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商品説明をAIで書く小売店向けガイド:仕入れ資料から誇張のない文章にする

AIを使いこなす

Claudeで執筆し、GPTで自動校閲・修正しています。

店主が作業台でキッチンクロスの寸法を定規で確認する手元。
記事の内容をもとに制作したAI生成イメージです。実際の製品画面や検証結果の写真ではありません。

仕入れ資料から誇張のない商品説明を作るコツは、AIに「考えて書かせる」のをやめ、「確認済みの事実を文章に並べ替えさせる」ことです。具体的には、事実を決まった欄に整理して渡し、「欄にないことは書かない」「足りない情報は質問として返す」と条件を付けます。出てきた文章は、人が言い切り表現を確認してから掲載します。 AIは、資料にない長所を自然な文章で補ってしまうことがあります。仕入れ資料の宣伝文句をそのまま信じて書き写すのも危険です。そこでこの記事では、入力テンプレート、依頼文、確認リストの3点を順に示します。なお、記事中の商品や文章は説明用の例で、実際のAIの出力ではありません。

この記事の目次
  1. AIに任せる作業と人が決める作業
  2. 商品情報の入力テンプレート
  3. そのまま使える依頼文
  4. 説明用の例:ダミー商品で流れを見る
  5. 言い切り表現を見直す確認リスト
  6. 入力してよい情報と避ける情報
  7. 運用の手順

AIに任せる作業と人が決める作業

分担を先に決めておくと迷いません。

  • 仕入れ資料から事実を拾い、欄に整理する、担当:人(AIに下書きさせてもよいが、必ず原本と照合する)
  • 事実を読みやすい文章にする、文字数を整える、担当:AI
  • 資料にない点・曖昧な点を洗い出す、担当:AI(質問として出させる)
  • 宣伝文句を使ってよいかの判断、担当:人
  • 掲載前の最終確認、担当:人

商品情報の入力テンプレート

次の欄をコピーして、商品ごとに埋めてください。ポイントは、事実と宣伝文句を別の欄に分けることです。

【商品名】(仕入れ資料の表記)
【品番・仕入れ先】
【掲載先】自店サイト / モール名 など
【想定する買い手】
【文字数・文体】例:300字前後、です・ます調

■確認済みの事実(資料の該当箇所も書く)
・素材:
・サイズ・重さ:
・色・種類:
・産地(原産国):
・付属品:
・使い方・手入れ方法:
・注意書き:

■店で実際に手に取って確認したこと(店主の確認)
・

■仕入れ資料にある宣伝文句(使うかどうかは人が決める)
・文言:   / 根拠資料の有無:あり・なし

■不明・未確認の点
・

■書いてはいけないこと
・効能や効果、病気や体の変化への言及
・「最高」「No.1」「どこよりも」など最上級・唯一の表現
・根拠のない数字、他社・従来品との比較

「確認済みの事実」には、資料のページや項目名を添えます。後で見直すときに、AIの文章のどこが資料のどこに対応するかをたどれるからです。

そのまま使える依頼文

次の依頼文の【商品情報】欄に、上のテンプレートを埋めて貼り付け、送ります。

あなたは小売店の商品説明の下書き担当です。
以下の【商品情報】に書かれた内容だけを使って、商品説明を書いてください。

ルール:
1. 「確認済みの事実」と「店で確認したこと」にある内容だけを使う。
2. 「宣伝文句」欄は本文に使わない。人が根拠資料と表示ルールを確認した内容だけ、「確認済みの事実」欄に移して使う。
3. 効能・効果、最上級、「絶対」「必ず」などの断定、他社比較は書かない。
4. 情報が足りない場合は推測で補わず、「不足情報」として質問にする。

出力は次の3つに分けてください。
A. 商品説明本文
B. 本文の各文が、どの欄の情報に基づくかの対応表
C. 不足情報への質問と、言い切りに見える表現があればその指摘

【商品情報】
(ここにテンプレートを貼る)

Bの対応表が肝心です。対応する欄がない文は、AIが補った可能性が高いので、削るか事実を確認します。

説明用の例:ダミー商品で流れを見る

商品は架空の「綿麻キッチンクロス」とします。

入力の一部(説明用の例):

・素材:綿60%、麻40%(仕入れ資料p.2)
・サイズ:約40×60cm(同p.2)
・色:生成り、グレー、紺の3色
・手入れ:洗濯機可(ネット使用)、漂白剤不可(同p.3)
・宣伝文句:「業界最高クラスの吸水力」 / 根拠資料:なし

期待する出力の形(AIの実出力ではなく、依頼どおりに動いた場合の形として編集側で書いた例):

