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AIが作った発表原稿は持ち時間に収まる?時間配分を見直す手順

AIを使いこなす

執筆にClaudeを使用しています。

ストップウォッチと、章ごとに付箋を付けた原稿の束が机に並び、超過した章の原稿だけが抜き出されて赤鉛筆で印を付けられ、短くした別の原稿が横に置かれている場面
記事の内容をもとに制作したAI生成イメージです。実際の製品画面や検証結果の写真ではありません。

結論から言うと、AIが作った原稿は、そのままでは収まらないと考えておくのが安全です。AIが「約10分です」と書いていても、それは一般的な話す速さを仮定した見積もりにすぎません。あなたの話す速度、スライドを切り替える間、図を指して説明する時間は入っていないからです。 この記事では、次の順で確かめます。 1. 自分が1分間に話せる字数を測る 2. その字数から、章ごとの字数の上限を決める 3. 声に出して章ごとに計時する 4. 超過した章だけをAIに短くしてもらう 最後に、章ごとの時間配分表と、超過箇所を短くする依頼文を使える形で示します。

この記事の目次
  1. 先に「自分の1分あたりの字数」を測る
  2. 持ち時間から章ごとの字数を逆算する
  3. 原稿ができたら、章ごとに声に出して計る
  4. 超過の大きさで直し方を決める
  5. 超過した箇所を短くする依頼文
  6. 直したらもう一度計り、「間」を見直す

先に「自分の1分あたりの字数」を測る

AIに「10分の原稿を」と頼むと、AIは平均的な速さで字数を決めます。まず、あなた自身の速さを測ります。

  1. AIが作った原稿から、説明が多めの部分を300〜400字ほど選ぶ
  2. 本番のつもりで声に出して読み、ストップウォッチで計る
  3. 字数を秒数で割り、60を掛けて「字/分」にする

例えば350字を75秒で読めたなら、350÷75×60=280字/分です。数回測って平均を取ると安定します。図を指したり言い直したりする本番は、読むだけの練習より遅くなりやすいので、少し余裕を見た値を使ってください。字数はAIの自己申告に頼らず、エディタやドキュメントの文字数カウントで数えます。

持ち時間から章ごとの字数を逆算する

持ち時間をすべて話に使うことはできません。次の3つを先に引きます。

  • 予備の時間: 超過に備えて持ち時間の1割程度を残す、という見方が一つの目安です(編集上の提案で、決まりではありません)
  • スライド切り替えの間: 枚数×数秒。何秒かは自分の計測で決めます
  • デモや動画など、話さない時間: 実際に流す長さを足します

章ごとの時間配分表(説明用の例)

以下は実測ではなく、計算の流れを示す仮の数字です。持ち時間15分、12枚、280字/分、切り替えの間は1枚5秒と仮定しています。

  • 持ち時間900秒 − 予備90秒 − 切り替え60秒(12枚×5秒)= 話せる時間750秒(12.5分)
  • 導入、枚数:1、話す時間:60秒、字数の上限(280字/分):280字
  • 課題、枚数:2、話す時間:120秒、字数の上限(280字/分):560字
  • 提案、枚数:3、話す時間:210秒、字数の上限(280字/分):980字
  • 根拠・事例、枚数:3、話す時間:180秒、字数の上限(280字/分):840字
  • 進め方、枚数:2、話す時間:90秒、字数の上限(280字/分):420字
  • まとめ・依頼、枚数:1、話す時間:90秒、字数の上限(280字/分):420字
  • 合計、枚数:12、話す時間:750秒、字数の上限(280字/分):3,500字

「15分で」と頼むより、「この章はこの字数以内」と頼むほうが、あとで直す箇所を特定しやすくなります。AIに最初に渡すのはこの表です。

配分表を作ってもらう依頼文

発表原稿を作る前に、時間配分を確認します。
条件:
- 持ち時間: 15分(質疑は別枠)
- スライド枚数: 12枚以内
- 私の話す速さ: 280字/分(実測)
- 予備: 90秒、切り替えの間: 1枚5秒
- 章立て: 導入/課題/提案/根拠・事例/進め方/まとめ・依頼
やってほしいこと:
1. 章ごとの枚数、話す秒数、字数の上限を表にする
2. 「結論」と「聞き手に持ち帰ってほしいこと」は、削らない章に置く
3. 原稿はまだ書かず、配分案だけを出す
テーマ: (ここに説明用のテーマを入れる)

