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AI生成スライドの文字が多すぎるとき、意味を残して削る頼み方

AIを使いこなす

執筆にClaudeを使用しています。

文章がぎっしり並んだ印刷原稿から、手が紙片を3色の付箋の山に仕分けている机の上の様子
記事の内容をもとに制作したAI生成イメージです。実際の製品画面や検証結果の写真ではありません。

結論から言うと、「1行30字以内にして」と文字数だけを指定するのは避けたほうが安全です。短くする指示だけでは、数字、期間、「と考えられる」といった推測の表現、但し書きが先に落ちることがあります。効果的なのは、AIに削らせる前に、スライド上の文を「画面に残す根拠」「口頭に回す説明」「削ってよい文」の3つに分け、削除不可の情報を明示して頼むことです。 この記事では、そのまま貼れる依頼文と、削る前後を突き合わせる照合表を示します。

この記事の目次
  1. 文字数指定だけだと何が起きやすいか
  2. 先に文を3つに仕分ける
  3. そのまま使える推敲依頼文
  4. 入力例と、削る前後の照合表
  5. ツールのどこに依頼文を入れるか
  6. 人が最後に確認すること

文字数指定だけだと何が起きやすいか

文字数の上限は「どれが重要か」を伝えません。「受講率は68%から81%に上昇」も「次に分析する予定です」も、字数の枠から見れば同じ長さの文です。上限が厳しいと、前提や条件を含む長い文が丸ごと削られ、結論だけが残る場合があります。

起こりやすい落ち方は次のとおりです。

  • 比較の基準(いつと、いつを比べたか)が消える
  • 「と考えられる」が消えて、推測が断定に変わる
  • サンプル数や対象範囲といった但し書きが消える
  • 数字の単位や固有名詞が言い換えられる

短くすることと意味を保つことは別の指示なので、後者を依頼文に書く必要があります。

先に文を3つに仕分ける

AIに頼む前に、各文を次の表で分けます。全部を自分でやる必要はなく、判断に迷う文だけ自分で決めれば足ります。

  • 画面に残す根拠、該当するもの:数字、期間、比較の基準、固有名詞、結論を支える条件、推測か断定かの区別、扱い:削除不可。短い語句にしてよいが、内容は変えない
  • 口頭に回す説明、該当するもの:背景、理由の言い換え、補足の経緯、例え話、詳しい手順、扱い:スライドから外し、話す内容のメモに移す
  • 削ってよい文、該当するもの:前の文の繰り返し、つなぎの文、「〜と言えるでしょう」などの飾り、扱い:削除

判断の目安は「この文がないと、聞き手が結論を誤解するか」です。誤解するなら残す根拠、誤解はしないが理解が浅くなるなら口頭、どちらでもないなら削除です。

そのまま使える推敲依頼文

仕分けの結果をAIに渡す形にしています。【 】の部分を差し替えてください。

以下のスライド1枚分の文章を、画面で読める量に推敲してください。

【目的】
聞き手は【読み手の属性】で、このスライドで伝えたい結論は【一文で】です。

【削除不可(語句は短くしてよいが、内容・数値・単位は変えない)】
- 【例:受講率68%→81%、第2四半期→第3四半期】
- 【例:「要因は推測」であること】
- 【例:アンケート回答数42件】

【口頭に回す(スライドから外し、別枠で書く)】
- 【例:時刻変更の背景、録画視聴を始めた経緯】

【ルール】
- 元の文にない情報や数字を足さない
- 推測の表現を断定に変えない
- 文字数の目標は1行【30】字前後だが、削除不可の項目を守ることを優先する

【出力】
1. スライド本文(タイトル+箇条書き)
2. 口頭で話す内容メモ
3. 削った・移した内容の一覧(元の表現/扱い/理由)

【元の文章】
(ここに貼り付け)

出力の3番目が重要です。削った内容の一覧を出させておけば、照合のときに、何が消えたかを自分で探さずに済みます。

入力例と、削る前後の照合表

以下は説明用の架空の社内研修データです。実際のツールで実行した結果ではありません。

削る前(AI生成の1枚分という想定)

オンライン研修の受講率は第2四半期に68%でしたが、第3四半期は81%に上昇しました。これは、開始時刻を9時から10時に変更したことや、録画視聴を7日間可能にしたことによるものと考えられます。ただし、アンケートの回答数は42件にとどまっているため、効果の断定にはさらなる調査が必要です。来期は部署別の受講状況も分析する予定です。

