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未決事項を次回に持ち越す管理表の作り方とAIへの整理依頼

AIを使いこなす

執筆にClaudeを使用しています。

会議の未決事項を橙色の付箋で四列の管理表へ移す机上の場面
記事の内容をもとに制作したAI生成イメージです。実際の製品画面や検証結果の写真ではありません。

会議で結論が出なかった論点は、「論点」「決まらなかった理由」「決めるために足りない情報」「誰が決めるか」の4点を1行にまとめた管理表で持ち越すと、次回の冒頭から議論を再開できます。議事録から論点を拾う作業はAIに任せられますが、理由と判断者を推測で埋めさせないことと、拾った結果を人が確認することが条件です。 この記事では、そのまま使える管理表の雛形、議事録を貼って使う指示文、AIの出力を確認するポイントを順に示します。

この記事の目次
  1. 「未決事項」と「タスク」を分けて書く
  2. 未決事項管理表の雛形
  3. 議事録から論点を拾うAIへの指示文
  4. 人が確認する場所と、次回への回し方
  5. 会議ツールのAI機能を使う場合

「未決事項」と「タスク」を分けて書く

未決事項の管理が崩れる原因の多くは、「宿題(タスク)」と「未決の論点」が同じ箇条書きに混ざることです。

  • タスク:やることが決まっている。担当者と期限があれば進められる。
  • 未決事項:何をするか、どちらにするかが決まっていない。決めるための材料や判断者が必要。

「A社の見積もりを取る」はタスクで、「A社とB社のどちらに発注するか」は未決事項です。見積もり取得は、未決事項を決めるための「必要な情報」を集める手段という関係になります。管理表では未決事項を主役にして、情報集めのタスクは「必要な情報」「情報の担当・期限」の列に入れます。

未決事項管理表の雛形

次の列をスプレッドシートや社内Wikiの表にコピーして使えます。列は最小限にしてあります。

  • ID、書く内容:会議をまたいで変わらない番号、書き方の例(説明用):U-001
  • 論点、書く内容:「〜をどうするか」の疑問形で書く、書き方の例(説明用):新しい勤怠ツールを今期中に導入するか
  • 状態、書く内容:未決/情報待ち/判断待ち/決定済み、書き方の例(説明用):情報待ち
  • 決まらなかった理由、書く内容:議事録に根拠がある事実だけ、書き方の例(説明用):費用が予算内に収まるか不明だった
  • 必要な情報、書く内容:決める前に揃えるもの、書き方の例(説明用):3社の年額見積もり、現行ツールの解約条件
  • 情報の担当・期限、書く内容:集める人と日付、書き方の例(説明用):総務担当・11/5
  • 判断者、書く内容:最終的に決める役職や会議体、書き方の例(説明用):部長
  • 次回の扱い、書く内容:議題にする会議と日付、または先送りの条件、書き方の例(説明用):11/12の定例で再協議
  • 議事録の根拠、書く内容:該当する発言や項目の位置、書き方の例(説明用):議題3の後半

使い方のコツは3つです。

  1. 論点は疑問形にする。 「勤怠ツール」のような名詞だけだと、次回に何を決める場なのか分かりません。
  2. 「決定済み」になった行は消さず、状態だけ変える。 後から「なぜそう決めたか」を追えます。
  3. 次回の扱いを空欄にしない。 「情報が揃ったら議題化」のような条件でもよいので、再開のきっかけを書きます。

議事録から論点を拾うAIへの指示文

議事録のテキストを貼り付けて、次の指示文を使います。ポイントは、議事録にないことを補わせず、不明な項目は「記載なし」と書かせることです。

あなたは会議の議事録を整理する担当です。
下の議事録から、「結論が出なかった論点」だけを抜き出し、
Markdownの表で出力してください。

【ルール】
- 決定した事項、および担当と期限が決まっている作業は表に入れない。
  ただし、決定事項が未決の論点の前提になる場合は「備考」に書く。
- 列は次の順:ID(U-001から連番)/論点(「〜をどうするか」の形)/
  決まらなかった理由/必要な情報/判断者/議事録の根拠(該当箇所を20字以内で引用)/備考
- 理由・必要な情報・判断者は、議事録に書かれている内容だけで埋める。
  書かれていない項目は推測せず「記載なし」と書く。
- 結論が出たのか保留なのか判断がつかない箇所は、表の後に
  「要確認」として別に箇条書きにする。
- 人名は議事録の表記のまま使い、新しい名前や日付を作らない。

