メニューの説明文をAIと作る手順:食材とアレルゲンは店主の事実を入力して守る
AIを使いこなすClaudeで執筆し、GPTで自動校閲・修正しています。

メニューの説明文は、AIに「おいしそうに書いて」と頼むより、店主が先に事実を書いて渡すほうが安全に作れます。AIには事実を変えずに言葉を整える役を任せます。食材、産地、アレルゲンの確定と、最後の確認は店主の仕事です。 AIは頼まれると、空白を埋めるように「地元野菜」「手作り」「こだわりの国産」といった言葉を足すことがあります。足された言葉が事実と違えば、お客様に誤った情報を出すことになります。特にアレルゲンは、AIに推測させず、店主が確定した一覧をそのまま通してください。 この記事では、次の3点を順に示します。 • 事実入力シート(AIに渡す材料) • 説明文の依頼文例 • 店主が最後に見る確認チェックリスト なお、アレルゲン表示や産地表示に法令上どんな義務があるかは、この記事では判断しません。自店の場合は保健所や消費者庁などの案内で確認してください。
1. AIに任せることと、店主が持つこと
- 食材・産地・調理法の確定、担当:店主、理由:仕入れ伝票やレシピを見られるのは店主だけです
- アレルゲン一覧の確定、担当:店主、理由:推測が入ると誤表示につながります
- 味や食感の言葉の候補出し、担当:AI、理由:表現の引き出しとして使えます
- 文字数・文体・媒体への合わせ込み、担当:AI、理由:事実を変えずに整える作業です
- 事実とのつき合わせ、公開の判断、担当:店主、理由:責任は店にあります
2. 事実入力シートを作る
最初に、1品ごとに次のシートを埋めます。空欄は「未確認」と書いてください。空欄のままだと、AIが補ってしまいます。
料理名:
主な食材(すべて。調味料・衣・つけ合わせ含む):
産地(伝票などで確認できたものだけ。不明は「未確認」):
調理法(焼く・揚げる等。手作り・自家製と言えるのは何か):
味・食感・香りの特徴(店主自身の言葉で):
提供の形(量・温度・盛り付け):
アレルゲン(店主が確認済みの一覧):
混入の可能性など注記(同じ油・同じ調理器具の使用など):
書いてはいけない表現(例:「無添加」「地元産」など根拠のないもの):
掲載先と文字数(例:紙メニュー、60〜80字):次の例は説明用の架空のもので、実在の店や実際の表示ではありません。
料理名:鶏の唐揚げ定食
主な食材:鶏もも肉、小麦粉、卵、しょうゆ、ごま油、キャベツ、米
産地:鶏肉は国産(仕入れ伝票で確認済みという想定)、他は未確認
調理法:しょうゆだれに漬けて、注文後に揚げる
味・食感:衣はさくっと、中はやわらかい。にんにくは控えめ
提供の形:5個、千切りキャベツ添え、ご飯と汁物つき
アレルゲン:小麦、卵、大豆、ごま、鶏肉(店主確認済みという想定)
注記:揚げ油は他のフライと共用
書いてはいけない表現:「無添加」「地元産」「秘伝」
掲載先:紙メニュー、70字前後AIに入力しないもの
シートには、お客様や従業員の氏名・連絡先などの個人情報、仕入れ値、取引先との契約条件を書かないでください。メニュー説明文の作成には不要です。
個人情報保護委員会は、生成AIサービスの利用に関する注意喚起を公表しています(生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について)。料理の事実だけで足りる作業なら、個人情報は渡さないようにしましょう。
AIサービスの設定も確認しておきましょう。OpenAIのヘルプによると、ChatGPTの個人向けサービス(Free、Plus、Pro)では、モデル改善の設定が有効な場合、会話がモデルの改善に使われることがあります。設定の「Improve the model for everyone」をオフにすると、新しい会話はモデル改善に使われません。ただし、フィードバック(高評価・低評価)を送ると、設定をオフにしていても、その会話がモデル改善に使われることがあります(How your data is used to improve model performance)。Claudeの個人向けサービスでは、プライバシー設定でモデル改善を管理でき、シークレットチャットはモデル改善に使われないと説明されています(Claudeのヘルプ)。
