AIで作ったPowerPointを別のPCで開くと崩れる:フォント・図・配置の点検順
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崩れの原因として最初に疑うのは、「作った環境にあったフォントが、発表用PCにない」ことです。フォントが入れ替わると文字幅が変わり、折り返しが増え、枠からはみ出し、周りの図や配置までずれて見えます。そのため点検は、フォント、貼り付けた表や図の形式、配置の微調整の順に進めるのが効率的です。 Microsoftのサポートには、インストールされていないフォントを含むファイルを開くと、そのコンピューターにあるフォントが使われると書かれています(フォントが変更されている)。AIツールで作ったスライドも、PowerPointファイルとして開く以上は同じ条件です。 この記事では、作成・書き出し・別PCの三段階で同じスライドを見比べる点検表と、差が見つかったときの直す順番を紹介します。
この記事の目次
三段階の点検表で「どこで変わったか」を切り分ける
全スライドを見る必要はありません。文字が多いスライド、表、図、画像のスライドを1枚ずつ選び、計3〜5枚を次の三か所で見比べます。
- ① 作成、見る場所:AIツールの編集画面(プレゼン表示があればそれも)、確認すること:使われているフォント名、文字量が多い枠、表・グラフ・図の種類、差が出たら疑うもの:特殊なフォント、表の形式
- ② 書き出し、見る場所:書き出したPPTXを、作成したPCのPowerPointで開く、確認すること:①と比べた折り返し・行数・図の位置、差が出たら疑うもの:書き出し時の変換、ツール独自のレイアウト
- ③ 別PC、見る場所:発表用PCで同じPPTXを開く、確認すること:②と比べたフォント、はみ出し、図の有無、差が出たら疑うもの:未インストールのフォント、埋め込み不可
見方は次のとおりです。
- ①と②で差があれば、AIツール側の書き出しが関係しています。
- ②と③で差があれば、PC間の環境差、主にフォントが疑わしくなります。
ただし、作成PCにも該当フォントがない場合は、②の時点で別のフォントに置き換わっていることがあります。②でも文字の見た目を必ず確認してください。
説明用の記入例
次の表は、記入の仕方を示すために私が作った仮の例です。実際に計測した結果ではありません。
- 3枚目(箇条書き)、① 作成:3行、② 書き出し:3行、③ 別PC:5行で枠の下へはみ出す、判定の目安:フォント差
- 6枚目(比較表)、① 作成:表で表示、② 書き出し:表で表示、③ 別PC:列幅が崩れる、判定の目安:フォント差と表の形式
- 9枚目(図)、① 作成:矢印つき、② 書き出し:矢印つき、③ 別PC:矢印が少しずれる、判定の目安:文字幅の変化が影響した可能性
修正1:フォントを揃える
作成側で使われているフォント名を控え、発表用PCにあるかを確認します。ない場合の対処は三つです。
1. PowerPointでフォントを埋め込む。 デスクトップ版のPowerPointで、ファイル→オプション→保存を開き、「ファイルにフォントを埋め込む」にチェックを入れます。選べる設定は二つあります。
- 「使用される文字のみを埋め込む」:ファイルは小さくなりますが、同じフォントでの編集に制限が出ます。
- 「すべての文字を埋め込む」:他の人が編集する場合向きです。
Microsoftの案内では、対応はWindows版がMicrosoft 365・2024・2021・2019・2016、Mac版がMicrosoft 365・2024・2021です(カスタム フォントを埋め込む利点)。このページはデスクトップアプリ向けの説明です。ブラウザ版で同じ操作ができるかは確認できていないので、埋め込みに頼る場合は、デスクトップ版で保存したファイルを使うのが安全です。
2. 埋め込めないフォントは替える。 すべてのフォントが埋め込めるわけではありません。Adobe PostScript Type 1やApple Advanced Typography形式は対応しておらず、作成者が埋め込みを許可していないフォントも、利用者側では変えられません(Some of your fonts can't be saved with the presentation)。Windowsでは、フォントの管理画面(コントロールパネルのフォント)でフォントを選び、下部の「フォントの埋め込み可能性」を見る方法が案内されています。画面の表示名はWindowsの版で異なる場合があります。
3. 広く入っているフォントにする。 MicrosoftはTimes New RomanやArialのようにほとんどのPCで使えるフォントを使うと、他のPCでも同じように表示される可能性が高まると説明しています。日本語の資料では、会場のPCに確実に入っているフォントを事前に主催者へ聞いておくのが確実です。
Gammaを使った場合の注意
GammaのヘルプにはPDFとPowerPointの書き出しにフォントを埋め込むとあります。一方で、書き出したPPTXをGoogleスライドにアップロードすると、埋め込みフォントは無視されて別のフォントに置き換わるとも書かれています(Gammaヘルプ)。発表用PCがPowerPointなのか、ブラウザのGoogleスライドなのかで見え方が変わるので、先に確認しましょう。
