RPGツクールMZのゲームをブラウザで公開する方法
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RPGツクールMZで作ったゲームは、追加のプログラミングなしにブラウザ向けのデータを書き出せます。エディタの「デプロイメント」機能を使うと、HTMLとJavaScriptで構成されたフォルダが生成され、そのままWebサーバーにアップロードするだけで誰でもプレイできる状態になります。「どうやってネットに出すのか」「何を準備すれば動くのか」という疑問に、この記事では手順と判断基準を具体的に示します。 ただし「書き出せる」と「公開できる」の間にはいくつかの落とし穴があります。ファイル構成の扱い方、音声ファイルの暗号化設定、外部プラグインの利用条件など、知らずに進むと公開後に動作しなかったり、利用規約上の問題が生じたりするケースがあります。この記事ではそれらを含めて整理します。
デプロイメントで何が出力されるかを把握する
RPGツクールMZのメニューから「ファイル → デプロイメント」を選ぶと、出力形式を選択できます。ブラウザ公開には「ウェブブラウザ」を選びます。出力先フォルダには以下のようなファイルとフォルダが生成されます。
- index.html:ゲームのエントリーポイント
- js/:コアエンジン(rpg_core.jsなど)とプラグインファイル
- img/、audio/、data/:素材と設定データ
- css/:基本スタイル
この構成全体をWebサーバーの公開ディレクトリに置くと、index.htmlにアクセスするだけでゲームが起動します。単一のHTMLファイルではなく、フォルダ全体が必要な点が重要です。手元でindex.htmlをダブルクリックしても動作しないことがほとんどですが、それはfile://プロトコルの制限によるもので、ゲーム自体の問題ではありません。動作確認はローカルサーバー(後述)か、アップロード後に行います。
暗号化オプションについて補足します。デプロイメント画面には「画像を暗号化する」「音声を暗号化する」というチェックボックスがあります。これらを有効にすると素材ファイルが.rpgmvpや.rpgmvoという独自形式に変換され、エンジン側が復号して使います。ブラウザ上でも動作しますが、暗号化したままZIPで固めると、対応していないプラットフォームでは素材が読み込めないことがあります。公開先の環境に合わせて判断してください。
ローカルで動作確認する手順
アップロード前にブラウザで動くかどうかを確認するには、ローカルサーバーを立てる必要があります。Node.jsが入っている場合は次の方法が手軽です。
- ターミナルやコマンドプロンプトを開き、デプロイ出力フォルダに移動する
- npx serve . または npx http-server . を実行する
- 表示されたURL(例:http://localhost:3000)をブラウザで開く
Node.jsを使いたくない場合は、VSCodeの拡張機能「Live Server」を使う方法もあります。出力フォルダをVSCodeで開き、index.htmlを右クリックして「Open with Live Server」を選ぶだけです。
確認すべき主なポイントは以下のとおりです。
- タイトル画面が表示されるか
- BGMとSEが再生されるか(ブラウザによっては自動再生が制限される)
- セーブ・ロードが機能するか
- マップ移動やイベントが正常に動くか
音声の自動再生制限はChromiumベースのブラウザで特に顕著です。RPGツクールMZのコアエンジンはプレイヤーの最初のクリック操作を検知してから音声再生を始める仕組みになっているため、通常は問題なく動きます。ただし、プラグインによっては自動再生を強制しようとして警告が出ることがあるため、コンソールのエラーも目を通しておくと安心です。
公開先の選択と注意点
出力したフォルダをどこに置くかで、手間と制限が変わります。
静的ホスティングサービスを使う場合
GitHub Pages、Netlify、Vercelなどの静的ホスティングサービスは、無料枠でブラウザゲームを公開できる選択肢です。フォルダをドラッグアンドドロップするか、GitリポジトリにプッシュするだけでURLが発行されます。ファイル数とファイルサイズの上限は各サービスの規約で異なるため、出力フォルダのサイズを確認したうえで公式サイトで制限を確認してください。
