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写真に写る人物をAIで加工・生成素材にする前の肖像と個人情報の確認

AIを使いこなす

Claudeで執筆し、GPTで自動校閲・修正しています。

人物写真の背景の写り込みを紙で隠し、切り取る範囲を確認する手元
記事の内容をもとに制作したAI生成イメージです。実際の製品画面や検証結果の写真ではありません。

人物が写った写真をAIで加工したり、生成の素材にしたりして発信する前には、「①誰の顔が写っているか」「②その人が同意しているか」「③どこへ渡し、どこで公開するか」の3点を、写真1枚ごとに書き出して確認するのが現実的です。一括で「大丈夫」「だめ」と決められる話ではありません。 確認の単位は次の3つに分けると整理しやすくなります。 • 本人(自分や、同意を取れる家族・友人・出演者)が写っている:同意の範囲(加工内容、使うAIサービス、公開先)を決めて記録する • 他人の顔が写り込んでいる:同意がなければ、素材から外す(トリミング・差し替え)方向で考える • 実在人物に似た顔をAIが生成した:「似ている」と受け取られる可能性を、公開前に人の目で確かめる この記事は日本国内での扱いを前提にしています。海外向けの公開や海外のサービス利用が絡む場合は、別の制度が関わりえます。また、ここで示す整理は編集上の確認手順であり、適法性を保証するものではありません。公開前に専門家へ確認すべき場面は最後にまとめます。

この記事の目次
  1. 著作権とは別の論点として切り分ける
  2. 場面別のリスク整理表
  3. 個人情報の面から確認すること
  4. 本人同意の確認メモ例
  5. 公開前の手順と、AIに任せる範囲
  6. 専門家に確認したほうがよい場面

著作権とは別の論点として切り分ける

AI生成物の記事では著作権が話題になりがちですが、人物写真で先に問題になりやすいのは、写っている人の権利や個人情報です。文化庁の「AIと著作権について」のページは、令和6年3月に取りまとめられた「AIと著作権に関する考え方」や、令和6年7月31日版のチェックリスト&ガイダンスを案内しています。別の文化庁資料である「文化芸術活動に関する法的問題についてよくあるご質問」の5-⑯では、自分の容貌等を撮影された写真をみだりに公表されない人格的利益(肖像権)と、著名人等の氏名・肖像の顧客誘引力を独占的に利用できる権利(パブリシティ権)が説明されています。

つまり、「著作権の資料を読んで問題なし」と判断しても、人物の肖像や個人情報の確認が済んだことにはなりません。本稿では著作権は扱わず、人物に関する確認だけに絞ります。

場面別のリスク整理表

次の表は、公式資料の記述ではなく、人物写真を扱う場面を確認の重さで分けた編集上の整理です。「重さ」は法的な危険度の判定ではなく、公開前にどれだけ丁寧に確認したいかの目安です。

  • 自分だけが写った写真を加工する、確認すること:使うAIサービスの入力データの扱い、公開先、確認の重さ:低め、基本の対応:サービスの設定と規約を確認してから渡す
  • 家族・友人が写った写真を加工して公開する、確認すること:本人の意思、必要に応じた法定代理人の同意、加工内容の範囲、確認の重さ:中、基本の対応:同意メモを残す。未成年者については同意の取り方も専門家に確認する。撤回の連絡先を決める
  • 依頼を受けて撮った人物写真(モデル・出演者・取引先)を素材にする、確認すること:撮影時の同意が、AI加工・生成素材化まで含むか、確認の重さ:高め、基本の対応:範囲外なら改めて同意を取る
  • 背景に通行人・来場者の顔が写っている、確認すること:顔が識別できるか、同意があるか、確認の重さ:中〜高め、基本の対応:トリミング・ぼかし・差し替えを先に行う
  • 有名人・知人の写真を素材にして別人風に変える、確認すること:元の人物が特定できるか、確認の重さ:高め、基本の対応:同意がなければ使わない
  • 顔をAIで新規生成し、人物として発信に使う、確認すること:実在の誰かに似て見えないか、確認の重さ:中、基本の対応:公開前に複数人で見比べる。似ていれば差し替える
  • 生成した顔を「実在の〇〇さん」のように見せる、確認すること:本人の同意、誤認の可能性、確認の重さ:高め、基本の対応:専門家に確認してから判断する
  • 社内・取引先の写真を、外部のAIサービスに入れる、確認すること:個人情報の入力に当たるか、社内ルール、確認の重さ:高め、基本の対応:社内の担当者・専門家に確認。説明用データに置き換えて試す

