学生がゲーム制作でお金を得るときの注意点
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ゲームを作って収入を得たい、という気持ちは自然です。しかし学生の場合、社会人とは異なる制約がいくつかあります。所属する学校の規則、保護者との関係、税金の扱い、そして就職活動への影響——これらは「お金を稼ぐ前に確認しておくべきこと」として一まとめにされがちですが、それぞれ性質が異なります。この記事では、学生がゲーム制作で収入を得るときに直面しやすい問題を順番に整理し、何を確認してどう判断するかを具体的に示します。 「ゲームを作って公開する」こと自体は誰でもできますが、「お金を受け取る」段階で初めて関係してくるルールがあります。無料公開なら気にしなくてよかった事項が、有料販売・広告収益・投げ銭・受託制作のいずれかを選んだ瞬間に動き出します。まずその全体像を把握しておくと、後で慌てずに済みます。
学校の規則を先に確認する
多くの中学・高校・大学・専門学校には、在学生のアルバイトや課外活動に関する内規があります。ゲーム制作で収入を得ることが「アルバイト」や「営利活動」に分類されるかどうかは学校ごとに異なり、一律に判断できません。
確認すべき場所は学生手帳・履修要覧・学生生活のしおりなどの紙媒体と、学校のポータルサイトに掲載された規則文書です。「副業禁止」と書かれている場合でも、それが「雇用契約を伴う労働」のみを指すのか、個人制作物の販売も含むのかは、文面と担当窓口への確認によって異なります。曖昧な場合は、学生課・学生支援室などに「ゲームを販売して収入を得ることは可能ですか」と直接尋ねるのが最も確実です。
奨学金を受給している場合は別途注意が必要です。給付型・貸与型それぞれの要件で収入制限が設けられていることがあります。日本学生支援機構(JASSO)の場合、アルバイト収入も含めた年収が一定基準を超えると、給付の停止・返還を求められる可能性があります。奨学金の種類と契約内容を確認し、不明点は奨学金担当窓口へ問い合わせてください。
未成年の場合に必要な手続き
日本の法律では、未成年者(18歳未満)が契約を結ぶ際には原則として保護者の同意が必要です。ゲーム販売プラットフォームやアプリストアへの出品、広告収益サービスへの登録、フリーランスとしての受託制作契約はいずれも「契約行為」にあたります。
18歳以上でも高校在学中であれば、プラットフォームの利用規約で「18歳未満は不可」と定めているサービスがあります。年齢確認の方法(自己申告のみか、書類提出が必要か)もサービスによって異なります。アカウント開設時点で虚偽の年齢を登録しておくと、後から収益の受け取りや本人確認の段階でトラブルになります。公式サイトで最新の利用条件を確認してから登録してください。
保護者の同意を得るうえで重要なのは、収益の受け取り方法です。銀行口座や決済サービス(PayPalなど)は名義が本人のものでなければならないことが多く、未成年では開設に制約があります。保護者名義の口座を借りる形で運用するケースもありますが、税務上の名義と実際の受取人が食い違うと後で整理が難しくなります。この点は保護者と早めに話し合っておくのが得策です。
収入と税金の基本的な考え方
学生であっても、一定額以上の収入があれば確定申告の対象になります。給与所得(アルバイト)と異なり、ゲーム販売・広告収益・受託制作報酬は「雑所得」または「事業所得」として扱われることが一般的です。
注意すべき金額の目安として、年間の所得(収入から経費を引いた額)が48万円を超えると所得税の課税対象になる可能性があります。また、親の扶養に入っている場合は、収入額によって扶養から外れ、親の税負担が増えることもあります。扶養の判定基準は「給与収入103万円以下」など収入ベースで語られることが多いですが、雑所得・事業所得の場合は計算方法が異なります。国税庁のウェブサイトや税務署の相談窓口で確認してください。
経費として計上できるものには、開発に使ったソフトウェアの購入費・サブスクリプション費用、素材の購入費、通信費の一部などが含まれます。レシートや明細を保存しておくと、後から整理しやすくなります。確定申告が必要になったときに「何を経費にできるか」を改めて調べるより、収入が発生した時点から記録をつける習慣をつけておくと手間が減ります。
制作物の権利と学校・企業との関係
学校の授業や課題として作ったゲームを販売する場合、著作権が誰に帰属するかを確認する必要があります。多くの場合、個人が自費と時間で作ったものは本人に帰属しますが、学校の設備・ライセンスソフトを使った場合や、チーム制作で権利を共有している場合は状況が変わります。
インターンシップや企業との共同研究を通じて得た知識・コードを流用した場合は、企業との契約内容(秘密保持契約・知的財産条項)に抵触する可能性があります。「授業で学んだことを活かす」のと「授業で使ったコードをそのまま使う」のは別です。判断が難しいケースは、学校の知財担当または法律の専門家に相談するのが安全です。
フリー素材・オープンソースライブラリを使っている場合も、ライセンスの商用利用可否を必ず確認してください。「無料で使える」と「商用利用可能」は意味が異なります。MITライセンス・CC0などは商用利用を認めているものが多いですが、CC BY-NC(非商用限定)は有料販売には使えません。素材ごとにライセンスを記録しておくと、販売前の確認作業がスムーズです。
就職活動への影響を考えておく
ゲーム制作で収入を得た経験は、エンジニア・デザイナー・ゲームプランナーを目指す就職活動において強いアピールになります。ただし、伝え方には注意が必要です。
採用面接で「個人でゲームを作って販売した」と話す場合、面接官が気にするのは技術力・企画力・継続性です。「どう作ったか」「何人に遊ばれたか」「改善をどう判断したか」を具体的に説明できれば評価につながります。一方、「学校の規則に反していた」「税務処理をしていなかった」という事実が後から出ると、誠実さへの疑問につながることもあります。在学中に適切な手続きを踏んでおくことは、就職活動の準備としても合理的です。
また、大手ゲーム会社の一部では、内定後に副業・個人活動の届け出を求めるケースがあります。入社後に「過去に販売していたゲームをどうするか」という問題が生じることもあります。入社前に確認できる場合は、採用担当に質問しておくと入社後のトラブルを防げます。
次の行動
まず自分の学校の内規と奨学金の条件を確認し、不明点は担当窓口へ問い合わせてみてください。収入が発生したら金額に関わらず記録をつけ始め、年末に確定申告が必要かどうかを国税庁の公式情報で確認してください。使っている素材のライセンスを一覧にまとめておくと、販売開始前の最終チェックが短時間で終わります。作ったゲームをアソバースに公開することで、実際の反応を見ながら次の一手を判断することもできます。
参考資料
- 国税庁「確定申告が必要な方」(公式情報)
- 日本学生支援機構(JASSO)奨学金制度に関する案内
- 文化庁「著作権テキスト」
- Creative Commons ライセンス一覧(公式)

