バイブコーディングとは?ゲーム制作でできることと確認すべきこと
遊びをつくる執筆にClaudeを使用しています。

「動いているけれど、なぜ動いているのかわからない」——AIにコードを生成させてゲームを作ると、こういう状態になることがあります。バイブコーディングはその感覚を肯定するところから始まった言葉ですが、公開するゲームにそのまま当てはめるには注意が必要です。この記事では、用語の由来を短く確認したうえで、ゲーム制作にどう使えるか、そして使う際に何を確かめなければならないかを説明します。本文はClaudeが執筆し、編集部が内容を確認しています。
この記事の目次
バイブコーディングとは何か
2025年2月2日、AIの研究者であるAndrej KarpathyがXに投稿した一節が起点です。原文は「There's a new kind of coding I call 'vibe coding', where you fully give in to the vibes, embrace exponentials, and forget that the code even exists.(バイブコーディングと呼ぶ新しいコーディングのスタイルがある——雰囲気に完全に身を任せ、指数的な技術を受け入れ、コードの存在すら忘れてしまう)」。具体的には、自然言語でAIに意図を伝え、生成されたコードをそのまま実行し、エラーが出ればそのエラーをAIに返してさらに修正させる、という繰り返しです。
Karpathy自身がこのスタイルを想定していたのは、個人の趣味プロジェクトや週末の試作品です。「コードベースを完全には理解していないが、そのトレードオフを自覚したうえで受け入れている」という文脈であり、本番環境や他者に影響するシステムへの適用は意図されていませんでした。
AIによるコード補完は以前から存在していましたが、バイブコーディングが示した新しさは「コードを書く人」から「コードを誘導する人」への役割の変化です。この変化は、プログラミング未経験のゲーム制作者にとっても、経験あるゲーム開発者にとっても、試す価値のある考え方を含んでいます。
ゲーム制作で使える場面
バイブコーディングは、ゲームのすべての工程を代替するわけではありません。役立つ場面と、そうでない場面を分けて考えると実用的です。
向いている作業
- プロトタイプの立ち上げ:「マウスで石を動かしてマス目に置けるオセロのHTML」のように、完成形を一文で説明できる場合、初期の動作確認コードをすばやく得られます。
- 繰り返しの定型処理:スコアの計算式、ステージのデータ定義、単純なアニメーションのタイマーなど、仕様が固定されている処理の記述。
- エラーメッセージの解読:「このエラーは何を意味するか、どう直すか」をAIに問うことで、原因の特定を短縮できます。
- 構造の相談:「このゲームループをどう組めばいいか」という設計段階の問いへの返答として使う。
注意が必要な作業
- セキュリティに関わる処理(入力値の検証、外部APIの認証など):生成されたコードに脆弱性が含まれていても、実行するだけでは気づけないことがあります。
- 他者のデータを扱う機能(スコアの保存、マルチプレイヤー通信など):誤った実装が他のプレイヤーに影響します。
- 第三者のライブラリやAPIを組み込む箇所:最新の仕様と一致しているか、ライセンスに問題がないかは個別に確認が必要です。
生成されたコードを「読む」責任
バイブコーディングの本来の姿は「コードを読まずに進む」ですが、それは自分だけが使う試作品に限った話です。他者がプレイするゲームを公開する場合、生成されたコードの内容を確認することは制作者の責任になります。
「動いている」と「正しく動いている」は別のことです。
たとえば、AIが生成した当たり判定のコードが「ほとんどのケースで動く」としても、特定の操作順で誤動作する可能性があります。プレイしながら手動で確認できる箇所は限られているため、コードの意図をある程度読み解いておくことが、後からバグを追いかける時間の節約につながります。
コードをすべて理解する必要はありません。「この関数は何をする処理か」「外部に何かを送信していないか」「入力値をそのまま使っていないか」という最低限の読み方でも、公開前の確認として有効です。わからない部分はAIに「この処理を日本語で説明して」と問えば、概要を把握する助けになります。
