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AIで作ったチラシ文章を紙面に流し込む前に整える:行の長さ・改行・段落の指定

AIを使いこなす

Claudeで執筆し、GPTで自動校閲・修正しています。

チラシの試し刷りを前に、行の折り返しを鉛筆で確認する手元
記事の内容をもとに制作したAI生成イメージです。実際の製品画面や検証結果の写真ではありません。

AIが書いた文章をそのままチラシに貼ると読みにくくなるのは、文章の質より先に「紙面の欄幅」を伝えていないことが主な原因です。AIはチャット画面の幅を前提に、長めの段落をひとまとまりで返しがちです。それを幅の狭いテキストボックスに入れると、行が不自然に折れたり、段落が塊になって目が止まったりします。 直し方は、依頼の時点で次の3つを指定することです。 1. 1行あたりの全角文字数の上限(欄幅) 2. 改行の種類の区別(段落の区切りと、見せ場としての改行だけを入れ、行末調整の改行は入れない) 3. 1段落の長さ(1〜3文程度) この記事では、そのまま使える依頼文、説明用の入力例、整える前後の比較表、人が最後に確認する点を順に示します。

この記事の目次
  1. なぜ紙面で読みにくくなるのか
  2. 先に決めておくこと:欄幅を全角何字にするか
  3. そのまま使える依頼文テンプレート
  4. 整える前後の入力例(説明用の例)
  5. 整える前後の比較ポイント
  6. 症状から選ぶ指示の足し方
  7. 流し込み後に人が確認すること
  8. 運用のコツ:定型の依頼を保存しておく

なぜ紙面で読みにくくなるのか

原因は主に3つに分けられます。

  • 一文・一段落が長い:読点でつないだ長文が、狭い欄では6〜7行も続きます。
  • 途中で強制改行が入っている:文章の途中に入った改行は、テキストボックスの幅を変えた途端に「行が短く切れて次の行が続く」状態を生みます。
  • 欄幅に対して行が長すぎる:行が長いと、次の行頭へ視線を戻すときに位置を見失いやすくなります。

行長については、Webの基準ですが参考になる数字があります。W3CのWCAG 2.1は、達成基準1.4.8(レベルAAA)で1行の幅を80文字以内、日本語・中国語・韓国語では40文字以内としています。解説文書では、長い行は読む位置を保ちにくいこと、CJKの文字は英数字の約2倍の幅があるため40という値になることが説明されています(Understanding 1.4.8)。同じ基準は、行間を1.5倍以上、段落間を行間の1.5倍以上、両端揃えにしないことも挙げています。

これはWebコンテンツ向けの基準で、紙のチラシに適用される規則ではありません。ここでは「CJKの行幅は40文字以内」という数値を、紙面設計の参考情報として扱います。実際のチラシでは、欄幅・書体・文字サイズに合わせて行長を決めてください。

先に決めておくこと:欄幅を全角何字にするか

AIに伝える数字は、実際のテキストボックスから測ります。

  1. 使うフォントとサイズで、仮の文字(「あ」など)をテキストボックスに入れる
  2. 1行に入る字数を数える(例:18字)
  3. その数を「上限」として依頼文に書く

ここでは「1行は上限の80〜100%に収まれば十分」と考えると扱いやすいです。たとえば18字の欄なら、14〜18字で行を作ります。字数が欄いっぱいになる行ばかりだと、少しのフォント差で折り返しが変わります。

AIは文字数を数え間違えることがあります。したがって、字数は指定しても、守られているかは人が最後に見て確認します。

そのまま使える依頼文テンプレート

次の依頼文の[ ]を埋めて使います。未実行の雛形なので、出力は毎回、目で確認してください。

次のチラシ文章を、紙面に流し込める形に整えてください。内容(事実)は変えません。

【紙面条件】
- 1行の上限:全角[18]字
- 本文のサイズ・書体:[例:本文10pt、ゴシック]
- 向き:[横書き]

【整え方のルール】
1. 日時・場所・料金・固有名詞・数字は一字も変えない。変えたくなったら、変えずに最後に「確認したい点」として書く。
2. 1文は50字以内を目安に、長い文は意味の切れ目で2文に分ける。
3. 1段落は1〜3文。段落と段落の間は空行1つだけ入れる。
4. 改行は、(a)段落の区切り、(b)キャッチコピーなど見せ場の改行 だけに使う。行の長さを合わせるための改行は入れない。
5. (b)の改行は、意味のまとまりで切る。単語・数字と単位(例:「11月/16日」)の途中では切らない。
6. 各行が上限を超えていないか自分で点検し、超える行があれば一覧にして直す。
7. 出力は「見出し」「本文」「情報(日時・場所・料金・申込)」の3ブロックに分け、情報ブロックは1項目1行にする。

