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文字だらけのスライドを「一枚一論点」に分ける手順:AIへの分割指示つき

AIを使いこなす

執筆にClaudeを使用しています。

付箋だらけの1枚の紙をハサミで切り分け、見出し帯が1本ずつ付いた4枚の紙片を橋渡しの付箋でつないで並べている机の上の様子
記事の内容をもとに制作したAI生成イメージです。実際の製品画面や検証結果の写真ではありません。

詰め込んだ1枚を割る場所は、行数や文字数ではなく「聞き手に持ち帰ってほしい結論が変わる場所」です。結論が1つなら1枚、2つ入っていれば2枚に分けます。 この記事では、論点を数える3ステップ、AIに分割案を出させる指示文、分割前後の例、割った後のつなぎ方を順に示します。例の文章はすべて、この記事のために作った説明用の例です。実際のスライドで試した結果ではありません。

この記事の目次
  1. 先に知っておきたい:PowerPointの自動分割は「量」で割る
  2. 論点の数え方3ステップ
  3. AIに分割案を出させる指示文
  4. 分割前後の例(説明用の例)
  5. 割った後のつなぎ方
  6. 採用前に人が確認すること

先に知っておきたい:PowerPointの自動分割は「量」で割る

PowerPointには、文字があふれたときにテキストを2枚に分ける機能があります。プレースホルダー左下の[自動調整オプション]から「2つのスライド間でテキストを分割する」を選ぶ方法です。Microsoftの公式サポートページによると、現在のスライドと同じタイトルの新しいスライドが作られ、テキストはほぼ均等に分かれます。

条件もあります。対象はプレースホルダー内の本文テキストだけで、自分で描いたテキストボックスには働きません。PowerPoint for the webでは自動分割がサポートされていません。同ページは、対象をWindows/Mac版のPowerPoint for Microsoft 365、2024、2021、2019としています。

この機能は「ほぼ均等」に分けるため、論点の切れ目とは一致しません。しかも同じタイトルのスライドが2枚できるので、論点ごとに割りたい場合は、見出しの付け替えを自分でする必要があります。先に人が論点を数えておくと、この手間が減ります。

論点の数え方3ステップ

ここからは公式仕様ではなく、編集上のやり方です。元のスライドの文章をテキストにして使います。

ステップ1:すべての文に「主張・根拠・補足」を付ける

1枚分の文を1行ずつに分け、行頭にラベルを付けます。

  • 主張:聞き手に受け入れてほしいこと、決めてほしいこと
  • 根拠:主張を支えるデータ、理由、事例
  • 補足:条件、注意、用語の説明

主張が3行あれば、論点は3つある可能性があります。補足ばかり多いときは、削るか、配布資料や発表メモに回せないかを先に考えます。

ステップ2:主張を「一言の問い」に直し、同じ問いのものをまとめる

主張ごとに「聞き手のどんな疑問に答えているか」を1つの問いにします。たとえば「なぜ今やるのか」「いくらかかるのか」「いつ始めるのか」です。同じ問いに答える主張は1つの論点にまとめ、問いが違えば別の論点にします。

迷ったときは次の表で見分けてください。

  • 文と文が「しかし」「一方」でつながっている、判断:別の論点。割る
  • 「なぜなら」「具体的には」でつながっている、判断:同じ論点。根拠として残す
  • 主張を一文で言い切れない、判断:2つ以上入っている。さらに割る
  • 数字や表が主張と別の問いに答えている、判断:表だけで独立させるか、メモに回す
  • 補足が主張より長い、判断:補足を削る、または後ろのスライドへ

ステップ3:論点ごとに「結論の見出し」と根拠3つ以内を決める

論点が決まったら、見出しを名詞ではなく結論の文にします。「コスト」ではなく「初年度の費用は現行の7割に収まる」のような形です。根拠は、その見出しを直接支えるものに絞ります。「3つ以内」は絶対の基準ではなく目安です。あふれた根拠は、次のスライドに回すか発表メモに移します。

AIに分割案を出させる指示文

ステップ1〜3をAIに任せると、分割案のたたき台が早く出ます。AIが出すのは案までで、どの論点を残し、何を捨てるかは発表者が決めます。次の指示文は、この記事のために作った型で、特定のAIで動作を確かめたものではありません。