RPGツクールMZのプロジェクトは素材が多いとフォルダ全体が数十MBから数百MBになることがあります。とくに音声ファイルはサイズが大きくなりやすいため、使用していない素材をプロジェクトから除いてからデプロイすると出力サイズを抑えられます。
ZIPにまとめてプラットフォームに投稿する場合
アソバースのようにZIPファイルのアップロードに対応しているプラットフォームでは、デプロイ出力フォルダをそのままZIPに圧縮して投稿できます。このとき、ZIPのルートにindex.htmlが来るよう圧縮してください。フォルダをまるごと圧縮するとフォルダ名/index.htmlという構造になり、プラットフォーム側がindex.htmlを見つけられないことがあります。Macのデフォルト圧縮(右クリック→「圧縮」)はフォルダごと包む形になるため、フォルダの中身を選択してから圧縮するか、コマンドでzip -r game.zip .のように実行すると確実です。
プラグインと素材の利用条件を確認する
ブラウザ公開特有の注意点として、使用しているプラグインの利用規約があります。RPGツクールMZのデフォルトプラグイン(MZ公式プラグイン)はMITライセンスで提供されているものが多く、商用・非商用を問わず利用できるものが多いですが、サードパーティのプラグインはそれぞれの作者が条件を定めています。
確認すべき主な項目は次のとおりです。
- ブラウザ公開を許可しているか
- 商用利用の可否(公開ゲームに広告収益が発生する場合は特に重要)
- クレジット表記の要否
- 再配布の可否
ゲームエンジン自体(RPGツクールMZ)の利用条件については、株式会社KADOKAWAの公式サイトに利用規約が掲載されています。ブラウザゲームとして公開する行為が「頒布」に該当するかどうかなど、個別の判断は公式情報または専門家に確認してください。
素材についても同様です。RTPと呼ばれる同梱素材はライセンス条件があり、ゲームに組み込んで頒布する場合の条件が規約に記載されています。公式サイトで最新の利用規約を確認してから公開することを強くおすすめします。
公開後に起きやすいトラブルと対処
セーブが消える:ブラウザのセーブデータはlocalStorageに書き込まれます。ブラウザのキャッシュやサイトデータを消去するとセーブが失われます。プレイヤーへの注意書きとして、セーブデータの扱いについてゲーム内やゲームページに明記しておくと親切です。
スマートフォンで操作できない:RPGツクールMZはタッチ操作に一定程度対応していますが、ゲームの内容によっては操作しにくいことがあります。モバイル向けのUI調整が必要か、デプロイ前にスマートフォンでの動作を確認しておくと後から慌てずに済みます。
特定のブラウザで動かない:RPGツクールMZのコアエンジンはモダンブラウザを前提に作られています。Internet Explorerは動作対象外と考えてください。SafariとFirefoxでも主要機能は動きますが、音声形式の対応状況が異なる場合があるため、複数のブラウザで一通り確認しておくと安心です。
ファイルが大きすぎてアップロードできない:前述のとおり、未使用素材の削除が有効です。加えて、音声ファイルをOgg形式とM4A形式の両方を用意している場合(MZはデフォルトで両方出力します)、公開先の環境に応じて不要な方を省くという選択肢もあります。ただし、Safariなどm4aが必要なブラウザのサポートをやめることになるため、対象プレイヤーに合わせて判断してください。
次の行動
デプロイ出力フォルダの内容をローカルサーバーで一通り確認してから、ZIPに圧縮してアソバースに投稿すれば、今日中にブラウザで遊べる状態にできます。使用しているプラグインと素材の利用規約は公開前に必ず確認し、不明な点は各作者や公式情報に当たってください。
参考資料
- RPGツクールMZ 公式ヘルプ(株式会社KADOKAWA)
- RPGツクールMZ 利用規約(株式会社KADOKAWA 公式サイト)
- RPGツクールMZ コアスクリプト リポジトリ(GitHub)

