調査報告で事実と仮説を分けて書く:マーケ担当向けの1ページ報告フォーマット
AIを使いこなすClaudeで執筆し、GPTで自動校閲・修正しています。

調査報告で事実と仮説を分けるには、1ページを「事実」「解釈」「未確認」「次の確認」の4ブロックに分け、1段落に1種類の内容だけを書くのが近道です。「〜という結果でした。おそらく〜が原因で、今後は〜すべきです」と一文に混ぜると、読み手はどこまでが確認済みなのか判断できません。 この記事では、そのまま使える1ページテンプレート、AIに下書きさせる依頼文、人が最後に確認する判断表を示します。記事中の数値や商品名はすべて説明用の例で、実際の調査結果ではありません。
この記事の目次
4ブロックの役割と書き分けのルール
- 事実、書くこと:資料に書かれている数字・発言・日付と、その出どころ、書かないこと:「〜のようだ」「〜と思われる」
- 解釈、書くこと:事実から読み取った意味。根拠になる事実を明示、書かないこと:根拠のない断定、事実の追加
- 未確認、書くこと:資料から言えないこと、データが足りない点、書かないこと:「特に問題なし」で空欄を埋めること
- 次の確認、書くこと:未確認を埋める具体的な作業、担当、期限、書かないこと:「引き続き検討」のような曖昧な表現
ルールは3つだけです。
- 事実の段落には必ず出どころ(資料名、取得日、対象期間、サンプル数など)を付けます。
- 解釈の段落は「事実Aから、Bと読めます」の形にし、Aを指せるようにします。
- 未確認は空にしません。何も書けないときは、調査の範囲を見直すサインです。
そのまま使える1ページテンプレート
下の枠をコピーして埋めてください。AIに渡す場合も、この見出しをそのまま使います。
# 調査報告:〇〇(調査名)
作成日: 作成者: 報告先:
## 0. この報告で答えたい問い(1文)
## 1. 事実(調べたこと)
- 事実1:〇〇は△△だった(出典: /取得日: /対象: /n=)
- 事実2:
- 事実3:
※数字は資料の表記のまま。丸めや計算をした場合は「計算:」と書く
## 2. 解釈(読み取ったこと)
- 解釈1:事実◯から、〜と読めます(確からしさ:高/中/低)
- 解釈2:
## 3. 未確認(まだ分からないこと)
- 未確認1:〜は、今回の資料からは言えません(理由: )
- 未確認2:
## 4. 次の確認
| 確認内容 | 方法 | 担当 | 期限 |
|---|---|---|---|
## 5. 判断してほしいこと(あれば1〜2点)「確からしさ」は高・中・低の3段階程度にとどめます。細かい数値にすると、根拠のない精密さが出てしまいます。
説明用の例:記入するとこうなります
架空の水筒ブランドで、サイトのアンケートを集計した想定です(説明用の例であり、実在の調査ではありません)。
## 1. 事実
- 事実1:回答者120人のうち、購入理由に「軽さ」を選んだのは54人(45%)
(出典:自社サイトアンケート/取得日:例・10月上旬/対象:購入者のみ)
- 事実2:自由記述で「洗いにくい」に当たる記述は12件
## 2. 解釈
- 解釈1:事実1から、購入者の間では軽さが選ばれやすい理由の一つと読めます(確からしさ:中)
※購入者のみの回答なので、非購入者の理由は含まれません
- 解釈2:事実2から、洗いやすさに不満を持つ人が一定数いる可能性があります(確からしさ:低)
## 3. 未確認
- 購入しなかった人が何を重視したかは、今回の資料からは言えません
- 「洗いにくい」の具体的な箇所(口径か、パッキンか)は不明です
## 4. 次の確認
| 確認内容 | 方法 | 担当 | 期限 |
|---|---|---|---|
| 非購入者の重視点 | カート離脱者への短い質問 | 担当A | 来月第1週 |
