光の色はなぜ分かれるのか:プリズムの名前の由来
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白い光がガラスの三角柱を通ると、虹のような色の帯に広がります。ここで引っかかるのは、色はガラスの中で生まれたのか、それとも最初から光の中にあったのか、という点です。この問いの答えは、「プリズム」という言葉の使われ方にもつながっています。 結論を先に言うと、色は最初から光の中にあり、ガラスはそれを仕分けているだけだと考えられています。この記事ではその理由を、屈折と波長の関係から順に説明します。そのうえで、水を入れたコップと色つきの透明フィルムを使い、読者が自分で確かめられる実験の設計を示します。実験の結果は書きません。見え方は光の強さや部屋の条件で変わるので、ご自身の目で見て判断してください。 後半では、アソバースの公式作品「プリズムの道」の確認済みの仕様から、鏡と色ガラスがこのパズルでどんな役割を持つと読めるかを整理します。作品名の由来そのものは確認済み事項にないので、断定しません。現象の側から連想できる範囲に限って書きます。
この記事の目次
白い光は、最初から色の集まりです
「プリズム」はギリシャ語の「prisma」に由来し、「切り出されたもの」という意味合いの言葉だと一般に説明されます。もともとは光ではなく、側面が平らな角柱という形を指す言葉でした。光学の道具としての三角柱ガラスは、その形の名前を受け継いでいます。つまり「プリズム」は、色の現象そのものではなく、色を分ける道具の形の名前です。
17世紀には、ニュートンが太陽光を三角柱のガラスで分ける実験を行ったことが広く知られています。重要なのは、分けた光の一色だけを取り出して別のプリズムに通しても、それ以上は色が増えないという点です。また、分かれた色を再び重ねると白い光に戻ります。ここから、色はガラスが付け足したものではなく、白い光の中に含まれていた成分だという理解が定着しました。
太陽の光や、一般的な白色の照明の光には、さまざまな色の光が混ざっています。目はそれをまとめて「白」と受け取ります。つまり白は一つの色というより、混ざり合った状態です。
色が分かれるのは、色ごとに曲がり方が違うからです
では、混ざっていた色がなぜ仕分けられるのでしょうか。鍵になるのは屈折です。光が空気からガラスや水に斜めに入ると、進む向きが少し曲がります。これを屈折と呼びます。
光の色の違いは、波の長さ(波長)の違いとして整理されます。ガラスや水の中では、波長によって曲がる量がわずかに違います。一般に、青や紫のように波長の短い光は大きく曲がり、赤のように波長の長い光は曲がり方が小さくなります。この差を分散と呼びます。
三角柱のガラスでは、光が入るときと出るときの2回、同じ向きに曲がります。曲がり方の小さな差が2回分重なって、出口では色ごとの進む向きがはっきり開きます。これが色の帯です。
虹も、空気中の水滴の中で屈折と反射が起きるという同じ種類の現象で説明されます。主虹では外側が赤、内側が紫という順番になることも、曲がり方の違いから説明できます。
机の上でできる実験の設計:水のコップで色を探す
ここからは、読者が自分で行う実験の設計です。色の帯が見えるかどうかは条件に左右されるので、結果は書きません。見えなかった場合の読み方も含めて示します。
実験1:コップの水で光を分ける
問い:プリズムの形をしていない身近な透明物でも、光は色に分かれるでしょうか。
準備するもの
- 透明で、できれば側面がなめらかなコップ
- 水
- 白い紙(光を受けるスクリーン用)
- 黒い紙とはさみ(細いすき間を作る用)
- 晴れた日の、日光が差し込む窓辺
手順
- 黒い紙に、幅2〜3mmほどの縦長のすき間を切り抜き、窓に貼るか立てかけて、細い光の筋を作ります。
- コップに水を入れ、光の筋の通り道に置きます。
- コップの向こう側や横の位置に白い紙を動かして、光が当たる場所を探します。
- 部屋の照明を落とし、紙の縁やコップの縁に色の帯が出ないかを見ます。
記録の取り方
- 色の帯が見えた位置(コップから紙までの距離をおおよそ何cmか)をメモします。
- 色の並び順を、色鉛筆で簡単にスケッチします。
- 時間帯や光の強さを変えて、3回は繰り返します。
結果の読み方
- 色の並びが毎回同じ順であれば、色ごとの曲がり方の差が働いていると考えられます。
- 色が見えない場合は、光が強すぎる、すき間が広すぎる、紙の位置が合っていない、のどれかが多い原因です。すき間を細くして、紙を動かして探し直してください。
- コップは円筒形で、三角柱のように2つの平らな面で曲げる形ではありません。帯がぼんやりしても、実験の失敗とは限りません。
