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キャッチコピー案をAIで量産したあと:絞り込みの基準と人が決める部分

AIを使いこなす

Claudeで執筆し、GPTで自動校閲・修正しています。

評価表の横で、手がコピー案の紙片を選び分けている
記事の内容をもとに制作したAI生成イメージです。実際の製品画面や検証結果の写真ではありません。

AIに30案、50案と出させるのは数分で済みます。時間がかかるのはその後です。案を絞るときは、先に基準を決めて、「足切り」「採点」「人の最終判断」の3段で落とすと迷いにくくなります。AIは出す工程と一次チェックに使えます。ただし、事実として言ってよいか、ブランドとして言いたいか、は人が決めます。 この記事では、そのための指示文と採点表を用意しました。後半の商品名・数値・点数はすべて「説明用の例」で、実際に運用して得た結果ではありません。

この記事の目次
  1. 絞り込みは3段で考える
  2. 先に制約条件を書いた指示文を渡す
  3. 第1段:足切りの3項目
  4. 第2段:評価軸つきの採点表
  5. 第3段:人が決める部分
  6. 採点用の指示文(弱点の洗い出し用)
  7. 最後に確認すること

絞り込みは3段で考える

  • 1. 足切り(○×)、目的:使えない案を先に落とす、主に誰がやるか:AIが一次確認、人が確定
  • 2. 採点、目的:残った案を同じ物差しで比べる、主に誰がやるか:人が採点、AIは理由の整理を補助
  • 3. 最終判断、目的:上位案から1〜2案を選ぶ、主に誰がやるか:人

好みで選ぶと、声の大きい人の意見に引きずられがちです。先に基準を紙にしておけば、「なぜ落としたか」を後から説明できます。

先に制約条件を書いた指示文を渡す

絞り込みは、案を出す前から始まっています。制約を最初に渡すと、足切りで落ちる案が減ります。次の指示文は、角括弧の部分を自分の案件に置き換えて使えます。未公開の価格、顧客名、社内資料は入れず、仮の値に置き換えてください。

あなたは広告コピーの案出し担当です。次の条件でキャッチコピー案を30個出してください。

# 商品・サービス
[名称/何をするものか/1文で]

# 読み手
[誰が、どんな場面で、何に困っているか]

# 言ってよいこと(根拠がある事実)
- [例:レシートを撮影すると自動で費目に分類される]
- [例:無料プランがある]

# 言ってはいけないこと
- 根拠のない効果の断定(「必ず」「確実に」「No.1」など)
- 他社名・他社商品名との比較
- [社内の禁止語があればここに]

# 文体・長さ
- トーン:[例:やわらかく、親しみやすく]
- 全角[20]字以内、媒体:[例:Web広告の見出し]

# 出力形式
番号、コピー本文、狙い(15字以内)、「言ってよいこと」のどれに基づくか、の4列の表で。
根拠が「言ってよいこと」にない主張を含む案には「要確認」と書いてください。

最後の2行がポイントです。AIに「根拠の出どころ」を書かせておくと、次の足切りが速くなります。ただし、AIが「言ってよいことに基づく」と書いても、実際に合っているかは人が見ます。

第1段:足切りの3項目

足切りは点数をつけません。1つでも×なら落とします。

  1. 事実の裏付けがあるか:商品の品質や効果を、実際より優れているように見せる表示は、景品表示法の優良誤認表示として禁止されています。消費者庁は、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を事業者に求めることができ、示せない場合は不当表示とみなされる仕組みもあります(消費者庁「優良誤認とは」)。「必ず」「確実に」「業界最高」といった言い切りは、根拠資料を出せるかどうかで判断します。個別の案が適法かどうかは、社内の法務担当や専門家に確認してください。
  2. 既存の表現に似すぎていないか:生成AIの出力でも、既存の著作物との類似性と依拠性が認められると、著作権侵害になり得ると文化庁は整理しています(文化庁「AIと著作権に関する考え方について(概要)」)。短いキャッチコピーがどこまで著作物にあたるかは個別の判断になります。実務では、有力な候補を自分でも検索し、同じ言い回しの先行例がないかを見ておきます。
  3. 社内ルールに反していないか:禁止語、競合名、表記ゆれ(です・ます、全角半角)、媒体の文字数上限を確認します。

この段階では、AIに案の一覧を渡して「各案が上の3項目に引っかかる可能性を指摘して」と頼む使い方が向いています。指摘は拾い漏れもあるので、人が最終的に○×をつけます。