修正2:表・グラフの貼り付け形式を見直す
フォントを揃えても表だけが崩れるなら、貼り付け形式を疑います。ExcelのデータをPowerPointに貼る場合の違いは、Microsoftの説明では次のとおりです(PowerPoint に Excel データを挿入および更新する)。右端の列は、その説明を踏まえた私の編集上の見立てです。
- 貼り付け先のスタイルを使用、特徴:PowerPointの配色・フォントの編集できる表になる、別PCで使うときの見立て:表の文字なので、フォント差の影響を受けやすい
- 元の書式を保持、特徴:Excelの書式を使った編集できる表になる、別PCで使うときの見立て:同上
- 埋め込み、特徴:後でExcelで編集できる。大きなブックだとサイズが増える、別PCで使うときの見立て:機密性の高いブックは、広くアクセスを許す可能性があるため注意
- 図、特徴:画像になり、貼り付け後にデータは編集できない、別PCで使うときの見立て:見た目は固定しやすいが、数字は直せない
- テキストのみ保持、特徴:データが1つのテキストボックスになり、書式はPowerPointで整える、別PCで使うときの見立て:書式を付け直す手間が出る
- リンク、特徴:更新には元のExcelファイルが必要。リンク元ブックの作業中の一番上のシートが表示される、別PCで使うときの見立て:発表用PCに元ファイルがないと更新できない
発表だけが目的で、数字を直す予定がないスライドなら、「図」として貼ると崩れにくくなります。後から直す可能性があるなら、元のExcelは手元に別途残しておきます。
修正3:配置とはみ出しは最後に直す
フォントが決まってから、はみ出した枠の文字を削るか、枠を広げます。先に配置を直すと、フォントを替えたときにやり直しになるためです。
Gammaを使っている場合は、次の点も確認します(同じGammaヘルプ)。
- 書き出しは編集画面ではなくプレゼン表示(Present Mode)を反映するため、編集画面との差は起こりえます。
- 共有→書き出しにある「Zoom to fit」が、内容を拡大縮小する設定です。
- 再書き出し後も図やグラフの大きさがおかしければ、リンクと形式を添えてサポートへ連絡するよう案内されています。
- 約150枚を超える場合や大きな画像が多い場合は、書き出しに失敗しやすいとされ、分割や画像の圧縮が対処として挙げられています。
点検結果の整理をAIに頼むとき
原因の切り分けや確認項目の整理はチャットAIに頼めますが、AIには発表用PCの画面が見えません。渡した情報の範囲でしか推測できないので、実際に別PCで開いて確かめるのは人の役目です。
次の依頼文は説明用の例で、実際に試したものではありません。
PowerPointの表示崩れの原因を、可能性の高い順に整理してください。
【環境】作成側:Windows、PowerPoint(Microsoft 365)。発表側:会場のPC(PowerPointの版は不明)。
【作成ツール】(ツール名)からPPTXで書き出し
【使用フォント】(フォント名を列挙)
【症状】
- 3枚目:3行の箇条書きが別PCで5行になり、枠から下にはみ出す
- 6枚目:Excelから貼った表の列幅が崩れる
【すでに確認したこと】書き出し直後、作成PCのPowerPointでは崩れていない
【お願い】
1. フォント差・貼り付け形式・その他の可能性を分けて、確認手順を書く
2. 私が発表用PCで目視確認すべき項目を5つ以内で挙げる
3. 断定できない点は「要確認」と書くフォント名は実際の資料から控えたものを入れます。社外秘の本文や数字は貼らず、「文字数の多い箇条書き」のように特徴だけを書けば診断には足ります。
回答を受けたら、人が確認するのは次の三点です。
- 発表用PCで実際に開き、三段階の表を埋めたか。
- 埋め込めないフォントが残っていないか。
- 図として貼った数字が最新か。
可能なら本番と同じ機種・同じアプリで、前日までにリハーサルを済ませておきます。
直らないときの最終手段
会場PCでどうしても崩れるなら、PDFにして持ち込む方法があります。見た目を固定しやすい反面、アニメーションや動画は使えなくなります。PDF側の文字の見え方も、会場のPCで事前に開いて確かめてください。会場のルールで元のPPTXが必要な場合は、自分のノートPCを接続できるかを主催者に確認するのが確実です。
出典・参考資料
- フォントが変更されている(Microsoft サポート)(新しいタブで開く)
- カスタム フォントを埋め込む利点(Microsoft サポート)(新しいタブで開く)
- Some of your fonts can't be saved with the presentation(Microsoft サポート)(新しいタブで開く)
- PowerPoint に Excel データを挿入および更新する(Microsoft サポート)(新しいタブで開く)
- Why doesn't my exported PDF or PowerPoint match what I see in Gamma?(Gamma ヘルプ)(新しいタブで開く)

