AI制作物の制作記録テンプレート:指示文から規約の確認日まで
AIを使いこなすClaudeで執筆し、GPTで自動校閲・修正しています。

AIで作ったものを公開したあとに「これはどうやって作ったの?」と聞かれて困らないために、記録は1作品につき1枚、8項目に絞れば続けられます。残すのは、①作品の基本情報、②使ったAIサービスと日付、③規約を確認した日とURL、④指示文、⑤入力した素材、⑥採用した出力、⑦人が手を加えた内容、⑧公開時の表示と権利確認の結果です。 保存場所は「作品ファイルと同じフォルダ」、期間は「作品を公開している間は必ず残す」を最低ラインにします。以下に、そのままコピーできる項目表、記入例、保存の判断表を示します。
残す8項目と、それぞれの理由
- 1、項目:作品の基本情報、何を書くか:作品ID、タイトル、公開先URL、公開日、残す理由:どの記録がどの作品のものか分かる
- 2、項目:AIサービスと利用日、何を書くか:サービス名、画面に表示されるモデル名、利用日、プラン名、残す理由:同じ名前でも仕様や規約が変わるため
- 3、項目:規約の確認日、何を書くか:確認した規約ページのURL、確認日、商用利用や出力の扱いで見た点、残す理由:「作ったときはどうだったか」を後で言える
- 4、項目:指示文、何を書くか:採用した出力につながった最終の指示文と、途中で大きく変えた点、残す理由:出所の説明の中心になる
- 5、項目:入力した素材、何を書くか:自作、許諾済み、ライセンス付き素材の別と、素材名・入手元、残す理由:他者の作品を入れていないかの確認材料
- 6、項目:採用した出力、何を書くか:元ファイル名、生成の日時、候補のうち何番目を採ったか、残す理由:公開物と生成物を結びつける
- 7、項目:人の作業、何を書くか:修正・構成・書き直しの内容、担当者、確認した日、残す理由:自分で決めた部分を説明できる
- 8、項目:公開時の表示と確認結果、何を書くか:AI利用の明記文言、他者の権利・個人情報の確認結果、残す理由:公開判断の根拠になる
最小限にするコツは、「全部のやり取り」ではなく「公開物につながった分」だけ書くことです。没になった試行錯誤まで残すと続きません。
コピー用テンプレートと記入例
次の枠を、テキストファイルやメモアプリにそのまま貼って使えます。
【制作記録】
1 作品ID / タイトル:
公開先URL / 公開日:
2 AIサービス / モデル表示 / 利用日 / プラン:
3 規約確認日 / URL / 見た点(商用利用・出力の扱い・表示義務):
4 指示文(最終版):
途中で大きく変えた点:
5 入力した素材(自作・許諾・ライセンスの別 / 入手元):
6 採用した出力(ファイル名 / 日時 / 候補番号):
7 人の作業(内容 / 担当 / 確認日):
8 公開時の表示文言:
権利・個人情報の確認結果(確認者 / 日):次は説明用の例です。実在のサービスで実際に作った記録ではありません。
1 A-2026-014 / 秋のブログ用ヘッダー画像 / https://example.com/post1 / 2026-10-27
2 画像生成サービスX / 画面表示「モデルY」 / 2026-10-25 / 無料プラン
3 2026-10-25 / https://example.com/terms / 商用利用の可否、生成物の権利の記載を確認
4 「紅葉した並木道、夕方、水彩風、人物なし」
途中で「写真風」から「水彩風」に変更
5 素材入力なし(テキスト指示のみ)
6 header_03.png / 2026-10-25 21:10 / 4候補中の3番目
7 文字とロゴを自分で合成、色味を調整 / 自分 / 2026-10-26
8 「画像は生成AIで作成し、一部を加工」 / 既存作品に似ていないか目視確認、人物なし / 自分 / 2026-10-26記録づくりをAIに手伝わせる場合
指示文を保存し忘れたときは、チャット履歴から下書きを作らせる方法もあります。AIに任せるのは「整形」だけです。日付、規約の内容、人の作業は、あなたが原本を見て確認してください。
次は私が画像制作で使ったやり取りです。次の枠に沿って、
