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機密性のある会議を文字起こしサービスに預ける前の確認事項と判断表

AIを使いこなす

執筆にClaudeを使用しています。

机の上で、手が会議の議題カードを、鍵付きの書類ケースと開いたトレーに仕分けている。そばにICレコーダーがある。
記事の内容をもとに制作したAI生成イメージです。実際の製品画面や検証結果の写真ではありません。

結論から言うと、「機密会議だから一律禁止」でも「暗号化と書いてあるから安心」でもありません。判断の軸は二つです。会議で話す内容の性質と、そのサービスを会社の契約・管理下で使えるかです。 • 公開済みの情報や一般的な進捗の会議は、会社が承認したサービスなら載せてよい。 • 個人情報や取引先のNDA情報を含む会議は、後述の確認質問に答えが出てからにする。 • 人事評価、未公開の財務情報、出願前の技術、法的紛争の会議は、外部サービスに載せない前提で考える。 個人アカウントの無料プランに会社の会議をアップロードするのは避けてください。

この記事の目次
  1. 会議内容別の可否判断表
  2. 利用前の確認質問リスト
  3. 公式ヘルプで確認できたこと、できなかったこと
  4. 問い合わせ文例と運用の最低限

会議内容別の可否判断表

編集部が整理した判断の目安です。法的な適否を判定するものではなく、自社の規程と契約が優先されます。

  • 公開済み・一般的な内容、例:公開予定の勉強会、一般的な進捗共有、目安:可、載せる条件・代替:会社が承認したサービス・アカウントを使う
  • 社内限りで個人が特定されない内容、例:部内の定例、企画の壁打ち、目安:条件付きで可、載せる条件・代替:共有範囲を限定し、保存期間を決める
  • 個人情報を含む内容、例:顧客対応の振り返り、採用面接、従業員面談、目安:要確認、載せる条件・代替:質問1〜9に答えが揃い、個人情報の担当者か法務が了承した場合のみ。氏名を伏せて話す運用も検討する
  • 取引先のNDA対象情報、例:共同開発、見積り条件の協議、目安:要確認、載せる条件・代替:NDAの第三者提供・再委託の条項を確認し、必要なら相手方の了承を取る
  • 人事評価・処遇の議論、例:評価会議、懲戒の検討、目安:原則載せない、載せる条件・代替:手書きで議事を取る。AIを使うなら社内で閉じた環境に限る
  • 未公開の財務・経営判断、例:決算前の数値、M&A、資金調達、目安:原則載せない、載せる条件・代替:参加者を絞り、録音も最小限にする
  • 出願前の技術・研究内容、例:特許出願前の発明の議論、目安:原則載せない、載せる条件・代替:取り扱いは社内ルールと知財担当の判断に従う
  • 法務相談・紛争対応、例:弁護士を交えた方針会議、目安:原則載せない、載せる条件・代替:法務部門の指示に従う

迷ったら、より厳しい行の扱いを選んでください。「載せない」会議でも、録音せず議事だけ手で取る、後から匿名化した要点だけをAIに渡す、といった代替があります。

利用前の確認質問リスト

提供元か自社の情報システム部門に聞く項目を12個にまとめました。「はい/いいえ/不明」で答えを書けます。

契約と学習利用(質問1〜4)

  1. 利用予定のプランは、法人契約として管理者が設定できるものか。
  2. 音声・文字起こし・要約が、サービスのAI改善や学習に使われることはあるか。あるなら、そのプランで止められるか。
  3. 外部のAIモデル提供元を使っているか。使っているなら、その提供元が入力データを学習に使わない・保持しないと明記されているか。
  4. 提供元の担当者や委託先が、内容を閲覧できる場合はあるか。あるなら、どんな条件か。

学習に使われないことと、秘密保持義務を負うことは別です。質問2と、契約上の守秘条項の確認は分けて行ってください。

保存とアクセス(質問5〜9)

