思った絵にならない時の切り分け表:画像生成AIの失敗を指示・条件・得意不得意に分けて直す
AIを使いこなすClaudeで執筆し、GPTで自動校閲・修正しています。

結論から言うと、ずれた原因は「①指示」「②条件」「③AIの苦手」の順に疑うのが効率的です。①は書き直すだけで試せます。②は比率や参照画像などの設定を見直すだけです。①と②を整えても同じ場所が崩れる時に初めて、③を疑って作り方そのものを変えます。 この順番は編集上の提案で、公式が定めた手順ではありません。ただ、一度に複数の箇所を変えると何が効いたのか分からなくなります。そこで本稿では「1回の再生成で変えるのは1か所だけ」を共通ルールにして、症状から次の一手を引ける診断表と、直す順番のチェックリストを用意しました。
症状から原因を引く診断表
まず出力を見て、いちばん近い症状の行を探してください。「最初に疑う原因」から順に試します。
- 全体の雰囲気や画風が違う、最初に疑う原因:指示:媒体・光・色・雰囲気の指定が足りない、次の一手(1つだけ変える):「写真/水彩/イラスト」などの媒体と、光・色を1語ずつ足す
- 主役が毎回違う、脇役が目立つ、最初に疑う原因:指示:主役が曖昧、要素が多すぎる、次の一手(1つだけ変える):主役を1つに絞り、脇役の記述を削る
- 入れたくない物が出る、最初に疑う原因:指示:否定文で書いている、次の一手(1つだけ変える):否定文をやめて、欲しい状態を肯定形で書く。除外専用の機能があれば使う
- 人数・個数が合わない、最初に疑う原因:指示:数が曖昧(「たくさん」「数人」)、次の一手(1つだけ変える):「3匹の猫」のように数字で書く
- 縦横の比率や切り取りが違う、最初に疑う原因:条件:アスペクト比の設定、次の一手(1つだけ変える):比率を設定または指示してから生成し直す
- 参照画像が効きすぎる/効かない、最初に疑う原因:条件:参照の強さ、参照画像の中身、次の一手(1つだけ変える):強さの設定を1段階だけ動かす
- 構図は合うが細部が違う、最初に疑う原因:条件:参照画像に見えない情報を文章で補っていない、次の一手(1つだけ変える):参照画像で伝わらない特徴を文で足す
- 文字、指、小物の形、左右の位置が崩れる、最初に疑う原因:得意不得意:指示を直しても安定しない領域、次の一手(1つだけ変える):生成後に別の画像編集で直す、文字は後から入れる等、作り方を変える
- 何を直しても毎回同じ崩れ方をする、最初に疑う原因:得意不得意、または指示同士の矛盾、次の一手(1つだけ変える):要素を半分に減らして再生成し、崩れが残るか見る
「文字、指、小物の形、左右の位置」を最後に置いたのは、これらを疑うのは指示と条件を直した後、という編集上の順序によるものです。
優先順位つきチェックリスト
上から順に、1項目ずつ試します。
- ずれの種類を一言で書く:「雰囲気」「主役」「個数」「比率」「細部」のどれかに分類します。分類しないまま全部書き直すのが、いちばん遠回りです。
- 指示を1文に要約できるか確認する:要約できなければ、主役が決まっていません。
- 否定文を見直す:「人がいない」は「無人の」「誰もいない静かな」と肯定形で書き換えます。使うツールに除外専用機能があれば、その指定方法も確認します。Midjourneyでは--noパラメータで除外対象を指定できます。
- 曖昧な量を数字にする:「たくさん」「数人」を「3人」「5本」にします。
- 矛盾を探す:「夜の」と「昼の強い日差し」、「写真風」と「アニメ調」のように相反する語が混ざっていないか見ます。
- 比率と出力設定を確認する:縦長の被写体を横長枠で作っていないか確認します。
- 参照画像を使っているなら、強さを1段階だけ動かす:同時に文章も変えないでください。
- 要素を半分に減らして再生成する:崩れる箇所が残るなら、その箇所が苦手領域の可能性が高まります。
- 作り方を変える:一発で完成させず、背景と主役を別に作る、崩れた部分だけ直す、文字は後で入れる、といった分担にします。
指示の不備を直す:修正依頼文の型
指示の直し方で、MidjourneyのPrompt Basicsは、短く明確なフレーズが良い結果につながるとしています。また、「大きい」より「巨大」のように具体的な語を選ぶこと、「猫たち」より「3匹の猫」のように数字を使うこと、除外したい物に触れるとかえって出やすくなるので肯定的に書くことを勧めています。被写体・媒体・背景・照明・色・雰囲気・構図は、必要に応じて足せる要素として挙げられています。ここは他のツールにも通用しやすい考え方ですが、効き方は製品ごとに違うので、お使いのツールのヘルプで確認してください。
