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ChatGPTで会議の文字起こしを議事録に整える手順と、任せない部分

AIを使いこなす

執筆にClaudeを使用しています。

原文と短い議事録の対応箇所を、紙の横棒と色で照合するジオラマ
記事の内容をもとに制作したAI生成イメージです。実際の製品画面や検証結果の写真ではありません。

ChatGPTに任せやすいのは、読みにくい文字起こしの整形、話題ごとの要約、決定事項やToDoの候補の拾い出し、議事録の下書きです。人が持つべきなのは、何が決まったかの確定、担当者と期限、数字と固有名詞、共有してよい内容かの判断です。 この記事では、作業を3段階に分けて指示文を示し、最後に人が確認する項目を一覧にします。指示文と入力例は説明用です。実際の会議やChatGPTの画面で試した結果ではありません。手元で使うときは、出力を元の録音や資料と照らして調整してください。

この記事の目次
  1. 渡す前に決めておくこと
  2. 3段階の指示文
  3. 人が確認する項目の一覧
  4. 任せる部分と任せない部分
  5. うまくいかないときの調整

渡す前に決めておくこと

入力は文字起こしテキストにする

ここでは、文字起こしテキストがすでにある前提で進めます。OpenAIのヘルプ「Uploading files and audio to ChatGPT」(2026年10月28日に公開ページを確認)には、次の説明があります。

  • 音声ファイルのアップロードは有料プランやワークスペースで使え、無料プランでは使えません。
  • 文字起こしには誤りが含まれることがあり、話者の識別が不確かな場合もあります。重要な点は元の録音で確認するよう案内されています。
  • 文書はDOCX、PDF、TXTなどを渡せます。無料プランのファイルアップロードは1日3回までです。

回数や対応形式は変わることがあるので、使う前に最新のヘルプを見てください。長い会議は、貼り付ける前に議題ごとに分けておくと、後の確認が楽になります。

データ設定と機密の扱い

OpenAIの「Data controls in ChatGPT」には、次の説明があります。

  • 個人向けのFree、Plus、Proでは、データ共有(Improve the model for everyone)が初期状態でオンです。設定の「Data controls」からオフにできます。
  • 一時チャットは、履歴に残らず、モデルの改善にも使われません。ただし、安全のために最長30日保持されることがあります。
  • Business、Enterprise、Edu、Healthcareのワークスペースの内容は、初期設定ではモデルの学習に使われません。

学習利用をオフにしても、社内の秘密保持ルールを満たしたことにはなりません。何をどのサービスに入力してよいかは、自社の規程と契約条件で決まります。

個人情報の扱いについては、日本の個人情報保護委員会が「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」を2023年6月2日に公表しています。ページには利用者向けとOpenAI向けの2つの添付資料があります。この記事では添付資料の中身までは確認できていないため、個人情報を含む会議で使うなら、原文を読むか社内の担当部署に確認してください。

実務では、人名を「参加者A」、社名を「取引先X」のように置き換えてから渡す方法があります。これは編集上の提案で、置き換えれば問題がなくなるわけではありません。

3段階の指示文

段階1:文字起こしを読める文章に整える

内容を足さず、削らず、読みやすくするだけにします。

以下は会議の文字起こしです。次のルールで整形してください。
- 言い淀み(えー、あの等)と明らかな重複だけを削除する
- 誤変換らしい箇所は直さず、【要確認:元の語】と印を付ける
- 発言者が不明な部分は「発言者不明」のままにする
- 意味の要約や補足はしない
- 話題が変わるところで見出しを入れる

[ここに文字起こしを貼り付け]

誤変換を勝手に直させないのがポイントです。AIは文脈から「それらしい語」に置き換えるため、固有名詞や数字が気づかないうちに変わるおそれがあります。

段階2:決定事項・ToDo・保留を抜き出す

整形したテキストから、議事録の骨になる要素を拾います。「決まったこと」と「話に出ただけのこと」を分ける指示が重要です。同じチャットで続けるか、整形結果を貼り直して使います。