| 洗いにくさの箇所 | 該当12件の自由記述を人が読み分類 | 担当B | 今週中 |事実1と解釈1の間に「購入者のみ」という条件が引き継がれている点に注目してください。条件が落ちるところで、事実が仮説にすり替わりやすくなります。
AIに任せる範囲と、渡す情報
AIには「分ける」「抜けを探す」作業を任せ、「何を結論とするか」は人が決めます。渡すのは、調査資料の本文(または抜粋)、上のテンプレート、問いの1文です。顧客名や個人が特定できる回答、社外秘の数字は、説明用のダミーに置き換えるか伏せてから渡してください。利用するサービスの設定と社内の情報管理ルールは、事前に確認しておきます。
Anthropicの幻覚を減らす手法の解説(確認日:2026-10-28)では、分からないときは分からないと言ってよいと明示する、長い資料では先に原文の引用を抜き出させる、各主張に裏付けの引用を探させて見つからなければ取り下げさせる、といった方法が紹介されています。同じページには、これらで大きく減らせても完全にはなくならないので、重要な情報は必ず検証するよう書かれています。次の依頼文はこの考え方をテンプレートに合わせたもので、私の編集上の組み立てです。未実行の例なので、ご自身の資料で試し、出力を確認してください。
あなたはマーケティング調査の報告を整える編集者です。
以下の<資料>だけを根拠に、<テンプレート>の形で1ページ報告の下書きを作ってください。
手順:
1. まず資料から、数字・発言・日付を原文のまま抜き出してください(番号を付ける)。
2. 「事実」には、抜き出した番号を付けたものだけを書いてください。
3. 「解釈」には、根拠にした事実の番号を必ず書いてください。
4. 資料から言えないこと、条件(対象者・期間・人数)の違いで一般化できないことを「未確認」に書いてください。
5. 資料に書かれていないことは補わず、「資料に記載なし」と書いてください。
6. 最後に、解釈の各文について、根拠となる事実番号が本当にあるかを自己点検し、ないものは削除してください。
<問い>(ここに1文)</問い>
<テンプレート>(上のテンプレートを貼る)</テンプレート>
<資料>(ここに資料)</資料>人が最後に見る判断表
AIの下書きは、次の表で人が確認します。
- 事実の数字、見方:原資料と一字ずつ照合したか、問題があるとき:原資料に戻して直す
- 出どころ、見方:資料名・取得日・対象・人数が揃っているか、問題があるとき:空欄を埋め、分からなければ未確認へ移す
- 解釈の根拠、見方:参照する事実番号が実在し、内容が合っているか、問題があるとき:根拠がなければ削除、または未確認へ
- 条件の引き継ぎ、見方:「購入者のみ」などの限定が解釈に残っているか、問題があるとき:限定を書き戻す
- 未確認の中身、見方:形だけの記述になっていないか、問題があるとき:具体的な不足データを書く
- 次の確認、見方:担当と期限を決められるか、問題があるとき:作業単位まで分割する
広告や販促の文言に結びつけるときの注意
調査結果を商品の効果・性能の訴求に使う場合は、報告書の「事実」と「解釈」の区別がそのまま重要になります。消費者庁の不実証広告規制のページ(確認日:2026-10-28)では、効果や性能の表示に裏付けが必要な場面で、提出資料が客観的に実証された内容であること、そして表示した効果・性能と資料で実証された内容が適切に対応していることが要件として挙げられています。
報告書に当てはめると、解釈の段落(例:「軽さが選ばれる理由」)をそのまま広告コピーにしないこと、コピーの表現が事実の段落の範囲を超えていないかを見ること、という確認になります。個別の表現が適法かどうかは、この記事では判断できません。判断が必要な場合は、社内の法務や専門家に相談してください。
まずは、直近の調査報告を1本選び、文を「事実・解釈・未確認」の3色に塗り分けてみてください。未確認がほとんど出てこなければ、解釈が事実の顔をしている部分があるはずです。