第2段:評価軸つきの採点表

足切りを通った案は5〜8個に絞り、次の表で採点します。各軸を1〜5点で採点し、重みを掛けて合計します。軸と重みは、この記事での編集上の提案です。案件に合わせて変えてください。

  • 伝わる、見る点:読み手が1回読んで意味を取れるか。業界用語や比喩で迷わないか、重み:×3
  • 具体性・差別化、見る点:他の商品にも付けられる文になっていないか。何が違うかが見えるか、重み:×2
  • トーン適合、見る点:ブランドの話し方と合っているか。誇張や気取りがないか、重み:×2
  • 記憶・音読、見る点:声に出して引っかからないか。覚えやすいか、重み:×1
  • 媒体適合、見る点:文字数、改行、画像との組み合わせで成立するか、重み:×1

満点は45点です。重みの合計が9なので、5点満点×9になります。

説明用の例

架空の商品「レシートを撮影して支出を自動で分類する家計簿アプリ」で、4案を採点してみます。点数は私が仮に置いたもので、実際の評価ではありません。

  • A「支出が、ひと目でわかる。」、足切り:○、伝わる:5、具体性:3、トーン:4、記憶:4、媒体:5、合計:38
  • B「お金の迷子を、なくそう。」、足切り:○、伝わる:4、具体性:2、トーン:3、記憶:5、媒体:5、合計:32
  • C「レシートを撮るだけ、月末の不安が軽くなる。」、足切り:○(効果表現は要確認)、伝わる:5、具体性:4、トーン:4、記憶:3、媒体:3、合計:36
  • D「撮るだけで、貯金が必ず増える。」、足切り:×(根拠なし)、伝わる:–、具体性:–、トーン:–、記憶:–、媒体:–、合計:対象外

Dは「必ず増える」を裏付ける資料がない想定なので、採点前に落とします。点数が高く見えても、足切りが先です。Cは「不安が軽くなる」が主観的な表現なので、どこまで言えるかを確認してから残します。

第3段:人が決める部分

採点は迷いを減らす道具で、決定そのものではありません。AとCは1点差です。こういう場合は、点数以外の問いで決めます。

  • 掲載する場所の中で、その案が一番目立つか(画像、他の文言との並びで確認)
  • 3か月後の自社が、この言い方を続けられるか
  • 後から「それは言い過ぎでは」と問われたとき、根拠を示せるか
  • 責任者が自分の言葉として説明できるか

点差が小さい(たとえば3点以内)ときは人が決める、という運用ルールを先に作っておくと、議論が長引きません。

AIに任せること/人が決めること

  • 案出し、AIに任せやすい:量産、切り口の変更、文字数の調整、人が決める:方向性、言ってよいことの範囲
  • 足切り、AIに任せやすい:禁止語・文字数・表記ゆれの一次確認、人が決める:根拠の有無、類似の確認、最終の○×
  • 採点、AIに任せやすい:各案の弱点を文章で挙げる、人が決める:点数の確定、重みの設定
  • 最終選定、AIに任せやすい:選んだ理由の下書き、人が決める:どれを世に出すか、その責任

AIに採点まで任せたくなるかもしれません。ただ、同じAIが作った案を同じAIが採点すると、評価が甘くなる可能性があります。この記事ではその可能性を検証していないため、AIの採点を使うなら、人の採点と並べて見る程度にとどめます。

採点用の指示文(弱点の洗い出し用)

残した案の弱点を言語化させる指示文です。点数は人がつけるので、AIには点数を出させません。

次のキャッチコピー案について、読み手[属性]の立場で、それぞれ弱点を2つずつ挙げてください。点数はつけないでください。

# 観点
1. 意味が一度で取れない箇所
2. 他の商品にも使えそうな部分
3. 誇張や断定に見える言葉
4. 声に出したときに読みにくい箇所

# 案
A: [本文]
B: [本文]
C: [本文]

# 出力
案ごとに、弱点と、直すとしたらどこかを1行ずつ。

出てきた弱点を見て、人が採点表に点数を入れます。弱点が複数案で共通していたら、案の問題ではなく、最初の「言ってよいこと」の書き方に原因があるかもしれません。その場合は、制約条件を書き直して案出しからやり直したほうが早く済みます。

最後に確認すること

案が決まったら、決定理由を3行ほど残しておきます。採点表、足切りで落とした案とその理由、根拠資料の保管先です。後から表現を問われたときに、すぐ出せます。なお、この記事の例は私が机上で作ったもので、実際に動かして確かめた結果ではありません。自社の案件で一度試し、軸と重みを調整してください。

出典・参考資料