【議事録】
(ここに貼り付け)

この指示文の列は、雛形のうち議事録から拾える部分です。「状態」「情報の担当・期限」「次回の扱い」は会議の後に人が追記します。

入力と出力のイメージ

次は説明用の例です。架空の議事録で、AIで実際に実行した結果ではなく、期待する出力の形を示すために手で作っています。

入力(議事録の一部)

議題3 勤怠ツールの入れ替え
・現行ツールの契約更新は来年1月。入れ替えるなら年内に決めたい。
・営業部門から、外出先から打刻できないと困るとの意見。
・費用が予算内か分からず、結論は出なかった。総務が見積もりを集める。
・解約条件は誰も把握していない。

期待する出力の形

| ID | 論点 | 決まらなかった理由 | 必要な情報 | 判断者 | 議事録の根拠 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| U-001 | 勤怠ツールを入れ替えるか | 費用が予算内か不明 | 見積もり(総務が収集)、現行ツールの解約条件 | 記載なし | 「結論は出なかった」 | 契約更新は来年1月、年内決定が希望 |
| U-002 | 外出先打刻を必須要件にするか | 記載なし | 記載なし | 記載なし | 「外出先から打刻できないと」 | 営業部門の意見のみ。要件として合意されたかは要確認 |

「記載なし」が出るのは正常です。空欄を推測で埋めさせるより、誰が何を補うべきかが見える方が次回の準備に役立ちます。

人が確認する場所と、次回への回し方

AIの抽出結果は下書きとして扱い、次の点を会議の主催者や書記が確認します。

  • 拾い漏れ、見方:議事録の「検討する」「持ち帰り」「改めて」といった語を検索し、表に対応する行があるか見る
  • 決定済みの混入、見方:「決定」と書かれた箇所が未決として載っていないか見る
  • 理由の飛躍、見方:「議事録の根拠」の引用が、理由の内容を実際に裏づけているか見る
  • 判断者、見方:「記載なし」の行は、主催者が決めるか、次回冒頭で確認する
  • 論点の分け方、見方:1行に2つの問いが混ざっていたら分割する

確認後は、状況ごとに次回の扱いを決めます。

  • 情報待ち、次回への回し方:担当者と期限を確定し、期限後の会議で議題化する
  • 判断待ち、次回への回し方:判断者に事前に資料を送り、次回は判断のみ行う
  • 論点が曖昧、次回への回し方:次回冒頭で「何を決める場か」を5分で言語化する
  • 優先度が低い、次回への回し方:再検討の条件(予算確定後など)を書いて保留にする

次回の会議では、アジェンダの先頭にこの表を貼り、「情報待ち」の行から情報が揃ったかを確認します。指示文はそのまま再利用できます。ただしIDが毎回U-001から振られるので、「ID は U-0xx から連番」のように開始番号を書き換えるか、出力後に人が既存表と照合して付け直してください。同じ論点に新しいIDが振られていたら、人が統合します。

会議ツールのAI機能を使う場合

録音の文字起こしからAIで要点をまとめる機能を持つ会議ツールもあります。たとえばMicrosoftのサポートページには、Teams会議のCopilotがアクション項目、トピックごとの視点、未解決の質問の把握を助けると書かれています(Welcome to Copilot in Microsoft Teams)。同ページでは、利用条件として文字起こしまたは録画をオンにすること、MicrosoftのCopilotライセンスなどが挙げられています。

会議後に内容を質問するには、会議の文字起こしが必要とされています(Generate meeting notes)。会議後のRecapタブからCopilotを使う場合も、会議中に文字起こしがオンだったことが前提で、インテリジェントリキャップはTeams PremiumまたはCopilotライセンスに含まれると案内されています(Recap a Teams meeting)。以上は2026年10月に確認した英語版ページの記述です。提供状況やライセンスは契約や時期で変わるため、利用前に自社の管理者へ確認してください。

ツール標準の要約に「未解決の質問」が出ても、本記事の管理表の「理由」「必要な情報」「判断者」まで揃うとは限りません。標準機能の要約を議事録として貼り、上の指示文で表に整えると、形式がそろいます。

なお、実際の議事録には取引先名や個人情報、未公開の数字が含まれがちです。AIサービスに貼る前に、社内のルールで許可された範囲かを確認し、必要なら「A社」「担当者1」のような置き換えをしてください。「学習に使われない」設定があっても、それだけで秘密保持が保証されるわけではありません。

出典・参考資料