表の「高め」は、同意の範囲や利用方法を特に丁寧に確認したい場面です。同意の有無だけで法的な公開可否が決まるわけではありません。迷ったら、素材から外すほうが後悔しにくくなります。

個人情報の面から確認すること

顔が写った写真は個人情報になりうる

個人情報保護委員会のガイドラインに関するQ&Aでは、個人情報への該当を、社会通念上、一般人の判断力や理解力で、生存する具体的な人物と情報の同一性を認められるかで考える、という趣旨が示されています(Q1-1)。同じQ&Aには、防犯カメラ等で記録された映像の扱いを述べたQ&Aもあります(Q1-41)。

この基準を人物写真に当てはめると、顔や服装、場所などから「あの人だ」と分かる写真は、個人情報として扱う前提で確認するのが安全です。これは基準からの当てはめ(編集上の理解)で、個々の写真が該当するかは状況次第です。

個人で発信する場合と事業で発信する場合

Q&Aでは「事業」を、一定の目的で反復継続する同種の行為で、社会通念上事業と認められるものとし、営利・非営利を問わないとしています(Q1-54)。また、個人情報データベース等を事業の用に供している者は、取り扱う人数にかかわらず個人情報取扱事業者に該当するとしています(Q1-50)。「個人」「趣味」という呼び方や収益の有無だけで適用を決めず、活動の実態と情報の管理方法を確認してください。判断に迷う場合は専門家に確認してください。

AIサービスに渡す時点の確認

個人情報保護委員会は2023年6月2日付で生成AIサービスの利用に関する注意喚起(PDF)を公表しています。一般利用者向けには、入力した個人情報が機械学習に使われうること、サービス提供元の利用規約やプライバシーポリシー等を確認すること、出力が正確とは限らないことが挙げられています。個人情報取扱事業者には、入力が特定した利用目的の達成に必要な範囲内かを確認するよう求めています。また、本人の事前同意なく入力した個人データが応答結果の出力以外の目的で扱われると法違反となる可能性があるため、機械学習に利用されないこと等を十分に確認するよう注意しています。

ここから実務上いえるのは、写真をアップロードする前に次の2点を確認することです。

  • そのサービスは、入力した画像を学習に使う設定になっていないか。設定でオフにできるか
  • 学習への利用をオフにすることと、第三者に見られない・保管されないことは別の話である点

設定の名称や選択肢はサービスごとに異なるため、実際に使うサービスの最新の規約と設定画面で確認してください。本稿では特定サービスの仕様は確認していません。

本人同意の確認メモ例

次は、家族・友人・出演者などから同意を得るときに、メモとして残せる項目の例です。説明用の例であり、実在の人物や案件ではありません。このメモがあれば適法になるという性質のものでもありません。目的は、「何に同意したのか」を本人と自分の双方が後から確認できるようにすることです。

【人物写真のAI加工・利用に関する同意確認メモ】(説明用の例)

1. 対象の写真
   ・ファイル名/撮影日:IMG_0001 / 2026-09-xx(例)
   ・写っている人:サンプル太郎さん(例)

2. 加工・生成での使い方(該当にチェック)
   □ 色味・背景の修正
   □ 画風の変換(イラスト風など)
   □ 顔・表情・服装の変更
   □ 別の写真・画像との合成
   □ 生成AIの素材(参照画像)としての利用
   □ 上記以外:__________