起こりやすい誤り
- 窓ガラスの汚れや曇りで、光の筋がにじむことがあります。
- 部屋が明るいままだと、淡い色は背景に負けて見えません。
- 太陽を直接見ないでください。また、水の入ったコップは窓辺で倒れやすいので、受け皿の上に置いてください。
実験2:色つきフィルムを重ねる
問い:色ガラスのような透明な色つきフィルムを通すと、光はどうなるでしょうか。
準備するもの:赤と青の透明な色セロハンや色つきフィルム(文房具店などで手に入るもの)、懐中電灯、白い壁。
手順
- 懐中電灯の前に赤いフィルムを1枚置き、壁に当たる光の色を見ます。
- 青いフィルムを1枚だけにして、同じことをします。
- 赤と青を重ねて、壁の明るさと色を見ます。
記録の取り方:フィルムなし、赤1枚、青1枚、赤と青の重ねの4条件で、壁の色と明るさの印象を一言ずつ書きます。各条件を2回ずつ見て、感じ方が揃うかを確認します。
結果の読み方:色フィルムは、通す色を選び、それ以外の色を吸収するはたらきをすると一般に説明されます。この理屈から考えると、赤と青を重ねたときは、2枚とも通れる色が少なくなり、暗くなると予想できます。予想どおりかどうかは、実際に見て判断してください。違って見えたときは、フィルムの色の濃さや、フィルムが完全な赤・青ではない可能性を疑ってください。
鏡・色ガラス・プリズムは、光への働きかけ方が違います
ここまで出てきた3つの部品は、光に対する働きが異なります。
- プリズム、主な働き:屈折と分散、光の向き:曲げる、光の色:色ごとに分ける
- 鏡、主な働き:反射、光の向き:向きを変える、光の色:基本的に変えない
- 色ガラス(色フィルム)、主な働き:一部の色を吸収、光の向き:ほぼ変えない、光の色:通る色を選ぶ
鏡は、光が当たった角度と同じ角度で跳ね返す反射の法則で説明されます。斜めに置いた鏡は光の進む向きを変えますが、色には手を加えません。色フィルムは向きではなく色を選びます。この3つはそれぞれ、向きを曲げる、向きを変える、色を選ぶという別々の仕事を担っています。
「プリズムの道」の設計から読み取れること
ここからは、公式作品「プリズムの道」の確認済みの仕様をもとにした読み取りです。確認済みなのは、鏡(「/」と「\」を切り替えられる)と色ガラスを使い、灯台へ同じ色の光を届ける8ステージの光学パズルだということです。操作の補助として、戻す、一歩だけのヒント、解放済みステージの選び直し、最少回転の記録があります。
設計から読み取れることを、3点に整理します。
1. 色が「届ける条件」になっている目標が「灯台へ同じ色の光を届ける」と示されているので、光に色があること自体が、勝ち筋を決める条件になっていると読めます。鏡は向きを選ぶ道具で、色ガラスは色に関わる道具という役割分担は、上の表の鏡と色フィルムの対応と重なります。ただし、色ガラスを通った光の色が具体的にどう変わるのか、光が混ざる仕組みがあるのかは確認済み事項にありません。実際のステージで確かめてください。
2. 「/」と「\」の切り替えは、反射の向きを選ぶ操作と読める斜めの鏡の向きを2通りから選ぶ操作は、反射で光の道筋を変えることに対応しています。盤面上で光が直角に曲がるのかどうかなど、細かい挙動は作品を開いて確かめる部分です。
3. 補助が「答えを見せる」より「手がかりを与える」形になっている一歩だけのヒントは、全体の解答ではなく次の手がかりを示す形です。戻す機能と合わせると、鏡の向きを試して、光の道筋を見て、失敗なら戻すという試行錯誤を続けやすい設計だと読めます。実験で「条件を一つずつ変えて比べる」やり方と同じ構造です。最少回転の記録は、同じ盤面をより少ない操作で解く工夫を促す指標と読めます。なお、回転をどう数えるかの細部は作品で確認してください。この記録は、保存のある3作品(余白の庭、WAVE / WAVE、かたちのあいだ)には含まれないので、画面を開いている間だけ残ります。
作品名の由来は、確認済み事項に書かれていません。プリズムという言葉から連想できるのは、光を扱う道具と、色を分ける現象です。作品が実際に三角柱のような部品を使うのか、色を分ける仕掛けがあるのかは、8ステージを順に開いて確かめることになります。
次の行動
まず、窓辺でコップと白い紙を使い、実験1を3回行って色の並びをスケッチしてみてください。そのあと「プリズムの道」を開いて(ログイン不要です)、最初のステージで鏡を切り替えながら、光の道筋と色の変化を観察してみてください。実験で見た向きと色の関係が、パズルの中でどの部品に対応して見えるかを、自分の言葉で書き出すと理解が深まります。
参考資料
- アイザック・ニュートン『光学』(Opticks)
- 中学校理科の教科書(光の反射と屈折の単元)