これらはモデル改善への利用に関する設定で、秘密が守られるという意味ではありません。未発表の新商品など、外に出したくない情報は、仮の名前や数値に置き換えてから入力してください。設定画面や仕様は変わることがあるため、使う時点の表示を確認してください。
3. 依頼文の例
シートを渡す前に、守らせるルールを依頼文に書きます。そのまま使える形にしました。
あなたはメニュー文の整文担当です。以下の【事実シート】だけを根拠に、
メニューの説明文を3案書いてください。
ルール:
1. シートにない食材・産地・調理法・数量・効能を書かない。
2. 「書いてはいけない表現」は使わない。
3. 「未確認」の項目には触れない。
4. アレルゲンの欄は、一字も変えずに別行で転記する。
説明文の本文には含めない。
5. 「最高」「絶品」などの最上級や、健康効果をうたう表現は使わない。
6. 文字数は指定に従う。
出力形式:
- 説明文 案A・B・C
- 各案で使ったシートの項目の対応表
- シートに書かれていない言葉を使った箇所があれば、すべて列挙
- アレルゲン欄(転記)
【事実シート】
(ここに貼り付け)「対応表」と「シートにない言葉の列挙」は、店主がチェックを素早く行うための材料です。ただしAIの自己申告は漏れることがあるので、本文との突合は店主が目で行います。
4. 作業の流れ
- 1品ごとにシートを埋めます。レシピ、仕入れ伝票、使っている調味料のラベルを手元に置きます。
- 個人情報や取引条件が混ざっていないか見直し、依頼文に貼ってAIに送ります。
- 3案を受け取り、対応表と本文を並べて読みます。
- 直したい点は、事実を動かさず口調だけ変える依頼にします。たとえば「案Bを、もう少し短く、やわらかい口調に。食材の記述は変えないで」と伝えます。
- 次のチェックリストを通し、問題がなければ公開します。
5. 店主が最後に見るチェックリスト
AIの出力をそのまま掲載する前に、次を確認してください。
食材・産地
- [ ] 説明文のすべての食材が、シートにある
- [ ] シートにない食材が増えていない(「季節の野菜」など曖昧な足し込みも含む)
- [ ] 産地の言葉(国産、地名)は、伝票などで確認できたものだけ
調理法・表現
- [ ] 「手作り」「自家製」「無添加」などが、実態と合っている
- [ ] 量や個数、提供温度がシートと一致している
- [ ] 最上級や健康効果の言い回しが入っていない
アレルゲン
- [ ] 転記されたアレルゲン一覧が、シートと完全に同じ
- [ ] 本文に「〇〇不使用」「アレルギーの方も安心」などの断定がない
- [ ] 共用の油・器具といった注記が落ちていない
- [ ] 食材や調味料の仕入れ先を変えたときは、ラベルを見直してから更新した
公開前
- [ ] 個人情報や取引条件が入っていない
- [ ] 店内の別媒体(Web、SNS、口頭の案内)と内容が食い違っていない
1つでも不安が残る項目は、AIに聞き直さず、店主が元の資料に戻って確かめてください。AIの回答で確認を済ませたことにはなりません。
6. 食材やレシピを変えたとき
レシピや仕入れを変えたら、AIの文章を直す前にシートを直します。順序を逆にすると、説明文だけが新しくなり、アレルゲン欄が古いままになりがちです。シートを店の原本として保存し、メニューを更新するたびに、そのシートから説明文を作り直す運用にすると、食い違いを防げます。
そのため、新しい説明文の依頼でも、毎回シート全体を貼ってください。過去のやり取りから引き継がせると、前のバージョンの食材が残ることがあります。