綿60%・麻40%の素材で作られた、約40×60cmのキッチンクロスです。色は生成り、グレー、紺の3色。洗濯機で洗えます(ネット使用、漂白剤は使えません)。C. 不足情報:生産国の記載が見当たりません。「業界最高クラスの吸水力」は根拠資料がないため使用していません。

「吸水力」の宣伝文句は、根拠資料がないので本文に入りません。入れたい場合は、仕入れ先に試験データなどの根拠を問い合わせ、示された条件も合わせて書くかどうかを人が判断します。

言い切り表現を見直す確認リスト

AIの下書きが出たら、次の表で文章を一文ずつ見ます。この表は、今回の下書きで誇張を避けるための運用基準です。消費者庁の不実証広告規制の説明では、効果・性能の根拠には客観的な実証と表示内容との対応が必要とされています。また、比較広告の説明では、客観的な実証、正確かつ適正な引用、公正な比較が必要とされています。資料名や調査時点を書くだけで十分とは限りません。

  • 最上級・唯一、例:「日本一」「最高」「どこよりも」、扱い:今回の下書きでは削除
  • 効能・効果、例:「疲れが取れる」「肌に良い」、扱い:資料にあっても本文には入れず、扱う商品の表示ルールを所管の窓口などで確認
  • 断定・保証、例:「絶対」「必ず」「安心」、扱い:根拠のある具体的な事実に直せなければ削除(例:「洗濯機で洗えます。ネットを使用してください」)
  • 数字・実績、例:「累計◯万個」「満足度◯%」、扱い:出典と時点がなければ削除
  • 比較、例:「従来品より」「他社より」、扱い:今回の下書きでは削除
  • 感覚の形容、例:「やわらかい」「軽い」、扱い:店主が実物で確認した場合のみ、「当店で触れた印象では」と書く
  • 時間・在庫、例:「本日限り」「残りわずか」、扱い:実際の期間・在庫と一致するときだけ

表の確認が済んだら、掲載前に次の項目も見てください。

  • [ ] 数字と単位(サイズ、重さ、入数、容量)が資料と一致している
  • [ ] 素材の割合と産地が資料と一致している
  • [ ] 資料にない形容詞や用途(「プレゼントに最適」など)が増えていない
  • [ ] 「宣伝文句」欄の根拠なしの言葉が混ざっていない
  • [ ] 注意書き(洗濯、使用できない条件など)が省略されていない
  • [ ] モールなど掲載先の独自ルールに反していない
  • [ ] 画像と文章の内容が食い違っていない

表示に関する法律は、商品の種類や売り方で関わるものが変わります。個別に適法かどうかは、この記事では判断できません。判断に迷う商品は、所管の窓口や専門家に確認してください。

入力してよい情報と避ける情報

テンプレートに入れるのは、商品の仕様と、公開する予定の情報までにします。次の情報は入力しません。

  • 顧客の氏名、連絡先、注文内容などの個人情報
  • 仕入れ値、取引条件、秘密保持を結んでいる資料
  • 他社の未公開情報

個人情報保護委員会は2023年6月2日に生成AIサービスの利用に関する注意喚起を公表しています。商品説明の作成にお客様の情報は必要ありません。最初から入力しない運用が最も簡単です。

学習への利用設定にも注意が必要です。OpenAIのヘルプによると、個人向けプラン(Free、Plus、Pro)では会話がモデル学習に使われることがあり、「Improve the model for everyone」をオフにする方法があります。同じページに、Business、Enterprise、Edu、APIは既定では入出力を学習に使わないとの記載もあります。Claudeの個人向け製品については、モデル改善を許可した場合、モデル学習に関わる少数の担当者に閲覧が限定され、シークレットチャットは通常のモデル改善には使われないとされています。ただし、安全性の判定で会話が検知された場合は、内部の安全性モデルの改善などに使われる可能性があるとの注記があります。同ページでは、機密性の高いビジネス文書などの入力に慎重になるよう案内しています。

ただし、学習に使われない設定は、秘密保持の保証とは別の話です。取引先との契約で外部への提供が制限されている資料の情報は、事実だけを書き写しても提供制限の対象になり得ます。設定にかかわらず、契約上AIサービスへの入力が認められると確認できる情報だけを渡してください。プランや設定画面は変わることがあるため、使う前に各社のヘルプで現在の内容を確認してください。

運用の手順

  1. 仕入れ資料を見ながらテンプレートを埋める(AIには資料を読ませず、人が事実を拾うのが確実です)
  2. 宣伝文句は根拠の有無を書き込む
  3. 依頼文を付けて送る
  4. B(対応表)とC(不足情報)を見て、対応のない文を削り、質問に答える
  5. 確認リストで一文ずつ見直し、仕入れ先への問い合わせが必要なものは掲載を保留する

この順にしておけば、AIの文章力は活かしたまま、書いてよいかどうかの判断だけは店主の手元に残せます。

出典・参考資料