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企画書で「目的・目標・手段」が混ざるのをAIで仕分けして直す

AIを使いこなす

執筆にClaudeを使用しています。

机の上で、企画書の一文ずつ切った紙の短冊を、色分けした3つの列に仕分けている手元。長い短冊を2枚に切り分けている途中で、列のひとつだけが空いている。
記事の内容をもとに制作したAI生成イメージです。実際の製品画面や検証結果の写真ではありません。

企画書の「目的」欄に「システムを導入する」と書いてあり、「目標」欄には「研修を実施する」とある。こうした文書はよくあります。混ざった文は、一文ずつ3区分のどれかにラベルを付け、1文に2区分以上入っていれば分けて書き直すことで直せます。ラベル付けと「怪しい文の指摘」はAIに任せられます。一方、どの区分が正しいかの最終判断と、数字の根拠づけは書き手の仕事です。 この記事では、見分け方、AIへの依頼文、仕分け表、書き直し例を順に示します。例はすべて説明用に作った架空のもので、実際のAIに入力して得た出力ではありません。

この記事の目次
  1. 3区分の見分け方
  2. AIに仕分けを頼む依頼文
  3. 貼る前に:入力データの扱い
  4. 架空例で見る仕分けと書き直し
  5. 人が確認するところ

3区分の見分け方

ここでの定義は、企画書を書くときの実務上の整理です。会社や業界で用語の使い方が違うことがあるので、社内に定義があればそちらを優先してください。

  • 目的:なぜやるのか。最終的に実現したい状態や、解決したい問題。
  • 目標:目的に近づいたかを測る到達点。数値、期限、状態で書ける。
  • 手段:目標を達成するために実行する施策、ツール、体制。

迷ったときは、次の3つの問いを使います。

  • 判定できるか:達成したかを数字や期限で判定できるなら、目標です。
  • 置き換えテスト:別のやり方に替えても残るものが目的、替えられるものが手段です。「システムを導入する」は別のツールや運用変更に替えられるので手段です。「月末の処理が特定の担当者に集中する状況をなくす」は、方法が変わっても残るので目的に近い文です。
  • 行動の形か:「〜を導入する」「〜を実施する」のように行動で終わる文は、手段の可能性が高いです。ただし目的を行動の形で書く人もいるので、目安にとどめます。

AIに仕分けを頼む依頼文

判定だけでなく「根拠」と「混在の指摘」も出させます。出力形式を固定すると、あとで表に貼りやすくなります。次の文をそのまま使えます。

以下は企画書の本文を1文ずつ分けたものです。
各文を「目的/目標/手段/背景・その他」のいずれかに分類してください。

ルール:
- 1文に複数の区分が含まれる場合は「混在」とし、含まれる区分をすべて挙げる。
- 判定の根拠を、原文の語句を引用して一言で書く。
- 原文にない数値、期限、施策を補わない。足りない情報は「不足:○○」と書く。
- 出力は表(番号/原文/区分/根拠/不足している情報)のみ。

【本文】
1. …
2. …

「原文にない数値を補わない」の一行は重要です。指示がないと、それらしい数字で埋めた書き直し案が返ってくることがあります。企画書の数字には根拠が要るので、最初から補わせないでおきます。

貼る前に:入力データの扱い

実際の企画書を貼る前に、社名、取引先名、個人名、未公開の数値は「A社」「約○%」のような仮の表現に置き換えてください。AIサービスの学習設定を切ることと、社内の秘密保持ルールを満たすことは別の話です。

校閲時に公式ヘルプを開いて確認できた範囲は次のとおりです。

  • OpenAIの説明では、個人向けプラン(Free、Plus、Pro)は、ChatGPTの設定(Data controls)で「Improve the model for everyone」をオフにするか、Privacy Portalで「Do not train on my content」を選ぶと、オプトアウト後の新しい会話は学習に使われません。ただしフィードバック(高評価・低評価など)を送ると、その会話全体が学習に使われる場合があります。Business、Enterprise、Edu、APIは、既定では入出力を学習に使わないとされています。(How your data is used to improve model performance)
  • Claudeのシークレットチャット(incognito)は、チャット履歴にもメモリにも保存されず、学習にも使われないと説明されています。ただし既定では30日間保持され、Enterpriseでは組織の保持設定に従う場合があります。Free、Pro、Max、Team、Enterpriseで使えると書かれています。(Use incognito chats)
  • Claudeのヘルプは、財務情報、健康情報、パスワードなどの認証情報、機密の事業文書といった特に機微な情報を入力する際の注意を促しています。(I would like to input sensitive data into my chats with Claude)

