絵本の見開きをAIと設計する:左右ページの役割とめくりの間
AIを使いこなすClaudeで執筆し、GPTで自動校閲・修正しています。

絵本の見開きは、「左ページで状況を見せ、右ページで動きや変化を見せ、めくった先に“まだ見えていないもの”を残す」と役割を分けると設計しやすくなります。AIには、この3つの役割ごとに複数の案を出してもらいます。どれを採るかは作者が決めます。 この記事では、見開きごとに役割を書き込む設計シートと、そのままコピーして使える依頼文3本、AI案を採るか捨てるかの判断表を紹介します。画像生成に入る前、文章と構図の段階で使う想定です。
この記事の目次
見開きを「左・右・めくった先」で分けて考える
見開きは、2ページ分の横長の画面です。ただし読者の目は、開いた瞬間に全体を見て、そのあと左右のどちらかへ動き、最後にページをめくります。この流れに合わせて、役割を次のように置きます。
- 左ページ:状況や問いを置く場所です。登場人物はどこにいて、何に気づいたのかを見せます。
- 右ページ:変化や答えを置く場所です。動作、発見、予想外の出来事などです。
- めくった先:次の見開きで最初に目に入るものへの期待です。右ページの終わりに「何が起きるのだろう」を残します。
注意点があります。縦書きで右開きの絵本は、読者が先に見るのが右ページです。その場合は上の「左」と「右」を入れ替えて考えてください。設計シートの最初に、綴じ方を書く欄を作っておくと混乱しません。
また、本の中央の綴じ目(ノド)に顔や大事な文字を置くと、見えにくくなることがあります。見開き全体の見せ場がノドをまたぐかどうかも、シートに書いておきます。
設計シート(コピーして使えます)
見開き1組につき1行を使います。表計算ソフトやノートに貼り付けてください。
- 1、場面の一言:、左ページ(状況):、右ページ(変化):、めくった先(残す期待):、見せ場とノドの位置:、文字量:
先頭には次の2項目を書きます。
- 綴じ方:左開き(横書き)/右開き(縦書き)
- 見開きの総数:最初は仮で構いません
記入例(説明用の例)
次は、この記事のために作った架空の短い物語です。実際に絵本として制作・検証したものではありません。物語は「雨の日に、小さなカエルのポロが傘を探す」で、見開きは8組と仮定します。
- 1、場面の一言:雨が降り出す、左ページ:窓の外を見るポロ。空は灰色、右ページ:机の上に傘がない、めくった先:傘はどこへ行った?、見せ場とノド:見せ場は右。ノドは空に使う、文字量:1文
- 2、場面の一言:探し始める、左ページ:部屋の隅を探すポロ、右ページ:床に濡れた足跡が続く、めくった先:足跡の主は誰?、見せ場とノド:足跡がノドを横断、文字量:2文
- 3、場面の一言:池のほとりで、左ページ:足跡が池で途切れる、右ページ:大きな葉の下で、ナマズが傘を広げている、めくった先:ナマズは貸してくれる?、見せ場とノド:見開き全体で池を見せる、文字量:2文
ポイントは、「めくった先」の欄を空けずに書くことです。ここが埋まらない見開きは、次へ進む理由が弱い可能性があります。
進め方:AIに案を出させて、自分で決める
手順1:物語の骨格だけを渡す
渡すのは、主人公、困りごと、結末の3点と、対象年齢、綴じ方、見開きの目標数です。全文を貼る必要はありません。未発表の原稿を扱う場合は、後述のデータ設定を先に確認してください。
手順2:見開きへの割り振り案を出させる
次の依頼文を使います。【】の部分を自分の内容に置き換えます。
絵本の構成案を作ってください。
- 主人公:【ポロ(小さなカエル)】
- 困りごと:【雨の日に傘が見つからない】
- 結末:【ナマズと傘を分け合う】
- 読者:【3〜5歳】/ 綴じ方:【左開き】/ 見開き:【8組】
出力形式:見開きごとに「場面の一言/左ページ/右ページ/めくった先」を表で。
条件:各見開きの「めくった先」は、次の見開きで解消される疑問か期待にしてください。
案は【3パターン】出し、パターンごとに山場が来る見開きの番号も書いてください。手順3:1つの見開きを深掘りする
山場など重要な見開きだけ、左右の描き分けを複数案出させます。
