店内の張り紙や案内表示をAIで書き直す:禁止の言い方をやわらげて伝わる文にする
AIを使いこなすClaudeで執筆し、GPTで自動校閲・修正しています。

「〜禁止」の張り紙は、「理由」と「代わりにしてほしい行動」を足して短くまとめると、やわらかく伝わる文になります。AIに任せるのは、言い方の違う案を複数出すところまでです。何を守ってほしいのか、事実として何が正しいのかは、店主が決めて渡します。最後は、掲示する場所で声に出して読んで確かめます。 この記事では、そのための依頼文を3種類(禁止・お願い・案内)と、掲示前の読み上げ手順を紹介します。文中の例はすべて、説明用に私が作った架空の例です。実際のAIの出力や、貼り出した結果ではありません。
張り紙をやわらげる3つの足し算
きつく見える張り紙の多くは、「やめてほしいこと」だけが書かれています。読む人は理由が分からず、代わりに何をすればいいのかも分かりません。そこで次の3点を足します。
- お願いの形にする:「〜しないでください」ではなく「〜していただけると助かります」。
- 理由を一言入れる:店側の都合でも、他のお客様への配慮でも構いません。
- 代わりの行動を示す:どこでなら良いのか、どうすればいいのかを書きます。
説明用の例です。
- 店内飲食禁止、足すもの:理由:床や商品が汚れやすい/代わり:店先のベンチ、書き直しの方向:床や商品を汚さないよう、お召し上がりは店先のベンチでお願いします
- 試着室に荷物を持ち込まないで、足すもの:理由:狭くて落ち着いて試せない/代わり:荷物預かり、書き直しの方向:狭いため、お荷物はレジでお預かりします。お声がけください
- 写真撮影禁止、足すもの:理由:他のお客様が写り込む/代わり:撮れる場所、書き直しの方向:他のお客様が写らないよう、撮影は入口のコーナーでお願いします
やわらげても、守ってほしい内容は変えません。「お断りしています」と言い切るべき場面もあります。やわらかさと曖昧さは別物です。
AIに渡す情報と、渡さない情報
張り紙の文面に必要なのは、状況とルールの中身です。次の情報があれば足ります。
- 渡す:業種(「小さな雑貨店」など)、禁止したい行動、理由、代わりの行動、掲示する場所、読む人(常連・子ども連れ・観光客など)
- 渡さない:お客様の氏名や連絡先、トラブルになった特定の人物の特徴、従業員の個人名、公開前の取引情報
過去のトラブルを元に書く場合は、「ある日、お客様が〜」と一般化して入力してください。
入力した内容がAIの改善に使われるかどうかは、サービスや契約プランで異なります。たとえばOpenAIのヘルプでは、ChatGPTの個人向けワークスペース(Free・Plus・Pro)ではデータ共有が既定で有効だとされています。設定の「Improve the model for everyone」をオフにすると、新しい会話はモデルの学習に使われません。履歴に残らない「一時チャット」も用意されています。ただし、回答に対して高評価・低評価のフィードバックを送ると、その会話全体が学習に使われる場合があります。詳しくはOpenAIのData controlsのヘルプで確認してください。
ここで注意したいのは、学習に使われない設定と、秘密が守られることは別だという点です。設定をオフにしても、機密を入力してよいことにはなりません。
日本では、個人情報保護委員会が2023年6月2日に生成AIサービスの利用に関する注意喚起等を公表しています。個人情報を入力するかどうかは、利用規約やプライバシーポリシーの確認を含めて慎重に判断してください。張り紙づくりでは、個人情報を入力しない運用にするのが簡単です。
依頼文テンプレート3種
[ ] の部分を自分の店の内容に置き換えて、そのまま貼れます。ここで示すのは、編集上の提案としてのテンプレートで、実際にAIで試して結果を確かめたものではありません。