これらは確認時点の記述です。プランや会社の契約で扱いは変わるため、業務データを入れる前に社内の利用ルールを確認してください。

架空例で見る仕分けと書き直し

経費精算の見直し企画の一部を例にします。会社も数値も実在しません。

原文(説明用の例)

  1. 本企画の目的は、経費精算システムを導入し、月末の処理負担を30%減らすことです。
  2. 目標は、全社員向けの操作研修を実施することです。
  3. 手段として、承認フローを短縮し、業務効率化を図ります。
  4. 目的は、2027年3月までに申請の差戻し率を5%未満にすることです。
  5. 現在は紙の領収書を添付して提出しており、経理が月末に集中して確認しています。

仕分け表(説明用の例)

依頼文の出力形式から「原文」と「不足」の列を省き、「問題点」の列を加えた簡略版です。

  • 1、区分:混在(目的+手段+目標)、根拠:「導入し」が手段、「30%減らす」が目標、問題点:「なぜ負担を減らすのか」が書かれていない
  • 2、区分:手段、根拠:「研修を実施する」は行動で、達成度を測れない、問題点:目標欄に手段が入っている
  • 3、区分:混在(手段+目的らしき語)、根拠:「短縮し」が手段、「業務効率化」が目的らしき語、問題点:「効率化」が曖昧で測れない
  • 4、区分:目標、根拠:数値と期限で判定できる、問題点:目的欄に目標が入っている
  • 5、区分:背景、根拠:現状の説明、問題点:問題なし

1〜4番は、書かれた欄と中身の区分が食い違っています。この表から、混ざっている箇所に加えて、目的が実質的に書かれていないこともわかります。目的の手がかりは、5番の背景にある「経理が月末に集中している」状況くらいです。

書き直し例1:目的に手段と目標が混ざった文

本企画の目的は、経費精算システムを導入し、月末の処理負担を30%減らすことです。

  • 目的:経理の月末業務が特定の時期と担当者に集中する状況を改善し、確認の質を保てる体制にする。
  • 目標:月末の処理時間を、2027年3月までに現状比で30%減らす。(数値は説明用。実際は現状値の測定が先です)
  • 手段:経費精算システムを導入する。

元の文の情報は使えますが、「導入」が目的のように読めてしまいます。3つに分けると、システム以外の案(申請ルールの変更など)とも比べられます。

書き直し例2:目標欄に手段が入った文

目標は、全社員向けの操作研修を実施することです。

研修は手段です。目標にするなら、効果を測る形にします。

目標:導入後2か月以内に、紙での申請を全体の10%未満にする。(数値は説明用)手段:全社員向けの操作研修を実施する。

書き直し例3:目的欄に目標が入った文

目的は、2027年3月までに申請の差戻し率を5%未満にすることです。

数値と期限があるので目標です。目的は「なぜ差戻し率を下げたいか」で、たとえば「申請者と経理の双方がやり直しに使う時間を減らす」と書けます。

書き直しもAIに頼む場合

仕分け表ができたら、次の依頼文で書き直し案を出させます。

上の仕分け表で「混在」「区分違い」とした文について、
目的/目標/手段に分けた書き直し案を出してください。
- 原文にない数値は「○○(要確認)」と書く。
- 目的は「なぜ」、目標は「測れる到達点」、手段は「行動」で書く。
- 元の文から変えた点を一行で添える。

AIの案はそのまま貼らず、下書きとして扱ってください。

人が確認するところ

AIの仕分けは言い回しを手がかりにしており、会社の事情や数字の出どころは知りません。次の点は人が確認します。

  1. 目的と目標のつながり:目標を達成すれば、本当に目的に近づくか。差戻し率が下がっても、経理の負担が減らない場合があります。
  2. 数値の根拠:現状値と目標値は実績データから出したか。AIが補った数字が混ざっていないか。
  3. 手段の妥当性:その手段で目標に届くか。代替案と比べたか。
  4. 社内用語の定義:「KPI」「ゴール」などを社内でどう使い分けているか。
  5. 欄の対応:書き直した後、テンプレートの「目的」「目標」「手段」の欄に正しい区分が入っているか。

最後に、内容を知らない同僚に直した企画書を読んでもらい、「この企画はなぜやるのか」を一言で言ってもらってください。書き手の意図と合っていれば、目的が伝わっています。

出典・参考資料