マガジン

ChatGPTで漫画のプロットを場面リストに変える:ネーム前の準備手順

AIを使いこなす

Claudeで執筆し、GPTで自動校閲・修正しています。

漫画の場面リストと鉛筆、星空の小さなラフが置かれた机
記事の内容をもとに制作したAI生成イメージです。実際の製品画面や検証結果の写真ではありません。

結論から言うと、あらすじを場面リストに変える作業は、ChatGPTに「場面ごとの目的・見せ場・台詞量」を書かせる形にすると任せやすくなります。ただし、渡す材料を先にそろえ、何ページで描くかを伝えておく必要があります。出てきた案を採用するかどうかは、人が「この場面で読者に伝える一点は何か」を基準に決めます。 この記事では次の順に進めます。 1. ChatGPTに渡す材料を決める 2. 「場面」の区切り方を決める 3. 依頼文を送る(コピーして使えます) 4. 場面リストの形を確認する(説明用の例つき) 5. 人が確認する点を表で見る 6. 原稿を入力するときのデータの扱いを確認する ネームそのもの(コマ割りや構図)は扱いません。ここで作るのは、ネームに入る前に「この場面は何ページ分で、何を見せるか」を揃えた設計図です。

この記事の目次
  1. 1. 渡す材料を決める
  2. 2. 「場面」の区切り方を決める
  3. 3. ChatGPTへの依頼文
  4. 4. 場面リストの形を確認する(説明用の例)
  5. 5. 人が確認する点
  6. 6. 原稿を入力するときのデータの扱い
  7. この後の使い方

1. 渡す材料を決める

ChatGPTに丸投げすると、場面の数が多すぎたり、ページ数に収まらなかったりします。最低限、次の5点を渡します。

  • あらすじ:箇条書きでも文章でも構いません。起承転結の骨だけで足ります。
  • 総ページ数:読切8ページ、24ページ、連載1話19ページなど。
  • 媒体と読者:紙の雑誌、縦読みのウェブ漫画、同人誌など。縦読みならページではなく「画面の長さ」で考えるので、その旨も書きます。
  • 主要キャラクター:名前と、物語上の役割を一行ずつ。
  • 絶対に変えたくい点:結末、ある台詞、主人公の性格など。

最後の項目が重要です。書いておかないと、ChatGPTが「整えるため」に結末や関係性を動かすことがあります。

2. 「場面」の区切り方を決める

場面の定義は、依頼文の中で明示しておくとぶれません。この記事では次のルールを使います(編集上の提案で、公式の規格ではありません)。

  • 場所・時間・登場人物のどれかが大きく変わったら、場面を分ける。
  • 一つの場面には「目的」を一つだけ置く。目的とは、その場面が終わった時点で物語がどう進んでいるか、です。
  • 一つの場面には、読者に伝えたい「一点」を一つだけ置く。感情でも情報でも構いません。
  • 見せ場は、絵として一番印象に残したいシーンを一つだけ書く。

ページ配分の見当は、1ページあたり4〜6コマ程度を目安に置くと計算しやすくなります。ただしこれは作風や媒体で大きく変わるので、自分の普段の数字に置き換えてください。

3. ChatGPTへの依頼文

下の文は、そのまま貼れるようにしてあります。【 】の部分だけ差し替えてください。この依頼文は説明用に作ったもので、特定の作品での実行結果は載せていません。

あなたは漫画の構成を手伝う編集アシスタントです。
下のあらすじを、ネーム前の「場面リスト」に分けてください。

# 条件
- 総ページ数:【8】ページ
- 媒体:【紙のモノクロ読切】
- 想定読者:【高校生〜大人】
- 1ページあたりのコマ数の目安:【4〜6コマ】
- 変えてはいけない点:【結末/主人公の性格/ある台詞など】

# 場面の区切りルール
- 場所・時間・登場人物のどれかが大きく変わったら場面を分ける
- 各場面に「目的」を一つ、「伝える一点」を一つだけ置く

# 出力形式(表で)
場面番号 / 場所と時間 / 目的 / 見せ場(絵として見せたい一コマ) /
伝える一点 / 台詞量(少・中・多) / ページ配分 / コマ数の見当

# 守ること
- あらすじにない出来事は表に入れない。足したほうがよい案は、表の下に「追加案」として分けて書く
- ページ配分の合計が総ページ数に一致するか、最後に自分で確認して報告する
- 情報が足りず判断できない場面は、推測せず「要確認」と書いて質問する

# あらすじ
【ここに貼る】

「追加案」を分けさせるのは、人が採用を決めるためです。表の中に混ぜられると、元の物語がどこまで自分のものか分からなくなります。

4. 場面リストの形を確認する(説明用の例)

次は、依頼文で出力させたい形を示すための説明用の例です。ChatGPTで実際に出力した結果ではなく、物語も架空です。

あらすじ(例):廃部寸前の天文部に一人残る高校生ミナトは、先輩の置き手紙を見つける。顧問から「文化祭で観望会を開けば存続」と告げられる。屋上で準備するが曇りで何も見えない。雨上がりの夜、雲が一瞬切れ、星が見える。ミナトは観望会を開くと決める。