① 禁止を言い換える
あなたは小さな[業種]の店内掲示を書くアシスタントです。
次の張り紙を、責める口調をやわらげて書き直してください。守ってほしい内容は変えないでください。
【元の文】[例:店内での飲食禁止]
【掲示場所と読まれ方】[例:レジ横の壁。立ったまま2〜3秒で読む]
【禁止する理由】[例:床や商品が汚れやすい]
【代わりにしてほしい行動】[例:店先のベンチを使う]
【変えてはいけない点】[例:店内では飲食できない]
条件:
- 全体で40字以内
- 「禁止」「厳禁」「〜こと」は使わない
- 理由と代わりの行動を入れる
- 「丁寧」「やわらかい」「簡潔」の3種類を出す
- 個人名や特定の人物に触れない② お願いを書く
マナーや譲り合いなど、禁止というより協力をお願いしたい場面向けです。
[業種]の店内に貼る、お願いの文を書いてください。
【状況】[例:雨の日、傘の水滴で床が滑りやすくなる]
【お願いしたい行動】[例:入口の傘袋に入れる]
【助かる理由】[例:転倒を防ぎたい]
【読む人】[例:年配の方も子ども連れも来る]
条件:
- 1〜2文、60字以内
- 最後に感謝の言葉を一言添える
- 命令形と「ご遠慮ください」は使わない
- 3案を出し、それぞれ何を重視したか一行で説明する③ 案内を整える
営業時間の変更や場所の案内など、事実が主役の文です。AIに事実を足させないことが重要です。
次の事実だけを使って、店頭の案内文を作ってください。
【事実】
- [例:11月4日(火)は臨時休業]
- [例:通常営業は11月5日(水)の10時から]
【読む人】[例:通りがかりの初めてのお客様も含む]
条件:
- 上の事実にない日付・時刻・理由・電話番号を追加しない
- 見出し(10字以内)と本文(2文以内)に分ける
- 最後に「使った事実」を箇条書きで再掲する最後の再掲は、元のメモと突き合わせるためのものです。
出てきた案から選ぶ基準
AIは数案を出します。そのまま採用せず、次の表で絞り込みます。
- ルールの中身、合格の目安:元の張り紙と意味が同じ、直し方:「お控えください」で意味がぼやけたら、「できません」に戻す
- 理由、合格の目安:自分の店の本当の理由になっている、直し方:AIが作った理由は削るか、実際の理由に置き換える
- 代わりの行動、合格の目安:場所や方法が具体的、直し方:「別の場所で」ではなく「店先のベンチで」とする
- 長さ、合格の目安:読む場所で数秒で読める、直し方:理由を一言に縮める
- 事実、合格の目安:日付・時刻・金額が自分のメモと一致、直し方:AIの文面でなく、元のメモを正とする
防犯カメラの表示のように、法令や契約に関わる掲示は、言い換えで意味が変わるおそれがあります。文面は所管の窓口や専門家に確認してください。
掲示前に読み上げて確かめる6つの手順
文字で読むとなめらかでも、声に出すとつかえる文はあります。次の順番で確認します。
- 原文と並べる:元の張り紙と新しい文を並べて、守ってほしい内容が変わっていないか見ます。
- 声に出して読む:つかえる所、一息で読めない所に印を付けます。そこが長すぎる部分です。
- 事実を照合する:日付・時刻・金額・場所を、元のメモと一つずつ指でなぞって確認します。
- 嫌味に聞こえないかを聞く:常連さん、子ども、初めて来た人の3つの立場で読みます。「お願いします」を重ねすぎると、かえって皮肉っぽくなります。
- 第三者に3秒だけ見せる:家族やスタッフに見せて、「何をすればいい?」と聞きます。答えが違えば、文面を直します。
- 掲示場所で確認する:仮に貼って、客の目線の位置と距離から読めるかを確かめます。文字の大きさや、背景との色の差もここで見直します。
気になる点が出たら、「3の『できません』を残して、理由を短く」のように具体的に伝え、AIに再修正を依頼してください。最後に文面を決めるのは店主です。

