断片的な創作メモから物語の核を取り出す:AIと進める3段階の整理
AIを使いこなすClaudeで執筆し、GPTで自動校閲・修正しています。

結論から言うと、メモの山から核を見つけるには、次の3段階に分けるのが扱いやすい方法です。 1. メモを「場面・モノ・人物・感情・結末の候補」などに仕分ける 2. 何度も出てくる要素と感情を数え、核の候補を2〜3個に絞る 3. 穴埋めの文型で、候補を一文の「物語の核」にする AIに任せるのは、仕分けと、重なりの洗い出しと、文型の下書きです。どの候補を書くかを決めるのは、あなたです。核とは「誰が、何を求め、何に阻まれ、どうなる話か」を一文で言える状態のことです。この記事の依頼文と穴埋め文型は、コピーしてそのまま使えます。 なお、本文中のメモと核の例はすべて、仕組みを説明するために私が作った「説明用の例」です。実際に試した結果ではありません。
準備:AIに渡すメモの範囲を決める
最初に、渡すメモを決めます。次の点を見てください。
- 他人の作品の引用が多いメモは外します。 好きな作品の台詞や設定の書き写しは、整理の対象にしません。自分の言葉で書いた断片だけを渡します。生成AIと著作権については、文化庁が「AIと著作権について」のページで、考え方の文書やチェックリストを公開しています。同ページでは、考え方と関連文書を紹介しています。個別の作品が問題ないかの判断はできません。
- 未発表の原稿や、他人から預かった企画は置き換えます。 固有名詞は仮名にし、必要なら要旨だけにします。
- 学習設定と秘密保持は別の話です。 OpenAIのヘルプ「Data controls in ChatGPT」を確認したところ、個人ワークスペースのFree・Plus・Proでは、データ共有が初期状態で有効です。設定をオフにすると、新しい会話はモデルの学習に使われず、履歴は残ります。ただし、フィードバック(高評価・低評価)を送った会話は使われる場合があります。「一時チャット」は履歴やメモリに残らず、学習にも使われませんが、安全上の目的で最大30日保持されることがあります。つまり、学習に使われないことは「誰にも見られない」ことを意味しません。外に出せない内容は渡さないのが確実です。
設定画面の名称や既定値は変わる可能性があります。使う前に、ご自身の画面で確認してください。
段階1:メモを要素別に分ける
まずは評価をさせず、仕分けだけをさせます。「面白いものを選んで」と頼むと、AIが勝手に取捨選択してしまうためです。
説明用のメモ例
次の8行は、依頼文に貼る入力例として私が作ったものです。
1. 古い灯台に、毎晩だれかが灯をともしている
2. 祖母の鍵束に、使い道の分からない鍵が一本だけある
3. 引っ越しの朝、箱に入らなかった傘
4. 妹とけんかしたまま夏が終わった
5. 雨が続く海辺の町
6. 言えなかった「ありがとう」
7. ラスト案:鍵は扉ではなく、別のものを開ける
8. ラスト案:灯台は閉鎖され、最後の夜に妹が灯をともす依頼文
以下は私の創作メモです。物語の評価や提案はせず、仕分けだけをしてください。
【仕分けの項目】
A. 場面・舞台 B. モノ・小道具 C. 人物・関係
D. 感情・テーマ E. 結末の候補 F. どれにも入らない
【ルール】
- メモの番号を残し、元の文は書き換えない
- 複数の項目に当てはまるメモは、すべての項目に入れる
- 最後に、メモ中に2回以上出てくる語や関係を「繰り返し」として一覧にする
- 推測は「推測」と明記する
【メモ】
(ここにメモを貼る)「元の文を書き換えない」と「推測は明記」の2点が重要です。AIが気を利かせて新しい設定を足すと、あなたのメモと混ざってしまいます。
出力を見たら、番号が抜けていないか、Fに入ったメモに大事なものがないかを確認します。上の例なら、2「鍵」、1と8「灯台・灯」、4と6と8「妹」が繰り返しとして挙がるはずですが、実際にどう出るかは使うAIと回によって違います。