見開き【3】について、左右ページの絵の案を4つ出してください。
前後の流れ:【見開き2は足跡が池で途切れる/見開き4はナマズが傘を差し出す】
制約:ノドに主人公の顔を置かない。文字は1〜2文で、置く位置も示す。
案ごとに、読者が最初に見る場所と、めくりたくなる理由を一行で添えてください。手順4:めくりを読者の目線で点検させる
AIに、読者になったつもりで予想を書かせます。
次の設計シートを読み、各見開きの右ページを見た読者が
「次に何が起きると思うか」を一文ずつ予想してください。
予想が当たりすぎる見開き、予想が立たない見開きに印を付けてください。
【シートを貼り付け】これはAIの推測であり、実際の読者の反応ではありません。当たりすぎる箇所は驚きを足し、予想が立たない箇所は手がかりを足す、という調整の材料にします。可能なら、身近な人に実際に読んでもらい、同じ点を確認してください。
AI案の採否を決める判断表
- 左右の役割、採用の目安:左と右で見せるものが違う、保留・修正の目安:左右が同じ内容の言い換え
- めくった先、採用の目安:次の見開きで答えが出る、保留・修正の目安:次で触れられない、または答えが先に出てしまう
- 見せ場、採用の目安:1つに絞られている、保留・修正の目安:ノドをまたぐ、または2つ以上競合する
- 文字量、採用の目安:対象年齢の読み聞かせで無理がない、保留・修正の目安:左右とも文章が長く、絵が説明に回る
- 山場の位置、採用の目安:後半に向けて盛り上がる、保留・修正の目安:最初に山場が来て、以降が単調になる
AIは「それらしい山場」を毎回同じ位置に置きがちです。表で見比べて、作者の感覚に合うものだけを選んでください。
画像生成に進む前に確認すること
設計が固まったら、見開き単位で絵を作ります。ここで3点、公式資料で確認できる範囲を押さえておきます。確認日は2026年10月27日です。
キャラクターの一貫性。 Midjourneyの公式ドキュメントでは、Edit Modelで最大4枚の参照画像を使い、キャラクターの一貫性などを保てると説明されています。同ページによると、対象はバージョン8.1と8.2で、複数キャラクターの特徴が混ざる場合は、1枚の参照画像にまとめる方法が案内されています。仕様は更新されるため、使う時点でMidjourney公式ドキュメント(Edit Model)を見直してください。他のツールを使う場合は、そのツールの説明に従います。
入力データの扱い。 OpenAIのヘルプでは、ChatGPTの設定「Improve the model for everyone」をオフにすると、新しい会話はモデル改善に使われないと説明されています。ただし、回答へのフィードバック(高評価・低評価)を送ると、オフにしていてもその会話全体が改善に使われる場合がある、とも書かれています。詳しくはOpenAIヘルプ:データがモデル改善にどう使われるかを確認してください。これは学習利用の設定の話で、秘密保持とは別です。未発表の原稿は、固有名詞などを説明用の仮の内容に置き換えて渡すと安心です。
著作権の考え方。 日本では文化庁が「AIと著作権に関する考え方」を公表しており、2024年7月にはクリエイター向けも含む「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」を作成したと案内しています(文化庁:AIと著作権)。私は本文PDFを読めていないため、個別の判断基準にはここでは立ち入りません。既存の絵本や作家の作品に寄せた依頼は避け、完成した絵は既存作品に似ていないか、人の目で確認してください。出版や公開で迷う場合は、出版社や専門家に相談してください。
最後に埋めるチェック
シートの最後に、次の3行を足して完成です。
- 「めくった先」が空欄の見開きはないか。
- 山場の見開きに、見せ場が1つだけあるか。
- 最終見開きの「めくった先」は、読み終えたあとの余韻(もう一度1枚目に戻りたくなる仕掛けなど)になっているか。
最終見開きのめくった先は、次のページではなく読後の気持ちを書く欄だと考えてください。ここまで書けたら、見開き1組ずつ絵の制作に進めます。

