二人の関係を絵で見せる:立ち位置・視線・距離をAIと決める構図の考え方
AIを使いこなすClaudeで執筆し、GPTで自動校閲・修正しています。

結論から言うと、関係の変化は「距離」「視線」「立ち位置」の3つを、段階ごとに少しずつ動かすと絵だけで伝わります。AIには「構図案を3つ出して」と頼むのではなく、この3軸と関係の段階を先に渡し、案を比較できる形で返してもらうのがコツです。AIは案を量産するのが得意ですが、どの案が物語に合うかは作り手が決めます。 この記事では、段階ごとの対応表、そのままコピーできる依頼文、案の選び方、絵にするときの注意点を順に示します。対象は漫画、絵本、イラストで二人の関係を描きたい人です。
この記事の目次
3軸で考える:関係は「どこに立ち、どこを見て、どれだけ離れるか」で伝わる
台詞で「私たち仲良くなったね」と言わせると、読者は説明を受け取るだけです。絵で見せると、読者は自分で関係を読み取ります。そのとき手がかりになるのが次の3つです。
- 距離:二人の間の物理的な間隔。コマの中で空白がどれだけあるかも含みます。
- 視線:どちらがどこを見ているか。相手の顔、手元、別の方向、見ていない(背を向ける)など。
- 立ち位置:画面のどこに配置するか(左右、手前と奥、高低)と、体がどちらを向いているか。
ポイントは、1つの場面で動かすのは1〜2軸までにすることです。3つ同時に変えると、読者は何が変わったのか分からなくなります。たとえば「距離は縮まったが、視線はまだ合わない」という組み合わせのほうが、ぎこちない親しさを表せます。
関係の段階ごとの対応表
下の表は編集上の目安です。決まりではなく、作品の性格に合わせて崩して構いません。ここでは二人を A と B と呼びます。
- 1. 初対面・他人、距離:遠い。間に物や空白がある、視線:合わない。互いに相手を一瞬だけ見る、立ち位置・体の向き:画面の端と端。体は正面か外向き、避けたい描き方:最初から同じフレームで密着させる
- 2. 知り合い、距離:腕の長さ以上。会話はできる、視線:話すときだけ合い、すぐ外す、立ち位置・体の向き:向かい合うが斜め。机や柵などの境界を挟む、避けたい描き方:全員が常に相手の顔を見ている
- 3. 親しい、距離:肩が触れない程度の近さ、視線:自然に合う。同じ物を一緒に見る場面が増える、立ち位置・体の向き:並ぶ。同じ方向を向く、避けたい描き方:毎コマ正面で見つめ合わせる
- 4. 意識し始める、距離:近いのに触れない。急に距離を取る動きも、視線:目が合うと逸らす。相手の手や横顔を見る、立ち位置・体の向き:片方が少し後ろ。一方の視線だけ相手に向く、避けたい描き方:顔を赤らめる記号だけに頼る
- 5. 衝突・緊張、距離:近づきすぎるか、一歩引く、視線:強く合う、または片方が背ける、立ち位置・体の向き:正面で対峙、または高低差をつける、避けたい描き方:二人とも同じ大きさ・同じ高さで感情差が出ない
- 6. 断絶・離別、距離:遠い。間に大きな余白、視線:合わない。相手が見えない向きで見る、立ち位置・体の向き:背中合わせ、画面の左右に分断、避けたい描き方:距離だけ遠くして視線が合ったまま
- 7. 和解・信頼、距離:近い。触れる、寄りかかるなど、視線:穏やかに合う。視線の高さが揃う、立ち位置・体の向き:並ぶ、同じ方向、または向かい合って高さが同じ、避けたい描き方:段階5と同じ構図を繰り返して変化がない
見るべき「変化」は前の場面との差
表の値そのものより、直前の場面との差分が効きます。段階3から4への変化なら「並んでいたのに、片方が半歩後ろに下がる」だけで十分です。AIに案を頼むときも、前の場面の構図を伝えると、差のある案が出やすくなります。
読む順番と左右の置き方
右から左へ読む形式の漫画では、読者は一般に右側から読み進めます。ただし、右側の人物が視点の主になりやすい、主人公は右側に置く、といった決まりはありません。人物の配置は、コマの読み順や場面の演出に合わせて決めましょう。
AIに構図案を出させる依頼文
AIには、絵そのものではなく、まず文章で構図案を出させるのがおすすめです。絵を直接生成すると、顔や衣装に意識が向いて、構図の比較がしにくくなります。
次の依頼文の【 】を埋めて使ってください。
あなたは漫画・絵本の構図設計を手伝うアシスタントです。
二人の関係の変化を、台詞を使わずに「距離・視線・立ち位置」で見せる構図案を出してください。
【登場人物】
A:【名前/年齢感/性格を一言で】
B:【名前/年齢感/性格を一言で】
【場面】【場所と状況を一文で】
【直前の場面の構図】【例:並んで歩いている、距離は肩幅ひとつ分】
【今の関係の段階】【例:親しい → 意識し始める】
【見せたい変化】【例:Aだけが相手を意識し、Bは気づいていない】
【ページ・画面の形式】【例:縦読み漫画の1コマ/絵本の見開き】
次の条件で、3案を出してください。
- 各案は「距離」「視線(A・Bそれぞれ)」「立ち位置(画面内の左右・高低・体の向き)」「カメラ位置(俯瞰/あおり/水平、寄り/引き)」を別々の項目で書く
- 3案は、動かす軸を変えること(例:案1は距離、案2は視線、案3は立ち位置が主役)
- 各案に、読者が受け取る印象を一文で付ける
- 各案に、誤読されそうな点を一つ挙げる
- 台詞、モノローグ、効果音の文字は使わない「誤読されそうな点」を入れると、AIが自分の案の弱点を出すので、選ぶときの材料が増えます。
