英作文の間違いを1か月ためて傾向を見る:AI添削を学習に残す記録法
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英作文の間違いから傾向を見つけるには、直した箇所を1行ずつ記録し、1か月分をまとめて型ごとに数えます。手順は次の3つです。 1. 添削のたびに、直した箇所を「元の部分・直した部分・誤りの型・理由」の形で1行ずつノートに残します。 2. 1か月たったらノートをAIに渡し、型ごとに数えさせます。 3. 上位2つの型に絞って、翌月の練習に回します。 AIは1文ごとの修正や、行の分類・要約を得意とします。一方、長い表の正確な件数はずれることがあります。件数は表計算ソフトで自分で数え、AIの数字は照合に使います。 この記事では、ノートの列設計と、添削用・月末用の指示文2本を示します。文例や表の中身はすべて説明用の例で、実際に試した結果ではありません。
1. 誤りノートの列設計
列は多くしすぎないことが続けるコツです。次の8列を提案します。
- A 日付、内容:書いた日、入力する人:自分
- B 元の文、内容:直す前の自分の英文、入力する人:自分
- C 元の部分、内容:誤っていた箇所だけ(文全体は入れない)、入力する人:AIの表を貼る
- D 直した部分、内容:修正後の箇所、入力する人:AIの表を貼る
- E 誤りの型、内容:下の固定リストから1つ、入力する人:AI案を自分が確認
- F 気づけたか、内容:添削前に自分で怪しいと思ったか(はい/いいえ)、入力する人:自分
- G 原因メモ、内容:なぜ間違えたかを日本語で1行、入力する人:自分
- H 練習済み、内容:翌月の練習をしたらチェック、入力する人:自分
C・Dは「箇所だけ」にします。文全体を並べると、後から何が変わったのか読み取れません。Fは、知らなかった間違いか、うっかりの間違いかを分ける列です。前者は学び直し、後者は見直しの習慣で対処が変わります。
誤りの型リスト(固定)
型の名前がぶれると集計できません。最初にリストを決め、AIにもこの中から選ばせます。
- 冠詞・可算/不可算
- 単複・主述一致
- 時制・相
- 前置詞
- 語順
- 語の選択(意味は近いが不自然な単語、組み合わせ)
- 日本語直訳(構文ごと日本語に引きずられている)
- 接続・文のつなぎ
- 綴り・句読点
- その他
このリストは編集上の一例です。1か月使ってから、自分のレベルに合わせて見直してください。「その他」が全体の2割を超えたら、足りない型があるサインです。
2. 添削時の指示文:最初から表の形で返させる
直した文をもらってから分類し直すと手間がかかります。最初から、ノートに貼れる形で出力させます。
あなたは英語の添削者です。下の英文を、意味を変えずに自然な英語へ直してください。
想定する読み手:[例:社内の同僚]
用途:[例:進捗報告メール]
私のレベル:[例:中級]
出力は次の2つだけにしてください。
1. 修正表(1つの修正につき1行)
| 元の部分 | 直した部分 | 誤りの型 | 理由(日本語で1文) |
2. 直した全文
「誤りの型」は次のリストから1つだけ選びます。合うものがなければ「その他」とし、理由に何が当てはまらなかったかを書いてください。
リスト:冠詞・可算/不可算、単複・主述一致、時制・相、前置詞、語順、語の選択、日本語直訳、接続・文のつなぎ、綴り・句読点、その他
私の意図が不明な箇所は直さず、表の下に質問として1行ずつ書いてください。
英文:
(ここに貼る)最後の一文は大事です。AIが意図を推測して書き換えると、直ったように見えても、自分の言いたいことから離れることがあります。
説明用の例
次の英文を入力したとします(説明用の例で、実際の出力ではありません)。
Yesterday I send the report to client, and explained about the schedule.返ってくる表として期待するのは、次のような形です。
- send、直した部分:sent、誤りの型:時制・相、理由:過去の出来事なので過去形にする
- to client、直した部分:to the client、誤りの型:冠詞・可算/不可算、理由:特定の相手なので the が必要
- explained about、直した部分:explained、誤りの型:前置詞、理由:explain は直後に目的語を取る
この表をノートのC〜E列に貼ります。AIの付けた型に納得できなければ、E列を自分で書き換えて構いません。
3. 月末の指示文:傾向を分類させる