実在の社内情報や顧客名は入れず、仮の名称や数字に置き換えてから渡してください。

原稿ができたら、章ごとに声に出して計る

画面で黙読せず、声に出して通します。章の切れ目ごとに時間を控えると、どこが重いかが分かります。使える道具は次のとおりです。

  • PowerPointの「リハーサルのタイミング」: 「スライド ショー」タブから開始すると、現在のスライドの時間と全体の時間が表示されます。終わったあとは「表示」の「スライド 並べ替えツール」で、各スライドの時間を確認できます。記録したタイミングでスライドが自動で進む場合は、「スライド ショー」タブの「スライド ショーのセットアップ」で、スライドの事前設定を「手動」にします(Microsoft サポート、2026年10月28日に確認)。
  • PowerPointのSpeaker Coach(Rehearse with Coach): 話す速さについて画面上で助言が出ますが、スライドにタイミングは追加されません。確認した英語版の公式ページでは、英語のみに対応し、Microsoft 365の表示言語が英語のときに使えると書かれていました(Microsoft Support)。日本語原稿の計時には、上のタイミング機能かストップウォッチが向いています。
  • Canvaの発表者ビュー: オフラインでも発表者ビュー、スピーカーノート、タイマーが使えます。ただしオフラインのタイマーでは音楽が再生されません。オフライン発表はデスクトップのブラウザとAndroidアプリで使え、モバイルのCanvaアプリでは使えないと書かれています(Canva ヘルプ)。

どの道具でも、記録するのは「章ごとの実測秒数」です。配分表の「話す時間」は切り替えの間を引いた値なので、スライド単位のタイマーで計るときは、章の枚数×切り替え秒数を目標に足して比べてください。

実測の記録表(説明用の例)

下の数字も、流れを示す仮の例です。

  • 導入、目標:60秒、実測:55秒、差:−5秒、超過率:−8%
  • 課題、目標:120秒、実測:150秒、差:+30秒、超過率:+25%
  • 提案、目標:210秒、実測:270秒、差:+60秒、超過率:+29%
  • 根拠・事例、目標:180秒、実測:200秒、差:+20秒、超過率:+11%
  • 進め方、目標:90秒、実測:85秒、差:−5秒、超過率:−6%
  • まとめ・依頼、目標:90秒、実測:110秒、差:+20秒、超過率:+22%

合計は実測870秒で、目標の750秒を120秒超えています。全体を均等に縮めるのではなく、超過の大きい「提案」と「課題」から手を付けます。

超過の大きさで直し方を決める

超過率で、効く対処が変わります。下の区切りは編集上の目安で、絶対の基準ではありません。

  • 〜10%、起きていること:言い回しが長い、対処:前置き、重複した言い換え、「〜ということが言えます」を削る
  • 10〜25%、起きていること:1枚で2つ以上のことを言っている、対処:例や補足を1つに絞る。近い2枚を1枚に統合する
  • 25%超、起きていること:内容が多すぎる、対処:枚数ごと削る。詳細は付録や質疑用に回す

25%を超えているのに文を削り続けると、早口になって聞き取りにくくなります。上の例では「提案」が25%超なので、字数を削る前に、枚数を減らせないかも検討します。

超過した箇所を短くする依頼文

超過した章の原稿だけを渡します。全体を渡して「短くして」と頼むと、削ってほしくない結論まで薄まりやすいためです。

次の章の原稿を、字数の上限に収まるよう短くしてください。
条件:
- 章名: 提案
- 現在の字数: (エディタで数えた字数)
- 上限: 980字
- 残すもの: 結論の一文、数字、固有名詞(下の原稿の通り)
- 削る優先順位: ①重複する言い換え ②2つ目以降の例 ③前置き
- 新しい事実や数字を足さない
- 話し言葉のまま、1文を長くしすぎない
出力:
1. 短くした原稿
2. 削った内容の一覧(付録や質疑用に回せるよう、1行ずつ)
3. スライドの枚数を減らせる場合は、その案
原稿:
(ここに該当する章の原稿を貼る)

出力の2番目が重要です。削った内容を一覧にしておけば、質疑で聞かれたときの答えや付録資料に使えます。返ってきた原稿は、人が次の点を確認してください。

  • 字数が上限以内か(エディタで数える)
  • 数字や固有名詞が元の原稿と一致しているか
  • 前後の章とつながっているか。削った結果、用語の説明が飛んでいないか

直したらもう一度計り、「間」を見直す

短くした章は、もう一度声に出して計ります。字数が上限内でも、実測がまだ目標を超えることはよくあります。その場合は、字数以外の時間が原因かもしれません。

  • 図や表を指しながら話す時間が、原稿に反映されていない
  • スライドを切り替えた直後の「えー」「それでは」といったつなぎが長い
  • デモや動画の長さが配分表に入っていない

原因が字数なら原稿を削ります。字数以外なら、配分表の「切り替えの間」や「話さない時間」を実測値に直し、字数の上限を計算し直してください。

最後に全体を通して計り、合計が予備を引いたあとの話せる時間(例では750秒)に収まれば完了です。ぴったりを狙わず、予備が残るほうが本番では落ち着いて話せます。本番で使う画面や発表者ビューでも一度通し、操作に時間がかからないかを確かめておくと、当日の想定外が減ります。

出典・参考資料