よくある質問ページをAIと作る:問い合わせの記録から本当に載せる質問を選ぶ
AIを使いこなすClaudeで執筆し、GPTで自動校閲・修正しています。

結論から言うと、載せる質問は「実際に受けた問い合わせを1件ずつ記録し、同じ内容をまとめて数え、採用基準に当てはめて」決めます。AIに任せるのは、記録の分類と回答文の下書きです。何を載せるかの最終判断と、回答の事実確認は店主が行います。 「AIにFAQを100個考えてもらう」方法は、一般的な店の質問が並ぶだけで、あなたのお客さんが実際に迷う点とずれがちです。この記事では、メール・LINE・DM・電話メモから表を作り、採用基準で絞り、依頼文で下書きを作るところまでを順に進めます。 なお、記事中の店や件数はすべて説明用の例で、実際に調べた結果ではありません。依頼文も私が実行して確かめたものではないため、お使いのAIで出力を見ながら調整してください。
この記事の目次
手順1:問い合わせを「1件1行」の表にする
まず過去1〜3か月分、記録が足りなければこれから2〜4週間分の問い合わせを集めます。メール、LINE、SNSのDM、電話・店頭で受けた内容を書いたメモが対象です。
表の列は次の6つで十分です。
- ID、書くこと:Q01, Q02… の連番
- 経路、書くこと:メール/LINE/DM/電話/店頭
- 質問の要約、書くこと:1文。原文の写しではなく要約
- 質問前に何を見ていたか、書くこと:公式サイト、SNS、地図アプリなど(分かる範囲)
- 対応の手間、書くこと:一言で答えた/調べた/折り返した
- 答えを誤った場合の影響、書くこと:なし/再来店/返金/安全面 など
説明用の例(架空の焼き菓子店):
- Q01、経路:LINE、質問の要約:ギフト用の箱はあるか、見ていたもの:SNS、手間:一言、誤答の影響:再来店
- Q02、経路:電話、質問の要約:卵・乳を使わない商品はあるか、見ていたもの:不明、手間:調べた、誤答の影響:安全面
- Q03、経路:DM、質問の要約:取り置きは何日まで可能か、見ていたもの:SNS、手間:一言、誤答の影響:再来店
- Q04、経路:メール、質問の要約:100個の注文はいつまでに連絡すればよいか、見ていたもの:サイト、手間:折り返し、誤答の影響:返金
- Q05、経路:LINE、質問の要約:箱は無料か、見ていたもの:SNS、手間:一言、誤答の影響:なし
個人情報は表に入れない
お客さまの名前、電話番号、メールアドレス、注文内容が特定できる記述は、AIに渡す前に消します。「Q02:アレルギーのある子どものお客さま」程度の粒度に留め、固有名詞は残さないでください。
個人情報保護委員会は2023年6月2日付の生成AIサービスの利用に関する注意喚起で、個人情報をプロンプトに入力する際の注意を示しています。添付資料では、利用目的の範囲内か、入力情報が機械学習に使われないかを確認するよう促しています。要約だけで足りる作業なので、最初から個人情報を渡さない運用にしましょう。
たとえばClaudeのヘルプ記事(2026年5月22日表示)は、個人向け製品について、モデル改善への利用を許可した場合の保護措置や、機密性の高い個人情報を共有する際は慎重にするよう案内しています。設定による扱いはサービスやプランで異なるため、お使いのサービスの最新の規約と設定を確認してください。
手順2:AIに同じ質問をまとめて数えてもらう
表ができたら、次の依頼文で分類します。表は貼り付け用のテキストにして渡します。
あなたは小さなお店のFAQ作成を手伝う編集者です。
下の表は、お客さまからの問い合わせを要約した記録です(個人情報は除去済み)。
やること:
1. 意味が同じ質問をグループにまとめ、グループ名を付ける
2. グループごとに、含まれるIDと件数を示す
3. どのグループにも入らない質問は「単発」として別に並べる
4. 件数は表にあるIDから数え、推測で増減させない
出力は、グループ名/件数/ID/誤答の影響(表の最も重い値)の表にしてください。