上の整形済みテキストから、次の3つを表にしてください。
1. 決定事項:参加者が合意したと読み取れるもの
2. ToDo候補:担当者・期限が発言に明示されている場合のみ記入。無ければ「未記載」
3. 保留・未決:議論はあったが結論が出ていないもの
各項目に、根拠になった発言を15字程度で引用して添えてください。
推測で担当者や期限を補わないでください。

説明用の入力例です。

「来週の定例までに見積もりを出せるかな」「たぶん大丈夫です」

この発言は、期限が曖昧で、担当も確定していません。指示文どおりなら、ToDo候補の担当は「未記載」になるのが望ましい形です。「たぶん」を決定事項として扱っていないかは、必ず人が見ます。

段階3:議事録の下書きを作る

宛先と用途を伝えると、文体と粒度が安定します。

段階2の表をもとに、社内共有用の議事録の下書きを作ってください。
構成:日時・参加者(空欄)/議題ごとの要点/決定事項/ToDo(担当・期限)/保留事項
条件:
- 表にない内容は書かない
- 「未記載」はそのまま残す
- 1議題あたり3行以内
- 「である調」の箇条書き

日時と参加者を空欄にするのは、AIが推測で埋めるのを防ぐためです。

人が確認する項目の一覧

下書きができたら、次の表で確認します。右の列は、何と突き合わせるかの目安です。

  • 決定事項、見るポイント:合意ではなく、意見や雑談を決定にしていないか、照合先:録音の該当箇所
  • 担当者、見るポイント:発言にない担当が書かれていないか。同姓の取り違えがないか、照合先:録音、参加者名簿
  • 期限、見るポイント:「来週」「月末」が日付に変換されていないか。変換は正しいか、照合先:録音、カレンダー
  • 数字・金額、見るポイント:桁、単位、税込/税別が合っているか、照合先:配布資料
  • 固有名詞、見るポイント:社名、製品名、人名の誤変換がないか、照合先:資料、段階1の【要確認】印
  • 否定・条件、見るポイント:「やらない」「Aなら実施」が反転・脱落していないか、照合先:録音
  • 発言の帰属、見るポイント:「発言者不明」が特定の人に割り当てられていないか、照合先:録音
  • 共有範囲、見るポイント:人事、取引条件、個人情報など、配布先に見せてよい内容か、照合先:自社ルール、主催者
  • 抜け、見るポイント:長く議論した話題が議事録から消えていないか、照合先:録音の時間配分

任せる部分と任せない部分

  • 言い淀みの除去、改行、見出し付け、AIへの任せ方:任せてよい、最終判断:意味が変わっていないか、抜き取りで確認
  • 話題ごとの要約、AIへの任せ方:下書きとして任せる、最終判断:抜けや強調の偏りを人が確認
  • 決定事項・ToDoの候補出し、AIへの任せ方:候補まで任せる、最終判断:確定は人。参加者に確認する
  • 担当・期限の決定、AIへの任せ方:任せない、最終判断:会議の主催者や当事者
  • 数字・固有名詞の訂正、AIへの任せ方:任せない(印付けまで)、最終判断:資料と照合する人
  • 配布してよいかの判断、AIへの任せ方:任せない、最終判断:主催者、必要なら管理部門

会議に出ていた人が読むと、誤りに気づきやすくなります。可能なら、出席者が確認してから、欠席者に配ってください。確認後に出席者へ「ToDoの担当と期限はこれで合っていますか」と一度聞くだけでも、取り違えを防げます。

うまくいかないときの調整

  • 出力が長すぎる:段階3で「1議題あたり3行以内」のように上限を指定し、議題ごとに分けて実行します。
  • 要約が元の話と違う:段階2に戻って根拠の引用を必ず付けさせ、その引用を元の文字起こしで検索して照合します。
  • 毎回形式が変わる:自社の議事録テンプレートを段階3の指示に貼り、同じ見出しを使わせます。

最初の数回は、AIの出力と人が手で作った議事録を見比べて、どの項目でズレやすいかを記録してください。確認の重点が決まります。

出典・参考資料