【元の文章】
[ここに貼る]

ルール4が要です。「行末調整の改行は入れない」と明示しないと、AIが見た目を整えようとして途中で改行を入れてしまうことがあります。

機密情報の扱い

開催前の未公開情報や個人の連絡先は、依頼文に貼る前に仮の値に置き換えます。たとえば電話番号は「090-0000-0000」のようにし、紙面に流し込む段階で本物に戻します。

整える前後の入力例(説明用の例)

以下は説明用に私が作った架空のイベントで、実際にAIへ入力して得た結果ではありません。「18字の欄」を想定した、整形の方向性を示す例です。

整える前(1つの段落)

つむぎ市は、地元の作り手が集まる小さな手づくりマーケットで、布小物や焼き菓子、木工品など約30組の出店があり、ワークショップにも参加できるので、ご家族でもお気軽にお越しください。開催は11月○日の10時から15時までです。

1文が約90字あり、18字の欄では5行以上、読点で区切りにくい塊になります。

整えた後(説明用の例)

手づくりの一日を、のんびり。

布小物、焼き菓子、木工品。
約30組の作り手が集まる、
小さな手づくりマーケットです。

ワークショップは当日受付。
親子での参加もできます。

日時:11月○日 10:00〜15:00
場所:○○公園 広場

各行は12〜15字ほどで、18字の欄に余裕をもって収まります。見出しの改行や3行の本文は「意味のまとまり」で切っており、行の長さをそろえるための改行ではありません。「ご家族でもお気軽に」は削られています。こうした省略は意味を変えうるので、後述の確認で人が判断します。

整える前後の比較ポイント

  • 一文の長さ、整える前:約90字を1文で続ける、整えた後:1文を短く切り、1行に1つの情報
  • 段落、整える前:1塊、整えた後:内容別に3ブロック+情報欄
  • 改行、整える前:なし、または途中に強制改行、整えた後:段落・見せ場にだけ入れる
  • 数字と単位、整える前:行をまたぐ恐れ、整えた後:「10:00〜15:00」を1行に収める
  • 情報(日時・場所)、整える前:文中に埋もれる、整えた後:1項目1行
  • 行末の揃い、整える前:折り返し任せで不揃い、整えた後:欄幅の80〜100%に収める

症状から選ぶ指示の足し方

整形後も読みにくいときは、症状に合わせて追加の依頼を送ります。

  • 行末が極端に短く、ガタガタ、考えられる原因:文章中の強制改行、追加で伝える指示:「行末調整の改行を全て削除し、段落区切り以外は改行なしで出力」
  • 1段落が長く見える、考えられる原因:文が長い、段落が分かれていない、追加で伝える指示:「1段落を最大3文、1文を50字以内に」
  • 数字や日付が行をまたぐ、考えられる原因:改行位置が不適切、追加で伝える指示:「日付・時刻・金額は1行に収め、途中で切らない」
  • 見出しが途中で切れて意味が変わる、考えられる原因:キャッチの改行位置、追加で伝える指示:「意味の切れ目(助詞の前など)で2行に分ける案を3つ」
  • 全体が詰まって見える、考えられる原因:行間・段落間の不足、追加で伝える指示:これは文章ではなく組版の設定。次の節で扱う

流し込み後に人が確認すること

文章を貼ったあとの確認は、人の仕事です。

  1. 事実が変わっていないか:元の文章と並べ、日時・場所・料金・申込方法・固有名詞を照合する。
  2. 行頭・行末:句読点や閉じ括弧が行頭に来ていないか、開き括弧が行末に残っていないか。日本語組版の要件をまとめたW3Cの日本語組版処理の要件には、句読点や閉じ括弧などを行頭に置かない行頭禁則、開き括弧を行末に置かない行末禁則が説明されています。使うソフトがこれらの処理を自動で行うかはソフトや設定で異なるため、実際の画面で確認します。
  3. 行間と段落間:行間と段落間は、文章の整形とは別に紙面上で調整します。詰まって見える場合は、行間や段落間の余白を広げ、実寸で読みやすさを確認してください。
  4. 印刷サイズでの読みやすさ:画面で確認したあと、可能なら実寸で出力して手に持って読みます。小さな文字ほど、行が長いと読みにくくなります。

運用のコツ:定型の依頼を保存しておく

毎回の調整を減らすには、上のテンプレートを保存し、[ ]の欄幅と書体だけを差し替えます。チラシのサイズや段組が変わると欄幅も変わるため、そのたびに測り直した字数を入れます。

AIに任せるのは「意味の切れ目で文を分け、段落を作る」ところまでです。字数の最終確認、事実の照合、禁則と余白の調整は人が行います。この分担にしておくと、紙面に貼ってからの手戻りが減ります。

出典・参考資料