削った後の一例

  • タイトル:受講率は68%→81%(第2→第3四半期)
  • 要因候補:開始9時→10時/録画視聴7日間
  • アンケート回答は42件。効果の断定は保留
  • 来期:部署別に分析予定

口頭メモ:「要因はあくまで候補です。回答42件では断定できないので、追加調査が必要だと考えています」

この前後を、次の表で突き合わせます。

  • 68%→81%、第2→第3四半期、削った後:同じ数値と期間を保持、扱い:残す、確認の結果:数値・単位が一致
  • 開始9時→10時、録画7日間、削った後:「要因候補:」として並記、扱い:残す、確認の結果:時刻と日数が一致
  • 「と考えられる」、削った後:「要因候補」、扱い:残す(言い換え)、確認の結果:推測のまま。「要因」とだけ書いたら不合格
  • 回答42件、削った後:「回答は42件」、扱い:残す、確認の結果:件数が一致
  • 追加調査が必要、削った後:画面は「断定は保留」、詳細は口頭、扱い:口頭へ、確認の結果:口頭メモに追記済み
  • 「これは〜によるもの」の接続文、削った後:なし、扱い:削除、確認の結果:要因候補の行が代わりに担当
  • 部署別の分析予定、削った後:「来期:部署別に分析予定」、扱い:残す、確認の結果:時期が「来期」のまま

見るべきは「確認の結果」の列です。たとえばAIが「要因:開始時刻変更」と書いてきたら、見た目は短くても意味が変わっています。その場合は「推測の表現を残して」と指示を足して再生成します。

ツールのどこに依頼文を入れるか

ツールによって、依頼文を入れる場所と一度に対象にできる範囲が違います。以下は2026年10月28日に公式ヘルプを開いて確認した範囲です。画面や機能は更新されることがあり、実機での操作確認はしていません。

PowerPointのCopilot

Microsoftのサポートページによると、テキストボックスを選ぶと表示されるペンのボタンから、「Custom prompt」「Auto-rewrite」「Condense」などを選べます。Custom promptは書き換え方を自分の言葉で伝える項目、Condenseはトーンを保ったまま要約する項目です。Condenseでは削除不可の項目を指定できないため、この記事の方針ではCustom promptに依頼文を入れるほうが向いています。名称は英語版ページのもので、日本語表示では異なる場合があります。

同ページでは、対象は選んだテキストボックスで、プレゼン全体ではないと説明されています。1つのボックスに複数の話題が入っているなら、先に分けてから実行すると、削除不可の指定を守らせやすくなります。結果は「Keep it」で採用するか、「Regenerate」で再生成できます。ページの対象はMicrosoft 365版のPowerPoint(WindowsとMac)で、利用には適切なCopilotライセンスと、組織の設定での有効化が必要です。

Gamma

Gammaのヘルプでは、左側のチャット欄に編集の依頼を入力できるほか、上部ツールバーのAgentを切り替えて対象の要素を選べると説明されています。1回の依頼による変更はまとめて適用され、個別に選べません。1枚分の依頼で数か所の削除が混ざると、気に入った箇所だけを残せないため、依頼は1枚ずつ、または1ブロックずつに絞るのが現実的です。「Original」と「Modified」の切り替えで比較でき、前の版に戻すこともできるので、照合表を作る前提で使えます。

どちらのツールでも、口頭メモや削除一覧を出力させた場合は、ノート欄などへ自分で貼り直す作業が必要だと考えてください。ツールが自動でノートへ移すかどうかは、上記のページでは確認していません。

人が最後に確認すること

AIに任せるのは、短い言い回しの案出しと、削った内容の一覧づくりです。人が確認するのは次の4点です。

  1. 数字・単位・期間・固有名詞が元と一字違わないか(照合表の1列目と2列目を見比べる)
  2. 推測が断定に変わっていないか
  3. 口頭メモに移した説明が、本当に話す予定に入っているか
  4. 声に出して読んだとき、スライドだけで結論が伝わるか

機密を含む資料で試す場合は、実名や社内の数値を架空のものに置き換えてから入力してください。データの扱いはツールや契約ごとに異なるため、会社の規程も合わせて確認します。

出典・参考資料