オリジナルキャラクターの設定をAIで掘り下げる:矛盾を防ぐ設定シート
AIを使いこなすClaudeで執筆し、GPTで自動校閲・修正しています。

キャラクターの設定が途中でぶれる主な原因は、「年齢・趣味・性格」といった属性だけを決めて、その人物が何を欲しがり、何を避け、追い詰められたとき何をするかを決めていないことです。属性は場面ごとの判断材料になりません。だから描くたびに行動がずれます。 対策は、AIに設定を「書かせる」のではなく、質問役にして、答えは自分が出すことです。AIは質問、要約、矛盾の指摘を担当します。何を採用するかは人が決めます。この記事では、そのための依頼文、1枚にまとめる設定シートの項目、記入の順番を、そのまま使える形で示します。
この記事の目次
先に決めるのは「欲求・恐れ・癖」で、属性は最後
記入の順番は次のとおりです。ふつうの設定表とは逆で、年齢や職業は最後に回します。
- 核(欲しいもの、本当に必要なもの、避けたいもの、譲れない線)
- 行動の癖(追い詰められたときの反応、決め方、嘘のつき方)
- 自覚している矛盾
- 基本属性(名前、年齢、職業、住環境、趣味)
- 関係と話し方
- 見た目の固定点
- 運用ルール(確定・保留・不採用)
先に核と癖を決めておくと、趣味や職業は「その核から自然に出てくるもの」として選べます。たとえば「用済みと言われるのが怖い」人物なら、頼まれる前に手を出す癖と、趣味が「他人の物を直すこと」であることは自然につながります。
AIに質問役をさせる依頼文
次の文をコピーし、【】の中を自分の作品に合わせて書き換えて使います。最初の一通で役割とルールを固定するのがコツです。
あなたは、キャラクター設定の「聞き役」です。設定を代わりに作らないでください。
私が答えた内容だけを材料にします。
【作品の形:例 短編漫画/絵本/小説/ゲームの登場人物】
【世界観の前提:例 現代日本の下町。魔法はない】
【すでに決まっていること:例 名前は未定。修理の仕事をしている】
# ルール
- 質問は一度に3つまで。抽象的な質問ではなく、具体的な場面で聞いてください。
(悪い例:性格は?/良い例:大事な約束に遅れそうなとき、まず何をしますか?)
- 私の答えが曖昧なら、深掘りの質問を1回だけしてください。
- 私が「決められない」と答えた項目は、勝手に埋めず「未決」と記録してください。
- 私が求めない限り、答えの候補を出さないでください。求めたときは3案までです。
- 私の答えが以前の答えと食い違うと感じたら、書き直さずに、食い違いの箇所を2つ並べて示してください。
- ブロックごとに、私の答えを3行以内で要約し、「この理解で合っていますか」と確認してください。
# 進め方(この順番で)
1. 核:欲しいもの/本当に必要なもの/避けたいもの/譲れない線
2. 行動の癖:追い詰められたときの反応/決め方/嘘のつき方/無意識の癖
3. 自覚している矛盾
4. 基本属性
5. 関係と話し方
6. 見た目の固定点
最後に、私の確認済みの答えだけで設定シートにまとめてください。
では1の「核」から、最初の3つの質問をお願いします。「候補を出さない」という縛りを入れているのは、AIの案を受け入れていくうちに、どこかで見たような平均的な人物になりやすいからです。迷ったときだけ「3案出して」と頼み、そこから選ぶか、一部だけ借りる形にします。
1枚にまとめる設定シートの項目一覧
質問が終わったら、次の項目を1枚に収めます。長文にせず、各欄は1〜2行を目安にします。
- 核、項目:一言要約、書く内容:「〜したいが、〜が怖くてできない人」の形で1文
- 核、項目:表向きに欲しいもの、書く内容:本人が口に出す目標
- 核、項目:本当に必要なもの、書く内容:本人が気づいていない場合も可
- 核、項目:避けたいもの、書く内容:言われたくない言葉、陥りたくない状況
- 核、項目:譲れない線、書く内容:追い詰められても越えないこと
- 行動、項目:追い詰められたときの反応、書く内容:逃げる/固まる/攻める/段取りに走る等、具体的な行動で
- 行動、項目:決め方、書く内容:即断か先延ばしか。誰に相談するか
- 行動、項目:嘘のつき方、書く内容:つく場面、ばれやすい癖
- 行動、項目:無意識の癖(3つまで)、書く内容:描写に繰り返し使える動作
- 矛盾、項目:自覚している矛盾、書く内容:意図的に残す食い違いと、その理由