最終の指示文と、途中で大きく変えた点だけを抜き出してください。
書かれていない情報は推測せず「不明」と書いてください。
[ここに、個人名や機密を伏せたやり取りを貼る]保存場所と期間の決め方
保存場所は、探す手間が増えるほど記録が続かなくなるので、次の表で決めます。
- 個人のブログやSNS、保存場所:作品ファイルと同じフォルダ+クラウドに1コピー、期間の目安(編集上の提案):公開している間+公開終了後1年
- 依頼を受けた制作・商用、保存場所:案件フォルダ。契約書や納品物と一緒に、期間の目安(編集上の提案):契約書の定めを優先。なければ取引の記録と同じ期間
- 他者の素材や共同制作を含む、保存場所:共有フォルダ(閲覧権限を限定)、期間の目安(編集上の提案):素材のライセンス期間が終わるまで
- 規約の確認日、保存場所:各記録の項目3に加え、規約ページの保存コピー(PDFやスクリーンショット)、期間の目安(編集上の提案):作品の記録と同じ
期間は法令で一律に決まったものではなく、私が確認した公式ページにも一律の保存期間の定めは見当たりませんでした。表の期間は運用上の目安です。仕事で使う場合は、契約や社内ルールを優先してください。
規約は更新されます。制作時の内容を後から説明するには、確認日とURLだけでなく、ページの保存コピーも残しておくと確実です。
記録に入れてはいけないもの
記録に、顧客名、未公開の企画、他人の個人情報をそのまま書き込まないでください。個人情報保護委員会は、生成AIサービスに入力した個人情報が機械学習に利用され、出力されるリスクを踏まえて適切に判断することや、利用者が利用規約・プライバシーポリシー等を十分に確認することを呼びかけています(生成AIサービスの利用に関する注意喚起等、2023年6月2日・PDF)。
記録を書くときは、次のように置き換えます。
- 顧客名 → 「案件A」
- 実在人物の名前 → 「人物1(許諾済み)」
- 未公開の製品名 → 「新製品(社内名称は別管理)」
また、「学習に使われない設定にしたから機密を入れてよい」とは限りません。学習利用の設定と、情報の取り扱い全体は別の話です。迷う情報は入れない方が安全です。
公的資料から見た「記録」の位置づけ
記録は、権利を守る魔法ではなく、説明の材料です。各資料は次のように関わります。
- 日本:文化庁は2024年3月15日に「AIと著作権に関する考え方について」をまとめ、同年7月31日にチェックリスト&ガイダンスを公開しました。関連資料は文化庁のAIと著作権のページにまとまっています。個別の作品が問題になるかは事案ごとの判断で、記録があれば適法と保証できるわけではありません。
- 米国:著作権局は、プロンプトを与えるだけでは保護されない一方、人が十分な表現要素を決めた場合は保護され得るとしています(Copyright Officeの案内)。項目7の「人の作業」は、この区別を自分の作品で説明するための記録になります。ただし米国での保護の話であり、日本の扱いとは別です。
- EU:AI法50条の透明性義務は2026年8月2日から適用されます。利用者(deployer)には、ディープフェイクの表示や、公共の関心事について公衆に知らせる目的で公開するAI生成テキストの表示が求められます。人による確認と編集上の責任がある場合は、テキストの表示が不要になる例外があります(欧州委員会のQ&A、2026年7月24日付、行動規範のページ、2026年10月19日更新)。EU向けに発信する場合は、自分が対象になるかを確認し、項目7と8に「誰が、いつ、何を確認したか」を書いておくと整理しやすくなります。
習慣にする手順
記録は「公開ボタンを押す前の3分」に固定すると続きます。
- 公開前に、テンプレートを作品フォルダに複製する。
- 項目4〜6を、チャット履歴とファイルから転記する。
- 項目3で、規約ページを開いて確認日とURLを書き、ページを保存する。
- 項目7と8を、自分の言葉で書く。ここだけは、AIに代わりに書かせない。
- 機密や個人情報が混ざっていないか読み返してから保存する。
最初の1本は10分ほどかかるかもしれませんが、同じ枠を使い続ければ短くなります。まず次に公開する1作品から始めてみてください。