店の事実(料金、日時、ルール)は表にない限り補わないでください。
【表】
(ここに貼り付け)AIは数え間違いをすることがあります。出力のIDを元の表と照合し、件数が合うか確認してください。5〜30件程度なら目視で十分です。
手順3:採用基準で「載せる/載せない」を決める
グループができたら、次の4項目で見ます。これは私が提案する目安で、公的な基準ではありません。
- A 頻度、採用に傾く条件:記録期間中に3件以上(件数が少ない店は2件でも可)
- B 重さ、採用に傾く条件:誤答すると返金・安全面・予約ミスにつながる
- C 安定性、採用に傾く条件:答えが短く一定で、頻繁に変わらない
- D 判断への影響、採用に傾く条件:知っていれば来店・購入・予約の判断が変わる
A〜Dのうち2つ以上に当てはまれば採用候補、Bだけは1つでも該当すれば件数が少なくても載せる、と決めておくと迷いません。
載せないと決めたものにも行き先を用意します。
- 毎回条件が違う(見積もり、特注)、扱い:FAQでなく問い合わせフォームの入力項目にする
- 在庫・当日の営業など頻繁に変わる、扱い:FAQでなくお知らせ欄やSNSの固定投稿に
- 1件だけで影響も小さい、扱い:載せず、「保留メモ」に残して次回の集計で再確認
- すでにどこかに書いてある、扱い:質問を増やさず、書いてある場所を見つけやすくする
先ほどの例では、Q02(アレルギー対応)は件数が1件でも安全面に関わるためBで採用候補、Q01とQ05(箱の有無と料金)はまとめて頻度とDで採用候補、というように判断します。
手順4:回答文の下書きを頼む
採用が決まった質問ごとに、正しい事実は店主が用意し、AIには文章の整形だけを頼みます。事実を渡さずに「答えを書いて」と頼むと、もっともらしい作り話が入りやすいためです。
次の質問に対する、お店のよくある質問ページ用の回答文を書いてください。
【質問】ギフト用の箱はありますか?
【事実(これ以外は書かない)】
・箱は2種類ある(説明用の例)
・料金は店主が後で記入するため【要確認:料金】と残す
・箱が必要な場合は注文時に伝えてもらう
条件:
・最初の1文で結論(あるかないか)を答える
・全体で80〜150字、です・ます調
・事実に書かれていないことは書かず、不明点は【要確認:○○】と残す
・「ご不明な点はお問い合わせください」だけで終わらせず、次にお客さまがすべき行動を1つ書く出力に【要確認】が残っていたら、店主が事実を入れて埋めます。AIが自分で埋めた金額や日数があれば、すべて渡した事実と照らして削除してください。
公開前に人が確認する点
- 金額、日数、時間、数量が実際の運用と一致しているか
- アレルギー、キャンセル、返金など、誤ると損失や事故につながる回答は、実際のルールと矛盾していないか(法令との関係が気になる場合は、所管の窓口や専門家にご相談ください)
- 質問の言葉が、お客さまが実際に使っていた言い方になっているか。AIが整えた硬い表現より、記録にあった言い方を優先します
- 回答同士が矛盾していないか
手順5:並べ方と見直しの周期を決める
載せる数は、最初は5〜8問程度に絞るのがおすすめです。件数順ではなく、「問い合わせ前に知りたい順」(買う前、予約前、受け取り時)に並べると読みやすくなります。
公開後は、ページ上のFAQを見てもなお同じ問い合わせが来るかを次の集計で確認します。減った質問は残し、増えた質問があれば追加、変わった条件(料金、期限)は回答を直します。見直しの周期は、季節メニューや料金改定のある店は3か月ごと、変化の少ない店は半年ごとなどを目安に決め、カレンダーに入れておくと続きます。見直しの際は、手順1の表に新しい問い合わせを足して手順2から繰り返すだけです。
最初の一歩
今日できることは、直近の問い合わせを10件、手順1の表の形で書き出すことです。10件でも「同じ質問が何回あったか」は見えてきます。個人情報を消した表を作ってから、手順2の依頼文に貼り付けてください。