入力例(説明用の例)
次は説明用に作った入力です。AIに実行した結果ではありません。
- A:ミナト、高校2年、面倒見がいい先輩
- B:ソラ、高校1年、無口で観察が得意
- 場面:部活帰りの駅のホーム
- 直前の場面の構図:並んで歩いている、肩幅ひとつ分
- 関係の段階:親しい → 意識し始める
- 見せたい変化:ミナトだけがソラの横顔を気にし始める
- 形式:縦読み漫画の1コマ
こう入れると、たとえば「ミナトを手前の右に置き、ソラは奥の左で線路を見ている。ミナトの視線だけがソラの横顔に向く」といった形の案が返ってくる、という想定です。実際の出力は毎回違うため、出てきた案はそのまま採用せず、次の基準で選びます。
案を選ぶ3つの質問
AIが出した3案から選ぶときは、好みではなく次の順で確認します。
- 前の場面との差が一目で分かるか:差が小さすぎると変化が伝わらず、大きすぎると唐突になります。
- 見せたい情報が一つに絞られているか:「ミナトだけが意識している」ことが主役なら、ソラの感情を同時に描く案は外します。
- 次の場面につなげられるか:この構図の次に、段階5や7へ進める余地があるかを見ます。使い切った構図は後で困ります。
3つとも不合格なら、依頼文の「見せたい変化」を具体的に書き換えて再依頼します。案が似てしまう場合は「軸を一つずつ固定して比較して」と追記すると、差が出やすくなります。
物語全体で使うなら:関係の流れを一度にそろえる
1場面だけでなく、物語全体の流れを設計することもできます。その場合は、次のように頼みます。
次の関係の流れで、各場面の「距離・視線・立ち位置」を一覧表にしてください。
場面1:初対面 / 場面2:知り合い / 場面3:衝突 / 場面4:和解
条件:隣り合う場面で変えるのは最大2軸まで。同じ構図を繰り返さない。
出力は、場面・距離・視線・立ち位置・変化した軸、の列を持つ表にしてください。返ってきた表は、先ほどの対応表と見比べてください。「変えた軸が隣の場面と重なりすぎていないか」「段階5と7が同じ構図になっていないか」を人が確認します。
絵にするときの注意
構図案が決まったら、ラフを自分で描くか、画像生成で下絵を作ります。どちらでも、構図案の文章をそのまま渡すと作業が進めやすくなります。
画像生成を使う場合
二人の人物を同時に描かせると、特徴が混ざることがあります。Midjourney の公式ヘルプでは、Edit Model で最大4枚の参照画像を使えること、キャラクターの特徴が混ざる場合は複数のキャラクターを1枚の参照画像にまとめると改善することがある、と説明されています(Midjourney: Edit Model)。同ページでは、Edit Model が以前の Omni Reference と Character Reference の後継という位置づけです。機能名や対応バージョンは変わり得るため、使う前に最新のヘルプを確認してください。
ChatGPT で画像を直したい場合、公式ヘルプでは、選択ツールで範囲を指定して変更点を伝える方法と、会話で直接指示する方法が案内されています。選択範囲は正確とは限らず、指定外にも編集が及ぶことがあるため、構図のうち片方の視線だけを直す場合も、変更後に他の部分が崩れていないか確認してください(OpenAI: Images in ChatGPT)。
画像生成に渡す指示は、構図を伝えやすくするため、顔や服装の説明より先に次の順で書く方法があります。
- 画面の形と枠(縦長1コマ、など)
- 二人の位置(手前/奥、右/左)
- 各人の視線の向き
- 距離(肩幅ひとつ分、腕一本分など、身体を単位にする)
- 最後に服装や背景
確認しておきたい点
- 視線は誤りやすい点です。生成された絵では、目線が意図と違う方向を向くことがよくあります。出力のたびに、A・Bそれぞれの視線を表の値と照らして確認してください。
- 距離は絵の中の物で測ります。「少し離れて」より「間にベンチ一つ分」のほうが、再現しやすくなります。
- 既存作品のコマを真似て指示しないでください。構図の考え方自体は広く使われますが、特定の作品の絵を模倣させる依頼は避けます。AI生成物と著作権の扱いについては、文化庁が「AIと著作権に関する考え方について」を令和6年に公表しています(文化庁:AIと著作権について)。公開や商用利用を考える場合は、この資料を確認してください。個別の作品が問題ないかどうかは、この記事では判断できません。
- 参考にした画像や未発表の原稿を外部サービスに入れる場合は、サービスの利用規約と公開範囲を確認してください。公開前の原稿を使うときは、設定や名前を置き換えた説明用のデータで試す方法もあります。
最小の作業手順
最後に、1場面分の手順を並べます。
- 前の場面の構図を、距離・視線・立ち位置の3項目で一行ずつメモする
- 対応表から、今の場面の段階と「動かす軸」を決める
- 依頼文に埋めてAIに3案を出させる
- 3つの質問で一案に絞る
- サムネイル(小さなラフ)を描くか、画像生成で下絵を作る
- 視線と距離が表の値どおりか、人の目で確認して直す
この流れは、1場面あたり数分の作業を想定した編集上の提案です。回数を重ねると、自分の作品で「この関係の段階には、この構図」という型が見えてきます。その型を表に書き足していくと、次の場面でAIに渡す情報がそのまま増えていきます。