3. 使うAIサービス
   ・サービス名:__________
   ・画像の学習利用:□ 利用されないことを確認 □ 利用される □ 未確認
   ・確認した規約・設定と確認日:__________
   ・本人へ説明した内容:__________

4. 公開先と期間
   ・公開先:□ 自分のSNS □ 自社サイト □ 広告 □ その他__________
   ・公開期間:____年__月まで / 期限なし
   ・加工後画像の再利用(別媒体・別用途):□ 可 □ 不可

5. 取り下げ
   ・本人から取り下げを求められた場合、自分が管理する公開先では____日以内に非公開にする
   ・転載・保存された画像やAIサービス側のデータの削除には限界があることの説明:__________
   ・連絡先:__________

6. 本人確認
   ・同意日:____年__月__日
   ・同意方法:□ 書面 □ メール □ メッセージ(画面保存)
   ・未成年の場合の保護者の同意:□ 取得 □ 該当なし

運用のコツは次の3つです。

  • 「写真を使っていい」ではなく、加工の種類・使うサービス・公開先まで分けて聞く
  • 後から用途を広げるときは、メモを更新して再度同意をもらう
  • 同意を得る相手が複数写っている場合は、全員分を別に記録する

公開前の手順と、AIに任せる範囲

手順

  1. 素材の写真を一枚ずつ「本人/他人の写り込み/生成顔」に分類する
  2. 他人の写り込みは、トリミングや差し替えで素材から外す
  3. 本人分は同意メモを作り、公開先と加工範囲を確認する
  4. AIサービスの学習設定と規約を、実際の画面で確認する
  5. 生成顔は、第三者に見せて「誰かに似ていないか」を聞く
  6. 迷う点を一覧にして、公開前に専門家へ相談する

AIに任せられる作業と、人が決める作業

AIに任せやすいのは、状況の整理や確認項目の洗い出しです。写真そのものは渡さず、氏名や所属など個人を特定できる情報を省いた文章で状況を伝えれば足ります。同意の有無や公開の可否は、人が決めます。

AIへの依頼文の例(未実行の例です。固有名詞は説明用の置き換えです)です。

次の状況で、公開前に確認すべき項目を表にしてください。
法的な結論は出さず、「本人に聞くこと」「自分で確認すること」
「専門家に相談したほうがよいこと」に分けてください。

・素材:友人(サンプルさん)が写った屋外の写真。背景に数人の通行人の顔が写っている
・やりたいこと:イラスト風に変換し、自分のブログと広告バナーに使う
・使うサービス:画像生成AI(学習利用の設定は未確認)
・サンプルさんの同意:口頭で「いいよ」と言われただけ
・場所:日本国内、公開先も日本語サイト

返ってきた表は下書きとして使い、規約や設定は実際の画面で自分の目で確認します。

専門家に確認したほうがよい場面

次のどれかに当てはまる場合は、公開前に弁護士や社内の法務・個人情報の担当者へ相談する前提で進めてください。

  • 広告・商品・サービスの宣伝に、実在人物の顔や似顔を使う
  • 有名人・著名人に見える顔を使う、または似ているという指摘を受けた
  • 未成年や、同意能力に不安のある人が写っている
  • 取引先・顧客・従業員の写真を、外部のAIサービスに入れる必要がある
  • 本人から取り下げ要求が来た、または同意の範囲で認識がずれた
  • 海外に向けた公開や、海外居住者が写っている

生成顔の見比べは、相談や差し替えが必要な素材を見つけるための編集上の確認です。似ているだけで直ちに権利侵害になるという意味でも、誰も気付かなければ公開できるという意味でもありません。具体的な利用方法を専門家に示して判断してください。

最初の一歩としては、手元の写真を3つの分類に仕分けて、同意メモの空欄を埋めてみてください。空欄が埋まらない写真は、その時点で素材から外す候補です。

出典・参考資料