次の例は説明用の例で、実際に生成して確かめた結果ではありません。
直す前「おしゃれなカフェの写真。人はいない。窓際にコーヒーがいくつか置いてあって、いい感じの雰囲気で」
直した後(1回目の修正で変えるのは「否定」と「量」だけ)「無人のカフェの窓際席を写した写真。木のテーブルにコーヒーカップが3つ。朝の自然光。落ち着いた雰囲気。横長の構図」
この例で「いい感じ」と「おしゃれ」を残したのは意図的です。まず否定と量だけを直して結果を見ます。雰囲気がまだ違うと分かったら、次の回で「朝の自然光」を「夕方の暖色の光」に変えるなど、1語ずつ動かします。
AIに診断を手伝わせたい時は、次の依頼文が使えます。画像と指示文を渡して、画像を見て原因候補を挙げてもらう使い方です。
添付の画像は、下の指示文で生成した結果です。
私が意図した絵:〔例:無人のカフェ、コーヒー3つ、朝の光〕
指示文:〔使った文をそのまま貼る〕
使った設定:〔ツール名、比率、参照画像の有無〕
意図とのずれを3つまで挙げ、それぞれについて
(a)指示の曖昧さ・矛盾 (b)設定の問題 (c)この種の画像では安定しにくい要素
のどれが原因として考えられるかを理由付きで示してください。
そのうえで、1回で変える箇所を1つだけ選んで、修正後の指示文を出してください。AIの自己診断は推測です。挙げられた原因が正しいかは、実際に1か所変えて再生成して人が確かめます。
条件を見直す:比率と参照画像
指示を直しても合わない時は、文章以外の条件です。参照画像を使う場合、MidjourneyのImage Promptsでは、画像とテキストを組み合わせる、複数画像をテキストなしで混ぜる、複数画像にテキストを足すという3つの使い方が示されています。参照画像だけでは見えない詳細は、文章で補うという位置づけです。
確認できた注意点は次のとおりです。
- 画像の影響度を決める--iwは、バージョンによって範囲が異なります。同ページはバージョン8.1の場合、既定値1、範囲0〜3と説明しています。お使いのバージョンのページで確認してください。
- 最終的な画像の比率に合わせて参照画像をトリミングすることが勧められています。
- 画像だけでテキストなしのプロンプトは、--stylizeと--weirdに対応しないとされています。
他のツールにも参照の強さを調整する設定はありますが、ここでは公式ページを開いて確認できた範囲しか書いていません。使うツールのヘルプで、参照の強さと比率の設定箇所を確かめてください。
除外の指定にも条件があります。Midjourneyの--noパラメータは、プロンプトの末尾に付け、複数の要素はカンマで区切ります。同ページの例ではstill life gouache painting --no fruit, apple, pearが良い形で、without any fruitのような文中の否定は悪い例とされています。また、--no内の語は個別に解析されるため、modern clothingのような句は別々に読まれます。そのため、否定より、欲しい服装を肯定的に書く方が安全な場合があります。こうした除外の仕組みがあるかどうかはツールごとに異なります。
直らない時:苦手と判断して作り方を変える
チェックリストの8で、要素を減らしても同じ箇所が崩れる場合は、指示で粘るのをやめて作り方を変えます。ここからは公式の仕様ではなく、実務上の組み立て方の提案です。
- 文字が崩れる:画像内の文字は空欄にしておき、完成後に別の編集ソフトで入れます。
- 一部分だけが崩れる:全体を作り直さず、使えそうな1枚を選び、その部分だけ編集機能で直します。部分編集は、直したい範囲を指示に含めるとうまくいきやすいツールもあります。
- 複数の要素が干渉する:背景だけの画像と主役だけの画像に分けて作り、合成します。
- 同じ構図が必要:構図の参照画像を使うか、できあがりに近い画像を選び、その後の変更を小さくします。
ずれの原因を残しておくと、次回の切り分けが早くなります。下の記録欄を使ってください(これも説明用の書式です)。
日付 / ツール / 比率:
意図:
症状(分類):
変えた1か所:
結果(直った・変わらない・悪化):
次に疑う原因:「変わらない」が3回続いたら、苦手領域の可能性を考え、上の作り方の変更に移る目安にします。

