AIで英会話の練習相手を作る:レベル・場面・訂正の入れ方を決める指示文
AIを使いこなす執筆にClaudeを使用しています。

会話を止めずに間違いを直してもらうには、指示文に「会話中は訂正しない」「訂正は合図のあとにまとめて出す」と、訂正のタイミングを明文で書いておくのが基本です。指定がないと、AIが一文ごとに添削や解説を挟んで練習のテンポが崩れることがあります。 指示文に入れる要素は4つです。 1. レベル:使ってよい語彙と文の長さ 2. 場面:誰と、どこで、何のために話すか 3. 相手役の振る舞い:返答の長さ、質問の仕方、聞き返し方 4. 訂正のルール:いつ、何を、どの形式で直すか この記事の指示文はすべて説明用の例です。実機での動作確認はしていません。使うAIやプランで挙動は変わるため、最初の1〜2往復で様子を見て調整してください。
この記事の目次
訂正のタイミングを決める:3つの方式
- 会話後まとめ型、動き:会話中は直さず、合図の言葉で一覧を出す、向いている人:初級、まず話す量を増やしたい人
- 言い直し型、動き:正しい形を、AIの返答の中で自然に使う、向いている人:中級、流れを保ちつつ耳で気づきたい人
- 合図停止型、動き:通じなくなる誤りや、決めた弱点だけその場で指摘する、向いている人:面接・会議など本番が近い人
初級は会話後まとめ型が無難です。会話中に指摘が続くと、英語を組み立てる余裕がなくなりやすいためです。ただしこれは編集上の目安で、合う方式は人によって違います。
初級向け:日常の場面で話す量を増やす
「短い文で、ゆっくり、訂正は後で」という設定です。場面はカフェでの注文にしています。
あなたは英会話の練習相手です。役は「カフェの店員」、私は客です。
【レベル】私は英語の初級者です。中学レベルの語彙と、1文10語程度の短い文で話してください。1回の返答は2文までにします。
【進め方】毎回、返答の最後に私が答えやすい質問を1つだけしてください。私の英語が分からないときは、役のまま簡単な英語で聞き返してください。
【訂正のルール】会話中は、私の間違いを指摘も解説もしないでください。私が "feedback" と言ったら、会話を止めて次の形式でまとめます。
- 間違えた文 → 直した文(理由を日本語で1行)
- 優先して直すべき点は最大3つまで
- 最後に、自然だった表現を1つ褒める
それまでは役に徹し、日本語は使わないでください。
最初の一言は、あなたの店員のセリフからお願いします。中級向け:言い直しで直す型と、止める条件を絞る型
①職場の雑談を、言い直しで直す
訂正を会話の中に溶かす例です。AIが正しい形で言い換えて返すので、会話は止まりません。
あなたは英会話の練習相手です。役は「同じ会社の別部署の同僚」で、場面は昼休みの雑談です。
【レベル】私は英語の中級者です。自然な口語表現を使ってかまいませんが、スラングは避け、1回の返答は3文以内にしてください。
【進め方】私の発言に反応したあと、話題を少し広げる質問を1つしてください。
【訂正のルール】私の文に文法や語選びの誤りがあっても、指摘はしないでください。代わりに、正しい形を自分の返答の中で自然に1回使ってください(例:私が "I go there yesterday" と言ったら、"Oh, you went there yesterday?" と返す)。
私が "review" と言ったら会話を止め、今日の誤りを多い順に最大5つ、「元の文 → 直した文 → 理由(日本語で1行)」で表にしてください。②面接や会議の準備で、止める場合を絞る
本番が近い場合の設定です。その場で止める条件を絞っておくのがポイントです。【】内は自分用に書き換えてください。
あなたは英語面接の練習相手です。役は「採用担当者」、場面は事務職の一次面接です。会社名や経歴は架空のものを使います。
【レベル】私は英語の中級者です。質問は平易な表現にしてください。