  • 1、場所・時間:部室・放課後、目的:部の現状を示す、見せ場:誰もいない部室に一人、伝える一点:ミナトは部を失いたくない、台詞量:少、ページ:1、コマ数:4〜5
  • 2、場所・時間:部室・同日、目的:先輩の存在を示す、見せ場:置き手紙を見つける手元、伝える一点:先輩は何かを託していた、台詞量:中、ページ:2、コマ数:8〜10
  • 3、場所・時間:職員室・翌日、目的:存続条件を提示する、見せ場:顧問が条件を言う瞬間、伝える一点:期限と目標がはっきりした、台詞量:多、ページ:1、コマ数:4〜5
  • 4、場所・時間:屋上・夜、目的:一度つまずく、見せ場:曇天に向く望遠鏡、伝える一点:努力だけでは星は見えない、台詞量:少、ページ:2、コマ数:8〜10
  • 5、場所・時間:屋上・雨上がり、目的:決意を固める、見せ場:雲の切れ間の星(見開き候補)、伝える一点:ミナトが自分で決めた、台詞量:少、ページ:2、コマ数:6〜8

ページ合計は1+2+1+2+2=8で、総ページ数と合います。コマ数は1ページ4〜6コマの目安から出した見当です。

台詞量の考え方

台詞量は、文字数よりも「少・中・多」で持つほうが扱いやすいです。たとえば、1コマに吹き出し1つまでを「少」、会話のやり取りが続く場面を「多」とし、「多」の場面が連続していないかを見ます。この例では場面3だけが「多」なので、前後を静かな場面で挟む形になっています。基準は自分の作風に合わせて決め、依頼文の中にも書いておくとぶれません。

5. 人が確認する点

ChatGPTの出力を受け取ったら、次の表で確認します。

  • ページ合計、見方:総ページ数と一致するか。AIの申告を鵜呑みにせず足し算する、ずれていた場合:場面を統合する、または重みの低い場面を削る
  • 「伝える一点」が一つか、見方:「〜で、かつ〜」と二つ入っていないか、ずれていた場合:場面を分けるか、片方を削る
  • 目的が物語を進めているか、見方:場面を抜いても話が通じるなら、不要の可能性がある、ずれていた場合:削るか、他の場面に統合する
  • 見せ場の配置、見方:見せ場が全場面で同じ強さになっていないか、ずれていた場合:山場にページを寄せ、他は軽くする
  • 台詞量の偏り、見方:「多」が続いていないか、冒頭が説明台詞だらけになっていないか、ずれていた場合:絵で見せる案に置き換える
  • あらすじとの差、見方:勝手に足された出来事や、変えた結末がないか、ずれていた場合:「追加案」に回すか、削除する

ずれが多いときは、場面リスト全体を作り直させるより、問題のある場面だけを指定して直させるほうが、他の場面の合意済みの部分を保てます。たとえば次のように頼みます。

場面3だけ直してください。「伝える一点」が二つ入っています。
「期限と目標がはっきりした」の一点に絞り、台詞量を「中」に下げた案を2つ出してください。
他の場面は変更しないでください。

6. 原稿を入力するときのデータの扱い

未発表の物語を貼る場合は、ChatGPT側の設定を先に確認してください。OpenAIのヘルプによると、個人向けワークスペースのFree、Plus、Proでは、「Improve the model for everyone」という設定を「Settings」の「Data controls」から切り替えられます。オフにすると新しい会話はモデルの学習に使われませんが、履歴には残ります。また、利用できる設定はログイン状態、プラン、ワークスペース設定によって異なります(ChatGPT のデータコントロール)。同ページには、次の点も書かれています。

  • 一時チャット(Temporary Chat)は履歴に残らず、メモリを作らず、モデル改善にも使われない。ただし安全上の目的で最大30日間保持されることがある。

学習利用をオフにすることと、内容が外に出ないことは別の話です。公開前の原稿や、他人の個人情報、出版社との契約に関わる情報は、登場人物名や設定を置き換えた形で渡すほうが安全です。場面リストの作成は、固有名詞を仮名にしても成立します。

生成物の扱いと著作権

場面リストはあくまで設計図で、台詞や絵は自分で作る前提の作業です。文化庁の文化庁の「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」は、生成AIと著作権に関するリスクを減らすための取組みを紹介する資料です。AI生成物の著作物性は個別の状況によって判断されるため、人の創作的寄与があれば保護されると一律に保証するものではありません。場面の取捨選択や並べ替えを自分で決めておくことは、作品づくりとして筋が通るだけでなく、AIの出力を機械的に採用しない習慣にもなります。既存の作品名を挙げて「〜のような展開に」と頼むと似すぎる恐れがあるため、依頼文には作品名を入れず、「テンポは速め」「場面転換は少なめ」のように性質で伝えるのがよいでしょう。公式の考え方の全体は文化庁「AIと著作権について」から確認できます。

この後の使い方

場面リストができたら、各場面の「見せ場」と「コマ数の見当」を手がかりに、ページごとのネームに入ります。場面リストが決まっていれば、描いている途中で迷ったときも「この場面の伝える一点は何か」に戻れます。

出典・参考資料