- 基本、項目:名前・年齢・職業・住環境、書く内容:核から自然に導けるものを選ぶ
- 基本、項目:趣味・特技、書く内容:核や癖につながる理由を一言添える
- 関係、項目:口調・一人称・呼び方、書く内容:親しい相手と初対面の相手で分ける
- 関係、項目:近い人物、書く内容:名前と、その人にだけ見せる顔
- 見た目、項目:固定点(3つまで)、書く内容:絵柄が変わっても必ず残す特徴
- 運用、項目:確定/未決/不採用、書く内容:日付付きで管理。不採用案も残す
「無意識の癖」と「見た目の固定点」を3つまでに絞るのは、数が多いと描写のたびに全部は使えず、結局ぶれるためです。「不採用」を残しておくと、後からAIに相談したとき同じ案が再提案されても気づけます。
矛盾チェックの依頼文と、判断の仕方
シートが埋まったら、別の会話かその続きで、次の文とともにシート全体を貼ります。
以下は私のキャラクター設定シートです。
矛盾の可能性がある箇所を、次の形式ですべて挙げてください。
- 該当する2つの項目と、それぞれの記述
- なぜ食い違って見えるか(1〜2行)
- 分類:A=行動と欲求がずれている/B=情報が足りず判断できない
直し方は、私が求めるまで提案しないでください。
問題がない場合は、無理に探さず「見当たりません」と答えてください。指摘が返ってきたら、次の表で振り分けます。
- 食い違いだが物語上の魅力になる、判断:意図的な矛盾、対応:「自覚している矛盾」欄に理由つきで移す
- Bで情報不足、判断:設定の穴、対応:質問役の会話に戻り、その項目だけ追加で聞いてもらう
- Aで理由が思いつかない、判断:単純な誤り、対応:どちらかを書き換え、不採用欄に元の案を残す
説明用の例(AIで実行した結果ではなく、書き方を示すための仮の人物です):
- 一言要約:頼られ続けたいが、用済みと言われるのが怖くて人に任せられない修理屋
- 表向きに欲しいもの:店を大きくする
- 避けたいもの:「もう来なくていいよ」と言われること
- 無意識の癖:頼まれる前に直してしまう/料金を言い忘れる
この場合、「店を大きくしたいのに従業員を雇わない」はAの指摘になりえます。ただ、避けたいものと照らすと「人に任せると自分が不要になる」で説明がつくため、意図的な矛盾として記録できます。理由を書けるかどうかが、残すか直すかの目安です。
人が確認すること
AIの答えをそのまま採用しない。 質問役でも、要約の言い回しにAI側の解釈が混ざります。ブロックごとの要約確認で「少し違う」と思ったら、その場で直させてください。
既存作品との近さを自分で見る。 AIの深掘りや候補は、よく知られた人物像に寄ることがあります。名前、見た目の固定点、決め台詞の組み合わせが特定の既存キャラに似ていないかは、公開前に自分で確認します。著作権の扱いについては、文化庁が2024年3月に「AIと著作権に関する考え方」をまとめ、関連資料を「AIと著作権について」のページで公開しています。同ページは、生成AIと著作権をめぐる判例・裁判例の蓄積がない現状を踏まえた整理だと説明しています。商用や公開を予定する場合は、個別の判断をこの記事に頼らず、そのページの資料や専門家の助言を確認してください。
未発表の設定をどこまで入力するか。 ChatGPTの個人向けプランでは、OpenAIのヘルプ(2026年10月27日に閲覧)によると、設定の「Improve the model for everyone」をオフにするか、プライバシーポータルで学習利用を止められます。ただし、回答に高評価・低評価のフィードバックを送ると、その会話全体が学習に使われる場合があるとされています。また、学習をオフにすることは、秘密が守られることと同じではありません。他社の案件で預かった設定や未公表の核心部分は、固有名詞を仮名に置き換えてから入力すると安全です。
実際の進め方(目安は30〜60分)
- 質問役の依頼文を貼り、【】を埋める。
- 各ブロックで3問ずつ答える。迷う項目は「未決」で進める。
- 最後に出た設定シートを、自分の言葉で1箇所ずつ読み直す。
- 矛盾チェックの依頼文でシートを検査し、上の表で振り分ける。
- 確定した版に日付をつけて保存する。以降の変更は、不採用欄に元の案を残してから行う。
絵を描く、漫画にする、文章にするなど、使う場面を問わず、この1枚を最初に参照してください。AIに続きを頼むときも、毎回このシートを貼り付けると、設定がぶれにくくなります。