1か月分がたまったら、ノートの一部の列を指示文と一緒に渡します。渡すのは、行番号(シートの行番号を列にして付けます)、日付、C、D、E、F、Gの各列です。B列の元の文は、分量が増えるので外して構いません。
以下は私の英作文の誤りノート(約1か月分)です。列は「行番号、日付、元の部分、直した部分、誤りの型、気づけたか、原因メモ」です。
次の順で答えてください。
1. 誤りの型ごとの件数を表にする。
2. 件数の多い上位3つについて、共通するパターンを1〜2文で説明する。根拠にした行番号を必ず付ける。
3. 同じ型でも原因が違うと思われるものがあれば、分けて示す(例:同じ前置詞の誤りでも、動詞ごとの覚え違いと、日本語の助詞に引きずられたものは別)。
4. 件数が少なく、傾向と言い切れない型は「判断保留」と書く。
5. 「気づけたか=いいえ」が多い型を挙げる。
6. 上位2つの型について、来月の練習方針を各3点で提案する。
ノートに書かれていない内容は推測しないでください。分類に迷う行は、勝手に決めず一覧にしてください。
(ここに表を貼る)2で行番号を、4で「判断保留」を求めているのは、AIの断定を確認しやすくするためです。記録が数十行しかなければ、ある型が3件か5件かの差で「傾向」と呼ぶのは早すぎます。
4. 人が確認する3点
AIの分類結果は、そのまま信じずに次の3点を確かめます。
- 件数:表計算ソフトのCOUNTIF関数などで、E列の型ごとの件数を数え直します。AIの数字と違えば、自分の数字を採用します。
- 行番号の根拠:AIが示した行を実際に開き、説明されたパターンが本当にそこに出ているか確認します。
- 原因の解釈:AIの原因推測は仮説です。G列の自分のメモと合うかを見て、合わなければ自分の理解を優先します。
次の表は、結果の見方の目安です。基準は編集上の提案です。
- 上位の型が全体の3割以上で、複数の週にまたがって出る、判断:翌月の練習対象にする
- 特定の1週間に集中している、判断:その週の題材(特定の文書や話題)の影響を疑い、対象は保留
- 件数は多いが「気づけた=はい」がほとんど、判断:知識不足ではなく見直しの問題。書いた後のチェック項目に入れる
- 「その他」が多い、判断:型のリストを見直す
5. 練習への反映と翌月の比較
対象を2つに絞ったら、練習は次の流れにします。
- ノートから、その型の誤りを5〜10行選びます。
- 「直した部分」を隠し、元の部分だけを見て自分で直します。
- 直せなかった行は、AIに「この型の規則を、私の例文を使って短く説明して」と頼みます。
- 同じ型を使う新しい練習文をAIに作らせます。作った文の正しさは、辞書や文法書でも確かめます。
- 練習した行はH列にチェックを入れます。
翌月も同じ列、同じ型リスト、同じ月末の指示文で記録すると、型ごとの件数を比べられます。ただし、書いた文の量や難しさが変わると、件数は単純に比べられません。書いた文の数もノートの隅に記録しておきます。
6. 入力するときの注意
仕事の英文を使うときは、取引先名、個人名、金額、未公開の計画などを、架空の名前や伏せ字に置き換えてから貼ります。誤りの型を見るだけなら、固有名詞が違っても支障はありません。
ChatGPTの個人向けプラン(Free、Plus、Pro)では、設定の「Data controls」で「Improve the model for everyone」をオフにすると、以後の新しい会話はモデルの学習に使われないと説明されています。ただし、高評価・低評価のフィードバックを送ると、その会話全体が学習に使われる場合があるとも書かれています。ChatGPT Business、Enterprise、Edu、およびAPIの入力・出力は、既定ではモデルの学習に使われないとされています(OpenAI Help Center「Data Controls FAQ」)。設定や条件は変わることがあるため、利用時に最新の説明を確認してください。また、学習に使われない設定と、内容を秘密として扱える保証は別の話です。契約や社内ルールで外部サービスへの入力が制限されていないかは、自分の環境で確認してください。
ノートを毎月AIに渡す手間を減らしたい場合は、Claudeの「プロジェクト」が使えます。プロジェクトは、専用のチャット履歴と知識ベースを持つ作業スペースで、書類を置いたり、プロジェクト指示を設定したりできます。型リストと月末の指示文を指示に、ノートを知識ベースに置く運用が考えられます。公式ヘルプによると、無料アカウントでは最大5つまでプロジェクトを作れます(Claude Help Center「What are projects?」)。ノートが長くなったら、AIが全体を正確に読めているか確認しにくくなるため、月ごとに分けて渡すのが無難です。