あなたはプレゼン構成の編集者です。
下の1枚分のスライド文章を、「一枚一論点」に分ける案を作ってください。

# 前提
- 聞き手:(例:部内の非エンジニア10名)
- 発表の目的:(例:新ツールの試用開始を承認してもらう)
- 発表時間の目安:(例:全体10分、このパートは2分)

# 手順
1. 各文を「主張/根拠/補足」に分類し、表にしてください。
2. 主張ごとに、聞き手のどんな疑問に答えているかを一言の問いにしてください。
3. 同じ問いの主張をまとめ、論点の数を示してください。
4. 論点ごとに、スライド案を作ってください。
   - 見出し:結論を述べる一文(40字以内)
   - 本文:根拠は3つ以内の箇条書き
   - 発表メモ:スライドに載せず口頭で話す内容
5. スライド間のつなぎ(前のスライドの最後に置く問いと、次のスライド冒頭の一言)を書いてください。

# 守ること
- 元の文章にない数字や事実を足さないでください。
- 載せきれない内容は「削除候補」として別に一覧にしてください。
- 迷った箇所は、どこで迷ったかを書いてください。

# 元の文章
(ここに貼り付け)

元のスライドからコピーしたテキストを貼ります。顧客名、社内の数字、未公開の計画などの機密情報は、架空の名前や概数に置き換えてから貼ってください。

PowerPointのCopilotが使える環境なら、同じ考え方で依頼できます。MicrosoftのCopilot編集のページには、新しいスライドの追加、既存コンテンツの更新、セクションの再編成を支援すると書かれています。同じページには、サイズが大きい、または複雑なプレゼンテーションではシステムの制限を超えることがあるとも書かれているため、全体ではなく1枚ずつ依頼するほうが無難です。利用できるかどうかは契約や組織の設定によって変わります。画面や操作は環境ごとに違うので、迷ったら上のコピー貼り付け形式を使ってください。

分割前後の例(説明用の例)

分割前:1枚に全部入っている

新ツール導入について- 現在、議事録作成に1回あたり約60分かかっており、担当者の負担が大きい- 新ツールは音声から文字起こしと要約を自動で作成できる- 無料枠で試せるが、本格利用には月額課金が必要- 機密会議では使えないため、利用範囲のルールが必要- 来月から2チームで1か月間試用し、時間の変化を記録する予定- 試用後に全社展開するかを判断する

分割案のイメージ

この例では、論点が4つに分かれます。

  • なぜ変えるのか、主張(見出し案):議事録作成の負担を減らしたい、根拠:1回あたり約60分かかっている
  • 何ができるのか、主張(見出し案):文字起こしと要約を自動化できる、根拠:無料枠で試せる、本格利用は月額課金
  • どう安全に使うか、主張(見出し案):機密会議では使わないルールを先に決める、根拠:利用範囲の線引きが必要
  • 次に何をするのか、主張(見出し案):来月から2チームで1か月試す、根拠:時間の変化を記録し、試用後に展開を判断

分割後:4枚

  1. 議事録作成の負担を減らしたい — 1回あたり約60分かかっている(1行のみ。数字は大きく見せる)
  2. 文字起こしと要約を自動化できる — 無料枠で試せる/本格利用は月額課金
  3. 機密会議では使わない。ルールを先に決める — 対象外の会議の種類、利用者の範囲
  4. 来月から2チームで1か月試す — 時間の変化を記録/試用後に展開を判断

元の「機密会議では使えない」は、ツールの仕様なのか社内ルールの話なのかが曖昧でした。こうした曖昧さは分割の途中で見つかりやすいものです。AIが「迷った箇所」に挙げたところは、発表者が元資料を見て直してください。

割った後のつなぎ方

割るだけだと、聞き手は「なぜ次にこの話が来たのか」を見失います。次の3つで流れを保ちます。

  1. 問いと答えの連鎖にする:スライド1の最後で「では、何ができるのか」と口で振り、スライド2の見出しで答えます。指示文のステップ5がこれにあたります。
  2. 進行表示を小さく置く:スライドの上か下に「負担を減らす → 自動化 → ルール → 試用」のような一行を置き、今いる位置だけ濃くします。論点が4つ以上あるときに向いています。
  3. 見出しの型をそろえる:すべて「〜したい」「〜できる」「〜決める」のように述語で終わる結論文にして、レイアウトも同じにします。形が同じなら、内容の違いだけが目に入ります。

採用前に人が確認すること

AIの分割案を採用する前に、次の4点を見てください。

  • 元の文章にない数字や断定が増えていないか(指示文で禁止していても照合します)
  • 「削除候補」に、聞き手が判断に必要な情報が入っていないか
  • 各スライドの見出しだけを順に読んで、話の筋が通るか
  • 時間に対してスライド数が多すぎないか(1枚に何分話せるかは、自分の話し方で見積もります)

見出しだけを読んで筋が通れば、分割は成功に近い状態です。通らないときは、AIに順序の入れ替えや統合を再依頼するより、先に自分の言葉で結論を並べ直したほうが早いことが多いです。

出典・参考資料