Adobe Fireflyの参照画像で構図やスタイルを寄せる:テキスト指示との役割分担
AIを使いこなすClaudeで執筆し、GPTで自動校閲・修正しています。

結論から言うと、「どこに何を置くか」は構図の参照画像、「何が写っているか」は文章、「言葉にしにくい色調や質感」はスタイルの参照画像に分けると、やり直しの原因を切り分けやすくなります。文章だけで配置まで細かく指定しても、意図どおりになるとは限りません。参照画像を使う場合も、被写体の中身は文章で明示します。 この記事では、その分担を決める判断表と、そのまま使える指示文の例を示します。
先に断っておく前提
Adobe Fireflyの画像生成には、構図(画像内の配置や奥行き)を参照画像に合わせる機能と、参照画像の見た目をスタイルとして反映する機能があります。Adobeの構図参照ヘルプでは、構図を合わせる際に「アウトライン(輪郭)」と「深度(奥行き)」を考慮すると説明されています。画像生成の公式手順では、CompositionとStylesの両方に、参照への忠実度を調整する「Strength」スライダーが案内されています。
この記事はWeb版でCompositionとStylesの参照設定が表示される画面を対象にします。生成設定は選択するモデルによって異なるため、まずお使いの画面で両項目を確認してください。以下の判断表と指示文は、二つの機能の役割に基づく編集上の整理で、実際に生成して比較した結果ではありません。配置や見た目の完全な一致を保証するものでもありません。
判断表:何をどこに任せるか
迷ったら、決めたい項目ごとに次の表で「任せる先」を選びます。
- 被写体の位置と大きさ、任せる先:構図の参照画像、理由・注意:「右下に小さく」などの配置を画像で示す
- カメラの高さ・奥行き・余白、任せる先:構図の参照画像、理由・注意:俯瞰か正面かも、配置の見本として示す
- 被写体の種類・服装・小物、任せる先:文章、理由・注意:参照元の中身が混ざらないよう、文章で明示する
- 時間帯・天気・場所の設定、任せる先:文章、理由・注意:「夕方の曇り」など言葉で言い切れる
- 言葉で言える雰囲気(穏やか、静か等)、任せる先:文章、理由・注意:参照画像より修正しやすい
- 色調・粒状感・光の質、任せる先:スタイルの参照画像、理由・注意:形容詞では再現しにくい部分
- シリーズ全体の統一感、任せる先:スタイルの参照画像(同じ画像を使い回す)、理由・注意:毎回同じ参照にすると揃えやすい
- 文字を載せる余白、任せる先:構図の参照画像+文章で「上部に余白」、理由・注意:余白は構図側で作り、文章で補強
迷いどころは「雰囲気」です。「温かい」「落ち着いた」程度なら文章で十分です。「少し褪せたフィルム調で、影が青い」のように具体的な見た目を指す段階になったら、スタイル参照に移すほうが早いでしょう。
指示文の例(説明用の例)
次の三つは説明用の例で、実際に生成した結果ではありません。参照画像はどれも、自分で撮った写真や権利に問題のない素材を想定しています。
例1:商品写真の配置を固定する
- 構図の参照:机の上のマグカップを斜め上から撮った自分のスマホ写真(配置の見本)
- 文章:
白いセラミックのマグカップ。木目のテーブルの上、朝の窓際。
背景は柔らかくぼかす。画面の上3分の1は何も置かず、余白にする。ポイントは、中身(素材・時間帯)を文章で指定し、必要な余白は参照画像と矛盾しない言葉で補うことです。参照元がもし黒いマグカップなら、「白い」と明記しないと色が引きずられるかもしれません。
例2:ブログのアイキャッチで雰囲気を揃える
- スタイルの参照:過去に作った、色調を気に入っている自作のイラストか写真
- 構図の参照:なし(文章で十分なとき)
- 文章:
読書をする人の後ろ姿。窓辺、午後の光。
人物は画面の左寄りに小さく。構図を文章で書き、見た目だけ参照で寄せるパターンです。構図が単純なときは、参照を一つに絞ったほうが原因を追いやすくなります。
例3:二つの参照を併用する
CompositionとStylesの両方に参照画像を設定できる画面での例です。
- 構図の参照:人物のポーズ・立ち位置が分かる自作の撮影メモ写真
- スタイルの参照:色調だけ寄せたい別の自作画像
- 文章:
街角に立つ会話中の二人。服装は私服、季節は秋。
表情は穏やか。背景の看板に読める文字は入れない。併用すると、ずれたときにどちらが原因か分かりにくくなります。最初は片方ずつ試してから合わせるのが安全です。
進め方:一回に一つだけ変える
- 文章だけで一度生成する。 何が足りないかを把握するための基準になります。
- 配置が合わないなら構図の参照を足す。 まず文章と強さを変えず、参照を足した影響を見ます。文章と参照の配置が矛盾する場合は、次の試行で文章を直します。
- 色や質感が合わないならスタイルの参照を足す。 まず文章を変えずに比較し、雰囲気語と参照が矛盾する場合は、次の試行で文章を直します。
- 強さを調整する。 参照に寄りすぎて中身まで似るなら下げ、効かないなら上げます。数値の目安は画面と用途で変わるので、一回ずつ動かして記録してください。
- ずれの原因を切り分ける。 下表を使います。
- 配置は合うが中身が参照元に似る、まず疑うこと:参照の影響、文章の指定不足、対処:まず被写体の特徴を文章で具体化し、改善しなければ強さを下げて比較
- 色調が思った方向に出ない、まず疑うこと:スタイル参照が弱い、文章の雰囲気語と矛盾、対処:雰囲気語を減らす、参照を差し替える
- 配置が毎回少し違う、まず疑うこと:参照と文章の矛盾、参照の強さ、対処:矛盾があれば文章を直し、なければ強さを調整して比較
- 余白が確保されない、まず疑うこと:参照画像側に余白がない、対処:余白のある参照を作り直す
参照画像に何を使うか:権利と情報の扱い
参照画像は、最も手軽に「誰かの作品に似たもの」を作れてしまう入口でもあります。文化審議会著作権分科会法制度小委員会が2024年3月に取りまとめた「AIと著作権に関する考え方について」などの資料は、文化庁の「AIと著作権」のページから辿れます。個別の事案が適法かどうかはここでは判断できません。迷う場合は専門家に相談してください。
実務上は、次の運用が無難です。
- 自作の写真・ラフ、生成AIへのアップロードや目的の利用が許諾されている素材を参照にする。 他人の作品を参照にして「この作家風」に寄せるのは避けます。
- 人物の写真は、本人の同意があるものか、人が特定できない素材にする。
- 社外秘の資料や未公開の商品写真は参照にしない。 学習への利用設定と、情報が外部に出ないことは別の話です。アップロード画像の扱いについてはAdobeの利用条件とプライバシー設定を確認し、社内ルールに沿って判断してください。心配な場合は、ダミー素材に置き換えて試します。
- 生成結果を公開する前に、参照元と並べて見比べる。 構図の一致は意図的でも、細部まで似ていないかを人が確認します。
AIに任せるのは「配置を合わせる」「見た目を寄せる」作業までです。何を参照に使ってよいか、出来上がりを公開してよいかは、人が決めます。