  1. データの保存場所と保存期間。利用者が削除でき、バックアップからも消えるか。
  2. 共有リンクや外部共有の初期設定。管理者が外部共有を禁止できるか。
  3. 主催者以外が録音・文字起こし・要約を見られる範囲。
  4. 連携している他のアプリやボットへデータが渡る経路はあるか。
  5. 退職者や異動者のアカウントのデータは誰に引き継がれるか。

運用とルール(質問10〜12)

  1. 社外の参加者を含め、録音と文字起こしを事前に伝える手順があるか。
  2. 誤った文字起こしや要約を、人が確認してから共有する担当者がいるか。
  3. 誤共有などの事故時の連絡先と、サービス側へ削除を依頼する手順があるか。

公式ヘルプで確認できたこと、できなかったこと

自動校閲で各社の公式ページを開き、2026年10月28日時点で読めた範囲を質問に照らしました。プラン、地域、管理者設定で異なる場合があります。

Zoom(質問2〜4)Zoom AI Companionのデータの扱いには、音声・映像・チャット・画面共有・添付ファイルなどの顧客コンテンツを、Zoomや第三者のAIモデルの学習に使わないと書かれています。第三者のAI提供元とはゼロデータリテンション(処理後に保持しない)の方針があるとも読めますが、安全確保目的の例外が記されています。管理者はWebポータルでAI機能を設定できます。一方、対象プランは書かれておらず、AI機能は地域や業種で使えない場合があるとされています。

Microsoft Teams(質問6・7)Teamsの会議Recapでは、AI要約にTeams PremiumまたはCopilotのライセンスが必要です。会議の機密ラベルが「Confidential Recipients Only」「Highly Confidential Recipients Only」の場合は、AI要約をメールで共有できません。録音・文字起こしの閲覧範囲のページでは、範囲を「全員」「主催者と共同主催者」「特定の人」から選べ、初期値は「全員」です。チャネル会議と即席会議は対象外で、SharePointなどで権限を変えると会議オプションの設定は効かなくなります。この2ページには学習利用の記載がないため、質問2は別途確認が必要です。

Notta(質問1・2・6)NottaのAI学習のページによると、個人・ビジネスプランでは学習の有無を選ぶ形で、ビジネスPlusとエンタープライズは「AI学習なし」の環境が提供されます。学習の対象は音声認識で、それ以外のAI機能にはデータを提供していないとされています。法人契約のFAQには、ISO27001とSOC2 Type2の認証取得(レポートはNDA締結後に提供)、IP制限への対応、ワークスペース分割で招待ユーザーだけに閲覧を限る設計が書かれています。IP制限の対象プランはこのページでは分かりません。

同じ「機密への配慮」でも、各社が書いている範囲は学習、閲覧範囲、管理者設定とばらばらです。質問ごとに根拠ページを控えておくと、後で説明しやすくなります。

問い合わせ文例と運用の最低限

提供元・情報システム部門への問い合わせ文

〇〇(サービス名)の法人向け△△プランの導入を検討しています。次の点について、公式資料または契約書の該当箇所を教えてください。1. 音声・文字起こし・要約が、貴社または外部のAI提供元で学習に使われるか。使われる場合、停止の方法。2. データの保存場所と保存期間、利用者による削除の可否と反映時期。3. 貴社および委託先の担当者が内容を閲覧できる条件。4. 管理者が設定できる共有範囲の制限(外部共有の禁止など)。5. 秘密保持に関する契約条項の有無。

現場で回すための最小限のルール

  • 会議の案内に、判断表の区分を一つ書く(例:「区分:社内限り」)。
  • 「個人情報あり」「取引先NDA」の会議は、録音の開始前に参加者へ告知する。
  • AIの要約は、共有前に人が読み、固有名詞と数字を確認する。Teamsの公式ページにも、AI生成内容は不正確・不完全な場合があるとの注意があります。
  • 質問への回答と根拠URLを導入時の記録として残し、半年に一度など見直す時期を決める。

出典・参考資料