎回の手順と、AIに任せる範囲
生成のたびに次の順で進めます。
- 生成前に、カットのフォルダとsrcの元画像コピーを用意する。
- 生成したらすぐダウンロードし、命名ルールで改名する。
- 記録ファイルを作る。プロンプトは画面から貼り付ける。
- 評価を書く。不採用も、理由が分かる場合は一言残す。
- 採用が決まったら03_selectedにコピーする。
記録の整形はAIに任せられます。ただし、プロンプトの全文と設定値は人が画面から貼り付けたものだけを使わせ、AIに補完させないでください。思い出して書かせると、実際と違う記録になります。人が確認するのは、元画像の出どころと評価です。
整形用の依頼文の例です。
次のメモを、下記の項目順の記録テキストに整形してください。
・メモに書かれていない項目は「未記入」としてください。推測で埋めないでください。
・プロンプトは一字一句変えず、そのまま転記してください。
項目:generated / service/model / shot / source_images / prompt / settings / rating / next_note
メモ:
(ここに生成画面からコピーしたプロンプトと設定、元画像のファイル名を貼る)顧客名、人物の顔が分かる素材、未公開の商品情報を扱う場合は、AIサービスに貼る前に案件コードや仮名に置き換えてください。学習に使われない設定になっていることと、情報が外部に出ないことは別の話です。
残すもの・消すものの判断表
容量が気になるときは、次の基準で整理します。これも編集上の目安です。
- 採用、動画:残す、記録:残す、置き場所:02_generatedと03_selected
- 惜しい(次回の改善材料)、動画:残す、記録:残す、置き場所:02_generated
- 不採用で理由が明確、動画:消してよい、記録:残す、置き場所:記録のみ。動画は削除
- 不採用で理由不明、動画:納品まで残す、記録:残す、置き場所:99_archive
- 元画像、動画:案件終了まで残す、記録:出どころを残す、置き場所:01_source
不採用動画を消しても、プロンプトの記録が残っていれば「この指示は失敗した」という情報は残ります。
納品後は、案件フォルダ全体を別の保存先にもコピーしてください。記録ファイルがテキストなので容量は小さく、動画より先にバックアップできます。