ゲーム制作での実践手順
以下は、バイブコーディングでブラウザゲームを作り始めるときの一般的な流れです。特定のAIツールに依存せず使える考え方をまとめています。
- 一文でゲームの核を決める:「4×4のグリッドで、プレイヤーが光のビームを鏡で反射させてゴールに届けるパズル」のように、仕様を一文に圧縮します。曖昧なままAIに渡すと、意図と異なる構造で生成されることがあります。
- 最小動作単位から始める:最初から全機能を要求せず、「マス目を表示してクリックで色が変わるだけ」のような最小版から始めます。動く状態を確認してから次の要素を加えると、どこで問題が起きたかを追いやすくなります。
- 生成のたびに動作確認する:コードをまとめて生成して一括で動かすより、一機能ごとに生成・確認・修正を繰り返す方が、問題の発生箇所を絞り込みやすくなります。
- コードに説明コメントを入れさせる:「各関数に何をする処理か日本語コメントを入れて」と指示すると、後から読み返すときの負担が下がります。
- 公開前に外部送信・入力処理を確認する:fetchやXMLHttpRequestが含まれていないか、プレイヤーの入力を予期しない形で処理していないかをコードで確認します。
コード例を示すAIの出力は説明用であり、そのまま動作することを保証するものではありません。実際の動作確認は自分のブラウザ環境で行ってください。
AIへの指示:伝わりやすい書き方の例
AIへの指示(プロンプト)の書き方は、生成されるコードの品質に直接影響します。以下は、ゲーム制作での典型的な指示と、より伝わりやすい書き方の比較です。
曖昧な指示
パズルゲームを作って具体的な指示
HTML・CSS・JavaScriptだけで動くブラウザゲームを作ってください。
仕様:
- 4×4のグリッドを表示する
- 各マスをクリックすると「光あり/光なし」が切り替わる
- 隣接する4マスが同時に反転する(Lightsoutのルール)
- 全マスが「光なし」になったらクリア表示をする
- 外部ライブラリは使わず、単一のHTMLファイルにまとめる
- 各関数に日本語でコメントを入れる「単一HTMLファイル」「外部ライブラリなし」「日本語コメント」という条件を明示することで、確認と修正がしやすい形で出力されやすくなります。これはあくまで指示の例であり、AIが必ずこの通りに出力するとは限りません。
公開前に確認すること
バイブコーディングで作ったゲームを他者に公開する前に、以下の点を確認してください。これはAIが生成したかどうかに関係なく、ブラウザゲームを公開するときの基本的な確認事項でもあります。
- 外部通信:コード内のfetchやXMLHttpRequestの送信先を確認します。意図しないサーバーへの送信が含まれていないかを確かめてください。
- 使用ライブラリのライセンス:AIが外部ライブラリを使ったコードを生成した場合、そのライブラリのライセンスを自分で確認します。ライセンスの内容はAIが正確に伝えるとは限りません。
- 動作環境:スマートフォンのブラウザでも意図した通りに動くかを確認します。PCでのみ動作確認しただけでは、タッチ操作や画面サイズの違いで意図と異なる表示になる場合があります。
- クリア・終了条件:ゲームが終了できない状態(無限ループや到達不能な条件)になっていないかを実際にプレイして確認します。
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バイブコーディングを自分の制作に取り入れるために
バイブコーディングは、コードを書く速度より「ゲームの核を素早く試す」ことを優先するときに力を発揮します。プロトタイプを一日で動かし、ルールを試し、面白さを確かめる——この繰り返しを短縮する手段として使うのが現実的です。
一方で、「コードを理解しなくていい」という解釈は、自分だけが使う試作品にとどめてください。公開するゲームでは、生成されたコードの意図を読み解き、動作を確認し、プレイヤーへの影響を考える責任は制作者にあります。AIはその確認作業の相談相手にもなれます。
最初の一歩は、今作りたいゲームの核心を一文で書いてみることです。その一文がAIへの最初の指示になります。