【私の弱点】時制、冠詞(自分の弱点に書き換える)
【進め方】質問は1回に1つ。私の答えが短ければ、深掘りの質問を1つ重ねてください。
【訂正のルール】次の場合だけ、その場で "Pause." と言って短く指摘してください。
- 意味が通じない、または逆の意味になる誤り
- 【私の弱点】に挙げた種類の誤りで、同じ答えの中で2回目のもの
それ以外は流して続けてください。指摘は1文で、直した文を示すだけにし、再開は私が "go" と言ってからにします。
私が "debrief" と言ったら、答えの構成・語彙・誤りの3点で振り返りをまとめてください。会話後にまとめて訂正させる依頼文
合図語を使わず、会話を終えてから別の依頼として出す形です。ChatGPTの音声会話では、通話の終了後に文字起こしがチャットへ追加されると説明されています。ただし文字起こしは実際の発話と完全には一致しない場合があり、重なった発話や雑音、速い会話で起こりやすいとされています(OpenAIヘルプ「ChatGPT Voice FAQ」)。そのため、訂正が「聞き取り違い」に由来しないかを確かめる項目を入れておきます。
ここまでの会話の、私の発言だけを対象に振り返ってください。
1. 間違いを「元の文 → 直した文 → 理由(日本語1行)」の表にする。多い順に最大5件。
2. 同じ種類の誤り(時制、冠詞、前置詞など)があれば、その種類名を示す。
3. 文字起こしの誤りで、私が実際には正しく言った可能性がある箇所には「聞き取り違いの可能性」と付ける。
4. 私が次回意識すべきことを1つだけ、日本語で書く。
5. 直した文のうち2つを使い、同じ場面の短い練習問題を作る。答えは最後にまとめて出す。文字入力の会話で使う場合は、3の項目を削ってください。
音声で使うときの注意
音声会話では、発音の良し悪しをAIが正確に判定してくれるとは考えないほうが安全です。確認できた公式ヘルプに発音評価の説明はなく、文字起こしがずれることもあるためです。指摘は、文字になった内容の文法と語選びが中心だと捉えてください。
製品ごとの違いは次のとおりです。
- ChatGPT:モバイルではメッセージ欄の音声アイコン、Webではプロンプト欄の音声アイコンから始めます。Liveでは、AIが話している途中でも割り込めます。利用量にはプランごとの上限があり、数字は変わりうるため公式ヘルプで確認してください(OpenAIヘルプ)。
- Claude:音声モードはベータ機能で、全プランで使えるとされています。モバイル、デスクトップ、Webに対応しますが、スマホでの利用が最適とされています。英語以外の言語対応もベータです。ハンズフリーのほか、騒がしい場所向けに押して話すモードがあります。文字起こしは通常のチャットと同様に履歴へ保存され、利用量は通常の上限に数えられます(Claudeヘルプ「Use voice mode」)。
履歴に残る点は、練習内容にも関わります。実在の勤務先、顧客名、経歴の詳細は入れず、面接の例のように架空の設定にしてください。
指示文が守られないときの直し方と、最初の手順
- 会話中に訂正してしまう:「訂正は一切しない。例外はなし」と言い切り、合図語を英語1語に固定します。
- 返答が長い:「1回2文まで」のように数で縛ります。「短めに」だけでは基準があいまいです。
- 長く続けて設定が崩れてきた:ルールの部分だけ貼り直します。
- 訂正が多すぎる:件数の上限(最大3件など)と「優先順位の高い順」を指定します。
AIの訂正が常に正しいとは限りません。気になる表現は、辞書や例文で一度確かめてから覚えてください。
最初は次の順で試すと進めやすいです。
- 3つの指示文から、今の自分に近いものを1つ選ぶ。
- 場面と役を、自分が使う状況に書き換える。
- 5分だけ話し、合図語で訂正をもらう。
- 指摘された種類を1つ決め、次回の指示文の弱点欄に足す。

