Stable Diffusionでシード固定して比べる:条件をそろえて指示の効果を確かめる方法
AIを使いこなすClaudeで執筆し、GPTで自動校閲・修正しています。

プロンプトの一部を直したのに、良くなったのか偶然なのか分からない。そんなときは、シードを固定して、変える項目を1つだけにして比べると、差の原因を絞りやすくなります。 ただし、シードを固定すれば何でも同じ条件になるわけではありません。モデル、画像サイズ、ステップ数、CFGスケールなどが変わると、同じシードでも別の絵になりえます。この記事では、固定するものと変えるものを分け、結果を記録するシートまで用意します。
シード固定でできること、できないこと
シードは、生成のランダムさを指定する数値です。Stability AIのAPI資料では、seedは「生成のランダムさを導く値」とされ、省略するか0を指定するとランダムなシードが使われると書かれています(Stable Diffusion 3.5 APIリファレンス、Stable Image Core。2026年10月29日に閲覧)。シードがランダムに選ばれることは、毎回違う絵になる要因の1つです。
シードを固定すると、「ランダムさ」の分を一定にできます。そのうえでプロンプトの一語だけを変えれば、絵の差をその一語の影響として読みやすくなります。
一方、次のことは言えません。
- シードを固定しても、全く同じ絵が必ず出るとは限りません。公式資料で確認できたのは、seedの意味と指定方法までです。ツールの版や実行環境が違う場合に完全一致するかは、この記事では確認していません。
- 1つのシードで良く見えても、他のシードで同じとは限りません。
- 一語の変更で構図ごと変わることもあります。変化が大きすぎる場合は、効果が大きいと見るより、そのシードでは不安定と見るほうが安全です。
固定する項目と変える項目
比較の前に、次の表の「固定」欄をすべて同じにします。変えるのは「変更」の1行だけです。
- シード、比較中の扱い:固定(複数検証するなら同じ組を使い回す)
- モデル/チェックポイント、比較中の扱い:固定
- 画像サイズ・縦横比、比較中の扱い:固定
- ステップ数・サンプラー、比較中の扱い:固定(使うツールにある場合)
- CFGスケール、比較中の扱い:固定(SD3.5 APIでは1〜10で、デフォルトはLarge/Mediumが4、Turbo/Flashが1と記載)
- ネガティブプロンプト、比較中の扱い:固定(これを試すときはここだけ変更)
- プロンプト本文、比較中の扱い:基準版を決め、変更するのは1か所だけ
「光の表現も、レンズの指定も、背景も直したい」と思っても、一度に変えないことが肝心です。変更が3つあると、どれが効いたのか分からなくなります。
比較の手順
1. 基準プロンプトを決める
最初は短く、素直な文にします。以下は説明用の例で、実際に生成した結果ではありません。
窓辺に置かれた白いマグカップ、朝の光、35mm写真風、浅い被写界深度2. シードを3つ決める
好きな整数を3つ選びます。たとえば 1001、1002、1003 です(SD3.5 APIの資料では0〜4294967294が指定範囲で、0はランダム扱いなので、0以外を使います)。1つだけだと、そのシードの癖を見ているだけかもしれません。
3. 基準版を各シードで生成する
3枚を保存し、ファイル名にシードを入れます(例:base_s1001.png)。ここで、同じ設定でもう一度1枚生成してみて、ほぼ同じ絵が出るか確認してください。出ない場合は、比較に進まず、設定を見直します。差が続く場合は、プロンプト変更による差と区別できないため、この比較方法での判断を保留します。
4. 変更版を作る(1か所だけ)
基準の「朝の光」だけを「曇りの日の柔らかい光」に変えます。
窓辺に置かれた白いマグカップ、曇りの日の柔らかい光、35mm写真風、浅い被写界深度同じ3つのシードで生成します。
5. 並べて、見る項目を先に決めて評価する
「なんとなく良い」では記録が残りません。たとえば次の3点だけを見ます。
- 狙った変化(光の質)が出ているか
- 変えていない部分(構図、カップの形)が維持されているか
- 3つのシード中、何枚で同じ方向の変化があったか
6. 次の1項目へ進む
効果が確認できたら、その変更版を新しい基準にして、次の1か所を変えます。
結果を記録するシートのひな形
スプレッドシートに貼れるように、列を決めました。1行が1枚の画像です。
- E01、日付:(記入)、基準/変更:基準、変更した項目:なし、変更前→変更後:—、シード:1001、モデル:(記入)、サイズ:(記入)、ステップ:(記入)、CFG:(記入)、ネガティブ:(記入)、ファイル名:base_s1001.png、狙った変化(○△×):、維持できた点:、崩れた点:、メモ:
- E01、日付:(記入)、基準/変更:変更、変更した項目:光の表現、変更前→変更後:朝の光→曇りの日の柔らかい光、シード:1001、モデル:(同上)、サイズ:(同上)、ステップ:(同上)、CFG:(同上)、ネガティブ:(同上)、ファイル名:e01_s1001.png、狙った変化(○△×):、維持できた点:、崩れた点:、メモ:
コピーしやすいCSVの見出し行は次の通りです。
実験ID,日付,基準/変更,変更した項目,変更前→変更後,シード,モデル,サイズ,ステップ,CFG,ネガティブ,ファイル名,狙った変化,維持できた点,崩れた点,メモ「変更した項目」の欄に2つ以上書きたくなったら、実験を分けるサインです。
結果の判断表
3つのシードで見た結果を、次のように読みます。これは編集上の目安で、統計的な基準ではありません。
- 3枚とも狙った方向に変わり、他は維持、読み方:変更が効いている可能性が高い、次の一手:新しい基準にして次の項目へ
- 1〜2枚だけ変わった、読み方:シードに左右されやすい、次の一手:シードを増やすか、表現を具体的にする
- 変わったが構図やカップの形まで崩れた、読み方:変更の影響が広すぎる、次の一手:語を弱める、短くする、別の言い方に替える
- 3枚とも変化なし、読み方:指示がモデルに効いていない、次の一手:具体的な語に替える(「柔らかい光」→「曇り空の拡散光」など)
- 基準を再生成しても絵が違う、読み方:プロンプト変更による差と区別できない、次の一手:モデル、サイズ、ステップなどを確認し、差が続くなら判断を保留
APIで試す場合の注意
Stability AIのAPIを使う場合、SD3.5のリファレンスにはprompt、negative_prompt、model、cfg_scale、aspect_ratio、output_format、seedといった項目が載っています。生成に使われたseedはレスポンスのヘッダーに含まれると記載されているので、seedを0(ランダム)にして生成した場合も、返ってきた値を記録シートに残せば、あとから同じ値で試せます。
ローカルのWebUIやComfyUIなど他のツールでは、項目名や乱数の扱いが異なることがあります。この記事ではそれらの公式資料は確認していません。お使いのツールのシード欄と、「ランダムに戻す」ボタンの有無を先に確認してください。
画像を使うときの確認
比較用の画像を公開したり、仕事で使ったりする場合は、使うモデルやサービスの利用規約に商用利用や公開の条件があるかを確認してください。比較用のプロンプトには、社外秘の商品名や人物の情報を入れず、説明用の例に置き換えておくと、記録を共有するときも安全です。