段階2:繰り返し・感情・結末をつないで核の候補を出す
次に、段階1の出力をそのまま貼り、重なりから候補を出させます。
先ほどの仕分け結果をもとに、物語の核の候補を3つ出してください。
【条件】
- 各候補に、根拠になったメモ番号を必ず付ける
- 「繰り返し」の要素と、D(感情)と、E(結末の候補)を1つずつ組み合わせる
- 各候補について、メモに無い要素を足した場合は「追加」と明記する
- 各候補の弱い点(メモだけでは足りない部分)を1行で書く
- 優劣はつけないここで「優劣はつけない」とするのは、選ぶ作業を自分に残すためです。弱い点を書かせると、あとで何を足せばいいかが見えます。
候補を選ぶ判断表
出てきた候補は、次の表で見比べます。点数でなく、○△×で十分です。
- 繰り返し、○の目安:根拠のメモが3個以上ある、×の目安:根拠が1個で、あとはAIの追加
- 感情、○の目安:読み返して自分の気持ちが動く、×の目安:理屈では分かるが何も感じない
- 結末、○の目安:最後の場面が頭に浮かぶ、×の目安:結末が「なんとなく良い話」止まり
- 分量、○の目安:書きたい長さに収まりそう、×の目安:設定が増えすぎて収拾がつかない
- 追加の量、○の目安:AIの追加が少なく、あっても採用したい、×の目安:追加が多く、元のメモが痩せている
「感情」の列は、AIには判定できません。ここはあなたが決めてください。また、○が最も多い候補が、必ずしも書く価値のある核とは限りません。×が1つでも「感情」にあるなら、いったん保留にするのが無難です。
段階3:穴埋め文型で核を一文にする
候補が1つか2つに絞れたら、一文にします。次の文型を使います。
【主人公】は、【望み】を求めているが、【障害】のせいで【できずにいる】。しかし【きっかけ】によって【感情・気づき】に向き合い、【結末】にたどり着く。
穴は6つです。メモの中にある言葉で埋め、埋まらない穴は空欄のままにします。空欄は、まだ決めていない部分の目印として使えます。
説明用の記入例(上のメモ例から作成)
海辺の町に越してきた少女は、祖母の鍵が開けるものを知りたいと求めているが、妹とけんかしたままの気まずさのせいで、一人では動けずにいる。しかし毎晩灯る灯台の理由を知ることで、言えなかった「ありがとう」に向き合い、最後の夜に妹と灯をともす。
この例では「灯台を毎晩照らす人の正体」が埋まっていません。メモ1の問いに答えが出ていないためです。こうした空欄が見つかるのが、この方法の利点です。
依頼文(穴埋めの下書きと穴の指摘)
次の文型に、選んだ候補を当てはめて核の一文を3通り作ってください。
【文型】
【主人公】は、【望み】を求めているが、【障害】のせいで【できずにいる】。しかし【きっかけ】によって【感情・気づき】に向き合い、【結末】にたどり着く。
【ルール】
- メモにある言葉をできるだけ使う
- メモから決められない穴は、埋めずに「未定」と書く
- 3通りは、結末だけを変える
- 最後に、未定の穴について、私が決めるための質問を3つ出す返ってきた3通りのうち、読んで最も続きが気になるものを選びます。その文を、企画書の最初の一行やタイトルの案に使えます。
核を決めたあとの確認
AIの出力は、次の3点を確認してから採用します。
- メモ番号の根拠が実在するか。 存在しない番号や、書いていない内容が混ざっていないか、貼ったメモと照合します。
- 「追加」が自分の趣味に合うか。 追加はAIの案であり、あなたのメモではありません。気に入らなければ削ります。
- 似た作品に寄りすぎていないか。 核が有名作品の筋に近い場合は、自分のメモのどの部分が違いを生むのかを書き出します。この判断はAIに任せず、自分で行います。
核の一文ができたら、次は「未定」の穴を一つずつ自分で埋めます。空欄が多いほど、そこが次に考えるべき箇所です。

